午後になってからすぐに雨があがり、陽が射してきた。風も強くは吹かなかった。
すぐに出ようと思ったが、退職者会の若干の「仕事」をこなし、昼食を取ってから出ようとしたらすでに13時半近くになってしまった。
はじめに上野の国立西洋美術館で「坂田一男-捲土重来」、次に東京駅に戻って「ハプスブルク家展」を訪れた。
坂田一男展を見終わったのは17時半過ぎ。当初予定の世田谷美術館(奈良原一高展)まではとても無理なので断念した。
やはり3つの美術館をまわるには午前中から出かけて、昼食などの十分な休憩を取らないと、体力はついていっても頭の中がくたびれてしまう。
西洋美術館のハプスブルク展は、マクシミリアン1世(1459-1595)からフランツ・ヨーゼフ1世(1769-1821)までの収集作品の一部を展示。クラーナハ(父)、ジョルジョーネ、デューラー、ホルツィウス、ベラスケス、ヤン・ブリューゲル(父)、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ロイスダールなどの作品も並んでいた。
特にアルブレヒト・デューラーとホルツィウスの版画の連作(各4点ずつ)に惹かれた。図録は購入しなかった。
東京ステーションギャラリーの坂田一男(1889-1956)ははじめて見たと思う。落ちついた作風でとても好感が持てた。
特に「コンポジション」(1936)、「コンパス」(1949)、「コンポジション」(1949)、「力学的構成」(1956)が気に入った。初期の兵士が浮き出る連作、手榴弾のモチーフの連作もいろいろと考えさせられる。
また影響を受けたという、モランディ、坂本繁二郎、ジャスパー・ジョーンズ、フェルナン・レジェの作品がいくつか坂本の作品にまじって展示されていた。特に坂本繁二郎の作品の影響について探ってみたくなった。
不思議な印象を持ったのは、このステーションギャラリーの特徴であるむき出しの赤レンガと、ところどころの黒く変色した材木の跡が規則的に並ぶ表面の粗い壁に作品がとてもよくマッチしていること。とても心地よかった。展示スペースがこの作品になじんでいたと思う。
これらの作品、解説に頼ることなく十分に楽しめたが、どのような批評があるのか、或いは作者の意図も知りたくて、図録を購入してみた。
詳しくはそれぞれ別途記載していきたい。