メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『「自分らしさ」って何だろう』(国土社)

2013-06-19 13:33:15 | 
『「自分らしさ」って何だろう 個性を伸ばす YAのための<生きナビ>』(国土社)
佐々木宏/著

これも図書館巡りで見つけた1冊。
「ヤングアダルトコーナー」は名前にちょっと抵抗があるけど、大人が読んでもためになる分かりやすい本が多くて大好き。

【内容抜粋メモ】
「KY(空気が読めない人)」という言葉が風潮としてあるが、自分を殺してまで他人に迎合しなければならないと、何かに書いてあったのだろうか?
同じ考えや価値観を持つ人と一緒にいるのは楽だが、成長できるかは別。
むしろ、自分と違った人といるほうが新しいものを吸収できたり、自分らしさを確認できるメリットが多い。
鼻っ柱を打ち砕かれ、落ち込んでも、まだ諦めきれないものがあるとしたら、それこそが「本当の自分」てやつでは?

●「個性」には正解も不正解もない
どっちが良い・悪いではなく、好みにすぎない。


自己決定・自己責任
人生は常に目標を追い続け、目標から追われ続けるもの。
目標が自分にしっくりくるものなら、その達成のプロセスで出くわす障害にも向き合って乗り越えられる(そう思う
逆に目標がしっくりこない、人から強要されたものなら「最初から望んでいなかった」て「責任回避」となる。
目標が自分の「価値観」に合致すること、できる限り自分で決定して、自分で責任をもつことが大切。
自分の「価値観」は尊重されるべきだし、それに沿った職業選択が必要。


●価値観を見つけるヒント
Q:無人島に何を持っていく?5つ例を挙げる(必要な衣食住の環境が整っているという設定
A:柴わんこの雄と雌(子どもをいっぱい増やす)、パートナー、楽器、パソコン

趣味が出てくる人は「楽しむ」ということに価値をおいている→エンタメ系、マスコミなど(って、またマスコミかい
本、筆記用具が出る人は「探究」「思索」に価値をおいている→創作活動が好き。個人でできる仕事が向いている。
コンピュータなら、何をするためかにフォーカスする。何か調べる目的なら「学ぶ」となる。


もし1億円あったら何に使う?
Q:もし1億円あったら何に使う?
A:兄のマンションローンを返す、親戚との裁判費用、親の新居・引越し費用を払って、
  余ったお金で緑の多い郊外に小さな家を買って、わんこと住む

「キャリア教育」「自己分析シート」などは、統計学や心理学の裏づけがあるけれども、
なりたい職業を「ゼロベース」から探そうとしても難しい。
この質問で出てきた答えから自分の興味・関心事に気づく。


●「気づき発見リスト」
日常で気づいたことを書き留めるだけ。1ヶ月もすれば、自分が何にアンテナを立てているかが見えてくる。
同じ新聞を読んでも、環境問題、スポーツの勝ち負け、事件の背景など興味・関心には違いがある。
人生はコミュニケーションの連続、気づきメモはそれにも役立つ。引き出しが多いと説得力がつくから。


短所と長所は裏表
「すべてバランスよく」ではなく、今持っているものを伸ばして「とがる」発想が必要。
長所を伸ばすことで「自分らしさ」が発揮できる。
でも、子どもに長所を聞くと「別に・・・」、逆に短所は山ほど出てくる。
短所は、見方をほんの少しかえれば長所になり得る。
例:コミュニケーション能力が低い→人を慎重に判断できる→ガードマン、経理など

長所のない人間なんて一人もいない。自分の短所を逆から見る、ちょっと角度かえて見てみる。


●お菓子会社のさまざまな工程例
商品企画部→研究開発部→生産部→資材調達部→営業部→宣伝・PR部→総務部(人事・経理含む)

