■10代のセルフケア『傷つけられていませんか? 虐待的な関係を見直す』(大月書店)
カーリーン・コブ/著
これまでも『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』、『共依存かもしれない』を読んで、
10代の~とあるけど、どの世代にも関わりがある、現代の複雑なココロの問題が取り上げられていて、
とても分かりやすく、身近なこととして、幅広く読んで欲しい1冊。
NHK解説委員長・柳澤さんはいい人だけど、以前出演してた「あさイチ」で虐待問題が取り上げられた時に
「僕らの子どもの頃は、いけないことをしたらげんこつで殴られるくらいは当たり前だった」と言っていて驚いたことがある。
いまだに、「多少の暴力はしつけのうち」、「子どもを管理するのは当然」と思っている大人は多い。
赤ちゃんのうちからイジメをする子などいないように、私は善人説を信じている。
コミュニケーションに問題がある人は、生育歴、環境に多少なりとも影響を受けていると思う。
直接的な暴力だけじゃなく、日常にある「否定的な言葉や態度」も「虐待」という認識に立つことも重要だ。
それは、親子関係だけじゃなく、友人、会社などでの人間関係でも同じこと。
また長くなるけれども、自分のためと、大勢に興味をもってほしいので、以下にまとめてみた。
【内容抜粋メモ】
「生まれてきた子が、そのまま受け入れられ、慈しんで育てられること以外はすべて虐待にあたる」と言っても過言ではない。
子どもの健康な成長には、養育者からの無条件な愛情が不可欠。
「こうすべき」という狭小な価値観で子どもを育てるのも虐待。
「親の期待を満たさなければ愛されない」というのは条件付の愛情。
「お前のためを思ってのことだ」と、親の希望や理想を子どもに過度に押しつけようとすることも虐待。
「虐待されて当然、なんて人はどこにもいない」
痛みを伴う状況に耐えることに、もし、いくばくかの価値があるとしたら、それは
「あなたがそのことを自分の人生で望んでいない」ということを分かるためだけ。
虐待は、自分のせいではないのだから、けっして自分を責めてはダメ。
「正しい暴力」や「しつけという暴力」はない。暴力は暴力でしかない。
あなた以上に大切な人は、あなた以外にはいない。
健康的な人間関係は、互いに愛情と尊敬の気持ちをもって、相手の興味や目標に理解を示し、応援しようとするもの。
すべての大人には、虐待の訴えを受けたら通告する義務がある。匿名でも可。
虐待は時間とともに良くなることはない。逆にひどくなる。
秘密を守る行為は、助けを求める必要性・チャンスを奪ってしまう。
自分ひとりで何とかすることはできないと思うことが重要。
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日本子どもの虐待防止民間ネットワーク「虐待防止ホットライン」
日本の児童相談所における支援内容決定のプロセス
相談者からの通告・相談(本人、家族、学校、警察、福祉事務所等)
↓
児童相談所、児童福祉審議会:緊急受理会議→調査→立ち入り調査・一時保護→診断→援助方針会議
↓
家庭裁判所、関係機関
↓
施設入所・里親委託、児童福祉司指導、継続指導、助言指導、その他
ストーカー規正法
被害者からの相談
↓
警告等の申し出、援助を受ける旨の申し出→警察署長等による援助
↓
つきまとい行為
↓
警察署長等による警告
↓
公安員会による聴聞
↓
公安員会による禁止命令
↓
加重罰、罰則
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●虐待をされている人には次の行動が重要
・信頼できる大人や友だちに話す。
・自分の安全を第一に考える。
・自尊心を育てる。
自分が虐待を受けていると認めること。
これまでずっと虐待されていたために、それが普通だと思っている人は案外多い。
●現状調査
アメリカでは12~17歳の1000人に25.7人が虐待を経験している。
高校生の女子5人に1人、男子8人に1人が18歳までに身体的、性的虐待を受けている。
身体的、性的虐待は家で起こることが最も多く53%、複数回起こることも多い65%。
日本では、2004年、児童虐待相談件数が3万3408件。
●虐待のタイプ
1.心理的虐待
怒りをぶつける、けなす、非難するなど。認知や感情、ココロの病を引き起こす可能性がある「人格を攻撃」するもの。
身体的虐待同様に有害だが、気づきにくい(気づかれにくい)+回復が困難という特質がある。
