伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

日本サッカー向上委員会

2014-03-30 19:35:29 | 趣味の本・暇つぶし本
 元Jリーガーとフリーライターの2人が、サッカー日本代表とJリーグの現状、監督・選手・協会、メディア、ファンないし日本のサッカー文化などについて論じた本。
 ワールドカップの遙か前からワールドカップ予選はおろか親善試合でまでレギュラーメンバーを固定し新しい選手を試しも召集もせず、本田なしには考えられないチーム作りをし、交代もワンパターンのザック・ジャパンが、どうやってワールドカップを戦っていくのか、最初からベスト16が目標でいいのか(ベスト8に入るためにはD組の1位か2位つまりイタリアかウルグアイかイングランドに勝たなければならないわけだが)、相手チームが確実に本田をマークして潰すことに集中する中で新たな選手のオプションなしでグループリーグを勝ち抜けるのか、そういう状況にあってもメディアがまったくザッケローニを批判しないのはどういうことかなど、わかりやすい話が展開されます。
 メディアについては、日本では無料の地上波ではサッカー中継はほとんど見られず、アジアの他の国ではヨーロッパチャンピオンズリーグなどヨーロッパのサッカーがごく普通に地上波で見られることとの対比がなされ、日本の観客にサッカー文化が根付かないこと、テレビのスポーツ番組では短い時間に勝った負けたとゴールシーンしか写さないから、いつまでたっても美しいプレイや本当の意味でチームと勝利に貢献するようなプレイが注目・評価されないというような話がわかりやすいところです。
 選手の年俸が野球の方が圧倒的に高い事実を前に、身体能力のある選手が野球に流れるという指摘もあり、Jリーグ発足直後はサッカーに子どもたちが流れたのにいつの間にかまた逆転しているんだと改めて認識しました。合格者を無思慮に増やすとともにそれ以上に過大な定員数のロースクールを乱立されたために業界としての魅力を失い有望な若者がたぶんもうあまり来なくなる弁護士業界にいる者としては、同じ悲哀を感じています (-_-;)


野口幸司、杉山茂樹 洋泉社新書 2014年2月21日発行
コメント
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