鹿児島県の三島の一つ硫黄島(他の二つは竹島、黒島)に行ったことがある。
目的の一つは、東温泉という露天風呂に入ることだった。
港から1時間ばかり歩いて東温泉に行った。
島の南の岩場の海岸に、その露天風呂はあった。
丸い浴槽が3つ並んでおり、一番上が源泉で順次下に流れ落ちていた。
私達夫婦以外に人はいなかった。
だから裸で入ってもよかったのだが、いつ人が来るかわからないので、一応水着を着て入った。
一番上の源泉は熱くて入れず、真ん中の湯加減がよかったので、ここに入った。
強酸性の温泉で、肌がぴりぴりするようだった。
目の前の岩場に波が砕け落ちていた。
大波のときは、露天風呂も波をかぶるそうだ。
屋久島を遠望できるのだが、このときはかすんで見えなかった。
東シナ海を眺めながら入る、野趣あふれる豪快な露天風呂だった。
宮城県に住んでいたとき、家族で鬼首温泉に行ったことがある。
ここは間欠泉で有名な温泉だ。
定期的に噴出する間欠泉を見学して、周囲を散策していると、露天風呂があった。
誰も入っている人はいなかったが、私は素裸になって露天風呂に入った。
広い露天風呂を一人貸切で入るのは実に気持ちがよかった。
だが、まもなく風呂の周囲を観光客がぞろぞろと散策してきた。
ここも散策コースになっているのだった。
もちろん、女性客も多い。
皆、私の入浴姿を、もの珍しそうに眺めながら散策している。
私は小さくなっていたが、人が途切れるのを待って、早々に風呂から上がったのだった。
硫黄島の東温泉。手前が源泉。
私たち夫婦の貸切だった。