メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『アタゴオルは猫の森 1』

2012-09-20 10:38:25 | マンガ&アニメ
『アタゴオルは猫の森 1』(メディアファクトリー)
ますむら・ひろし/著

これがこれまでで最新のアタゴオルか~!ある意味絵が完成してる。
2000年初版、2001年第2刷。

【収録話】
・月ヲ祭ル

 

月祭りのために各々音楽で育てた月を浮かべて沈まないと、
月光ギターからの光りの音符で空に舞う。

「嘆きや悲しみの海にポツンと輝きながら、
 僕らはもともとつきと暮らしていたんだ・・・
 三日月に始まり、やがて満月に至る月が
 みんなの胸の中に住んでいる」(テンプラ)


・雪歩の引き出し

   

いろんなところでツケがたまっているヒデヨシ。
ヒジリヤマさんから「柄満堂」の時計修理を頼まれ、ボコボコと太鼓を叩くと
時計の瞳が正確な時刻に合い、雪の引き出しにいろんな想いが抜けて入ってゆく。
そして第三の瞳が額に現れ、辺り一面が希望で輝いているのが見える。


・冬をこの手に 前編・後編

 

「寒怒呂」によって凍ったバイオリンの名手ゲパラセ。
空に緑色の文字が浮かぶ「葉脈通信」でギルバルスの助けを呼ぶが
来たのはヒデヨシw しかも、催眠笛でみんなギルバルスだと信じてしまう。
本人もやってきて必死の闘いの中、ヒデヨシが魚を食べた「んめ~!」の声が「寒怒呂」を溶かす。
そのアゴの氷でできた笛を吹くと、冬の深さと微笑みの熱さが見える。


・キホ

   

クサヤ葉巻を吸ってもへーきなヒデヨシ。
その鼻を見込まれて、強烈な異臭を放つキホという伝説の植物の謎を解く。
「木歩」となったヒデヨシとテンプラは、アタゴオルの森にようやく芽吹きの春をもたらす。


・夕暮れの手紙

 

水製の切手を求めて鳥霧山・滝ノ森にやってきた。
この切手屋さんのモデルは、ドクター・ジョンなんだって!
滝に無心で打たれて水上を歩くと、滝のピアノが現れる。


・みすたあ・ぽすとまん

  

猫とは思えない腹太鼓を鳴らすヒデヨシが郵便局員に選ばれるが、
途中で飽きて手紙をすべて投げ捨てていたら、
太鼓の音に寄ってきた子狸(ジラベとボンベ)がちゃんと配達してくれていたw
それを知って配送場所を増やすと怒って、ヒゲ岩で腹鼓を打つと、
鯰ポンポコ便が現れ、それで手紙をもらうと思わず腹鼓を打って元気になるというw

 

「耳長沼の東32尾っぽ」って住所が可愛い♪


・ワクワクの源

 

ヒデヨシですら入れない「毘離毘離森」には、タヌキなら入れると扮装して入り、
美味しい龍の湧水を飲むと、龍だった頃の記憶が蘇る。


 

これまでで一番ヤバいほど完全にイっちゃってる唐あげ丸さんが、
なんだかこれまでになくハイテンションなキャラクターになってる
森の植物が存亡の危機になると憂鬱になってしまう繊細さもあるし。
前回は雨の森にいたのに、今作では瓢箪みたいな家「粉雪亭」にいるんだね。移転?w

ヒデヨシくんは、時々タヌキに間違えられたりするけど、
自らタヌキの着ぐるみ着る根性がステキw

今作では、みんなやたらと訛っていて、解説もついてる。
以前出てきた「そつけな」=「そんな」と軽蔑する時に使う。とか、
「ねっちょ」=「しつこい」など。


巻末には著者自身によるあとがき「アタゴオル余波」があり。
21歳の時は、小石川の3畳間で月刊誌『ガロ』に「再会」を描いていた。
その2年前、高卒で著者は上京した。
借金を清算するために家を売り渡すことになっていたため、
斜平山をバックにヒデヨシがビートルズの♪The Long And Winding Road を歌った気持ちが
今ならよく分かるという。
あとがきを書いている当時は、野田市に住んでいると書いてある。

「いつまでも思い出そう。公園の砂場こそ、想像力の故郷」



全話の情報はこちら→here

朝日ソノラマ版→here

全18巻が町田市内の金森図書館にあるんだ/驚
登録に居住制限があるし、コミックだから相互貸し出し不可。
遠いからちょくちょく読みに行ける距離じゃないのが残念。
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notes and movies(1990 part8)

