★明星の銀ひとつぶや寒夕焼 相馬遷子
★手元まで闇の来ている冬茜 廣瀬町子
喫茶店を出て、バスに乗って帰宅した。団地の入り口についたときはほとんど日が落ちており、ほんのかすかに西の空が色づいていた。明星ではなかったが、木星が夏よりも土星に近づき明るく輝いていた。木星の輝きに土星も暗く見える。この時期、昼間に比べて日がかげると気温がぐんと低くなる。星を眺めるゆとりがなくなり、宵の明星や木星や火星などの明るい星ばかりが目につく。現在一番明るいはずの火星はまだ見えなかった。
夕日が沈みかけると一気に暗くなる。世相が暗いと、そして社会が暗い影に覆われていると、その闇がいっそう駆け足で自分に迫ってくるようにも思う。そのようなときは家路まで足も早くなる。
写真は先日の夕焼け。本日よりもまだ日は高かった。しかし沈むまでの時間は早い。