どんな部署でも「自分らしさ」は生かせる。「好きなものを見つける」のが楽しく仕事をするポイント。


●自分は親の分身ではない
最後は自分で決断し、決断したらまっすぐ「自分づくり」に励むこと。
人は歳を重ねるごとに保守的になり「安定」「お金」に価値を置くようになる。
逆に若者は「冒険」や「名声」などにひかれる。だから親と子は進路で意見が食い違うのは当然。
自分は自分。親のDNAを引き継いで顔や仕草が似ても、価値観や強みまではコピーされない。
みんな自分の人生を生きる権利がある

著者の友人で、親の病院をついで医者になったはいいが、いまだに体育教師の夢を諦められない医者に診てもらうのはイヤだよ

「幸せ」はなるものではなく、感じるもの。その人にある「価値観」がつくり出すもの。
1億円持っていても幸せと感じない人もいれば、ギリギリの生活でもやりたいことをやって毎日が楽しいと感じる人もいる。
ただ、親に対して最大限の説明責任を果たすのは礼儀。
趣味の域を脱して将来性を論理的に証明する必要がある(それも難しいよね


●「自分らしさ」の勘違い
どんな個性も社会の最低限のマナーやルールを守った上で発揮しないと、単なる「はみ出し者」としてしか見られない。
「個性」は「なんでも自分の好きなように振る舞うこと」とは違う。

「隣りの芝生は良く見える」というパターンもある。
自分の良さを見ずに、他人の良いところばかり目について真似ばかりする。
ヒマワリはヒマワリ、バラはバラとしてちゃんと咲けば、生きる場所は必ずある。


「安定してるから」と消極的な要因で仕事に就く場合も多い。
やりたいことがすぐに見つからなくても、仕事に就いて初めてやり甲斐を感じる人もたくさんいる。
逆に「死んでもやりたくないことは何か?」を考えて、消去法で職種を絞る方法もある(営業とかセールスマン、コールセンター?

「好きなことは敢えて仕事にしない」人もいる。
仕事と趣味の境界線が曖昧になり、完全な趣味がなくなることを嫌う(わたしもそうかも

「仕事は生活上の手段」と考えるのも一計。
「趣味に生きる」「家族に生きる」のもある意味の「自分らしさ」。


「静脈産業」
世の中にはあらゆる仕事があって、どれもなくてはならないものだということも重要なポイント
どんな仕事も社会とのつながりの中で存続している。
どんな形でも社会に貢献することを喜びと感じる人になってほしい。

悩むという行為は、真剣に考えているという証。


【指導者へのメッセージメモ】
大人の「共感力」が子どもの達成感を育む
講演先の生徒たちに「嬉しかったこと」「感動したこと」を質問しても答えられない子どもが多いことに危機感を感じた。
嬉しい気持ちや、感動は、他者から共感されないと育まれない

「テストで80点とったよ」と言っても「お前ならもっと頑張れるはず」などと言えば、
子どもの記憶に「嬉しかったこと」「感動したこと」として刻まれない。
「すごいね」と声がけをされることで達成感が味わえる。
逆に、怒りや悲しみは他者からの共感がなくても記憶に刻まれると言われている。


●リフレームは子どもを元気にする。
「リフレーム」
ある出来事に対して、違うわく組みや意味を与えることによって、その出来事の見方を変えること。

自分の長所が言えない子どもが多い。つまり「自己肯定感」が低い
「自己肯定感」はすべての活動の源になる。
「自己肯定感」のある子どもは失敗を恐れず、自己表現でき、他者を肯定することにもつながる。


●人は期待された通りの人間になる「ピグマリオン効果」
子どもたちを変えるには、まず大人たちが変わらなければならない。
悪い点は黙っていても見えるが、良い点は探さなくては見えてこない。
多忙な日常生活の中で、長所を見つけるのが難しかっただけ。


●「教える」は「育む」ための手段で目的ではない
「教える」+「育む」はつねにセット。
「教育」のeducationは、ラテン語の「educe(引き出す)」からきている。

