鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

野菜一家

2012-04-30 | エッセイ

地中で暮らす野菜一家がいる。

母親は大根。

色が白く、ふっくらした豊満な体で、実に働き者である。

煮物によく合い、おでんでは主役級である。

風呂吹き大根では、堂々一品で仕事をしている。

大根おろしやなますというふうに、生でもおいしい。

しなびても、たくあんとなって漬物界のトップに君臨している。

皆に愛される日本のお母さんである。

 

父親はゴボウ。

背は高いが、ガリガリにやせており、色は黒く貧相である。

筑前煮などの煮物関係で仕事しているが、主役になれず印象は薄い。

唯一、単独で仕事しているのが、きんぴらごぼうである。

食物繊維が多く、消化関係でいい働きをしている。

 

長男はカブ。

色白で母親似だが、丸々と太っている。

母親ほど働き者ではない。

主に漬物関係で仕事をしている。

石川県では、ブリと組んで、かぶら寿司といういい仕事をしている。

 

長女はニンジン。

他の三人が割と地味なのに対し、赤い衣装を着て派手である。

個性が強く、子供たちにはあまり人気がない。

煮物関係のほか、母親とペアでなますという仕事もする。

それから、他の三人には出来ない仕事をする。

キャロットジュースという飲料関係である。

性格が派手なだけあって、水商売が似合うのであった。

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さくらんぼとお茶

2012-04-28 | 食べ物

今年も、庭のさくらんぼが熟れました。

 

2月27日、さくらんぼの花です。3月初めに満開となり、花見が出来ました。

八重桜もあり、こちらは4月下旬に花見が出来ます。

 

4月下旬、さくらんぼが熟れました。

 

7~8年前に植えた木ですが、去年からたくさん実をつけるようになりました。

 

黄色から赤く熟していくさくらんぼ。観賞用にもいいです。

 

真っ赤に熟した食べごろのさくらんぼ。

 

かわいいペアのさくらんぼ。

 

種子島で茶の栽培をしている友人から、新茶をいただきました。

種子島には静岡県からの移住集落があり、お茶の栽培が盛んです。

自宅の庭のさくらんぼを食べ、友人が作ったふるさとのお茶を飲む時間は、幸せなひとときです。

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常盤の隠れ石橋

2012-04-26 | 石橋

鹿児島市常磐町に、隠れた石橋があるので紹介します。

 

西田3丁目から水上(みっかん)坂を武岡に登っていくと、遠矢食品という会社があり、その手前にあります。

これは坂の上のほうから見たものです。

 

石橋を下流側から見る。

欄干と親柱があり、この下に太鼓橋という1連アーチ橋がありますが、隠れて見えません。

 

上流側から見る。

 

下流側の親柱と欄干です。向こう(右岸側)の親柱はありません。

 

上流側には両方の親柱が残っています。

かつて、ここに阿弥陀堂があり、豊かな水が湧いていたそうです。

水上坂という名前はその名残です。

 

水が湧いていたことを示すように、すぐ脇に水神様があります。

 

阿弥陀像です。廃仏毀釈のためか、上のほうは破壊され、顔はつぶれています。

 

近くに、東西客屋敷(水上の御仮屋)があります。

島津20代藩主綱貴公が別館を建てたので、常盤御殿と呼ばれました。

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川内高城温泉

2012-04-24 | 風景

薩摩川内市の川内高城(せんだいたき)温泉を紹介します。

 

800年ほど前に発見された温泉で、歴史が古いです。

全国名湯百選に選ばれています。

  

竹製品のお店がありました。大きなザルは我が家にも3個あり、重宝しています。

 

山あいにあるひなびた温泉で、レトロな雰囲気の建物が並んでいます。

  

道路脇の田の神。鎖でつないでいるのは盗難防止でしょうか。

 

共同湯の付近です。

 

この温泉は、西郷隆盛が訪れた温泉として有名です。

スリムでヨカニセ(好男子)の西郷さんです。

 

西郷さんが滞在したお宅。

西郷さんは、明治6年10月頃、4~5人のお供を連れて兎狩りに来て、上床ミノさん宅に1週間滞在されました。

 

西郷隆盛翁隠棲御滞在之家の碑。

藩主島津忠義公も出張で来られたことが書いてあります。

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奥山古墳他

2012-04-22 | 史跡

南さつま市の史跡をいくつか紹介します。

 

加世田の万世から国道226号を笠沙へ向かい、相星川を渡って左に奥山古墳(旧六堂会古墳)があります。

写真中央の小高いところで、かつての万之瀬川左岸に位置します。

 

薩摩半島西南部における唯一の古墳です。

円墳ですが、独立した墳ではなく山裾に位置しています。

 

古墳の上です。

 

昭和16年の調査で、石棺の内部から頭骨片、鉄剣、ガラス玉などが出土したそうです。

 

平成17年の鹿児島大学の調査によって、13.5mの溝をめぐらせた円墳であることが明らかになり、溝から4世紀後半の祭祀土器が出土しました。

石棺の製作技法は、天草宇土に見られるものだそうです。

 

次は相星川河口付近にある舟つなぎ石です。

相星川河口付近。左は野間岳です。

かつて万之瀬川はこの付近を流れていましたが、1802年の大雨で現在の位置に流れを変えました。

 

万之瀬川が流れていた当時は舟の出入りが多く、舟をつないだ石が残されています。

前の写真を撮った橋の左岸側にあります。

 

舟つなぎ石近景。

 

