この弦楽四重奏曲第13番は1825年に完成、異例ともいえる6つの楽章からなっている。前年に交響曲第9番「合唱付き」が完成している。ベートーベン最晩年の作品で、2年後にベートーベンは亡くなる。
オーストリアではメテルニッヒの強権政治が続いていた。1825年はスペインのゴヤが78歳で自由主義信奉者のレオカディアとフランスへ亡命し、1828年に亡くなる。ロシアではデカブリストの乱が起きている。なお、日本では外国船打ち払い令が出た年。
ベートーベンの弦楽四重奏曲の中では当初は最も演奏時間が長く50分もかかったという。終楽章は当初いわゆる「大フーガ」となっていたが、当時は不評で、今の形に差し替えられた。しかし現在では「大フーガ」も連続して演奏されることも多い。いつも感じることであるが、「大フーガ」は明るさや伸びやかさはない作品で、最後まで聴くのは緊張感の持続が必要である。
改作後の構成は、開始楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、舞踊楽章、緩徐楽章、終楽章となっている。第5楽章の「カヴァティーナ」は美しい楽章として有名。
本日はコダーイ弦楽四重奏団の演奏で、最後に大フーガも聴いた。