Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

春寒(はるさむ)・余寒‥

2010年04月08日 00時40分59秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 例年のごとく、極めて業務繁多、どうしようもなくあわただしい中で、更新ができずにいる。楽しみにしているとの読者からの要望もないし、ちょぼちょぼと続けていく予定。4月末以降はこれまでの更新スピードに戻したい。
 さて「時には本の話でも…」(ブックマーク参照)にて「春寒」も「花冷え」も今の寒さにしっくりこないのではないか、との感想が掲載されました。
 まず①「春寒(はるさむ・しゅんかん)」「春寒し」「料峭(りょうしょう)」と②「余寒」「残る寒さ」、③「冴返(さえかえ)る」「凍返(いてかえ)る」「寒戻る」、そして④「花冷え」
 ①は立春後の寒さ。すでに春としての陽気が続いた後に、時として寒さが戻る時をいうようだ。短期間の寒さ。料峭はどうも肌寒いというような肌感覚的な言葉らしい。句も「料峭や家焼けて門のこりたる」(宮下翠舟)のような句が掲載されている。
 ②は寒明け後のまだ残る寒さを示し、大寒・小寒の約30日があけてもまだ寒さが残っているという気分。寒さの継続、断続的な継続をいうようだ。
 ③暖かくなりかけたころに、ふと寒さが戻ること。①に似ているようだが、心身が澄む間隔、気持ちが引き締まるような間隔があるようだ。「翻然と又敢然と冴返る」(相生垣瓜人)
否定的な使い方ではない。
 ④桜の花時に急に冷え込むこと。言葉の持つ美しい響きが愛好されている季語。
 否定的な意味での「寒」「寒さ」と言うときは①が適しているようだ。ただし、「春寒(はるさむ)」と「春寒し」ではまた違いがあるように思う。「春寒し」の方が文法的にも強い調子。
 さて今年のこの続く寒さにふさわしい言葉、というとなかなかうまく当てはまらない。あえて言えば「春寒し」が近いようだが、異常気象とは遠い。季語は標準的な季節の移ろいを前提としている。
 こんな程度で疑問に答えられることになっているだろうか。