メランコリア

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落語でブッダ

2012-09-10 11:48:35 | テレビ・動画配信
落語でブッダ
昔、一度寄席に行って、最近もサケ友ちゃんのススメで何度か行って、
ちょっとだけ落語が身近な娯楽になってきたところで、
落語と仏教が関係しているって番宣を見て興味をもって、
予録していたのをやっと見てみたら、
こないだF氏に言いたかったこととリンクしていて感動した/驚

難しい仏教の教えを、分かりやすく、飽きさせないために
「小噺」も入れて大衆に話した「お説法」が落語のルーツ/驚
落語家がはなす時に上がる講壇は、お説教をする時のスタイルだったとか。


「維摩経(ゆいまぎょう)」
聖徳太子も大好きだったという読んで面白いお経なんだって!
維摩居士(釈迦の在家弟子でありながら、誰より深い悟りの境地にあったという)が病にふせった時、
ブッダが弟子に「お見舞いに行ってくれ」とゆっても、
日頃から彼にやりこめられていた弟子たちは行きたがらない(第1幕)という様子は、
まさに古典落語「寝床」に通じるw

「寝床」は、長屋の主人が浄瑠璃をみんなに聞かせようとするが、
あまりにヘタっぴで耐えられないから、バレバレの言い訳で逃れようとする様子が面白い落語

そこには、「人はみな自分の都合で物事を考えてしまう」などの教えが含まれている。



「自分にとらわれると、周りが見えなくなる」
「自分の考えにとらわれていると、苦しみを招く」
因果関係、つまり「自分の都合(因)」を小さくすれば、
 おのずと「苦悩(果)」も小さくなるという根本的な仕組みを理解することが大事。


「三毒(さんどく)」



節分の青鬼(貪欲/とんよく)、赤鬼(瞋恚/しんい)、黒鬼(愚癡/ぐち))。
貪欲:自分ではコントロール出来ないような、坂道を転がるような欲望。
 「どうしても欲しい」というココロが苦しみを生み出している。
 自分を強くすると、苦しみも強くなる。
瞋恚:抑えのきかない怒り。仏教は怒りに警戒が強い宗教。
愚癡:ブッダの教えが分からない愚かさの意味。



第2幕では、維摩居士の病気見舞いのため文殊菩薩がやってきて、問答対決がおこる様子。
維摩居士は、大乗仏教の根本原理「空(くう)」を表すために、何もない部屋で菩薩を迎えた。
その様子は、興福寺の仏像に復元されている。

これは、落語での「書割盗人(かきわりぬすっと)」によく似ているという。
極貧の男が長屋に引っ越してきて、家財道具が一切ないから、
絵描きにタンスから、へっつい(竈)など全部描いてもらい、酒を飲んで寝ていたところ、
何も知らない泥棒が入り、モノを盗もうとするが、絵に騙される
絵に騙されたことに気づいて悔しく思って、泥棒は「盗んだつもり」になり、
男は「盗まれたつもり」になって追いかけるという落語。


空とは
この世のものは、すべて実体がないこと。
なににもとらわれない(家財道具を絵に描いて満足した男のように
とらわれないと、苦しみから救われる。


「止観(しかん)」

 

止:ココロの動きを静めること(なにかに集中している状態も同じ。瞑想・座禅・呼吸法など
観:ココロの動きを客観的に見つめること。気づくこと。
   自分がいま、どんな状態か、第三者のような目で自分を見つめること。

「観するとココロが暴れなくなる」
ココロとカラダを静かな状態に保つことで、ココロが暴れるのを整えることが大事。
喜怒哀楽を観することで苦悩が減る。
「止観」は、日常生活で仏道を実践できるという。



実は、「維摩経(ゆいまぎょう)」には第3幕もあって、つづきが知りたかったけど、
「それにはとらわれないように」ってオチw


自分をちゃんともって、自らを知ることで、
“生きる苦しみを受けながら生きる”ことができる
っていい言葉だなって感動した


コメント

日本の話芸@NHK

2012-09-10 11:48:34 | テレビ・動画配信
日本の話芸@NHK
落語つながりで、ずっと予録していたこの番組もいくつか見てみた。
「寝床」も入ってたしv

