鹿児島市の錫山集落を歩いていると、作業をしているご年輩の方に会いました。錫山鉱山跡を訪ねている、と言うと、露天掘り跡を案内しよう、と言われました。
以下は、その方の案内で見たものです。
前回紹介した錫鉱発見の地から南へ行くと、道路が突き当りになっており、右に湧上坑(わきあがりこう)の案内板があります。これを右へ行きます。
湧上坑の坑口です。柵があり、中には入れません。この中に入って進むと、露天掘り跡に行けるそうです。
湧上坑の案内板。
柵のところから見た坑道内部。黒い線は柵の影が写っているものです。
その方の案内で、道のない斜面を登ると、途中に穴がありました。
穴に入ると坑道が二つ見えます。下の坑道を下りると、先ほどの坑口と露天掘り跡へ通じているようです。
前の写真の反対側には、このような坑道が残っています。懐中電灯がなかったので、中には入りませんでしたが、フラッシュ撮影で様子がわかりました。
さらに斜面を登ると、山の上に巨大なクレーターのような凹地があります。露天掘り跡です。
周囲は垂直の壁になっており、下に坑道がありますが、先ほどの柵のある坑道とは別の坑道です。
別の角度より見る。
下には別の坑口も見えます。凹地の下から様々な方向に坑道が掘られています。
柵のある坑口に戻り、さらに100m位進むと、斜面にこのような坑がありました。
この人が私達夫婦を案内してくれた人で、錫山鉱山の生き字引のような人です。先祖は錫山鉱山に関係のある家で、鉱山経営の島津家とも関係があったそうです。
前の写真の右の坑に入ります。
このような掘り残しの岩の柱があります。坑の崩落を防ぐためです。
横方向の掘り残し岩もあります。
坑の中に入りました。巨大な空間で圧倒されます。上に穴が開いていて地表が見え、露天掘り跡の壁の一部が見えます。
奥へ行くと露天掘り跡の景色が見えるそうですが、危険だからと、ここまでにしました。
坑内には、掘り跡も生々しい岩壁があります。たまたま会った人の案内で、迫力ある鉱山跡を見ることができました。
その人の説明によると、錫山鉱山には600人位の鉱夫がいたそうです。また鉱石は、索道で城水渓谷(錫山自然遊歩道(3)で紹介)近くの精錬場へ運搬したとのことです。その人は、女郎墓の草刈りをし、花を手向けているそうです。
錫山自然遊歩道と錫山鉱山跡のシリーズを終わります。