■『「自分らしさ」って何だろう 個性を伸ばす YAのための<生きナビ>』(国土社)
佐々木宏/著
これも図書館巡りで見つけた1冊。
「ヤングアダルトコーナー」は名前にちょっと抵抗があるけど、大人が読んでもためになる分かりやすい本が多くて大好き。
【内容抜粋メモ】
「KY(空気が読めない人)」という言葉が風潮としてあるが、自分を殺してまで他人に迎合しなければならないと、何かに書いてあったのだろうか?
同じ考えや価値観を持つ人と一緒にいるのは楽だが、成長できるかは別。
むしろ、自分と違った人といるほうが新しいものを吸収できたり、自分らしさを確認できるメリットが多い。
鼻っ柱を打ち砕かれ、落ち込んでも、まだ諦めきれないものがあるとしたら、それこそが「本当の自分」てやつでは?
●「個性」には正解も不正解もない
どっちが良い・悪いではなく、好みにすぎない。
●自己決定・自己責任
人生は常に目標を追い続け、目標から追われ続けるもの。
目標が自分にしっくりくるものなら、その達成のプロセスで出くわす障害にも向き合って乗り越えられる(そう思う
逆に目標がしっくりこない、人から強要されたものなら「最初から望んでいなかった」て「責任回避」となる。
目標が自分の「価値観」に合致すること、できる限り自分で決定して、自分で責任をもつことが大切。
自分の「価値観」は尊重されるべきだし、それに沿った職業選択が必要。
●価値観を見つけるヒント
Q:無人島に何を持っていく?5つ例を挙げる(必要な衣食住の環境が整っているという設定
A:柴わんこの雄と雌(子どもをいっぱい増やす)、パートナー、楽器、パソコン
趣味が出てくる人は「楽しむ」ということに価値をおいている→エンタメ系、マスコミなど(って、またマスコミかい
本、筆記用具が出る人は「探究」「思索」に価値をおいている→創作活動が好き。個人でできる仕事が向いている。
コンピュータなら、何をするためかにフォーカスする。何か調べる目的なら「学ぶ」となる。
●もし1億円あったら何に使う?
Q:もし1億円あったら何に使う?
A:兄のマンションローンを返す、親戚との裁判費用、親の新居・引越し費用を払って、
余ったお金で緑の多い郊外に小さな家を買って、わんこと住む
「キャリア教育」「自己分析シート」などは、統計学や心理学の裏づけがあるけれども、
なりたい職業を「ゼロベース」から探そうとしても難しい。
この質問で出てきた答えから自分の興味・関心事に気づく。
●「気づき発見リスト」
日常で気づいたことを書き留めるだけ。1ヶ月もすれば、自分が何にアンテナを立てているかが見えてくる。
同じ新聞を読んでも、環境問題、スポーツの勝ち負け、事件の背景など興味・関心には違いがある。
人生はコミュニケーションの連続、気づきメモはそれにも役立つ。引き出しが多いと説得力がつくから。
●短所と長所は裏表
「すべてバランスよく」ではなく、今持っているものを伸ばして「とがる」発想が必要。
長所を伸ばすことで「自分らしさ」が発揮できる。
でも、子どもに長所を聞くと「別に・・・」、逆に短所は山ほど出てくる。
短所は、見方をほんの少しかえれば長所になり得る。
例:コミュニケーション能力が低い→人を慎重に判断できる→ガードマン、経理など
長所のない人間なんて一人もいない。自分の短所を逆から見る、ちょっと角度かえて見てみる。
●お菓子会社のさまざまな工程例
商品企画部→研究開発部→生産部→資材調達部→営業部→宣伝・PR部→総務部(人事・経理含む)
どんな部署でも「自分らしさ」は生かせる。「好きなものを見つける」のが楽しく仕事をするポイント。
●自分は親の分身ではない
最後は自分で決断し、決断したらまっすぐ「自分づくり」に励むこと。
人は歳を重ねるごとに保守的になり「安定」「お金」に価値を置くようになる。
逆に若者は「冒険」や「名声」などにひかれる。だから親と子は進路で意見が食い違うのは当然。
自分は自分。親のDNAを引き継いで顔や仕草が似ても、価値観や強みまではコピーされない。
みんな自分の人生を生きる権利がある
著者の友人で、親の病院をついで医者になったはいいが、いまだに体育教師の夢を諦められない医者に診てもらうのはイヤだよ
「幸せ」はなるものではなく、感じるもの。その人にある「価値観」がつくり出すもの。
