伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

大学教授という仕事

2011-10-16 20:04:35 | 実用書・ビジネス書
 大学教授の研究、教育、管理業務、論文執筆、学会運営、出版等の仕事の手順とおもしろさ、悩み等について説明した本。
 給料を保証されつつ一国一城の主としてやりたい仕事を選択できるという大学教授の基本的メリットと、教育の仕方を習ったこともないのにやらねばならない授業や研究のための科研費等の資金獲得・予算折衝、大学の管理業務や学会での運営や論文査読等の大学教授・研究者として年を経るとやらざるを得ない仕事の苦労が語られています。
 管理運営業務は、弁護士でいえば弁護士会の会務(委員会の委員とか委員長とか)みたいな感覚なんでしょうね。年齢が上がるにつれて次々と降り注いできて解放されないから終わる日を指折り数えていたのでは身が持たない、いつも何かやらざるを得ないと割り切らざるを得なくなる、そう割り切るとそれほどいやな仕事ではなくなってくる(84~85ページ)という話、傾聴しておきましょう。私はそういう心境にはなれませんが。
 好きな研究を続けるためにも、資金獲得や成果・キャリアのためや、さらには院生の教育のためにも、本当にやりたい研究テーマの他に短期に確実に論文にできる研究テーマを常に多数(少なくとも担当する院生の数)持っていなければならないというのを聞くと、大学の先生もけっこう悩ましい商売だなと思えます。どんな仕事でもおもしろいばかりの仕事はないでしょうけども。
 「面談の約束をすっぽかす学生の中には、自分のスケジュールを記入して管理する手帳の類を持っていない者が少なからずいる」「手帳を持っていない学生に初めて出会ったときは、とても驚いたが、二人目からは約束をすっぽかされた理由がはっきりして、むしろすっきりした」(51ページ)っていう話はちょっと気になりました。社会人にも何の連絡もなく約束をすっぽかす人が時々いるんですよね。私はそういう人についてはその後相談等には応じないことにしていますが、そういう人も手帳を持たないのでしょうか。


杉原厚吉 水曜社 2010年2月10日発行
コメント
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