注意:怒りと激怒の違い
激怒=自己否定感が根にある、不健康な怒りの表現。
怒りに巻き込まれる側は、自分を責めがち。
自分は無力で問題解決は無理、自信を失い、どうしようもない人間だと思い込む。
→自己否定感をどうにかするために人を侮辱するようになる。
「激怒依存症」
激怒が嗜癖となる
怒りのコントロールは、ココロの平安と幸せな人間関係をもたらす。
2.身体的虐待
殴る、突き飛ばす、物で叩くなど。
虐待の影響は10代で表面化する。過去・現在、すべての人間関係を壊してしまう。
「虐待は自分のせいだ。自分がちゃんとすれば、防げたはずだ」と思うのは間違い。
虐待する親は、ストレスの度合いによって、子どもを懲らしめ、気を晴らす。
その多くは、アルコール、薬物乱用者が多い。
虐待を受けた子どもは、そのサイクルを打ち破る方法を学ばないかぎり、虐待的な人間関係に巻き込まれがちになる。
最初は暴力を恐れていても、次第にそれを真似るようになることが研究で分かった。
強い共依存関係になったり、うつ、無気力、希死念慮の危険が高まる。
3.性的虐待
大人と未成年者間の性的行為、性的搾取。未成年の子ども同士でも起こる。
虐待者がまったく見ず知らずの人ということは滅多にない。
親、義理の親、兄弟姉妹、家族の親しい人が多い。
10代の子どもが性的虐待を受けたと告白するのは非常に難しい。
深く恥じ、罪悪感を抱き、家族にショックを与えるという恐れが働くため。
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家族は最初の人間関係
人生は、愛と希望の中で始まる。家族という初めての人間関係で、自分はどんな影響を受けたのか。
態度、行動、不安は家族によって形づくられた。
家族の影響は、人生から抜き取ることのできない事実だが、運命を決定づけるものではない。
過去を振り返ることは暗雲を取り除く方法のひとつ。
ある状況や人に対して、どうしてこのやり方で反応してしまうのか理解するのに役立つ。
受け入れがたい事実を否認したり、「それほど悪くはない」と偽る思考パターンにスポットをあてる。
脳の重要な発達は3歳まで。
安定した家庭環境で育った子どもは、仲間と信頼感関係を築いたり、高い目標を達成し、
思い切って行動する心理的な準備ができていて、楽しめる。
家族間でさげすむような経験をした子どもは、そういう関係が普通だと受け止める。
多くの親は、自分が育った家族(原家族)の方法を用いて、それを再現しようとする。
それは愛情によってなされたものであることは心にとめる必要がある。
“なにか欲しい時どうしたらよいか”は、家族から学んだ。
その習慣がどこからきたのか覚えていなくても、行動として身についてしまった。
それが虐待であっても、自分の行動は正しく、相手のためになると信じ込んでいる。
●ネグレクト(育児放棄)
アメリカで最多の報告はネグレクト。子どもに必要な衣食住、医療ケアを与えないこと。
子どもが愛情を求めても無視したり、無関心であること、無視する、褒めないなど。
褒めることを怠ると、子どもは挑戦をやめ、人生に見切りをつけ、自己破壊的な行動に逃げ込んでしまう。
貧困に原因がある場合もある。
“可愛いおちびちゃん”を失ってしまうという残念な気持ちが根底にあり、
子どもの行動に対する支配を手放すことを恐れる。
子どもは、以前のように親を満足させることは出来ないと感じ、親からの強い圧力に抵抗しなければならない。
親の権威に影響されないと、親はがっかりし、無力感に陥り、より厳しくするかもしれない。
雑誌やテレビなどのメディアは、普通の人では到達できそうもない理想像を次々に目の前に繰り広げている。
●思春期の混乱+虐待
思春期は、自分の心地よい居場所を見つけたいと望んでいる。
自己確立に苦労している上に、さらに虐待があれば、そのプロセスがますます複雑で困難となる。
●契約書(家族の約束)を作る
親のストレスのない時は、子どもの話を受け入れやすい。
ルールや約束事を家族で話し合って決め、対立した時に、それを出して照らし合わせる。
意見の不一致があっても、言葉の礼儀をわきまえれば、虐待にエスカレートすることを未然に防げる。
適切な境界線
その人が尊重され、侵されるべきではないライン
体罰や言葉の非難は、教育としては効果がなく、有害であるという調査結果がある。
原因は、知識不足、強いストレス、未熟な子育て、意見の相違。