1億円持っていても幸せと感じない人もいれば、ギリギリの生活でもやりたいことをやって毎日が楽しいと感じる人もいる。
ただ、親に対して最大限の説明責任を果たすのは礼儀。
趣味の域を脱して将来性を論理的に証明する必要がある(それも難しいよね
●「自分らしさ」の勘違い
どんな個性も社会の最低限のマナーやルールを守った上で発揮しないと、単なる「はみ出し者」としてしか見られない。
「個性」は「なんでも自分の好きなように振る舞うこと」とは違う。
「隣りの芝生は良く見える」というパターンもある。
自分の良さを見ずに、他人の良いところばかり目について真似ばかりする。
ヒマワリはヒマワリ、バラはバラとしてちゃんと咲けば、生きる場所は必ずある。
「安定してるから」と消極的な要因で仕事に就く場合も多い。
やりたいことがすぐに見つからなくても、仕事に就いて初めてやり甲斐を感じる人もたくさんいる。
逆に「死んでもやりたくないことは何か?」を考えて、消去法で職種を絞る方法もある(営業とかセールスマン、コールセンター?
「好きなことは敢えて仕事にしない」人もいる。
仕事と趣味の境界線が曖昧になり、完全な趣味がなくなることを嫌う(わたしもそうかも
「仕事は生活上の手段」と考えるのも一計。
「趣味に生きる」「家族に生きる」のもある意味の「自分らしさ」。
●「静脈産業」
世の中にはあらゆる仕事があって、どれもなくてはならないものだということも重要なポイント
どんな仕事も社会とのつながりの中で存続している。
どんな形でも社会に貢献することを喜びと感じる人になってほしい。
悩むという行為は、真剣に考えているという証。
【指導者へのメッセージメモ】
●大人の「共感力」が子どもの達成感を育む
講演先の生徒たちに「嬉しかったこと」「感動したこと」を質問しても答えられない子どもが多いことに危機感を感じた。
嬉しい気持ちや、感動は、他者から共感されないと育まれない
「テストで80点とったよ」と言っても「お前ならもっと頑張れるはず」などと言えば、
子どもの記憶に「嬉しかったこと」「感動したこと」として刻まれない。
「すごいね」と声がけをされることで達成感が味わえる。
逆に、怒りや悲しみは他者からの共感がなくても記憶に刻まれると言われている。
●リフレームは子どもを元気にする。
「リフレーム」
ある出来事に対して、違うわく組みや意味を与えることによって、その出来事の見方を変えること。
自分の長所が言えない子どもが多い。つまり「自己肯定感」が低い
「自己肯定感」はすべての活動の源になる。
「自己肯定感」のある子どもは失敗を恐れず、自己表現でき、他者を肯定することにもつながる。
●人は期待された通りの人間になる「ピグマリオン効果」
子どもたちを変えるには、まず大人たちが変わらなければならない。
悪い点は黙っていても見えるが、良い点は探さなくては見えてこない。
多忙な日常生活の中で、長所を見つけるのが難しかっただけ。
●「教える」は「育む」ための手段で目的ではない
「教える」+「育む」はつねにセット。
「教育」のeducationは、ラテン語の「educe(引き出す)」からきている。
日本の学力低下問題は、PISA型学力で問われる「情報活用能力」「読解力」の低さが要因。
これらは知識をどう活用させるかという「引き出す」「育む」につながる。
1つの答えを教えるのでなく、1つのテーマに対するいろいろな考え方を協議しながら身につけること。
感じたことを周囲に気兼ねなく発言できる環境+自己肯定感が保証されていなければならない。
空気ばかり読んで自分の意見が言えない子どもではダメ。
アメリカのパワーの源は「社会の異質性」にある。言葉や肌の違いがある上で、
互いを尊重しながらも、自分の意見を主張し、互いから良いものを学び合う姿勢が、新しい文化や価値観を創る。
佐々木宏/著
これも図書館巡りで見つけた1冊。
「ヤングアダルトコーナー」は名前にちょっと抵抗があるけど、大人が読んでもためになる分かりやすい本が多くて大好き。
【内容抜粋メモ】
「KY(空気が読めない人)」という言葉が風潮としてあるが、自分を殺してまで他人に迎合しなければならないと、何かに書いてあったのだろうか?
