昨日の読了
「図書1月号」(岩波書店)
気になったもの、惹かれた箇所は、①「プラトンの優れた子孫 加藤周一」(ロナルド・ドーア)、②「寺田寅彦の耳」(高橋世織)、③「文章との出会い」(山田太一)、④「不思議な少年」(大江健三郎)、⑤「年取りの柿」(坪内稔典)、⑥「風のアリア」(今福龍太)、⑦「アンソロジスト家持」(高橋睦郎)
①:「(加藤周一は)他人の主観的動機を推定する手がかりとして、自分自身の過去の主観的経験のさめた客観的分析を利用してあたるという接近方法がその特徴だった。そして「似たような心理」という概念を利用」「似たような心理、似たようなメカニズム、似たような形容を認識することは、結局「比喩」を駆使する文学的能力につながる」。
これは私自身が手放してはいけない方法論としていつも考えていることを、ロナルド・ドーア氏が語ってくれたものと理解した。加藤周一の方法論についての判断を、私はするほどの読書はしていないが、そういう信頼はしてもよい方ではあると思っている。
②:「『人間のいろいろの経験や、また考えたことなどが、ある時間を隔てて再び意識の中に顕れるものだとすると、今の瞬間の自分の意識の中に含まれるものは、過ぎ去った歴史の後響(あとひびき)の複雑な集まり』(寺田寅彦)のようなものであって、本誌の少し前の過去の音を集めた雨音経験と酷似していよう、との指摘にいたる箇所など、響の思索家の面目躍如である。後響とは、言い得て妙な、寅彦用語である」
寺田寅彦の随筆は中学校の教科書でしか読んではいないが、雨の音の分析から始まる寺田寅彦の世界とやら、もう一度体験したくなった。
③:魯迅の「父の病気」の引用から始まる。魯迅を久しぶりに思い出させてくれた。
④:大江健三郎の連載開始に期待。
⑤:やはり俳句の論考は気になる。
「菅浦は琵琶湖の奥の秋の村」「菅浦に知人はないが柿たわわ」こんな立派な俳人でも、この程度の句を著作に掲載されるのだから、私も俳句に携わってみたくなる。
⑥:家持と万葉集についてはただいま勉強中なのでうれしい。
一昨日の購入本
「天孫降臨の夢」(大山誠一、NHKブックス) 、
「写真的思考」(飯沢耕太郎、NHKブックス)、
「信長の天下所司代」(谷口克広、中公新書)
「図書1月号」(岩波書店)
気になったもの、惹かれた箇所は、①「プラトンの優れた子孫 加藤周一」(ロナルド・ドーア)、②「寺田寅彦の耳」(高橋世織)、③「文章との出会い」(山田太一)、④「不思議な少年」(大江健三郎)、⑤「年取りの柿」(坪内稔典)、⑥「風のアリア」(今福龍太)、⑦「アンソロジスト家持」(高橋睦郎)
①:「(加藤周一は)他人の主観的動機を推定する手がかりとして、自分自身の過去の主観的経験のさめた客観的分析を利用してあたるという接近方法がその特徴だった。そして「似たような心理」という概念を利用」「似たような心理、似たようなメカニズム、似たような形容を認識することは、結局「比喩」を駆使する文学的能力につながる」。
これは私自身が手放してはいけない方法論としていつも考えていることを、ロナルド・ドーア氏が語ってくれたものと理解した。加藤周一の方法論についての判断を、私はするほどの読書はしていないが、そういう信頼はしてもよい方ではあると思っている。
②:「『人間のいろいろの経験や、また考えたことなどが、ある時間を隔てて再び意識の中に顕れるものだとすると、今の瞬間の自分の意識の中に含まれるものは、過ぎ去った歴史の後響(あとひびき)の複雑な集まり』(寺田寅彦)のようなものであって、本誌の少し前の過去の音を集めた雨音経験と酷似していよう、との指摘にいたる箇所など、響の思索家の面目躍如である。後響とは、言い得て妙な、寅彦用語である」
寺田寅彦の随筆は中学校の教科書でしか読んではいないが、雨の音の分析から始まる寺田寅彦の世界とやら、もう一度体験したくなった。
③:魯迅の「父の病気」の引用から始まる。魯迅を久しぶりに思い出させてくれた。
④:大江健三郎の連載開始に期待。
⑤:やはり俳句の論考は気になる。
「菅浦は琵琶湖の奥の秋の村」「菅浦に知人はないが柿たわわ」こんな立派な俳人でも、この程度の句を著作に掲載されるのだから、私も俳句に携わってみたくなる。
⑥:家持と万葉集についてはただいま勉強中なのでうれしい。
一昨日の購入本
「天孫降臨の夢」(大山誠一、NHKブックス) 、
「写真的思考」(飯沢耕太郎、NHKブックス)、
「信長の天下所司代」(谷口克広、中公新書)