鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

果物の種

2011-07-18 | エッセイ

果物の皮のあとは、種について考えてみたい。

 

果物の種というのは、普通果肉の中心部にある。

ところがスイカはどうだ。

果肉の中に種がバラバラに散らばっている。

まとまりのない奴らといわざるを得ない。

スイカと同じ仲間のメロンは、種が中心部に集まっており、種と果肉を分離して食べることができる。

スイカを食べるときは、常に種の存在を気にして、口の中で種を感じたら吐き出す、という作業をしなければならない。

 

そのスイカでさえ、種は表面には出ていない。

果実の表面に種が出ている果物がある。

イチゴである。

イチゴの表面に小さな硬い粒粒があるのが種である。

イチゴの種は、なぜ小さくなり表面に出ようと思ったのか。

種が中心にあると、動物は種をその場に捨てるから、遠くへ移動することができない。

イチゴは、種ごと食べざるを得ず、動物の移動に伴って繁殖地を広げることができる。

イチゴは高等戦術を考えたものである。

 

スイカにしろ、リンゴにしろ、ミカンにしろ、果実に対する種の大きさの割合は小さい。

ところがビワはどうだ。

ビワの種は、果実の大きさに対してあまりにも大きい。

果実の半分近くは種が占めている。

果物だって、人間に気に入られるように進化しているが、ビワは進化しようという気がまったく見られない。

頑固な奴といわざるを得ない。

 

バナナには種がない。

中心部にその痕跡らしいものがあるが、種は退化している。

バナナは、皮は剥きやすく、種はなく、一房にたくさんなり、おいしくて栄養があり、しかも安い。

人間に気に入られるように進化した賜物である。

バナナは、果物界の優等生といえる。

でも、バナナは、種がなくてどうやって増えるのだろう。

コメント (4)
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