中堅飲料メーカー月夜野ドリンクの知的財産部に所属する藤崎亜季が、法務部出身の熊井部長、弁理士資格を持つ切れる上司北脇雅美の下で、製品開発部から求められた類似商品の排除(販売停止)、新規開発商品が他社の特許権を侵害していることの対策、藤崎自身が考案し特許申請した案件(メロンのワタ案件)の審査対応などに取り組む様子を描いた知財部お仕事小説。
この巻でも、北脇は、月夜野ドリンクの製品には何ら必須ではない技術でも相手の製品に使われるだろうなら特許を取得して妨害することを提案し、かつて法務部で知財を担当していた常務から「そんな技術の囲い込みみたいな真似をしていいのか」と眉をひそめられても、「まったく問題ありませんよ」「飲料業界はわかりませんが、他業界では一般的に行われている戦略です。我々が行っているのはビジネスですから、善悪もありません。もちろん法的にはクリアです」と述べています(34ページ)。これが知財ビジネスに従事する者の多くの感覚なのだと思いますが、それは正当化すべきことなのでしょうか。
ラストは、典型的に、続編書くぞという様子です。第1巻から第2巻まではほぼ3年半かかっていますが、すでに第3巻のネタは思いついたということでしょうか。
奧乃桜子 集英社オレンジ文庫 2023年3月21日発行
この巻でも、北脇は、月夜野ドリンクの製品には何ら必須ではない技術でも相手の製品に使われるだろうなら特許を取得して妨害することを提案し、かつて法務部で知財を担当していた常務から「そんな技術の囲い込みみたいな真似をしていいのか」と眉をひそめられても、「まったく問題ありませんよ」「飲料業界はわかりませんが、他業界では一般的に行われている戦略です。我々が行っているのはビジネスですから、善悪もありません。もちろん法的にはクリアです」と述べています(34ページ)。これが知財ビジネスに従事する者の多くの感覚なのだと思いますが、それは正当化すべきことなのでしょうか。
ラストは、典型的に、続編書くぞという様子です。第1巻から第2巻まではほぼ3年半かかっていますが、すでに第3巻のネタは思いついたということでしょうか。
奧乃桜子 集英社オレンジ文庫 2023年3月21日発行