日本の学力低下問題は、PISA型学力で問われる「情報活用能力」「読解力」の低さが要因。
これらは知識をどう活用させるかという「引き出す」「育む」につながる。
1つの答えを教えるのでなく、1つのテーマに対するいろいろな考え方を協議しながら身につけること。
感じたことを周囲に気兼ねなく発言できる環境+自己肯定感が保証されていなければならない。
空気ばかり読んで自分の意見が言えない子どもではダメ。

アメリカのパワーの源は「社会の異質性」にある。言葉や肌の違いがある上で、
互いを尊重しながらも、自分の意見を主張し、互いから良いものを学び合う姿勢が、新しい文化や価値観を創る。


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『自立ってなんだろう』(岩崎書店)

2013-06-19 11:50:35 | 
語ろうよこころ・からだ・いのち3『自立ってなんだろう』(岩崎書店)
北沢杏子/著

かれこれ20年以上前に刊行された本だけど、
性差別の問題は、今もさほど変わっていないんじゃないかって不安がよぎった。
自立を4つに区分する考え方は分かりやすいと思ったけど、
もうその先の社会のシステム、経済、「働くってそもそもなんぞや?」っていう根本から
日常生活の認識を捉え直して、幸福や充実、平等の質を考える時だ。

男女の不平等、モノの平等分配問題などに苦しむのは、私たちの世代でラストにして、
子どもたちの頭がまだやわらかいうちに認識を変えられたら
未来は今からでも十分変わり得ると思う。


【内容抜粋メモ】
これまで、たくさんの学校で講師をしてきた北沢さんが、
実際にある中学校3年生の男女に講義した時の様子を1冊にまとめたもので、
1989年当時の子どもたちの生の声が分かる。

●4つの自立
自立の基本は、自分の「衣食住」を、自分でまかなうこと。

経済的自立
自分で働いて得たお金で生活できること

生活的自立
生きるために必要な日常生活が自分でできること。
食事を作ったり、ボタンをつけたり、洗濯など。

精神的自立
自分の行動を自分で考え、選び、実行すること。

性的自立
自分や異性の心と体をよく知り、お互いの“人権としての性を尊重できる”こと


男に生まれてよかった人 21/21人、女に生まれてよかった人 1/22人

 

▼男に生まれてよかった理由の例
・家事、育児をしなくていい
・男のほう知能指数が高く、すべての点ですぐれている(

▼男に生まれてわるかった理由の例
・失敗したとき責任をとらされる。
・料理や家事をしたくてもできない

▼女に生まれてよかった理由の例
・結婚したら働かずに家にいられる
・経済面の心配をせずに気楽に生きていける
・好きな人に尽くせる

▼女に生まれてわるかった理由の例
・女は顔で選ばれてしまう
・性被害に遭うのはいつも女
・男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ

などなど


●質問の答えの違いから社会を見つめ直す
・女はトイレに時間がかかる、並ばなくてはならない
→かかる平均時間を割り出し、それに比例して女性のトイレの数を多くすべき。
 オーストラリアの空港では、トイレに赤ちゃん連れのためのコーナーがあり、お父さんもお母さんも使える。


・男子「嫁にいって三食昼寝付きが出来ないから損」
家でいちばん睡眠時間が短いのは、だれか調べてみる。

・男子「料理や家事をしたくてもできない」
→自分でご飯を作れず、お母さんに「お茶をだせ」などいいつけるお父さんはまだ多い。
 また、お母さんが全部やってしまい、男にやらせないという家庭も多い。


●日本国憲法における男女平等
法律上では、「結婚生活は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」とされている。
夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない(日本国憲法)
いかなる制限をも受けず、男女は婚姻に際して平等の権利を有する(世界人権宣言)


●なぜ女子は「女に生まれてよかった」より「わるかった理由」のほうが多いのか?
・女子「女だからと甘えられる」「女を武器にできる」
→「女だと甘くみられる」「責任あるポストにつかせてもらえない」につながるのでは?