●「二度と暴力はふるわない」と誓うハネムーン期
暴力には3つのステージがある。
1.緊張が高まる
虐待者がイライラし、気まぐれになる。犠牲者は“卵の殻の上を歩くように”注意深くなる。
2.深刻な虐待がある
もっとも暴力的で、危険なステージ。
3.ハネムーン期
虐待者は後悔にかられて謝る。こうして愛情が示されるため、「いずれ関係は改善するだろう」と犠牲者に信じさせてしまうのが典型パターン。
被害者は関係の終わりは望んでいないので約束を信じようとする。
しかし、カウンセリングや第三者の介入で虐待のやめ方を学ばないと止まらないことが研究で明らかになっている。
●とにかく話すことが大事
虐待の被害者の女子29%、男子48%が、誰にも話したことがないと答えた。
「秘密の曝露は、家族に対する裏切り行為」だと家族で無言のうちに子どもに教え込んでいるため、
助けを求めることには、成熟と勇気が必要
虐待を明らかにすることは、自分と相手を助け、変化は成長と癒しにつながる。
親は子どもが何かを“企んでいる”ことに不安になり、余計イライラする。
危険な場合は「親子分離」の処置がとられる。
家庭にいにくい状況だと、悪い仲間とつるみがちになる。すると、ますます危険な状況になる。
「自分にはもっとよい扱いを受ける価値がある」と信じること。
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●友だち関係を見直す
友だち、恋人などの人間関係は、家族関係が影響していることが多い。
例:
「迷惑をかけないよう」と厳しくしつけられた人→内気、秘密主義
度重なる失望、約束を破られる→本当に望むものを求めない
「自分にはそんな価値がない」「自分はダメな人間だ」とつぶやいているほうが馴染みがある。
「本当の自分を知られたら、友だちの価値がないと思われるかも」という恐れ。
誰かの習慣や行動を変えることはできないが、誰かに対する自分の反応を変えたり、
自分をどう思っているだろうと想像して悩むのをやめることはできる。それは自意識過剰のサイン。
●男女ではストレス対処法が違う
男子:運動する。コンピューターを使う
女子:友だちとおしゃべりをする
心理学者の男子への提案は、「黙ってむっつりするより、言葉を使ってココロを開いて」と励ますこと。
●考え方を変える
なんでも悪い方向に考えるのをやめて、肯定的・建設的な方向に考える。
誰かが鼻であしらったら「私が何かした?」ではなく
「私になにか関係あるのかな? それとも相手の虫の居所が悪かっただけかな?」と考える。
そして、それから学べることがあるか、教訓、学ぶべき体験だと考える。
もし学ぶことがなければ放っておくか、自分とは関係がないと忘れよう。
「人を満足させなければいけない」と思うのは、虐待のある家で育ったことの影響のひとつである「共依存的行動」。
「みんな友だちならいい」というのは、誰にとっても現実的な望みではない。
ミラーワーク
「自分は仲間からの愛と尊敬を受けるに値する人間だ」と信じられるようになるためにカウンセラーがすすめる方法。
鏡に映った自分に「私はあなたのことを愛しています」と言ってみる。
愛を与えたり、受けとったりするようになる前に、まず自分を愛することが大事。
ミラーワークは、自己受容、自己愛、自己尊敬を育てる。
仲間同士の行為で、何が受け入れられ、何が受け入れられないか、1つ1つ判断する。
受け入れるために自分が変わる必要があれば、それを認めるために内に秘めた強さを奮い起こす
自分の反応が変わると、虐待者は、前にも増して行為をすることがある。それはむしろ成功しているきざし。
人との境界線をはっきりさせる
健康的なふるまいと、虐待的なふるまいを区別することに慣れてないと、自分と他人の境界線がぼやけている。
なにが望ましい行動か、不健康な行動をどう避けるか知らない状態。
人との境界線がぐずぐずだと、虐待が起きやすい。
「壊れているものをわざわざ選びだす」
向上する努力をしても、自分のためにならない人や状況に惹かれてしまう傾向を変えるには時間がかかるが必ず成功する。
「自分がもっていないものは、人に与えることはできない」ということわざもある。
ありのままの自分を恐れない
人が望む姿、ステキだと思われる姿でいようとすると、エネルギーを奪い、本来の目標から外れる。
自分の興味で行動し、目標を共有できる仲間を見つけ、その仲間もありのまま尊重する。
その親切は、自分が孤独や不安を感じている時に返ってくる。
●問題を解決する側に立つ
