本日は「方丈記私記」(堀田善衛)の第7章「世にしたがへば、身くるし」を読み終えた。
「私は大空襲の期間中に、とくに1945年3月10日の東京大空襲のあとに、ああいう大災殃についての自分の考え、うけとり方のようなものが、感性の上のこととしてはついに長明流れのそれを出ないことを口惜しく思ったものであったが、そのことと、そういう人災、大災殃を招いた責任者を人民が処刑をする、あるいはリコールをする政治的自由、思想的自由のない長い長い歴史とは並び立つものであろうと思う。私は長明氏の心事を理解し、彼の身のそばに添ってみようととしてこれを書いているのだが、同時に私は長明の否定者でもありたいと思っているのである。」
何もそんなに口ごもらずにストレートに表現した方がいいと私は思うと同時に、現代の重苦しい社会状況を考えると頷けなくはないような気もするのが悲しい。
本日はさらに昨日打ち出した「江戸時代Ⅲ 錦絵の誕生から浮世絵版画の発展を中心に」( 28ページ)を読んで土曜日のオンライン講座の予習終了。