同じく「開港資料館館報148号」に「横浜市庁舎の震災復興」という論考(吉田律人氏)が掲載されていた。
災害時の市の行政の在り方など行政に携わったものにとっては興味ある内容。同時に居間一つわかりにくかった先月までの市庁舎にあった場所に四代目市庁舎が震災後に建てられた経緯がすこしだけわかった。
この四代目新庁舎は、震災で焼けたレンガ造りの二代目が陸軍により爆破解体された後に、当初から仮庁舎として建てられた木造二階建てでり、横浜公園内には最初から分庁舎が建てられている。桜木町駅傍の中央職業紹介所に移転していたのはわずか2年間。引っ越しは天候も悪く、大変な作業であったらしい。
この四代目庁舎は手直しもされたであろうが、1944年に空襲に備えて現在の老松中学校(鉄筋根クリード3階建て)に疎開するまでの19年間も使用している。
震災直後急遽移転した三代目の中央職業紹介所と新築なったとはいえ木造の仮庁舎として出発した四代目の建物が震災復興の拠点となっている。
災害時にこそその力を発揮しなければならない職員や姿勢を支えるさまざまな人々と、彼らや貴重な資料を収容する建物‥。災害対策に携わってきたものとしては感慨深い記事であった。
出来れば、当時の新庁舎内の配置図なども見てみたいと思った。今の新市庁舎のようにセキュリティ確保ばかりが先行して、市長室がどこにあるのかも明らかにしていない庁舎の在り方を見ると、時代に逆行しているように思える。
最新の画像[もっと見る]
- 新年を迎えて 12ヶ月前
- 謹賀新年 2年前
- 「渡辺崋山」(日曜美術館) 5年前
- 謹賀新年 5年前
- 謹賀新年 6年前
- 「ものの本質をとらえる」ということ 7年前
- 台風18号の進路が気になる 7年前
- 紅の花 8年前
- 「ゲルニカ」(宮下誠)読了 8年前
- 国立近代美術館「コレクション展」 8年前