なりゆきを見るだけ、誰かに決定を委ねたり、全部まかせない。
●自分から会話をする
恥ずかしくても、会話はそれほど大きな責任を伴うものではない。
人を褒める
すぐ批判する人がいるが、それより成功、努力に目を向け、励まし、手伝いを申し出る。
●批判されたらジョークで立ち去る
イジメる人は、小さくて、弱くて、孤独に見える人を標的にするもの。
胸を張って歩き、イジメられても平静な顔でその場から立ち去る。
●全部ひとりでやる必要はない
自分が人からどう扱われているか、自分はどう人と接しているかについて話すことによって、もっと自分がよく分かる。
一人で解決する必要はない。また、すぐに変えることもできない。
●極端に力の不均衡なグループから抜け出す
1人で過ごす時間は、いろんなことを考えさせ、長い目で見れば有益なものとなる。
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イジメも虐待
「人気」はとらえにくいもの。その理由もすぐ変わる。
GFやBFがいる、家が裕福、顔やスタイルのよさ、成績優秀などなど。
スポーツが苦手な男子は、イジメの標的にされがち。
コーチも選手を一方的に非難したり、体罰を与えたり、虐待的な関係がなりたちやすい。
子どもは「自分は“十分”ではない」と決め付けてしまう。
仲間から好かれる理由例
・一緒にいて楽しい人
・秘密を守る人
・プラスの影響がある人
・仲間を励ます、守る人
・よく話を聞き、共感してくれる人
・ユーモアのセンスがあり、人をジョークの種にしない人
仲間から嫌われる理由例
・攻撃的、支配しようとする人
・引っ込み思案、冷たい、人と関わらない人
・不愉快な態度、イヤミっぽい人
・会話の邪魔をする、人の話を聞かない人
・非協力的、思いやりがない人
・秘密をもらしたり、噂を喋り歩く人
・不機嫌な人
ボディランゲージ(身体的言語)
まず、姿勢に注意 肩が落ちて丸くなっているのは、いつも厳しく批判されてきた人に共通している。
黒やグレーの目立たない服装ばかり、逆に派手なものばかり着ているなど。
自分の外見が送っているメッセージについて考える。
●低い自己イメージをミラーワークで暴く
自分のイメージのあら探しをしてばかりで、その影響を大きく考えてはいないか?
「自分は失敗するはず」「誰も自分のことなんて好きじゃない」と信じていると、そういう事態になる可能性は増す。
「太っているせいで惨めな思いをしている」といった妄想は「摂食障害」につながる。
自己イメージが低いと、内面化された恐れが、見方を歪める。
●問題を明らかにして、立ち向かう
力のある人が喋っていると、ほかの人は黙ってしまう。この沈黙を破るのは困難。
仲間の中での自己表現は恐ろしいことかもしれないが、コミュニケーションの上達は生きる上で必要。
人間関係の衝突は、コミュニケーション力のなさと、誤解から起こる。
向かい合わないと気まずい沈黙が生まれ、状況を変えるチャンスが減る。
問題に関わることで、実は問題から解放される。
自己表現と人を責めることは違う。
意見に同意できなくても、理解するよう努める。
難しいなら、公平で、双方が信頼している「仲介役」に手助けを頼む。
話し合いでしてはいけないこと
・話を聞いてない態度をとる
・さえぎる。批判する。話題を変える。からかう。あざ笑う。→言葉で相手の境界を侵害している
・黙ってふくれっつらをする。無関心。話し合おうとしない。
できることをやっても不快感が消えないなら、距離をとる。友だちになるつもりがないのかもしれない。
アメリカの調査では16%が学校や地域で危険を感じると答えている。
イジメる側は、仲間の目に自分がより偉く見えるように、大人しくて、弱くて、内気に見える相手を選んで押さえつける。
●イジメへの対処法
・たとえ見せかけだけでも、自信のある印象を与えることが有効。
・「みんなでいればこわくない」という気分は学校生活には合う。
・イジメる側は「反応」を期待している。被害者のようにふるまわないこと。
・親や教師、カウンセラーに相談する。言わなきゃ誰も気づいていないかもしれない。
学校は、言葉やアイデアを使って違いを認め、平和に共生する場。
●デートでの虐待
BF・GFがいることは仲間内でのステータスになり得る
恋人がいると、自分が受け入れられているという安心感が得られるため、
自尊心が低く、容姿を気にしている子にとっては、異性から最高の承認を受けたいという思いが強まる。