同じ考えや価値観を持つ人と一緒にいるのは楽だが、成長できるかは別。
むしろ、自分と違った人といるほうが新しいものを吸収できたり、自分らしさを確認できるメリットが多い。
鼻っ柱を打ち砕かれ、落ち込んでも、まだ諦めきれないものがあるとしたら、それこそが「本当の自分」てやつでは?
●「個性」には正解も不正解もない
どっちが良い・悪いではなく、好みにすぎない。
●自己決定・自己責任
人生は常に目標を追い続け、目標から追われ続けるもの。
目標が自分にしっくりくるものなら、その達成のプロセスで出くわす障害にも向き合って乗り越えられる(そう思う
逆に目標がしっくりこない、人から強要されたものなら「最初から望んでいなかった」て「責任回避」となる。
目標が自分の「価値観」に合致すること、できる限り自分で決定して、自分で責任をもつことが大切。
自分の「価値観」は尊重されるべきだし、それに沿った職業選択が必要。
●価値観を見つけるヒント
Q:無人島に何を持っていく?5つ例を挙げる(必要な衣食住の環境が整っているという設定
A:柴わんこの雄と雌(子どもをいっぱい増やす)、パートナー、楽器、パソコン
趣味が出てくる人は「楽しむ」ということに価値をおいている→エンタメ系、マスコミなど(って、またマスコミかい
本、筆記用具が出る人は「探究」「思索」に価値をおいている→創作活動が好き。個人でできる仕事が向いている。
コンピュータなら、何をするためかにフォーカスする。何か調べる目的なら「学ぶ」となる。
●もし1億円あったら何に使う?
Q:もし1億円あったら何に使う?
A:兄のマンションローンを返す、親戚との裁判費用、親の新居・引越し費用を払って、
余ったお金で緑の多い郊外に小さな家を買って、わんこと住む
「キャリア教育」「自己分析シート」などは、統計学や心理学の裏づけがあるけれども、
なりたい職業を「ゼロベース」から探そうとしても難しい。
この質問で出てきた答えから自分の興味・関心事に気づく。
●「気づき発見リスト」
日常で気づいたことを書き留めるだけ。1ヶ月もすれば、自分が何にアンテナを立てているかが見えてくる。
同じ新聞を読んでも、環境問題、スポーツの勝ち負け、事件の背景など興味・関心には違いがある。
人生はコミュニケーションの連続、気づきメモはそれにも役立つ。引き出しが多いと説得力がつくから。
●短所と長所は裏表
「すべてバランスよく」ではなく、今持っているものを伸ばして「とがる」発想が必要。
長所を伸ばすことで「自分らしさ」が発揮できる。
でも、子どもに長所を聞くと「別に・・・」、逆に短所は山ほど出てくる。
短所は、見方をほんの少しかえれば長所になり得る。
例:コミュニケーション能力が低い→人を慎重に判断できる→ガードマン、経理など
長所のない人間なんて一人もいない。自分の短所を逆から見る、ちょっと角度かえて見てみる。
●お菓子会社のさまざまな工程例
商品企画部→研究開発部→生産部→資材調達部→営業部→宣伝・PR部→総務部(人事・経理含む)
どんな部署でも「自分らしさ」は生かせる。「好きなものを見つける」のが楽しく仕事をするポイント。
●自分は親の分身ではない
最後は自分で決断し、決断したらまっすぐ「自分づくり」に励むこと。
人は歳を重ねるごとに保守的になり「安定」「お金」に価値を置くようになる。
逆に若者は「冒険」や「名声」などにひかれる。だから親と子は進路で意見が食い違うのは当然。
自分は自分。親のDNAを引き継いで顔や仕草が似ても、価値観や強みまではコピーされない。
みんな自分の人生を生きる権利がある
著者の友人で、親の病院をついで医者になったはいいが、いまだに体育教師の夢を諦められない医者に診てもらうのはイヤだよ
「幸せ」はなるものではなく、感じるもの。その人にある「価値観」がつくり出すもの。
