東京都心まで2時間あまりの千葉県「権田市」にある「たらちね国際大学」に日本文化学科准教授として赴任した桑潟幸一40歳が、降りかかる事件の謎を、研究室を部室化した文芸部員の学生たちに解いてもらうライトミステリーの短編連作。
「化石に眠るDNA」(5月9日の記事)の著者が激賞しているので読んでみたのですが、私には合わない作品でした。冷笑・嘲笑と卑下に満ちた文章は、概ね不愉快で、笑いのツボも私とはズレていて全然笑えませんでした。太字ゴシックを多用する文章の不快感に、そう言えば準備書面でこういうのを書いてくる弁護士が時々いるなと、弁護士会が昔やったアンケートでそれを毛嫌いしている裁判官がけっこういたなというのを久しぶりに思い起こしました。底辺大学の実情、堕落ぶりを茶化すのは、作者自身が大学教授ということもあり、勝手にやってりゃいいと思いますが、千葉県出身でも青森県出身でもない(山形県出身だとか)作者が徹底的に千葉を田舎だと言い募ったり「本来なら青森の横あたりにあるべき千葉」(20ページ)とかいうような、他者をバカにし蔑むことで笑いを取ろうという姿勢には辟易します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_ang3.gif)
奥泉光 文春文庫 2013年11月10日発行(単行本は2011年5月)
「化石に眠るDNA」(5月9日の記事)の著者が激賞しているので読んでみたのですが、私には合わない作品でした。冷笑・嘲笑と卑下に満ちた文章は、概ね不愉快で、笑いのツボも私とはズレていて全然笑えませんでした。太字ゴシックを多用する文章の不快感に、そう言えば準備書面でこういうのを書いてくる弁護士が時々いるなと、弁護士会が昔やったアンケートでそれを毛嫌いしている裁判官がけっこういたなというのを久しぶりに思い起こしました。底辺大学の実情、堕落ぶりを茶化すのは、作者自身が大学教授ということもあり、勝手にやってりゃいいと思いますが、千葉県出身でも青森県出身でもない(山形県出身だとか)作者が徹底的に千葉を田舎だと言い募ったり「本来なら青森の横あたりにあるべき千葉」(20ページ)とかいうような、他者をバカにし蔑むことで笑いを取ろうという姿勢には辟易します。
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奥泉光 文春文庫 2013年11月10日発行(単行本は2011年5月)
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