女子は、男子以上に人間関係を脅迫的に考え、うまくいかないと自分を責めがち。
仲間に自分の力を示すために「イケてる自分」であることを示そうとしたり、女子を物として利用することにつながる。
男としての役割を演じなければならないと思っていたり、映画でみた役割を実行しているだけの場合もある。
●プレッシャーを捨てる
「こうあるべき」こととの違いに苛立つのでなく、あるがまま受け入れることで、よりエネルギーが得られる。
前向きな気持ちでいる時に引き寄せられた人は、よい影響を与える友だち。
友だちは、よく笑い、楽しい時間の過ごし方を知っていて、前向きな考えを語る人の周りに集まるもの。
「誰か交際相手を作らなくては」という大きなプレッシャーを抱いていると、相手が虐待的でも誘惑にのってしまいがち。
警告のサイン
・極端に嫉妬深くて、独占欲が強い。他から孤立させようとする。
・威圧的に支配する。 など
家で虐待を受けた人は、虐待的なパートナーや友だちを選び、家庭のパターンを繰り返す可能性がとても高い。
相手の望みをすべて叶え、言う通りにして“完璧”でいても、関係改善はできない。
被害者はよくこう言う「私の場合は違います!」
否認する時間が長いほど、その状況から逃げ出すのが困難になるという研究結果がある。
孤立化されることは、巧妙な手段で行われることもある。
被害者はその状態になじみやすく、安心感が得られるような気持ちさえする。
極端な嫉妬深さには、想像力たくましい言いがかりが散りばめられているのが特徴。
相手を所有物のように考え、パートナーの人生まで管理しようとする人とは早く離れること。
健康な関係は、互いに励ましあい、相手の目標を応援するもの。
相手の信念が違っても、尊重できるのが成熟のしるし。それには誠意と信頼が必要で、不安もともなうもの。
いつも自分のやり方を主張するのは、愛の証ではなく、相手を管理したいという欲求。
自尊心の成長がなければ、2人の関係が犠牲になるかもしれないような問題に、はっきりとした態度で向き合うことはムリ。
恋愛の3タイプ
・ロマンティック型
大抵はここから始まる。2人が互いの欠点を見つけるようになる時点で情熱は変化する。
・育み型
互いに励ましあい、支え合う。
・依存型
2人とも相手なしでは生きられないと思っている。
管理、孤立化、批判、他に愛してくれる人などいないと相手に信じ込ませることで表現する。
10代で恋愛中の暴力を経験した人は36%。
17.8%の女子高生が恋人から意思に反する性行為を強要されたことがある。
殺された女性の3人1人が夫や恋人に殺されている。
誰かの管理下にある不均衡な関係は、将来的に虐待が起きる重要な警告サイン。
警告サイン例
・暴力を受けた後、相手が機嫌よくいられるようふるまえなかった自責の念が起こる。
・「彼と意見が合わなかった」と考え、虐待をなかったことにしてしまう。
未解決の虐待問題を抱えた人と、恋愛関係になることは大仕事であり、ひどい結末になり得る。
被害者は、社会から孤立するよりはずっとましだと思ってしまう。
●自分のために出来ること
・規則正しい生活、よく食べる、自己防衛について学ぶことも重要。
・望まない性行為にははっきり、繰り返し「ノー」という。
・ピアサポートで自分の価値に気づく
虐待者から去ることは大きなステップだが、それで終わりではなく、自分を尊重することを学ぶ。
ストーカー行為
ストーカー行為は、別れた後に行われる、別の形の虐待。
つきまとう、待ち伏せ、押しかけ、監視していると告げる、面会の要求、無言電話、連続した電話やFAX、汚物などの送付など。
(この中に「メール」も追加する検討をしてるって話題もあったな
アメリカでは、ストーカーに占める親密な関係だった人の割合は、70~80%。
ストーカーは「相手の反応が欲しい」という。
反応によって、ある種の恋愛関係で結ばれている、コントロールしていると感じる。
日本では2000年に「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が成立した。
相談をすると、警察署長が相手に警告を出してくれ、従わなかったら公安委員会から禁止命令が出され、さらに従わないと罰則が科される。
(被害者の警察署だけでなく、相手の住所の警察署、ストーカー行為が起こった警察も動くに変わったとかともゆってた
●ストーカー対策
・相手が知人の場合、「あなたにこれ以上会いたくない」ときっぱり言う。
「今、彼がいる」「今は恋人が欲しくない」等ではダメ。
