伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

僕らのごはんは明日で待ってる

2017-01-15 20:39:22 | 小説
 仲のよかった兄が病死し殻にこもりたそがれている男子高校生葉山亮太が、体育祭で勝手に割り当てられた米袋ジャンプでコンビを組んだことを契機に同級生の体育委員上村小春から告白されて交際を始め、大学進学の意思がなかった葉山は上村が受験する女子大に一番近い大学を受けて入学し、人がすることを気にしない葉山は心が広いと誤解されて学内では「イエス」と呼ばれて人気者になり、上村と癖のある会話を交わしながら順調に交際を続けるが、2年たったところで上村から特に理由もなく別れようと言われ…という青春恋愛小説。
 葉山のいい加減さと上村の気まぐれ/ひねくれぶり、その組み合わせの会話で読ませている感じです。「米袋が明日を開く」「水をためれば何かがわかる」「僕が破れるいくつかのこと」の3話がストーリーとしても連続しているのに、最後の「僕らのごはんは明日で待ってる」が話が飛んで、名前の表記も「上村」から「小春」になっています。執筆の時期がずれているのかと思いましたが、初出は季刊誌「GINGER L.」(ジンジャーエール。だそうだ)の1、2、4、5号で連続しています。飛んだところは気(構想)が変わったのか、書けなかったのか。青春恋愛小説としては、その間を書いてほしいと思うのがふつうの読者じゃないかと思うんですが。
 ジャニーズのアイドルグループ Hey!Say!JUMP のタレント主演で映画化され、それが2017年1月7日封切で、その前日の朝日新聞夕刊の映画欄で主演女優のインタビュー記事があって、それを見てからその原作を図書館でネット予約したら、なんと予約待ちなしですぐ来てしまいました。いや、現在公開中の映画の原作本って予約数十人(数百人のときも)で数か月待ちがふつうでしょ。この映画の主要な観客層の若年層は公立図書館で本なんて借りない?それ以前に本なんて読まない?


瀬尾まいこ 幻冬舎文庫 2016年2月25日発行(単行本は2012年4月)
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