退職者会ニュースの原稿は面積で言えば4頁の内92%は出来上がった。1面トップの記事を仕上げれば出来上がる。ちょうと2段分であるが、そのうち写真が1/4はある。文章に合わせて写真の大きさを調節すればなんとかなりそう。
この記事を仕上げれば、あとは割付を見直し、文章の細かい言い回しの点検をすれば日曜日には他の役員に送信できるはずである。
なんとか火曜日の入稿に間に合う。他の仕事でも同じことが言えるけれども、終点に近づいて全体の形が見えてくるとホッとするものである。気持ちも明るくなる。
不思議なもので、終点に近づかないと全体を見渡せない、というのも共通するものである。
さて本日の首相会見、私はとても不思議に思った。
私の妻も、友人たちも含めて65歳以上の多くが、未だにワクチンの予約すらできていない。予約ができても7月どころか8月にずれ込んでやっと予約が取れた友人もいる。
そんな中で、6月中旬までには一日100万人の接種が可能となり、若年層も予約・接種を開始する、という説明に誰しもが疑問に思ったはずだ。
その発言が具体的で正しいのであるならば、まだ予約が取れずに泣いている高齢者、予約が8月にずれ込んでいる人は、前倒しで予約・接種できるのであろうか。それが解決しなければ、若年層に接種が可能となる、ということは言えないはずである。
ワクチンは足りているのか、入荷は滞っていないか、従事者は確保できているのか、さらにそれ以前に予約システムはまっとうに動いているのか、電話もネットもそれを支える態勢が整っているのか、ここの入口のところが詰まっているのである。
予約がまだできない高齢者にとって、さらに若年層との熾烈な予約合戦に勝てというのであろうか。とんでもない話である。
若年層の予約や接種を遅らせろ、といっているのではない。今、満足に予約が取れない状況、接種体制が整っていない状況が解消されない限り、先に進めることは混乱をさらに増すことにつながるという警告を発しているつもりである。
何が何ではもオリンピック・パラリンピックの日程に合わせようとするから、無理と矛盾が生じて、高齢者が右往左往しているのである。
首相の会見は頓珍漢である。そしてその矛盾を指摘できない記者というものも、現実感が希薄である。現実を踏まえない者同士がいくら会見の場を設けても、それは国民には通じない。
ワクチンもオリンピック・パラリンピックも、今必要なものは決意でも願望でもない。具体的な対応・現実的な処置である。政治は高邁な理想なくしてできないが、具体性も併せ持たない人は携わってはいけないのだ。人の制裁与奪を握っていることに無自覚であるのは、犯罪である。
オリンピック・パラリンピック強行、原発推進・新増設、再軍備などというようなリスクを国民に負わせることに最大限慎重・臆病でなければならない。「リスクを国民が負う覚悟を」、などという人間には政治を語る資格はない。