1億円持っていても幸せと感じない人もいれば、ギリギリの生活でもやりたいことをやって毎日が楽しいと感じる人もいる。
ただ、親に対して最大限の説明責任を果たすのは礼儀。
趣味の域を脱して将来性を論理的に証明する必要がある(それも難しいよね
●「自分らしさ」の勘違い
どんな個性も社会の最低限のマナーやルールを守った上で発揮しないと、単なる「はみ出し者」としてしか見られない。
「個性」は「なんでも自分の好きなように振る舞うこと」とは違う。
「隣りの芝生は良く見える」というパターンもある。
自分の良さを見ずに、他人の良いところばかり目について真似ばかりする。
ヒマワリはヒマワリ、バラはバラとしてちゃんと咲けば、生きる場所は必ずある。
「安定してるから」と消極的な要因で仕事に就く場合も多い。
やりたいことがすぐに見つからなくても、仕事に就いて初めてやり甲斐を感じる人もたくさんいる。
逆に「死んでもやりたくないことは何か?」を考えて、消去法で職種を絞る方法もある(営業とかセールスマン、コールセンター?
「好きなことは敢えて仕事にしない」人もいる。
仕事と趣味の境界線が曖昧になり、完全な趣味がなくなることを嫌う(わたしもそうかも
「仕事は生活上の手段」と考えるのも一計。
「趣味に生きる」「家族に生きる」のもある意味の「自分らしさ」。
●「静脈産業」
世の中にはあらゆる仕事があって、どれもなくてはならないものだということも重要なポイント
どんな仕事も社会とのつながりの中で存続している。
どんな形でも社会に貢献することを喜びと感じる人になってほしい。
悩むという行為は、真剣に考えているという証。
【指導者へのメッセージメモ】
●大人の「共感力」が子どもの達成感を育む
講演先の生徒たちに「嬉しかったこと」「感動したこと」を質問しても答えられない子どもが多いことに危機感を感じた。
嬉しい気持ちや、感動は、他者から共感されないと育まれない
「テストで80点とったよ」と言っても「お前ならもっと頑張れるはず」などと言えば、
子どもの記憶に「嬉しかったこと」「感動したこと」として刻まれない。
「すごいね」と声がけをされることで達成感が味わえる。
逆に、怒りや悲しみは他者からの共感がなくても記憶に刻まれると言われている。
●リフレームは子どもを元気にする。
「リフレーム」
ある出来事に対して、違うわく組みや意味を与えることによって、その出来事の見方を変えること。
自分の長所が言えない子どもが多い。つまり「自己肯定感」が低い
「自己肯定感」はすべての活動の源になる。
「自己肯定感」のある子どもは失敗を恐れず、自己表現でき、他者を肯定することにもつながる。
●人は期待された通りの人間になる「ピグマリオン効果」
子どもたちを変えるには、まず大人たちが変わらなければならない。
悪い点は黙っていても見えるが、良い点は探さなくては見えてこない。
多忙な日常生活の中で、長所を見つけるのが難しかっただけ。
●「教える」は「育む」ための手段で目的ではない
「教える」+「育む」はつねにセット。
「教育」のeducationは、ラテン語の「educe(引き出す)」からきている。
日本の学力低下問題は、PISA型学力で問われる「情報活用能力」「読解力」の低さが要因。
これらは知識をどう活用させるかという「引き出す」「育む」につながる。
1つの答えを教えるのでなく、1つのテーマに対するいろいろな考え方を協議しながら身につけること。
感じたことを周囲に気兼ねなく発言できる環境+自己肯定感が保証されていなければならない。
空気ばかり読んで自分の意見が言えない子どもではダメ。
アメリカのパワーの源は「社会の異質性」にある。言葉や肌の違いがある上で、
互いを尊重しながらも、自分の意見を主張し、互いから良いものを学び合う姿勢が、新しい文化や価値観を創る。