・女子「かわいこぶりっこすると好きになってもらえる」
→日本社会が長い間、男性優位だったため、「早く結婚すれば、経済面の心配をしなくて済む」につながる

「性別役割分業」
「男は仕事、女は家庭にいるべき」という考え方。
男女平等を実現するには、まずこの考え方を変えることが必要。
女性の経済的自立、家事の分担などが男女平等の第一歩。

・女子「好きな人に尽くせる」
→“尽くす”という言葉がすでに平等の関係じゃない。→“思いやり”に変える。両方が対等な関係が“いい関係”。


・男子「妻子を養わなくてはならない」

日本人は他国より、年間30日~60日も余分に働いている。日本人の働きすぎが貿易摩擦などの国際問題にまで発展している。
 お父さんの残業を減らして、お母さんが社会で収入を得、夫婦で楽しむ時間を生むのが今後の課題。
「女は男に養われている」という意識をまず捨てる→働けるほうが働いて収入を得ればいい。

・男子「女の自立といってもタレントなどの一部。女のわがままにすぎない」(
→昔から、女性は農村、漁村、工場、商店など「カッコよくない仕事」もして生きてきたことを知る。

「家父長制」
代々、長男が一家のあるじとして財産や家の相続権など、すべての実験を握っていた制度。
女性はずっとそういう殻に押し込められてきた。
人間は、表現・自己主張をする特性を持っている。表現することで人は解放される
だが、「女が自己主張するのははしたないこと」「黙っているのが美徳」とされてきた。


・女子「女はお茶くみをしなくてはならない
→1979年に国連が決めた「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」に日本も賛成したが、
 いまだに賃金差別、昇給、昇進、定年、お茶くみ、コピーとりなどの差別があるのも事実

「子の養育には男女間のおよび社会全体の責任の分担が必要であることを認識し、
 社会および家庭における男子の伝統的役割および夫人の役割の変更が、
 男女間の完全な平等の達成に必要であることを認識する」(「婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約」)


・女子「生理がめんどう」
→月経がくるたびに健康だという合図だと見方を変えてみる。

・女子「女らしくしろと言われるのがイヤ」
女子には人形、男子には車のおもちゃが与えられ、男らしく・女らしくと親や社会が子どもを型にはめてつくってきた。
これからは「人間らしく生きる」ことが課題。

1986年から施行された「男女雇用機会均等法」

日本の現状では、男性100とすると、女性の賃金は52.3
日本の場合、働く女性の3/1がパートタイマー。理由は家事・育児・介護が全部女性の肩にかかているから。
保育所が少ない、老人の養護施設が少ないなどの「福祉切り捨て型社会」も、女性の経済的自立を困難にしている。


●日本女性の働きかたはM字型

学校を出て就職しても、結婚して子どもが産まれると、辞めて育児に専念する。
育児から手が離れるとまた働きにでるがパートタイマー。
その頃になると、歳をとった親たちが病気で倒れる。また職場を離れて看病する。
気がつくと、また働きたくても年齢制限がかかり、ボランティア活動などに転ずる。
こんどは夫の定年、病気、看病とつづく・・・


●誰が得する?
・仕事を辞めて育児に専念する→国や自治体は保育所に支払うお金が少なくて済む
・パートタイマーで働く→企業は、時間給、諸手当・賞与が浮く
・老親介護→国や自治体は老人の養護施設に支払うお金が少なくて済む

こうした矛盾だらけの日本の労働環境のからくりをよく知って、変えていかなければ女性の自立の道はいつまでたっても険しい。


日本の結婚適齢期
親が言う「世間体が悪い」など、適齢期という女性蔑視の言葉が通用するのも日本の特徴。
→「自分の結婚の年齢は自分で決める」とはっきり意思表示すること。


●性的自立とは?

