風邪をこじらせてしまい、読書の気力が無くなりかけていたがようやく読みかけの「魔女狩りのヨーロッパ史」の読書を再開した。
桜木町から横浜駅に到着し、休憩がてら入った喫茶店で目をとおした。第2章「告発・裁判・処刑のプロセス」まではすでに読み終わっていた。本日は第3章「ヴォージュ山地のある村で」を読み終わった。
この章は具体的に「魔女」として処刑された事例の紹介。なかなか無残な例なので読み進むのが少し苦痛なこともあったが、とりあえず読了。
「根強い噂・悪評から裁判が始まるのは、前章で触れたように、ごく普通のことだった。だが、こうした魔女とその妖術の噂の広まり自体が、社会の分断・機能障害を表している上に、森に囲まれ孤立した山岳地帯のように不十分な農地しかなく、加えて自然環境の悪化と経済条件の変化に見舞われて生活が苦しくなった場所では、隣人への疑心暗鬼はいよいよ深く浸透していった。そこに司法権力が介入することで、社会の機能障害はますます激化し、裁判が進むにつれて、その抑圧システムが恐怖と不安に震える人々の精神に異変を起こさせ、共同体の団結統合はガタガタと崩れていった。」
「裁判は隣人どうしの不和・憎悪、暴力と復讐への欲求を養分にしながら進められるが、それを裁判によって昇華させることなく、むしろ奨励し煽りたて増幅させて、自分たちのコントロール下に具体的な形を与えようとしたのである。」