なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ309 半開微酔

2021年04月11日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
三ちゃんのサンデーサンサンラジオ。第309回。4月11日、日曜日。

全国的に桜の開花が早いようですね。
山形県内でも開花したところが出てきましたが、最上はまだです。
桜の開花ですから、華やかで希望を感じたりしますが、それが例年に比べて異常に早いということであれば、それはやはり異常気象なのでしょうから、喜んでばかりはいられません。
この異常が今後どんな形で牙をむいてくるのか。身構えておかなければならないと思います。
木曜から金曜にかけては雪が降りました。でもこれはよくあることで、入学式に雪が降るのは珍しいことではありません。
近年の異常気象、あるいは大震災、疫病の蔓延などを見るにつけ、思うことがあります。
地球を一つの生命体と考えれば、地表でうごめいている異端分子を、犬が水を払うように身震いして振り落とそうとしているのだろうかと。
人類は地球にとってのがん細胞だという話を以前もしましたが、もし地球に意思があればですが、人類は何をしでかすかわからない危険分子に違いありません。

地球が生まれて約45億年。原子生命体が誕生して40億年。
それ以降、極寒期と極暑期が繰り返して生命体絶滅の危機が何度もあり、その度ごとに生き残った生命体が新たな生命体へと進化を遂げてきました。
恐竜の全盛期もありましたが絶滅していきました。
そして人類の祖先が生まれたのが160万年前。
以来、人類はその数を増加させ続け、現在80億人。2050年には100億人に達すると予測されています。
しかし、増加はそこまでで、それ以降は減少に転じます。全世界の食糧とのバランスが崩れるのです。
多くの難民が発生し、各地で紛争が起こり餓死者があふれるでしょう。
しかし、人口減少は一時的な出来事ではとどまりません。全世界で出生率が低下していきます。
子どもを産まない傾向が強くなっていくというのです。
2100年には全人口が50億人までになるという予測があります。
21世紀の人口は、2000年の60億、2050年が100億、そして2100年が50億へと乱高下する世紀なのです。
つまり、今日本の田舎で起こっている人口減少が30年後に全世界で起こるということです。
人口が減るのに消費拡大などできるはずがありません。
これまでの成長戦略の終わりが始まっているのです。
それまでに30年間、儲けるだけ儲けると考えますか。
儲けて何を残すのですか。30年後の子孫は何を頼りに生きていくのですか。
子孫のことなど知らん、その時に勝手に生きればいいと言いますか。
そうではないでしょう。
子々孫々に伝える、使っても使っても使い切れない宝を残すべきです。
それは何か。
「物は一有りて二無き者を至宝となす」(『言志四録』)という言葉があります。
「二つとないものを宝の中の宝という」という意味で、人に向けた言葉です。
唯一無二の存在としての自己を見つめ有効に生かすこと、自己こそが至宝であると気づかなければなりません。
それこそが子々孫々伝えていかなければならない宝のありかです。
宝を他に求め、他人の宝を数えても詮無きことです。

4月8日はお釈迦様の誕生日でした。
お釈迦様は、誕生とともに「天上天下唯我独尊」と宣言されたとされます。
それが仏教思想の誕生だと言ってもいいでしょう。
40億年の昔から絶滅する未来まで、自分と同じ生命体は存在しなかったしこれからも生まれてきません。
「唯我独」だからこそ尊いのです。
使っても使っても使い切れない宝は自己そのものである。
自己の存在のありように目覚め、自己の行為によって、湧き上がる喜びを享受することができます。
一期一会の桜に歓喜することもできるのです。

『菜根譚』に「花は半開を看、酒は微酔に飲む」というのがあります。
最上の桜も間もなく咲き始めるでしょう。
華やかな気分も微酔にとどめておきたいと思います。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

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