・女子「男子がエロ本を見せびらかしたりするからイヤだ」
エロ本は、女性を“性の対象物”としかみない女性を蔑視した本。
露出狂、痴漢、卑猥な言葉をかけられたという体験で、女性は一生忘れられない傷を負う。

・女子「女は顔で選ばれてしまう」
そう思わない男子もいる。顔で選ぶような男性には「さようなら」と言えばいい。

これからは、自立した男と、自立した女が対等で、“横並びの関係”で一緒に暮らしていくのが結婚生活。


 

男子「男は女子と違って、興奮すると自分がコントロールできない。好奇心や興奮してキスや性交してしまうこともあると思う」
女子「イヤと断ったら嫌われてしまいそうだから言えない」←「尽くしてあげたい」という意見の裏側
男子「ほんとうに相手が好きなら、相手を傷つけたくないから、イヤならそう言ってほしい」

女子は男子の気持ちが分からない、男子は女子の気持ちが分からない。
もっと話し合えば「男女の性心理の違い」も分かり合えることがたくさんあって、行動を選択することができる。
それで望まない妊娠や中絶も減らせる。
我慢できるのも性的自立、「ノー」と言えるのも性的自立。


男子「最初は、女は男のためにいるんじゃないかって思ってたし、男女差別も仕方ないと思ってたけど、
   性とは人間らしく生きることで、愛することだって感じてきたことが新しい発見だった。
   ぼくも将来、自分の親を見習ってやっていきたい」

女子「愛するっていうのは、なんでも話しあって、いろんなことを学んで、
   お互いが分かり合えて初めて生まれるものじゃないかなと思った」


【著者あとがきメモ】
国連が定めた経済的自立の基礎である「労働権」を「すべての人間の奪うことのできない権利」と規定している。
女性にも経済的自立、男性にも生活的自立を持って成長してもらいたいが、
両親が日本の伝統的な「男は仕事・女は家庭」という考え方だと難しい。

「子育てが終わって、社会から取り残された不安に日々苦しんでいる」という女性からの悲鳴にも似た悩みを毎回聞いている。
これからの女性は社会に出て、持っている能力を十分に活かして働くべきだし、
男性には、働く女性が職場で家庭で毎日ぶつかる矛盾や苦しみを分かち合って欲しいという願いを込めて本書を出した。


「男らしく」でも「女らしく」でもなく「人間らしく自立すること」が大切。

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『永い夜』(講談社)

2013-06-19 10:07:58 | 
『永い夜』(講談社)
ミシェル・レミュー/作

図書館巡りで見つけた1冊。たしか哲学とかのコーナーにあった気がする。
ジョンが描くようなヘタウマな線画で、
シンプルな文に、奇想天外なアイデアのイラストの組み合わせが絶妙。



少女が嵐の晩、眠れずに考えるとりとめのない不安、恐怖、孤独、疑問などは、
私たちも一度は考えること。

こうして少女のつぶやきを絵にしてみると、
実際はただ“一体何なのか分からないこと”、“誰にも見えない未来のこと”、
“考えても明確な答えがないこと”だったりする。



別に考えなくても、毎日生きていけることばかり。
フィドみたいな可愛い忠犬がそばにいてくれるなら、なおさら心強いし、
考えていたらお腹が空いて、食べたら疲れて眠くなり、
寝たら、ふつうに朝が来る。



世の中はホントはとってもシンプルなんだな。


【内容抜粋メモ】


もしも人間が野菜みたいに土から生えていたら・・・!?


もしも自分の体をとりかえることができたら・・・。


自分で自分がどうにもならないとき
だれかにぎゅっと抱きしめてほしいと思う。
ただし、わたしの自由にやりたいときには、どうかひとりにしてほしい。
世界中のみんなからほうっておかれたいときもある。


夜はひとりぼっち。闇のなかでふるえてる。


世界はいつか終わりの日をむかえる?


いつかわたしが死んで、わたしのいた場所にぽかんと穴があいても、
きっとなにかがすぐにそこを埋める。
世界はそしらぬ顔で流れていく。


ミシェル・レミューさんは本書で1997年ボローニャ児童図書展で受賞。

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