2012-09-20 10:38:24 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part7 からのつづき。


『ロブ・ロウのサーズデイ・チャイルド』(1982)
監督:デヴィッド・ローウェルリッチ 出演:ジーナ・ローランズ、ロブ・ロウ ほか
まだまだ童顔のロブ・ロウがシリアスな役に挑戦。移植手術も大変なんだな。


『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』(1976)
監督:ハーバート・ロス 出演:ニコル・ウィリアムソン、ロバート・デュバル、アラン・アーキン、ローレンス・オリビエ ほか
小説上のホームズと実在人物のフロイトの出会いは面白い。
また、ホームズの父と母とその愛人の痛々しい古い記憶も興味深い。


『愛人ジュリエット』(1951)
監督:マルセル・カルネ 出演:ジェラール・フィリップ ほか
記憶喪失者の街は夢の中にあり、
牢屋の中のミシェルはその村で自分を忘れてしまった恋人ジュリエットを見つける。
どうしようもなく美しく、脆いストーリー。


『シド&ナンシー』(1986)



監督:アレックス・コックス 出演:ゲーリー・オールドマン ほか
ひどく落ち込ませる問題作。主役の男女2人とも、ほとんど本人達になりきって、
パンクロックスターの栄光と、精神的に不安定な日常生活を克明に演じている。
その理由は、主に家庭環境ではないかと映画では示唆している。
二人の関係が映画どおりだったかは誰も知らない。


『THE ZERO BOYS』(1986)
監督:ニコ・マストラキス 出演:ダニエル・ハーシュ ほか
雨が突然降ったりするところは、この種の映画のきな臭さがあったほかは、
犯人が訳の分からない2人組だったのは笑える。
ラスト、木の上にいた妖し気な男は誰だったのか。
わたしなら逃げる前に、太陽が昇る前に木の上にあがってるなあと思った。


『殺意のシナリオ』(1985)
監督:トニー・ロ・ビアンコ 出演:マイク・コナーズ、ジョン・ハード ほか
犯人はずっとドアマンと思わせておいて実は・・・。
ゲイっぽい香りがする作品。
ヴィンセント役は、外国版の仲代達矢みたいな顔をしている。
ありがちなマンションの殺人事件で、終わりが少しあっけない。


『戦慄の殺人屋敷』(1963)
監督:ウィリアム・キャッスル 出演:トム・ボストン ほか
午前0時に集合し、屋敷に住む者にだけ莫大な遺産が入るという規律を守っている風変わりな一族に、
アメリカ人が加わったことで、一層奇怪な殺人事件が起こり始める。


『クリスタル殺人事件』(1980)
原作:アガサ・クリスティ 監督:ガイ・ハミルトン
出演:エリザベス・テイラー、ロック・ハドソン ほか
ベス、キム・ノバクなど大物俳優勢揃い。
特にベスが悲痛な過去を背負う魅力的な女優の役を演じているところに注目したい。


『クリスティーン』(1983)
原作:スティーブン・キング 監督:ジョン・カーペンター
出演:キース・ゴードン ほか
キング原作で、カーペンター監督作品のどれを取り上げても面白くないものなど一つもない。
が女のように男の心を魅了して、離さなくなるとは突飛な発想だが、あり得ないこともない?
たぶん撮影で同じ型の車を何台も無駄にしたんだろうなあと予想する(笑


『扉の影に誰かいる』(1970)
監督:ニコラ・ジェスネール 出演:チャールズ・ブロンソン、アンソニー・パーキンス ほか
相変わらず異常者の演技はすっかりパーキンスになっちゃっているが、
ここで注目すべきは、なんといっても徹底して記憶喪失の男を間抜けに演じたブロンソンだ。
でも2人ともフランス語がペラペラなのはどうしてだろう?

