伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

AV黄金時代 5000人抱いた伝説男優の告白

2014-03-08 21:54:44 | ノンフィクション
 1980年代にアダルトビデオの男優として活躍し、執筆時は2人の娘を育てるシングルファーザーにして結核で入院中という著者が、当時の生活やアダルト女優やビデオ業界の実情を振り返って語るというスタイルの本。
 私生活でもモテまくりのイケメンで、父親はアパレルブランドの創業者という恵まれたボンボンがなぜアダルト男優なのか。一代でブランドを築き上げた父親への反発心・対抗心の強さ、親父を見返してやりたい/親父に認められたいという思いの強さが随所に現れ、驚かされます。
 古い昔の回想なので、エピソードのつながりが悪いところがあり、読んでいてあれはどうなったのか、これはどうなったのかと今ひとつすっきりしないところが残ります。
 アダルトビデオのエピソードでは、代々木忠監督のシリーズで、実生活での恋人とのセックスを、恋人と別の男とのセックスと並行させた作品の回想が読ませます。その2作目、AV女優と素人の恋人に著者と別のAV女優が絡む作品で「美川景子は決してさほど魅力的な女ではない。彼女には悪いがハッキリ言って、初めて抱いた時には『なんて大味な女なんだ』と思ったほどだ。それに、彼氏のことを不甲斐ない、覇気がないと思っているようだが、その責任の半分はやはり彼女にある。」「しかし、そこが女の不思議さ、セックスの持つ謎だ。美川景子は撮影が進むにつれどんどん良い女になった。いや、もっと正直に言えばたまらなくスケベでイヤらしい女になっていった。男が、その貪欲さや身勝手さ、自分本位の根性に呆れ怒り腹を立てながらも、どうしようもなく欲情してしまう、否が応でもチンポがギンギンに勃ってしまう、そんな女だ。それはセックスというものの持つ永遠の謎であり、人間の持つ残酷さだ。」「腹黒い女でもイイ女はいる。心が清らかでもセックスの良くない女もいて、殺してやりたいほど憎くても抱きたくてたまらない女に出会う運命もある。」(387ページ、391ページ)と述べています。う~ん、そこまで言うってどういう女だろう。会ってみたい、いや会わない方がいいか…ちょっと考えさせられる。


太賀麻郎 文庫ぎんが堂 2010年6月11日発行
コメント
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