メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1991 part7)

2012-09-26 13:47:02 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part6からのつづき。


『不思議の国のアリス』(1986)
監督:バリー・レッツ 出演:ケイト・ドーニング ほか
映像にするのは難しいんじゃないかしら?と思ったけど、
造り物にしては立派なセットにコスチュームだなって感じ。
ちょっとアリス役が年齢的にムリないかな?って気もしないでもなかったけど、
伯爵夫人もチェシャ猫もそれなりだったし、
なんといっても海亀の♪さあさ踊ろうよこのダンス~がとってもよかった。


『ヘンリー&ジューン 私を愛した男と女』(1990)

 

監督:フィリップ・カウフマン 出演:フレッド・フォード、ユマ・サーマン ほか
実話というのがいつでも惹かれる。
アナイスを演じる女優の特異な魅力が今作全体を引っ張っている。
1931年代の独特なファッションも目を引く。
ほかの人が個性的なぶん、平素な顔立ちのヒューゴ役の俳優も魅力的だった


『コミュニオン』(1988)
出演:クリストファー・ウォーケン ほか
大きな光、青い小人、大きな黒い眼の細長い顔、
平凡な家族に訪れた宇宙からの訪問者。
ゆったりと謎が深まるあたり、そしてショッキングで生々しい人体実験の場面など
やはり原作は事実に基づかれている雰囲気が漂ってくる。

恐怖・困惑からコンタクト、そして共存生活へと変化してゆく過程を
じっくり描いた、実は人間とそうでないものとのヒューマンストーリーだ。
と同時に、ウォーケンの透明な美しさ(年齢に不相応なくらい)を充分堪能できる一作。
とくに人体実験の半裸のシーンは、怖い反面とても信じられない美しさがある。
でも、ボサノヴァダンスまで踊ってしまうこの宇宙人は善良なタイプに描かれていて安心した。
ウォーケンのタップほか随所にアドリブ(?)が見れて楽しい。


『ミザリー』(1990)
原作:スティーブン・キング 出演:ジェームズ・カーン ほか
早く原作を読みたい。
結末を高等教育のあり方で締め、アニーを不気味ながら哀れむべき人物として残しているところがいい。
そして、なんといっても『シャイニング』同様のあの大雪、社会との断絶感、
ラストの雰囲気をガラッと変える♪I'll be seeing for you はすごくよかった。


『太陽は夜も輝く』(1990)
出演:ジュリアン・サンズ、シャルロット・ゲンズブール、ナスターシャ・キンスキー ほか
『最後の誘惑』のイタリア版のよう。
サンズが広大な自然の中で淡々と神からのお召しを求め続ける隠者を演じている。
彼を過ちに導く子悪魔的少女シャルロットらの存在も光る。
あんなに純粋でどこまでもつづく自然に囲まれていても、
親しき人間とそうでない大勢の人に囲まれていても、
私たちはどうしていつまでもこんなに孤独なのだろうか?


『WHITE NIGHT』(1985)
2人共すごいダンサーでありながら、ダンスの作品に仕上げずに
あくまで社会の弾圧、自由の価値に視点を置いているのがニクイ。
レイをひたすら愛するロシアの女性役を演じたイザベラ・ロッセリーニもイイ。
ソ連からアメリカへ亡命した男、N.Y.からモスクワへ亡命した男、
国境を越えるのがこんなに命がけな場所も現実にあるのかと思うとすごく怖い。


『まわり道』(1975)
出演:ナスターシャ・キンスキー ほか
作家志望の青年が旅に出て、列車で出会った老人と口をきかない少女の親子。
(老人がとても汚らしくて、あんまりついてくるので鬱陶しい
昔の恋人、詩人、自殺志望者などに出会い、
しかし言葉は宙に舞って文字にならないで終わっている。


『君がいた夏』(1988)



出演:ジョディ・フォスター ほか
ジョディは銀幕における奇跡の女優の一人だ。
こういうプロローグの思い出回想ものは好きだが、彼女はそんな役柄にピッタリ。ひと夏の思い出の女性。
そんなラッキーな少年と、野球、父親との死別などを結び付けているところもなかなか面白い。
すこうし夏という季節を好きにさせてくれる作品。


『運命の逆転』
監督:バーベット・シュローダー 出演:ジェレミー・アイアンズ、グレン・クローズ ほか
事実、それも最近起こった実話をとりあげているだけあって全体に慎重さが感じられる。
ものすごい勢いでドラッグとアルコールを服用していたサニーにはビックリ。
「裁判は一種のゲームだ」というどこかのセリフが頭に浮かんでくる。


