伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

教科書の文学を読みなおす

2008-10-16 20:53:12 | 人文・社会科学系
 中学高校時代の教科書によく掲載される作品の面白さを紹介するというふれこみで、結局のところ、漱石、鴎外、+若干の古典(方丈記とか伊勢物語)について論じた本。
 漱石と鴎外の主要作品を解説しながら、漱石、鴎外がいかに古典を読みこなしてそれを意識して作品を書いたか、古典、近代、現代を通じて人間がいかに同じテーマの作品を書き同じテーマの悩みを持っているかに言及し、文学作品の普遍性と現代の自分へのつながりを感じさせようとしています。
 これを機に漱石や鴎外に興味を感じられれば、という本ですが、う~ん、ちょっとそこまでは食指が・・・


島内景二 ちくまプリマー新書 2008年9月10日発行
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脳あるヒト心ある人

2008-10-16 20:47:29 | エッセイ
 産経新聞紙上で行われた交換書簡型エッセイ。
 テーマは決まってなくて、前回の相手のエッセイから連想して飛び火していくパターンが多くなっています。
 その中で、昔読んで面白くなかった本を読み返して今は面白いということで自分の変化に気づかされる、それで本はすごいと改めて思う(30~31頁)とか、物を書くなんてある意味で人を騙すことだ、その前に自分を騙さなければならない、本当に自分はそう思っていると思いこまないとまじめなことは書けない(64~65頁)とか、読書好きは間違いなく中毒だ、二宮金次郎なんて農業が大変な時代に農業に励んでいる人から見たら読書なんて間違った行為でそれがやめられないのは中毒と見られたはず(112~113頁)とか、読書がらみの話が面白く読めました。善意でしたことを悪意にとられたら情けない思いをする、では悪意でしたことを善意にとったらどうか、人はいいものだなあと全員が騙し合う、そうするとなぜかいい社会ができる(88~89頁)なんていうのも含蓄があっていいなと思いました。
 全体を通したテーマがないので、読後感は散漫ですが、細切れ時間の時間つぶしにはよさそうです。


養老孟司、角田光代 扶桑社新書 2008年9月1日発行
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