伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

アキレウスの背中

2024-10-12 20:36:58 | 小説
 日本政府が認可した最初の公営ギャンブル対象のマラソンレース「東京ワールド・チャンピオンズ・クラシック・レース:東京WCCR」に参加する日本のトップランナー嶺川蒼に対し参加取りやめを要求する脅迫メールが届いた件で、警察庁が組織している特殊部隊MIT(ミッション・インテグレイテッド・チーム)に招集された29歳の警部補下水流悠宇が急造混成チームでその捜査と東京WCCRの妨害行為阻止に向けて奮闘する警察小説。
 国際的な陰謀だとか、中国(政府)の関与を示唆しつつ、犯人像や犯行の動機・計画の部分がはっきりしないというか、私には読んで今ひとつ納得感がありません。そこは、わからない方がリアリティがあるということかもしれませんが、中国が絡んでいると言ってそうするのは、ネトウヨ読者の嫌中意識に乗っかって詰めの甘さをごまかしているような気持ち悪さを、私には感じさせます。
 警察小説、サスペンス小説としてよりも、主人公の成長を読む青春小説として読んだ方が読後感がいいかもしれません。 


長浦京 文春文庫 2024年9月10日発行(単行本は2022年2月)
「別冊文藝春秋」連載
コメント
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