・友だちでいられる望みはないことを伝え、接触しないようにする。
・家の電話は留守電にし、携帯電話は新しくかえる。
・ストーカーのメッセージはどんなことも犯罪の証明になるから残しておく。
・車はロックしておく。ドライブ中に追ってきたら、家に帰ったり、友人宅に行かず、警察に直行する。
ストーカーの目的を確かめる方法はない。自分を守る行動をとることがとても重要。
●暴力が起こる理由
攻撃性を描いたり、美化する映画や本、テレビ、ニュースなどの影響も、暴力的な思考を受け入れる一因となっている。
「男らしさのイメージ」から、女性のボスにならなくては、と思い込むこともあるなど、社会や文化、教育との関係も深い。
●関係を断ち切ったあと
問題のある人間関係は、依存症と同じ。
自分にとって害のある人に会いたいという誘惑は、過食、喫煙、飲酒、薬物乱用、買い物、盗み、激怒などの行為に似ている。
たとえ不健康な関係でも、別れの悲しみはやってくる。
「こうしなければ、私たちは今でも幸せだったのに」とココロの中で繰り返す。
日記を書いたり、1人で過ごすのもいいが、ずっと引きこもらず、興味のある行事などに参加して共有できる人と関わろう。
自己肯定感を抱ける友だちと過ごそう。
身支度、オシャレなど、何かをしていることは、憂鬱感、疲労、強迫観念との闘いの中で効果的な手段となる。
健康的な恋愛関係には“片割れ”などない。両者ともすでに完成された大人。
ココロの隙間を必死に誰かに埋めてもらおうとする必要はない。
自尊心を育て、楽しいことをして、自分を愛するという健康的な習慣をはじめよう。
●健康的な人間関係とは話をじっくり聞くことから
相手に敬意を表して、話を聞ける人になることは、もっとも愛のこもった贈り物のひとつ。
邪魔をしたり、裁くためでなく、根気よく話を聞くことは、いつでも感謝されること。
コミュニケーション能力を磨く
遠まわしに操るような話し方を身につけてきたなら、声を低くして、簡潔に言うとインパクトがある。
「私」を主語にして話すことで、「あなたは」という言い方で責めることなく、自分の気持ちを表現できる。
例:
「なんでも私にばかりやらせている!」→「これを手伝ってほしいの」
「あなたがそんな風に思うなんて残念だわ」:怒りの矛先をかわし、やわらげることができる。
「あなたの言う通りかもしれないわ」:同意でもなく、可能性について述べているだけ。張り詰めた状況を刺激せずにしずめる。
言葉とは、偽りなく、行動の後に続いてこそ力が得られるもの。
●協力的な子育て
家族で決めることは、皆が賛成するようにすべきで、一人が命令すべきではない。
指図するのではなく、健康的なふるまいを見せることで、虐待のサイクルを打ち破り、素晴らしい贈り物を子どもにあげられる。
●友だちが虐待で困っていたら、批判せず話を聴く
・偶然の連続とは思えない不自然な傷あとを見たら、打ち明けるのを待たずに聞いてみる。
・批判しないという態度は、コミュニケーションの扉を開いてくれる。
生まれつき暴力的、虐待的な人はいない。
私たちの社会には、いまだに暴力には一定の効果があると伝えられている。
けれども、暴力はやめることができる行動なのだ。
カーリーン・コブ/著
これまでも『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』、『共依存かもしれない』を読んで、
10代の~とあるけど、どの世代にも関わりがある、現代の複雑なココロの問題が取り上げられていて、
とても分かりやすく、身近なこととして、幅広く読んで欲しい1冊。
NHK解説委員長・柳澤さんはいい人だけど、以前出演してた「あさイチ」で虐待問題が取り上げられた時に
「僕らの子どもの頃は、いけないことをしたらげんこつで殴られるくらいは当たり前だった」と言っていて驚いたことがある。
いまだに、「多少の暴力はしつけのうち」、「子どもを管理するのは当然」と思っている大人は多い。
赤ちゃんのうちからイジメをする子などいないように、私は善人説を信じている。
コミュニケーションに問題がある人は、生育歴、環境に多少なりとも影響を受けていると思う。
直接的な暴力だけじゃなく、日常にある「否定的な言葉や態度」も「虐待」という認識に立つことも重要だ。
それは、親子関係だけじゃなく、友人、会社などでの人間関係でも同じこと。
また長くなるけれども、自分のためと、大勢に興味をもってほしいので、以下にまとめてみた。
【内容抜粋メモ】