やっぱりプロの噺家さんはスゴイ!
ついつい物語にひきこまれて、小道具の使い方、身分によって違う喋り方などによって、
当時の暮らしぶりが映画を観ているように分かって、
笑う話だけじゃなくて、「講談」ってゆう歴史・人情話もあるんだね。
虎ノ門のニッショーホールってところがよく出てくる。

講談:
日本の伝統芸能のひとつ。
演者は高座におかれた釈台(しゃくだい)と呼ばれる小さな机の前に座り、
張り扇でそれを叩いて調子を取りつつ、軍記物や政談など主に歴史にちなんだ読み物を、
観衆に対して読み上げる。上方講談においては、張り扇と拍子木を併用する(ウィキ参照


【演目一覧】

「鼠穴」
昔、一文無しだった頃に兄を頼ったら、商売の元金に3文しかもらえず、
悔しくて、モーレツに働いて財をなしてから、再び兄を訪ねると、
「大金を与えたらきっと使い込んでしまう。悔しいと思わなかったら男じゃないと見込んで3文を渡した。許してくれ
「そんな愛情も知らずに恨んでいた。こっちこそ許してくれ
その晩は、兄弟で飲んでいたが、蔵の鼠穴が心配だから帰るという弟に、
「万一火事で蔵1つ失くしたらウチのを1つやろう。屋敷ごと失くしたら、屋敷ごとあげようじゃないか」と引き留められて一晩泊まる
その夜、火事で家が全焼し、兄を頼ると断られ、娘を吉原に売り、その金もスラれてしまう夢を見るという人情話/涙

「電報違い」
お伊勢参りの帰りに心中しようとしているカップルを見かけて
話を聞くから「アスカエレヌ」と電報を打ってくれと頼まれた薬屋の男。
電報が初めてで、郵便局の職員に道中の話をしていて遅くなったが、乗るはずの電車は大事故で全員死亡。
人の命を助けて、自分の命が助かったと喜ぶ。
一方「ダンナシンダ」(シンダは薬屋の男の名)の電報で慌てて葬式をする店の者たち

「三枚起請」
吉原の芸者から起請(結婚を約束した手紙)をもらった3人の男。

「船徳」
ぐうたらしていた若旦那が船頭になって、お客をハラハラさせる

「無筆の出世」
酔った勢いで下男を刀の試し斬りに差し出した殿様。
下男はその後の働きや縁あって出世を重ね、殿を呼び出して恨みを言うかと思ったら、
礼を言うという素晴らしい話

「長短」
馬風さんは、浅草で見た!
本題は最後の10分くらいだけで、あとは師匠やらの悪口って

「崇徳院」笑福亭仁鶴
若旦那が恋わずらいで死にそうだと、気が気でない父親は、幼なじみの男に相手の女性を5日間で探すよう頼み、
ちょっとトロい感じのその男は、足を棒にして床屋やらを歩き回る

「細川の茶碗屋敷」
以前見た時と話が若干アレンジされてた。噺家によって、自分の話し方があるのかもなあ!

「笠碁」柳家権太楼
ヘタな碁好きの男2人が「待った」1つのことでケンカして、絶交
何日もヒマで仕方なく、雨の日にとうとう傘もないから笠をかぶって店先まで見に行くw

「抜け雀」柳家柳家さん喬
一文無しの絵描きを泊めて、宿代+酒代のカタに雀の絵を屏風に描いたら、
朝陽に当たると5羽の雀が飛び出して話題となる。
老人がそれを見て「休むところがなかったら、この雀は間もなく死んでしまうだろう」と言って籠を描き、
後日、立派になって宿に戻った絵描きは、「これは師匠の父だ」と礼を言う。

「つぼ算」
ちょっと間抜けな男が妻に言われて買い物上手な知人と一緒につぼを買いに行く。
小さいつぼを最初に3文で買って、1周して戻り、
「大きなつぼを買うんだった」と言って、買った小さなつぼを3文で売り戻し、
6文の大きなつぼを持って帰ろうとする。「3+3で確かに6だけど、ええっとぅ・・・???」と番頭は頭を抱える。

このトリック、いまだに分かりません・・・

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