両親と同居し友人と小さな花屋を営む42歳独身の斉藤慈雨が、乗り物酔いのために自転車で行ける範囲を超えて遠出できない42歳バツイチ男北村栄と「運命的な」出会いをしてから恋に落ちいちゃつき続ける恋愛小説。
恋愛小説といえば、普通は美男か美女が登場して恋人になるまでの思いや駆け引きが描かれ、美しい思い出や危機がありかっこよく感動的に展開するものですが、この小説では風采の上がらない中年男女が周りの者の目をまるで気にせず最初から恋に落ちて二人の世界に浸っていちゃつき続けるという点で斬新です。中年でも恋に落ちていい、劇的なことなど起こらなくてもいい、人がどう見てようが関係ないという開き直りが、むしろ快い。中年のおじさんとしては、こういう身構えないゆるい、そしててらいもなくいちゃつける関係っていいなぁと思います。
ただ、アイディアはいいんだけど、後半若干の事件は起こるもののほとんど事件もなく二人がいちゃつき続ける流れが延々と続くのはちょっとだれます。中盤をもう少し省略した方がよかったんじゃないかなと思います。
あと、文体がである調にですます調が混在する上に、会話に文語体が入ったりしてばらばらすぎで読みづらく感じました。
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山田詠美 幻冬舎文庫 2009年8月10日発行(単行本は2007年)
恋愛小説といえば、普通は美男か美女が登場して恋人になるまでの思いや駆け引きが描かれ、美しい思い出や危機がありかっこよく感動的に展開するものですが、この小説では風采の上がらない中年男女が周りの者の目をまるで気にせず最初から恋に落ちて二人の世界に浸っていちゃつき続けるという点で斬新です。中年でも恋に落ちていい、劇的なことなど起こらなくてもいい、人がどう見てようが関係ないという開き直りが、むしろ快い。中年のおじさんとしては、こういう身構えないゆるい、そしててらいもなくいちゃつける関係っていいなぁと思います。
ただ、アイディアはいいんだけど、後半若干の事件は起こるもののほとんど事件もなく二人がいちゃつき続ける流れが延々と続くのはちょっとだれます。中盤をもう少し省略した方がよかったんじゃないかなと思います。
あと、文体がである調にですます調が混在する上に、会話に文語体が入ったりしてばらばらすぎで読みづらく感じました。
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山田詠美 幻冬舎文庫 2009年8月10日発行(単行本は2007年)