伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

これだけは知っておきたい 糖質制限食のエビデンス

2024-10-17 21:29:45 | 実用書・ビジネス書
 糖質制限食のメリットとデメリットを比較的大規模な研究や各種研究のメタ解析の結果に基づいて解説した本。
 糖質制限食(炭水化物摂取量の制限)は体重減少(ダイエット)の点では、3か月とか6か月で相当な(劇的な)効果があるが、その後リバウンドが大きく12か月では効果が失われたり、長期間にわたり継続できる人が少ないこと、糖質制限食で便秘、頭痛、口臭、筋痙攣などが有意に増えること、過度な糖質制限は長期的には癌や心血管疾患のリスクを高め死亡リスクを上昇させることが指摘されています。
 糖質制限で死亡リスクが上昇する原因については、わかっていませんが、著者は、糖質制限食で穀物や果物の摂取を減らすことで食物繊維の摂取量が減ること、肉は好きに食べてよいということで動物性たんぱくや脂質の摂取量が増えてコレステロールや飽和脂肪酸が増加することのリスクを指摘しています(68~69ページ)。
 糖質制限には長期的にはリスクがあることを認識した上で、現状より糖質を控えるという程度の緩やかな対応で、加糖飲料(ソフトドリンク)はやめ食物繊維の多い食事を心がけ、タンパク質・脂質の質の改善(赤身肉から白身肉・魚へ、加工肉も止める、動物性から植物性へ)、野菜を積極的に食べるという生活を著者は推奨しています。う~ん、それくらいならなんとかできるかも…


辻本哲郎 中外医学社 2023年4月25日発行
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