「僕は何の罪だい?」「無関心の罪よ」

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notes and movies(1990 part9)

2012-09-20 10:38:23 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part8 からのつづき。


『何かが道をやってくる』(1983)
監督:ジャック・クレイトン 出演:ジェイソン・ロバーズ ほか
悪魔に連れ去られた息子を救い出そうとする、感動的な父と息子の物語。
勇気ある子どものストーリーだが、ファンタジーの中には痛烈な風刺も込められている。

(ニコニコマークがものすごい輝いているから、そうとう面白かったんだな←すっかり忘れた


『ELIMINATORS』(1986)
監督:ピーター・マヌーギン 出演:アンドリュー・ブライン ほか
未来の話かと思って期待していたら、山奥で研究する科学者の話だった。
サイボーグはよく出来ているのに、登場人物の性格が皆中途半端なままで、
いまどき絶対いない日本人の忍者ミスター・タカダは思い切り恥ずかしかった


『ディックの奇妙な日々』(1986)
監督:ゲイリー・ウォルコウ 出演:トム・ビラード ほか
ディックの書くSFの世界がキレイな緑色で進行してゆく。
監獄惑星の男は作家と同化してゆく。初監督作品らしい。


『タイム・アフター・タイム』(1979)
監督:ニコラス・メイヤー 出演:マルコム・マクダウェル ほか
タイム・マシーンを作ったウェルズの友人ジョンは、
実はロンドンを震え上がらせた切り裂きジャックだった。
現代に逃げたジャックを追って20世紀に来たウェルズのカルチャー・ショックが面白い。


『謎の佳人レイチェル』(1952)
監督:ヘンリー・コスター 出演:リチャード・バートン ほか
『風とともに去りぬ』でメラニーを演じたオリビア・デ・ハビランドが
今度はしたたかなスカーレット役に挑戦かと思いきや、
結局、心優しい女のまま死んでしまうよく分からない作品。
思い切り伏線をしいておいてイライラさせられた。
終わり良ければ全てよしとはいかないな。


『霊幻道士 3~キョンシーの七不思議』(1987)
監督:リッキー・リュウ 出演:ラム・チェンイン ほか
このキョンシーというアイデアは新しい。
それにしてもラム・チェンインの役は美味しいし、
彼の顔立ちは東洋人にしてはセクシー。意外と笑える映画。


『初体験リッジモント・ハイ』(1982)
監督:エイミー・ヘッカーリング 出演:フィービー・ケイツ、ショーン・ペン、ジェニファー・ジェイソン・リー ほか
ショーン・ペンが気のいい悪ガキ役を演じているのがイイ。
全体的に軽くて明るくまとめてある。
外国の青春ものを観ると、学生生活をエンジョイしてるなあと羨ましく思う。
でも、この映画のラストにもあるように、結局たいした職に就けずにいるコがほとんどじゃないかな。


『Sex, Lies and Videotape』



出演:ジェイムズ・スペイダー ほか
夫と妻、夫の友人、妻の妹、この4人の間でタイトル通り3つの要素がグルグルと回転してゆく。
グレアムは結局、1人の信じられる女性に、嘘を含めた全ての悩みを告白することによって、
今までの“変われなかった自分”から脱出する。
そのシンプルな裏には何かもっと重要な意味があるんだぞ!という作品。


『真夜中のバイオレンス・ゾーン』(1985)
監督:マイケル・プレスマン 出演:リチャード・トーマス ほか
田舎者の夫婦がアメリカのダウンタウンで道に迷うわ、チンピラに襲われるわ、
しまいには警察にも相手にされず、ドキドキハラハラのとても他人事とは思えない話。
もし海外旅行、それもダウンタウンだった場合のポイントがたくさん出てくる。
商店やバーは19時までで閉店。深夜にタクシーを頼む場合は、
氏名・住所・勤務先まで答えなきゃならない(?)、
とにかく深夜は出歩くものじゃないし、他人は信用が出来ないってこと!


『小びとの森の物語』(1987)
監督:ロバート・スティーブンス 出演:ウォルター・ブレナン ほか
この前の『何かが道をやって来る』もディズニー作品だけど、
これはうって変わって根から明るい勧善懲悪的な映画。
別撮りで撮影したのだろうが全然不自然さはなく、
木を切ってしまうことで動物や妖精たちが悩んでしまうと自然破壊問題を投げかけている。

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notes and movies(1990 part10)

2012-09-20 10:38:22 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part9 からのつづき。


『ブロンドの殺人者』(1944)
監督:エドワード・ドミトリク 出演:ディック・パウエル ほか
正統派の推理サスペンス映画。
殴られ、自白剤を打たれ、散々な目に遭う主人公の探偵は、
本当にタフで、スマートな頭脳を持っている。
そいや題名で犯人をもう教えちゃっている割に、
「誰なんだ、真犯人は?」と考えさせられてしまった(笑


