年が開けて早や、二日の夕刻。現役の時は正月の休みの過ぎていくのが早すぎて、体が休まったという記憶がなかった。かといって退職して早や10年も立つのだが、のんびりとした正月を過ごした記憶もない。いつの間にか、三が日が終わってしまう。正月とはのんびり過ごしたくとものんびりとは過ごせないようになっているらしい。
★髪に浮く二日のうすき埃かな 鈴木真砂女
★鉄棒に少年二人二日の朝 佐藤鬼房
★ゆるやかにとぶ鳥見えて二日かな 永田耕一郎
第一句、大みそかに大掃除が無事終了しても、元旦の日の掃除の手を抜くと、二日目にはもう埃が目についてしまう。そんな状況か。うすき埃を見つけ、それを句に捉える目に脱帽。
第二句、子どもは元旦のお年玉を貰えるともう落ち着かなくなる。じっとしていろというほうが無理。正月らしい遊びもすぐに飽きる。子供にとってはいつもの遊びが大切である。子どもの歓声が戻って、日常がもう始まる。
第三句、このようなのびやかで緩やかな正月を迎えたいものである。