伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

私は外務省の傭われスパイだった

2008-11-10 22:33:49 | ノンフィクション
 中国生まれで中国「残留」(置き去り)孤児の子として日本国籍を取得して来日し在日中国人相手の新聞を製作していたところ外務省職員から依頼されて中国の秘密文書の入手をしていた筆者が中国政府に逮捕され、日本大使館・外務省からは保護も得られず中国で服役して帰国し、国会でも取りあげてもらったが外務省は謝罪もしないという内容のノンフィクション。
 役人のやり方はさもありなんという感じですが、私としてはむしろ、中国の刑罰事情の方が興味を引かれました。窃盗でも死刑とかの重罰ばかり報道される中国ですが、日本人が中国で犯罪を犯した場合他の外国人より重くなるというけれども、それで日本人留学生がノートパソコンを盗んで懲役4年とか喧嘩で人を殴り殺して懲役8年とか(178頁)、弁護士の感覚からは重いけど、ものすごく重いというほどでもない。で、減刑されるケースが多く、外国人は無条件に1年は減刑され、獄中での態度がいいと2年くらい減刑される(187頁)とか。そうするとへたをすると日本よりも早く出獄できるケースもありそう。
 アメリカ大使館や韓国大使館は自国民の囚人の待遇が悪いとすぐに抗議して囚人の待遇がよくなるが日本大使館は全然動いてくれない(184~191頁)とかいうのもなるほどと思います。


原博文 訳:茅沢勤
小学館 2008年5月19日発行
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