「チーム・バチスタの栄光」に始まる田口・白鳥シリーズ第5弾。
第4弾「イノセント・ゲリラの祝祭」に始まった警察の陰謀がさらに進展し、死因判定の独占(第三者により判断ミスを暴かれない既得権の維持)のためにエーアイセンター設立を妨害したい警察が組織的に冤罪をでっち上げるという突き抜けた構成です。一般的に読み物として、あるいはノンフィクションとしてなら、権力組織がそういうことをするというのもありだと思いますが、作者が現実世界で対峙している問題でその敵方をそういうふうに描かれると、ちょっと引いてしまいます。
強力な磁場であるMRIの中での銃による殺害という特殊条件を利用して、どのようにすれば磁場の外からつまり標的から離れて左目を撃ち抜きしかも銃弾を脳中央部で止められるのかという謎を中心にさまざまな謎が設けられています。田口・白鳥シリーズで最もミステリーらしいというか、おそらく唯一ミステリーとして成功している作品というべきでしょう。ただ…ラストに持ってきた田口をセンター長に推薦した人物はという謎は、大方見えていて今ひとつの感じですけど。

海堂尊 宝島社文庫 2012年6月21日発行 (単行本は2010年9月)
《田口・白鳥シリーズ》
1.チーム・バチスタの栄光:2014年1月26日の記事で紹介
2.ナイチンゲールの沈黙:2014年1月28日の記事で紹介
3.ジェネラル・ルージュの凱旋:2014年2月1日の記事で紹介
4.イノセント・ゲリラの祝祭:2014年2月14日の記事で紹介
5.アリアドネの弾丸:2014年2月14日の記事で紹介
6.ケルベロスの肖像:2013年12月9日の記事で紹介
第4弾「イノセント・ゲリラの祝祭」に始まった警察の陰謀がさらに進展し、死因判定の独占(第三者により判断ミスを暴かれない既得権の維持)のためにエーアイセンター設立を妨害したい警察が組織的に冤罪をでっち上げるという突き抜けた構成です。一般的に読み物として、あるいはノンフィクションとしてなら、権力組織がそういうことをするというのもありだと思いますが、作者が現実世界で対峙している問題でその敵方をそういうふうに描かれると、ちょっと引いてしまいます。
強力な磁場であるMRIの中での銃による殺害という特殊条件を利用して、どのようにすれば磁場の外からつまり標的から離れて左目を撃ち抜きしかも銃弾を脳中央部で止められるのかという謎を中心にさまざまな謎が設けられています。田口・白鳥シリーズで最もミステリーらしいというか、おそらく唯一ミステリーとして成功している作品というべきでしょう。ただ…ラストに持ってきた田口をセンター長に推薦した人物はという謎は、大方見えていて今ひとつの感じですけど。

海堂尊 宝島社文庫 2012年6月21日発行 (単行本は2010年9月)
《田口・白鳥シリーズ》
1.チーム・バチスタの栄光:2014年1月26日の記事で紹介
2.ナイチンゲールの沈黙:2014年1月28日の記事で紹介
3.ジェネラル・ルージュの凱旋:2014年2月1日の記事で紹介
4.イノセント・ゲリラの祝祭:2014年2月14日の記事で紹介
5.アリアドネの弾丸:2014年2月14日の記事で紹介
6.ケルベロスの肖像:2013年12月9日の記事で紹介