次は、万之瀬川右岸の金峰町にある双子池遺跡です。向こうが万之瀬川の堤防。

ニニギノミコトはコノハナサクヤヒメを妃とし、双子池のほとりの燃えさかる産屋の中でホテリノミコト(海幸)、ホオリノミコト(山幸)を生んだという伝説があります。

この付近は神話のふるさとです。

 

双子池遺跡の碑。

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ハマジンチョウ他

2012-04-20 | 植物

阿久根市役所の近くに、はまじんちょう公園があります。

 

公園に池があり、ハマジンチョウの群落があります。

海水と淡水が混じるところに生育します。

 

阿久根が自生の北限地で、県の天然記念物です。

 

ハマジンチョウ(浜沈丁、ハマジンチョウ科)の花。

花の時期は1~4月で、盛りは過ぎていますが少し咲いていました。

 

ジンチョウゲ(沈丁花)と異なり、香りはあまりしません。

 

池の隣にある鳥越古墳群1号墳です。
塩鶴町にあったものを、ここに移設したものです。

 

内部に展示されている石室。

安山岩の扁平な板石を小口積みにしています。4世紀の古墳で県内最古のものです。

 

他の花も見ていきましょう。

コバノタツナミ(小葉の立浪)シソ科

花の形が波頭に似ていることからです。

 

マルバウツギ(丸葉空木)ユキノシタ科

  

マルバウツギのアップ。

5枚の白い花弁を持つ花が密集しています。

 

シロバナタンポポ(白花蒲公英)キク科

名前のとおり、白いタンポポです。

 

黄色いのは、セイヨウタンポポ。

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高橋の田の神他

2012-04-18 | 田の神

場所はバラバラですが、田の神をいくつか紹介します。

 

南さつま市金峰町高橋にある高橋の田の神です。

万之瀬川の支流である堀川の右岸の堤防に建っています。

 

右手に鍬を持っています。

 

後姿。背中にワラツト(わらで食品を包んだもの)を背負っており、姿が陽石になっています。

建立は1716年です。

 

獅子島の獅子島小学校の近くにある田の神です。川の脇で、ほかのいろいろな碑と一緒に建っています。

 

2体とも右手にメシゲ、左手に椀を持っています。

姿が変わっていますが、新しいものなんでしょうか。

 

出水市野田町下特手にある下特手の田の神です。

 

本物のワラツトをかぶっています。

 

農道の脇で、田んぼを見つめて建っています。

 

下特手の田の神から県道を北へ少し行くと、道路脇に公園があり、ここに田の神があります。

 

新しい田の神です。

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加紫久利神社

2012-04-16 | 史跡

出水市米ノ津の加紫久利神社を紹介します。

 

神社はずっと先ですが、踏切りのところに対の仁王像があります。

 

向かって右の阿像。

 

向かって左の吽像。

いずれも下半身がなく、腕が欠けています。

 

鳥居から神社まで長い参道があり、鳥居の上には鶴の飾りがあります。

 

社殿。歴史は古く、860年の記録に載っているそうです。

主神は天照皇大神です。

 

社殿の上にある彫り物。

 

この神社は、鶴亀神社として信仰が深いそうです。

 

羅漢さん。

羅漢とは仏教で悟りを開いた仏弟子の尊称で、これは五拾羅漢というそうです。

 

明治10年の西南戦争で焼失した社殿の鬼瓦。

 

石燈籠。

 

大蛇(おろち)しだれ。このしだれ桜の写真に大蛇が写って話題になりました。

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かからん団子

2012-04-14 | 食べ物

鹿児島の郷土菓子、かからん団子を作りました。

 

まずは、よもぎ摘みです。

 

よもぎを湯がいて冷水でさらし、ミキサーにかけます。

よもぎがない時期は、市販のよもぎの粉を使用してもいいです。

 

よもぎ、団子の粉(うるち米ともち米を混ぜたもの)、砂糖、塩少々を混ぜ、水を加えてこねます。

 

かからん葉です。正式名サルトリイバラです。

とげがあるため、触らない(かからん)という意味で、鹿児島ではかからん葉といいます。なお、サルトリイバラ(猿捕り茨)という名前も、とげがあって猿がひっかかる、ということから来ています。

 

団子を丸めて、かからん葉で包みます。

 

蒸し器で15分くらい蒸します。

 

ザルに上げて出来上がりです。この3倍くらい作って、人に配りました。

 

かからん団子です。もちもち感とよもぎの香りがする草団子です。

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小浜崎古墳群

2012-04-12 | 史跡

長島の西海岸にある小浜崎古墳群を紹介します。

 

小浜から小浜崎を望む。この岬に古墳群があります。

 

小浜崎1号古墳。

直径4.6mの積石塚で円墳に属します。築造年代は5世紀と考えられています。

 

前の写真の左から見たもの。

 

古墳内部。小口積による竪穴式石室です。

盗掘されたため出土品は少なく、鉄剣、鉄刀の一部が出土しただけだそうです。

 

隣にある小浜崎2号古墳。直径15mの円墳です。

 

この古墳からは、鉄製品の剣・刀・斧・鎌、また管玉などが出土しました。

築造年代は、やはり5世紀です。

 

古墳の近くから小浜の海岸を望む。景色のいいところに古墳を造ったんですね。

 

近くの道の駅長島に飾られているガラッパ大王。左はなまはげです。

 

御神酒を飲むガラッパ(河童のこと)。夫婦のようです。

小浜では水天宮で川祭りを行っており、ガラッパは水難を守ってくれるとされています。

 

なまはげがあるのは、東北を応援するためでしょうか。

長島には、このような人形があちこちに飾られています。

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