「生まれてきた子が、そのまま受け入れられ、慈しんで育てられること以外はすべて虐待にあたる」と言っても過言ではない。
子どもの健康な成長には、養育者からの無条件な愛情が不可欠。
「こうすべき」という狭小な価値観で子どもを育てるのも虐待。
「親の期待を満たさなければ愛されない」というのは条件付の愛情。
「お前のためを思ってのことだ」と、親の希望や理想を子どもに過度に押しつけようとすることも虐待。
「虐待されて当然、なんて人はどこにもいない」
痛みを伴う状況に耐えることに、もし、いくばくかの価値があるとしたら、それは
「あなたがそのことを自分の人生で望んでいない」ということを分かるためだけ。
虐待は、自分のせいではないのだから、けっして自分を責めてはダメ。
「正しい暴力」や「しつけという暴力」はない。暴力は暴力でしかない。
あなた以上に大切な人は、あなた以外にはいない。
健康的な人間関係は、互いに愛情と尊敬の気持ちをもって、相手の興味や目標に理解を示し、応援しようとするもの。
すべての大人には、虐待の訴えを受けたら通告する義務がある。匿名でも可。
虐待は時間とともに良くなることはない。逆にひどくなる。
秘密を守る行為は、助けを求める必要性・チャンスを奪ってしまう。
自分ひとりで何とかすることはできないと思うことが重要。
***************************************************
日本子どもの虐待防止民間ネットワーク「虐待防止ホットライン」
日本の児童相談所における支援内容決定のプロセス
相談者からの通告・相談(本人、家族、学校、警察、福祉事務所等)
↓
児童相談所、児童福祉審議会:緊急受理会議→調査→立ち入り調査・一時保護→診断→援助方針会議
↓
家庭裁判所、関係機関
↓
施設入所・里親委託、児童福祉司指導、継続指導、助言指導、その他
ストーカー規正法
被害者からの相談
↓
警告等の申し出、援助を受ける旨の申し出→警察署長等による援助
↓
つきまとい行為
↓
警察署長等による警告
↓
公安員会による聴聞
↓
公安員会による禁止命令
↓
加重罰、罰則
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●虐待をされている人には次の行動が重要
・信頼できる大人や友だちに話す。
・自分の安全を第一に考える。
・自尊心を育てる。
自分が虐待を受けていると認めること。
これまでずっと虐待されていたために、それが普通だと思っている人は案外多い。
●現状調査
アメリカでは12~17歳の1000人に25.7人が虐待を経験している。
高校生の女子5人に1人、男子8人に1人が18歳までに身体的、性的虐待を受けている。
身体的、性的虐待は家で起こることが最も多く53%、複数回起こることも多い65%。
日本では、2004年、児童虐待相談件数が3万3408件。
●虐待のタイプ
1.心理的虐待
怒りをぶつける、けなす、非難するなど。認知や感情、ココロの病を引き起こす可能性がある「人格を攻撃」するもの。
身体的虐待同様に有害だが、気づきにくい(気づかれにくい)+回復が困難という特質がある。
注意:怒りと激怒の違い
激怒=自己否定感が根にある、不健康な怒りの表現。
怒りに巻き込まれる側は、自分を責めがち。
自分は無力で問題解決は無理、自信を失い、どうしようもない人間だと思い込む。
→自己否定感をどうにかするために人を侮辱するようになる。
「激怒依存症」
激怒が嗜癖となる
怒りのコントロールは、ココロの平安と幸せな人間関係をもたらす。
2.身体的虐待
殴る、突き飛ばす、物で叩くなど。
虐待の影響は10代で表面化する。過去・現在、すべての人間関係を壊してしまう。
「虐待は自分のせいだ。自分がちゃんとすれば、防げたはずだ」と思うのは間違い。
虐待する親は、ストレスの度合いによって、子どもを懲らしめ、気を晴らす。
その多くは、アルコール、薬物乱用者が多い。
虐待を受けた子どもは、そのサイクルを打ち破る方法を学ばないかぎり、虐待的な人間関係に巻き込まれがちになる。
最初は暴力を恐れていても、次第にそれを真似るようになることが研究で分かった。
強い共依存関係になったり、うつ、無気力、希死念慮の危険が高まる。
3.性的虐待
大人と未成年者間の性的行為、性的搾取。未成年の子ども同士でも起こる。
虐待者がまったく見ず知らずの人ということは滅多にない。
親、義理の親、兄弟姉妹、家族の親しい人が多い。
10代の子どもが性的虐待を受けたと告白するのは非常に難しい。