『モナリザ』(1986)
監督:ニール・ジョーダン 出演:ボブ・ホスキンス、マイケル・ケイン ほか
刑務所帰り、7年のブランクがある男が運転手として雇われた黒人娼婦に恋をするが、
散々振り回される。推理小説好きな男2人という設定が面白い。


『風の谷のナウシカ』(1984)
監督:宮崎駿
アニメーションを超えた非常に凝った作品。
声優の熱演にも大いに注目して欲しい。
何度観ても涙が出る。


『ウィットネス』(1985)
監督:ピーター・ウィアー 出演:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス ほか
電話もない、車もない、牛を飼い、田を耕す、昔ながらの生活を守る
アーミッシュたちの自然いっぱいの生活と対照的に、暴力、殺人がまかり通る
フィラデルフィアの比較がとても印象的。男の子がすっごく可愛い。
この作品で一躍有名になったというハリソンは、インディ・ジョーンズシリーズとは
また違った男っぽい魅力を出していて、田舎娘っぽい役を絶妙にこなしたマクギルス共々いい味を出している。


『魔女の宅急便』(1989)
監督:宮崎駿
にしんのパイを作るおばあちゃんと「またパイよ、わたし嫌いなのに」と簡単に済ませる
孫娘の様子が、何か言葉では言い表せないような寂しさを感じた。
魔女の少女と言っても、いじわるすることもなく自然に受けとめているのがアニメらしい。
たくさんの人に出会って、人間的に成長してゆく少女が
宮崎さんのアニメ映画の大事な要素みたい。


『美女と野獣』(1946)
監督:ジャン・コクトー 出演:ジャン・マレー ほか
素敵な絵本をめくっているよう。召使の貧しい娘がお姫様になる、
女の子なら必ず一度は夢見るシンデレラ物語
フシギなのは、「野獣さんは魔力を使うが、彼もまた魔力に支配されている」
という娘のセリフ通り、野獣になってしまった訳。
魔術が使える訳はいまいちハッキリとしない。
容姿ではなく、汚れなき真正直な心のふれあいの物語り。


『ブラック・レイン』(1989)



監督:リドリー・スコット 出演:マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作、アンディ・ガルシア ほか
ほとんど松田優作の表情の不気味さで延々もたせてるって感じ。
東洋人に対する外国人の、外国人に対する日本人の、
何かドロドロとひきずっている感情が作品全体に流れている。
大阪の街も暗い夜のシーンが印象的。
ヤクザ、芸者、剣道など日本を象徴させるシーンも各所にある。


『ダイ・ハード』(1988)
監督:ジョン・マクティアナン 出演:ブルース・ウィリス ほか
白いシャツが血と汚れで真っ黒に染まっている。
クライマックス近くで主犯者とジョンが会う脚本は面白い。
それからラスト「どうですか今の気持ちは?」と間抜けなことを聞いた
レポーターをホリーがすごいスピードでぶん殴るシーンもタイミングがイイ。


『ジョーイ』(1977)
監督:ルー・アントニオ 出演:マーク・シンガー ほか
白血病の子どもと、彼を見守る家族の深い愛情の実話で誰が泣かずにいられようか?


『モン・パリ』(1973)
監督:ジャック・ドゥミー 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、マルチェロ・マストロヤンニ ほか
ドヌーヴが見事な金髪を可愛くカールして美容院に勤めている妻役を演じている。
マストロヤンニも男性用のマタニティを着たポスターなどすっかり絵になっていて、
真面目に妊夫になろうとする健気な夫をうまくこなしている。


『ダーククリスタル』(1982)
監督:ジム・ヘンソン、フランク・オズ
人形とは思えない作りでただただビックリさせられる。
雰囲気は『はてしない物語』のファンタージェンの国に似ている。
友だちと喋りながら観ていたので、細かい流れは分からなかったが、
悪者のほうの護衛の甲羅を持つ怪物は気持ち悪かった。


『輪舞』(1950)
監督:マックス・オフュルス 出演:ダニエル・ジェラン、シモーヌ・シニョレ、ジェラール・フィリップ ほか



♪ワルツが響き、木馬が回る
 恋の輪舞も回ってゆくよ
 地球が昼も夜も回るように 恋の輪舞も回るよ

 雨水が雲となって ふたたび雨を降らせるように
 高貴な婦人も下町娘も 王侯貴族も兵隊も
 恋の気配を感じたら 同じ調子で踊りだす

 さあ輪舞のはじまりだ
 夜のとばりも降りてきた
 娘が来たよ 恋の輪舞のはじまりだ
 恋の輪舞だよ

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