EU司法裁判所の構成、権限、手続、取り扱われる訴訟、各国裁判所との関係などについて解説した本。
EUという国家連合/国際的な組織において各国の裁判所と別に存在するEU司法裁判所がどのような存在でどのように機能するのか、興味深いところで、それがコンパクトな本で解説されており、いくつかはその判断の実例が紹介され、最後には判決文の1つが掲載されていて、勉強になりました。
弁護士の立場からすると、各国での裁判(日本の裁判でいえば、通常の民事・刑事の訴訟)の中でEU法がどのような場面でどのように問題となり、その裁判の過程で裁判所がどのようにEU司法裁判所に判断を付託し、そこに当事者やそれ以外の者がどう関与していくのか、つまり通常の裁判の中でEU司法裁判所がどのように利用され、どのような影響を現実に与えるのか、そしてEUの機関の行為を争う事件(日本の裁判でいえば行政訴訟・取消訴訟)はどのような問題について誰が提訴できて実際にはどんな展開でどういう判決が出るのか、具体的事件の顛末を数件程度詳しく紹介した上で説明してくれれば、グッとわかりやすくなったのではないかと思います。
制度や法的概念、用語が日本のものとは異なるところで、その説明が今ひとつなされていなかったりわからなかったりして、日本の裁判でいえば何に当たるのか、日本にまったくない制度・概念なら日本のものとどこがどう違うのかが、読んでいて理解できないところが多々あります。EU司法裁判所には裁判官の他に法務官がいて、裁判官と同等と説明されるのですが、この法務官が結局どういう役割を果たしているのか(裁判官の判決と別に法務官が「意見」を出すようですが、その意見はどういう位置づけで法的にあるいは政治的にどういう意味があるのか)私には理解できませんでした。たぶんこの言葉はふつうに日本の制度でいえば別の言葉だよな(たとえば90ページの「不作為確認訴訟」って日本の法律概念では「不作為の違法確認訴訟」だろうねとか)と思いつつもどこか違うかもしれないしその違いがわからないのでモヤモヤ感・隔靴掻痒感が残ります。また、通常の日本語以上に主語・目的語が省略されているところが多く、日本語として疑問に思うところ、誤字、変換ミスが目につくのが残念です。
中西優美子 信山社 2022年1月30日発行
EUという国家連合/国際的な組織において各国の裁判所と別に存在するEU司法裁判所がどのような存在でどのように機能するのか、興味深いところで、それがコンパクトな本で解説されており、いくつかはその判断の実例が紹介され、最後には判決文の1つが掲載されていて、勉強になりました。
弁護士の立場からすると、各国での裁判(日本の裁判でいえば、通常の民事・刑事の訴訟)の中でEU法がどのような場面でどのように問題となり、その裁判の過程で裁判所がどのようにEU司法裁判所に判断を付託し、そこに当事者やそれ以外の者がどう関与していくのか、つまり通常の裁判の中でEU司法裁判所がどのように利用され、どのような影響を現実に与えるのか、そしてEUの機関の行為を争う事件(日本の裁判でいえば行政訴訟・取消訴訟)はどのような問題について誰が提訴できて実際にはどんな展開でどういう判決が出るのか、具体的事件の顛末を数件程度詳しく紹介した上で説明してくれれば、グッとわかりやすくなったのではないかと思います。
制度や法的概念、用語が日本のものとは異なるところで、その説明が今ひとつなされていなかったりわからなかったりして、日本の裁判でいえば何に当たるのか、日本にまったくない制度・概念なら日本のものとどこがどう違うのかが、読んでいて理解できないところが多々あります。EU司法裁判所には裁判官の他に法務官がいて、裁判官と同等と説明されるのですが、この法務官が結局どういう役割を果たしているのか(裁判官の判決と別に法務官が「意見」を出すようですが、その意見はどういう位置づけで法的にあるいは政治的にどういう意味があるのか)私には理解できませんでした。たぶんこの言葉はふつうに日本の制度でいえば別の言葉だよな(たとえば90ページの「不作為確認訴訟」って日本の法律概念では「不作為の違法確認訴訟」だろうねとか)と思いつつもどこか違うかもしれないしその違いがわからないのでモヤモヤ感・隔靴掻痒感が残ります。また、通常の日本語以上に主語・目的語が省略されているところが多く、日本語として疑問に思うところ、誤字、変換ミスが目につくのが残念です。
中西優美子 信山社 2022年1月30日発行
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