伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

男は邪魔! 「性差」をめぐる探求

2014-02-05 00:41:56 | エッセイ
 ノンフィクション作家としてインタビューを続けてきた著者が、男に話を聞いても埒が明かない、何が言いたいのかわからない、男は独りよがりだとしみじみ思ったということから始まる「男はダメだ」というテーマで書き綴った連載エッセイ。
 書いてる内容から見てフェミニストとは考えがたい著者が、それほど確信を持っているようにも思えない様子で、しかしこういうテーマを決めたから書いているという感じの、とにかく男はダメと決めつけた自虐的な文章を、漢文・古典を引用して昔からそういう見解があったと権威づけ、自分の妻やご近所の女性との世間話を根拠にしたりそれで字数を稼いでいるように見える文章パターンで、第10章まで読むのは辛いところです。重い文章は読みたくないという人で「女性の意見」を聞いてみましたというポーズを取りたい人向けなのかなと思いますが、私は、もしこういうテーマで書くなら、確信を持っている人にきちんと調査して客観的な根拠付きでしっかり論じて欲しいと思います。
 牛の世界では、ホルスタイン200万頭に対して必要な雄は40頭だけでそれ以外は去勢されて肉牛扱い(雄は乳が出ないし去勢しないと肉が硬くなって食用にできないからとか)という話(221ページ)は身につまされ、このテーマの知識としてなるほどとは思いましたが。


橋秀実 光文社新書 2013年4月20日発行
コメント
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