伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

そういふものにわたしはなりたい

2023-05-30 21:45:32 | 小説
 2年C組の学級委員長の睦月澄香が川で溺れて意識不明となり入院中というシチュエーションで、睦月の強さに憧れる同級生の浅田佳織、浅田にちょっかいかけていじめ続ける学園の人気者の小森真也、派手な化粧をし小森とつるんでかつては睦月と仲が良かったが今では嫌っているB組の安藤知里、安藤と中学からの付き合いで安藤から告白されてお断りし放課後を図書室で過ごし続ける高田純平、そして当の睦月澄香(ただし意識不明になる前)、高田と中学時代からの塾友で睦月と付き合っていた楠山友が過ごす学園生活を、「雨ニモマケズ」のフレーズを冠して綴った短編連作。
 高校2年生の、ありたい自分と自己認識のギャップ、周囲の者への憧憬と反発等が、甘酸っぱいノスタルジーを感じさせます。
 それぞれの人物の章の隙間に「・・・・・・・・・・猫」の段を配して猫から見た説明を入れるのは、「犬がいた季節」(伊吹有喜)にも見られますが、話の展開・つなぎに便利なテクニックに思えます。猫だけじゃ足りなくて「・・・・・・・・・・友」まで使っていますけど。
 奇数ページの左下が黒猫が走るパラパラ漫画になっているのも和みます。


櫻いいよ スターツ出版文庫 2019年10月28日発行

 

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