夕食後に本棚の整理をしようかとも考えたが、その気力が湧かず、ボーッと過ごしてしまった。明日以降、退職者会ニュースの編集作業と、部屋の整理を交互にこなすのが良いようだ。
今年初めて大きなゴキブリが我が家の中にいた。まだ未完成の便所に入ったところ、クロスを貼っていない壁に貼りついていた。あまりの大きさにびっくり。慌ててゴキブリ用に殺虫剤を探したが、リフォームの関係で仮置き場に置いたものの、すぐに見つからなかった。ようやくベランダに出ていた殺虫剤の缶を見つけた。その間3分ほど。便所にもどり、二吹きほどでひっくり返ってくれた。排水管と給水管と壁の間にもぐりこんでしまい、始末するのに困った。
私は膝が痛くてしゃがめないことを理由に、妻に交代してもらいようやく御用。封筒に入れセロテープで封をしてゴミ箱に廃棄。ゴキブリはすでに弱っていたようで、封筒の中では暴れていない。
便所の床が未施工で少し隙間があり、そこから侵入したらしい。去年・一昨年と本日のような大きなゴキブリを見ていないので、とても驚いた。
いよいよゴキブリの徘徊する季節である。
★老いの身となめてゴキブリたじろかず 植村蘇星
★ごきぶりと仲良く暮せといわれても 角田信子
★ごきぶりを打ちし靴拭き男秘書 守屋明俊
第1句、老いてゴキブリと対峙している。ゴキブリの死んだふり、とよくいわれるが、ゴキブリもこちらの動静をじっと観察している。ついでにこちらの動作が俊敏かどうかも見極めている。老いを見透かされている。
第2句、この句のゴキブリ、本当のゴキブリなのだろうか。世に「ゴキブリ亭主」もいる悲哀。
第3句、しかめっ面した秘書室の秘書が、ゴキブリの退治を命じられたと解釈してみると、いくら仕事とはいえ、秘書とはいえ、なんでこれが俺の仕事か、という愚痴が聞こえてこないだろうか。ゴキブリを潰した靴をきれいにして、またしかめっ面して上司の威厳を保ちつつ随行する姿におかしみを感じてしまった。
ゴキブリの俳句は、悲哀がかならずついてくるのではないか。