『悪魔ルシファの生贄』(1981)
監督:フランク・ラロッジア 出演:ステファン・アーングリム ほか
'81の現代によくもまあバカバカしいほどに原罪的な恐怖を真面目に綴った映画を創ったものだと
『デモンズ3』の時と同様呆れてしまうが。
何代も輪廻してきたルシファの最後の末裔が死ぬ時、白い光の中へ導くところがよかった。
結局、あの婚約中の身だった女性も道連れにしてしまったのだろうか?それが気になる。

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notes and movies(1991 part8)

2012-09-26 13:47:01 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part7からのつづき。


『ハリウッドにくちづけ』(1990)
原作:キャリー・フィッシャー 出演:シャーリー・マクレーン、メリル・ストリープ ほか
原作が『スターウォーズ』シリーズのキャリー・フィッシャーとは知らなかった
それをこの2大スターが演じたんだから書いた甲斐もあったろうけど。
レベルはともかく、気軽に楽しめる一作。
マクレーンの♪I'm still here 、メリルもブルースからロックまで歌を披露して、
それがまた聴かせてくれるからスゴイ。
でもダンスはあまり得意じゃないみたい


『LESS THAN ZERO』
出演:ジェームズ・スペイダー、アンドリュー・マッカーシー ほか
突然「青春グラフィティ」ものが観たくなって、夏の終わりの記念にこの1本
ハッピーな学生時代の終わり、厳しい現実、昔の友人と毎夜のバカ騒ぎパーティ、コカイン。
何度も立ち上がろうとするごとについてないジュリアンをもっと明るい視点で撮れば
ハチャメチャコメディになるくらいのついてなさだけど、
最後まで一貫してヘヴィな現実を描いている。
エリート役を少し離れて『Bad Infuence』のロブ・ロウのような危険な役もスペイダーは上手くこなしている。


『熱き愛に時は流れて』(1988)
出演:ティモシー・ハットン、ジェシカ・ラング、デニス・クエイド ほか
アメリカといえばフットボール。そのアメリカを代表するチーム「タイガース」の幻のエース、ブレーゴースト。
スポーツ選手の栄光とシビアな未来が描かれている。
それぞれの人生を、それぞれの俳優が、その何十年の時の流れをうまく演じている。


『キャバレー』(1971)



監督:ボブ・フォッシー 出演:ライザ・ミネリ、マイケル・ヨーク ほか
ミネリの迫力ある歌と踊りが楽しめる
少し『舞踏会のあとに』と同じ暗い雰囲気がある。
キャバレーの中の退廃的スポットライト、数々のショー、顔を塗りたくったショーガールたち。
そして舞台であるベルリンの社会的弾圧、ユダヤ人差別。
世界一の女優を夢見るアメリカ娘と、貧乏な英会話教師。
彼らの未来は一体どうなったのか?
ミネリは今作で見事オスカーをとっている。


『ダークマン』(1990)
監督・脚本:サム・ライミ 出演:リーアム・ニーソン ほか

「ジュリー、僕はどこにでもいて、どこにもいない
 だれかであって、だれでもない、ダークマンだ」

ストーリーが面白い。『エレファントマン』さながらの哀愁あり、
時々ユーモア、ロマンス、アクションなどもあり。
仮面をかぶっている時のほうが怪物の気持ちに近いと悟り、
あてもなく雑踏にまぎれてゆくラストなんか最高


『時計じかけのオレンジ』(1971)
監督:スタンリー・キューブリック 出演:マルコム・マクドウェル ほか
ワケのわからない流行り言葉の連続と、同じくわけの分からない流行ファッション。
牢獄から出て、最新治療を受け、一時は暴力や性に強い拒絶反応を示していたアレックス少年が
社会自体の汚さに元通り回復?してしまうまで。

(今作も『ニュー・シネマ・パラダイス』同様、
 あまり映画通でない人たちが必ず「いい映画」に挙げる1作だよね


『シェルタリング・スカイ』(1990)
監督:ベルナルド・ベルトルッチ 出演:ジョン・マルコビッチ、デブラ・ウィンガー ほか
ぜひ原作本を読みたい。
デボラが最初のキュートなドレス姿から、夫の死のショックで
次第にアラブの女風になってゆくところが興味深い。

“生きている時間は短い。キットは見知らぬ街の果てを放浪し、
 一体これから何を見出すのだろうか?”

