メランコリア

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『終戦ドラマスペシャル~犬の消えた日』

2011-08-17 22:23:45 | ドラマ
『終戦ドラマスペシャル~犬の消えた日』
原作:井上こみち
出演:西島秀俊、檀れい、荒川ちか、須賀健太、和田聰宏、太賀、中尾明慶、寺本純菜、武野功雄、戸田昌宏、タモト清嵐、松尾スズキ、りりィ、平田満、内藤剛志 ほか


部長が前日にツイッタで出演してる旨をつぶやいたから慌てて予録。
軍用犬の存在を知ったのも最近だけど、その実態がこんなに悲惨だったとは。
こうして戦時中の犬の物語が描かれるのも、近年のペットブームの流れもあるだろうけど、
こんな現実もあったと知るのも大事だよね。
ちなみに、部長は兵士を送る町の世話役?みたいな役でした。

あらすじ
足が不自由なため徴兵を免除された職人の父・松倉修平のもとで裕福に暮らすさよ子は、
アルフという立派なシェパードを飼っていたが、軍事訓練を受けていたため、
とうとう出征命令が出て、別れの時が来る。

さよ子の悲しみを思った永井進(住み込みの職人)は、自分も赤紙を受けて家を出る際、
近所で生まれた柴犬の子を置き土産として託してゆく。
知能障害を持つ住み込みの弟子・寺島元太は、強い名前として「東亜」と名付ける。

戦況は悪化し、人びとの暮らしも逼迫する中、「犬を飼うのは贅沢で非常識」と、親友も離れてゆく。
上野動物園の動物たちは、「混乱の中、町に猛獣が迷い出たら危険」という名目で殺され、剥製にされる。

ある日、訓練も受けていない飼い犬を警察に連れてくるよう「供出命令」が下る。
号泣するさよ子は、若い警官・多岐信司に「東亜の運命をいつか聞かせてほしい」と頼む。

沈んでいたさよ子のもとに、アルフ(朝日号)と一緒だったという兵士・清田から1枚の写真が届く。
家族と偽って、陸軍病院に見舞いに行くと憲兵の厳しい見張りのもと、見舞いのお菓子も調べられる。
両腕を失くした彼の口元に、貴重な小麦粉で作ったお菓子を入れると、涙をこぼして「美味しい」と感激するのだった。
アルフは兵士らの慰めになり、見事に役目を果たしたが、その分隊は全滅してしまったという。
当時、軍用犬として連れていかれた犬はけっして飼い主のもとへ帰ることがなかった。

雨の神宮外苑で学徒出陣式が催される。元太にも赤紙が来て、
修平はなんとか助けたい一心で、彼の指を切断しようとして止められる。
訳も分からず晴れ晴れと別れを告げた元太だったが、
その後、戦地にて徴発を拒んで古兵に殴られて死ぬ。

徴発=現地人から強制的に食糧などを調達すること

多岐信司からの手紙で、実家を訪ね東亜と再会!
信司は、集められた犬が剣道の有段者によって撲殺され、兵士の着る毛皮に使われることを知り、
東亜を連れて逃げ、実家に置いてもらい、自分は徴兵されて戦死。

東京大空襲で職人仲間の岩本徳一も亡くなり、呆然となる父。
東亜のいる多岐信司の祖父母のもとへさよ子を疎開させようと訪ねると、東亜にも供出命令が出ていた。
東亜を連れて逃げるさよ子。運命を知ってか、安全な場所まで引っ張ってゆく東亜。
森で遊ぶ2人を見て、ようやく父は「どんな命も生きる価値がある」と気づく。



途中から胃が痛くなった。
アルフ役のシェパも、東亜役の柴さんも、とってもイイ子で可愛いだけに余計。
この家族は3人とも生き延び、戦時中も比較的裕福な家だったからまだ恵まれていたほうなのかな。

本編には当時の実際の記録映像も流れて、実際に配られた「犬の献納運動」のビラも映された。
「勝つために犬の特別攻撃隊を作って、敵に体当たりさせて立派な忠犬にしてやりましょう」って書いてある。
こんな荒唐無稽なことを真面目にやって、誰も逆らえなかったことにも戦争の無常さ、怖さがある。

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