姶良市加治木町で採掘された加治木石という石があります(今は採掘されていない)。二瀬戸に石切場があったので二瀬戸石とも言います。
石蔵などの建物、石垣、石塀、石灯籠、鳥居などに幅広く用いられました。加治木にあるこれらの石造物や石切場跡を訪ねるまち歩きをしました。
加治木郷土館(右)と図書館(左奥)です。
庭に多くの石造物があります。左は田の神。
中央は鬼面(魔除け)、両側は仁王像です。
郷土館の入口に加治木石が使われています。
加治木石は、火砕流堆積物が固まってできた溶結凝灰岩です。薄い黄色味を帯びた色合いが美しく、気泡が多いため断熱性や保湿性があり、建築材料として優れています。
加治木石(二瀬戸石)の壁の前に、桃木野石でできた田の神があります。1762年造立の神像型田の神で、あごひげがあります。このタイプは小林方面から伝わったそうです。
桃木野石は、二瀬戸石とは別の火砕流堆積物の溶結凝灰岩で、加治木の桃木野に石切場がありました。二瀬戸石を白石、桃木野石を黒石と言います。二瀬戸石だけを加治木石と言い、桃木野石はそう言わないようです。
図書館の裏に、加治木石でできた石蔵があります。
重厚な入口。郷土館の館長さんに案内していただきましたが、今は使っていないそうです。
美しい壁。
凹凸をつけてカットし、独特の美しさを出しています。
上部。庇が張り出した凝った造りです。
石蔵の裏は柁城(だじょう)小学校で、校庭にセンダンの巨木があります。