(既出。名作は何度観てもイイ。その後、原作も読んで、さらに深く感動した。
 なにを見ても「なにかの予兆」に感じてしまうキットのクセは、自分と通じるものがあるといつも思う。


『ミッシング』(1982)
監督:コスタ・ガブラス 出演:ジャック・レモン、シシー・スペイシク ほか
異郷の戦争にクーデター派として首を突っ込みすぎたために、
行方不明となってしまった青年を延々と探す父と妻の実話。
「その国のルールに従え」といえども、一人の人間が何の理由もなく殺されても
当然のごとく扱われているところはたしかに怖い。


『魂のジュリエッタ』
監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:ジュリエッタ・マッシーナ ほか
フェリーニのサーカスじみた独特な妖しさがよく出ている。
夫の浮気を調査するうち、精霊にとりつかれ、
白昼夢を見るようになる妻役をマシーナが穏やかにキュートに演じている。
幼児体験が呼び起こす罪悪感、自由奔放に性を楽しむ隣人たち・・・
今作も様々に着飾った女性たちが数限りなく次から次へと出てきて、私たちを飽きさせない。


『ツインズ』(1988)
監督:アイヴァン・ライトマン 出演:アーノルド・シュワルツネッガー、ダニー・デヴィット ほか
心温まるものというより、シュワちゃんのボケぶりがとっても楽しい。
どっかでありそでなさそな実験で、もしかしたらこんな双子もそこらへんにいるかもしれない!?

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notes and movies(1991 part9)

2012-09-26 13:47:00 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part8からのつづき。


『大人は判ってくれない』(1959)



監督:フランンソワ・トリュフォー 出演:ジャン・ピエール・レオー ほか
少年のくせに煙草はふかすは、家出して、自分の親の勤めるところの商品を盗むは、
刑務所から脱走するはで、とにかく貧乏くさい映画。
みな貧乏で家庭の愛情もすさむくらい。

(フランス映画の巨匠に対してえらい酷評っぷり/滝汗


『あこがれ』(1957)
監督・脚本:フランソワ・トリュフォー 出演:ベルナット・ラフォン ほか
ビデオ製作クラブかなんかで作ったみたいな手作り感覚が出ててイイ。
男の子たちのマドンナが体育の先生である恋人といちゃつくのが妬けて
いろいろ子どもくさいいたずらをする。
マドンナの輝きは失われたが、子どもの冷たさですぐに忘れてしまう。


『女の都』



監督:フェデリコ・フェリーニ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ ほか
電車にゆられながら50男が見た現実か幻想か分からぬ夢。
フェミニストの集会を見たかと思えば、女たちの裁判にかけられたり、
ジャンキーの女たちに車で追われたり、博士の奇妙なパーティに誘われたり・・・

フェリーニの奇抜なアイデアと映像美にはいつも新しいものが見れる
という期待が持て、飽きさせないコロコロと変わる無数の場面が楽しい。
特別美しいのが、ラスト近くのマルチェロが乗った女性を型どった気球。
あんな大がかりなセットもカンタンにやってのけちゃうのはさすが。
風に吹かれて女の髪が舞い上がり、その間から妖しい笑顔がのぞく。
同性とてうっとりしてしまう
イタリアのいかにもアクの強い女たちが総勢2000人弱、
次から次へと現れるのだから本当にスゴイ


『恐喝(ゆすり)』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
殺す動機は月並みだし、犯人ははじめから分かっていて、ゆするほうは間抜けな男。
警察ものんきで、よく調べもしないで、思い切り怪しい2人を疑いもしない。
最初のトーキー映画で、最初は無声。
女優の声も訛りを隠すため、吹き替えの英国女性が横で喋ったというからスゴイ。
全体的にコミカルで明るい作品。


『殺人!』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
途中でダイアナのいる拘置所の壁が絞首台の影を映す演出が意表をつくいいアイデアだと思った。
『恐喝』ほかと違って、なんとなく犯人が薄気味悪い湿っぽい暗さを持っている。


『ブラック・ウィドー』(1987)



監督:ボブ・ラフェルソン 出演:デボラ・ウィンガー、テレサ・ラッセル ほか
2人の女性の知恵比べであるとともに、デブラとテレサのまさに競演でもある。
女性同士分かり合える部分と、ライバル意識とがうまく表れている。
美貌と知性で勝負するキャサリン(テレサ)と、
シンプルで素顔、根性で勝負するアレックス(デボラ)。

