労働者側の弁護士による労働法の解説書。10巻組の1冊。
労働事件の多くを占める解雇事件について、裁判実務に必要な知識がまとめられています。それぞれの項目に関する解説はわりと簡潔ですが、裁判実務に必要なことは、普通の解説書に書いていないことまで、けっこう目配りされています。弁護士には手頃な入門書と言えます。
文章は法律用語や判決について特に説明なく書いていて、弁護士にとっては読みやすい文章ですが、弁護士以外の人が読み通すのはかなり厳しいでしょう。
日本労働弁護団のメンバーによる解説ですから、基本的に労働者側の視点ですが、労働審判では解雇無効の場合に地位確認に代えて金銭支払いを命じる審判が出せるということが何度か強調されている(149頁、152頁、168頁、181頁)のはちょっと違和感を持ちました。この論点は、特に労働者側が金銭解決を拒否していても金銭支払いの審判を出せるかは、労働審判の立法過程で労働者側・使用者側の激しい対立のあったところで、簡単に認める前提で書かれるのは・・・(「労働者側が拒否しても」という言葉はないですが)
君和田伸仁 旬報社 2008年8月5日発行
労働事件の多くを占める解雇事件について、裁判実務に必要な知識がまとめられています。それぞれの項目に関する解説はわりと簡潔ですが、裁判実務に必要なことは、普通の解説書に書いていないことまで、けっこう目配りされています。弁護士には手頃な入門書と言えます。
文章は法律用語や判決について特に説明なく書いていて、弁護士にとっては読みやすい文章ですが、弁護士以外の人が読み通すのはかなり厳しいでしょう。
日本労働弁護団のメンバーによる解説ですから、基本的に労働者側の視点ですが、労働審判では解雇無効の場合に地位確認に代えて金銭支払いを命じる審判が出せるということが何度か強調されている(149頁、152頁、168頁、181頁)のはちょっと違和感を持ちました。この論点は、特に労働者側が金銭解決を拒否していても金銭支払いの審判を出せるかは、労働審判の立法過程で労働者側・使用者側の激しい対立のあったところで、簡単に認める前提で書かれるのは・・・(「労働者側が拒否しても」という言葉はないですが)
君和田伸仁 旬報社 2008年8月5日発行