「何年か経って昔を思い出すとしたら、あなたのことが一番に思い出されるでしょうね」

というあたりのシーンはあとをひく。


『フィフィ大空を行く』(1965)
監督:アルベール・ラモリス 出演:フィリップ・アブロン ほか
安っぽい泥棒がサーカスにもぐりこみ鳥人間になってから天使に間違えられて騒動を起こすという話。
飛ぶ姿がわざとらしくないから、ほかの貧乏臭いセットが霞むくらい。
特別に意味のないストーリーだがほのぼのしている(言い放題/謝


『幸福(しあわせ)』(1965)
監督:アニエス・ヴァルダ 出演:ジャン・クロード・ドルオー ほか
上記と同年のフランス映画ながらこれほど違っているのも珍しいよね。
思い切り幸せな家族像に始まって終わるが、妻が違っている。
2人の女性をまともに愛してしまう男を許したのか、許さなかったのか、
妻は自殺したのか、事故で川に落ちたのか?難しいテーマ。
ジャンは、どこかスティングに似ていて、プレーボーイかと思いきや、
嘘のつけない純粋な男なのがポイント。


『推定無罪』(1990)
出演:ハリソン・フォード ほか
全篇通じてシリアスで重い感じ。裁判ものだからだけど。
ラストで偶然明かされる真犯人の巧妙な手口が恐ろしく、夫婦愛についても問われている。
人を一人信じきることの勇気も描かれている。
グレタ・スカッキは、ファンにとってはちょっと物足りない感じ。


『バルカン超特急』
監督:アルフレッド・ヒッチコック
突然おばあさんが誘拐され、みなそれぞれ自分勝手な理由でシラをきるシーンは怖い。
さて、ヒッチコックは、ラスト近くでみなが電車から降りて
女性が婚約者を見るなり、走りこんだタクシーの運ちゃんではないだろうかと考える?

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『ぼくのともだちおつきさま』

2012-09-26 13:31:19 | 
『ぼくのともだちおつきさま』(講談社)
アンドレ・ダーハン/作 きたやまようこ/訳

ココロがあたたまって、親しい誰かに会いたくなる
子どもにも、大人にも読んでほしい絵本。

油絵のような色合いから、後半は、エンピツと水彩絵の具のような
ラフだけど動きと温度感のある絵に。

にも太陽にも、空から吊られているヒモがあるのが可笑しい。
2人?を招待して食事したり、泊めたり。
船に乗っている子どもがどんどん成長しているように見えるのは気のせい?


「だって だまっていても たのしくて、
 いっしょに いるだけで うれしい。
 そんな きみに あえた」


「であいって すてき。
 いっしょにいると 100ばい かがやく、
 さいこうに すてきな めぐりあい」

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『名前のない人』

2012-09-26 13:28:37 | 
『名前のない人』(河出書房新社)
クリス・ヴァン・オールズバーグ/絵と文 村上春樹/訳

マグリットみたいにパッキリとしたパステル画。
フシギな話。
男は何者だったんだろう?
あえて名付けるなら「夏の終わり」?
ちょうど今ごろ読むにはイイ1冊。
どこの国の郊外か、自然に囲まれたのんびりとした生活がうらやましい。


▼あらすじ
農夫のベイリーさんの車に衝突した男には記憶がない。
そのまま農作業を手伝ってくれたりして、すっかり馴染んだ頃、
丘の上から見下ろすと、ベイリーさんの家の周りだけ
秋だというのに、木が青々と茂って不自然なことに気づいた男は、
翌日涙を浮かべて去っていった。
それから毎年、ベイリーさんの家の周りだけ、なぜか1週間ほど秋のおとずれが遅れ、
男からのメッセージが置かれてゆくのだった。


クリス・ヴァン・オールズバーグのその他の作品。
『西風号の遭難』『The Polar Express』(あ!コレは読んだ/驚

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『猫の預言者』

2012-09-26 13:22:18 | 
『猫の預言者』(ブックローン出版)
みやざき ひろかず/作・絵

ひさびさ、日本人による絵本を読んだ。
フシギな成り行きで、フシギな杖を作って、
南の島のてっぺんにあるフシギなホテルに導かれ、
さあて、どんな展開が待っているのか
と期待がふくらんだら・・・ちょっとユメっぽいオチだった感じ

2色刷りの水墨画みたい。
けだるい空気の漂うイラストとストーリー。
そして誤字を発見


【気になる言葉】
ハトロン紙:薬莢(やつきよう)を包む紙の意〕片面つや出しのクラフト紙。封筒・包装紙などに用いる。
トーテムポッド
黒樫
野放図
1.人を人とも思わないずうずうしい態度。横柄なこと。また、そのさま。傍若無人。
2.際限のないこと。しまりがないこと。また、そのさま。

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