深く恥じ、罪悪感を抱き、家族にショックを与えるという恐れが働くため。
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家族は最初の人間関係
人生は、愛と希望の中で始まる。家族という初めての人間関係で、自分はどんな影響を受けたのか。
態度、行動、不安は家族によって形づくられた。
家族の影響は、人生から抜き取ることのできない事実だが、運命を決定づけるものではない。
過去を振り返ることは暗雲を取り除く方法のひとつ。
ある状況や人に対して、どうしてこのやり方で反応してしまうのか理解するのに役立つ。
受け入れがたい事実を否認したり、「それほど悪くはない」と偽る思考パターンにスポットをあてる。
脳の重要な発達は3歳まで。
安定した家庭環境で育った子どもは、仲間と信頼感関係を築いたり、高い目標を達成し、
思い切って行動する心理的な準備ができていて、楽しめる。
家族間でさげすむような経験をした子どもは、そういう関係が普通だと受け止める。
多くの親は、自分が育った家族(原家族)の方法を用いて、それを再現しようとする。
それは愛情によってなされたものであることは心にとめる必要がある。
“なにか欲しい時どうしたらよいか”は、家族から学んだ。
その習慣がどこからきたのか覚えていなくても、行動として身についてしまった。
それが虐待であっても、自分の行動は正しく、相手のためになると信じ込んでいる。
●ネグレクト(育児放棄)
アメリカで最多の報告はネグレクト。子どもに必要な衣食住、医療ケアを与えないこと。
子どもが愛情を求めても無視したり、無関心であること、無視する、褒めないなど。
褒めることを怠ると、子どもは挑戦をやめ、人生に見切りをつけ、自己破壊的な行動に逃げ込んでしまう。
貧困に原因がある場合もある。
“可愛いおちびちゃん”を失ってしまうという残念な気持ちが根底にあり、
子どもの行動に対する支配を手放すことを恐れる。
子どもは、以前のように親を満足させることは出来ないと感じ、親からの強い圧力に抵抗しなければならない。
親の権威に影響されないと、親はがっかりし、無力感に陥り、より厳しくするかもしれない。
雑誌やテレビなどのメディアは、普通の人では到達できそうもない理想像を次々に目の前に繰り広げている。
●思春期の混乱+虐待
思春期は、自分の心地よい居場所を見つけたいと望んでいる。
自己確立に苦労している上に、さらに虐待があれば、そのプロセスがますます複雑で困難となる。
●契約書(家族の約束)を作る
親のストレスのない時は、子どもの話を受け入れやすい。
ルールや約束事を家族で話し合って決め、対立した時に、それを出して照らし合わせる。
意見の不一致があっても、言葉の礼儀をわきまえれば、虐待にエスカレートすることを未然に防げる。
適切な境界線
その人が尊重され、侵されるべきではないライン
体罰や言葉の非難は、教育としては効果がなく、有害であるという調査結果がある。
原因は、知識不足、強いストレス、未熟な子育て、意見の相違。
●「二度と暴力はふるわない」と誓うハネムーン期
暴力には3つのステージがある。
1.緊張が高まる
虐待者がイライラし、気まぐれになる。犠牲者は“卵の殻の上を歩くように”注意深くなる。
2.深刻な虐待がある
もっとも暴力的で、危険なステージ。
3.ハネムーン期
虐待者は後悔にかられて謝る。こうして愛情が示されるため、「いずれ関係は改善するだろう」と犠牲者に信じさせてしまうのが典型パターン。
被害者は関係の終わりは望んでいないので約束を信じようとする。
しかし、カウンセリングや第三者の介入で虐待のやめ方を学ばないと止まらないことが研究で明らかになっている。
●とにかく話すことが大事
虐待の被害者の女子29%、男子48%が、誰にも話したことがないと答えた。
「秘密の曝露は、家族に対する裏切り行為」だと家族で無言のうちに子どもに教え込んでいるため、
助けを求めることには、成熟と勇気が必要
虐待を明らかにすることは、自分と相手を助け、変化は成長と癒しにつながる。
親は子どもが何かを“企んでいる”ことに不安になり、余計イライラする。
危険な場合は「親子分離」の処置がとられる。
家庭にいにくい状況だと、悪い仲間とつるみがちになる。すると、ますます危険な状況になる。
「自分にはもっとよい扱いを受ける価値がある」と信じること。
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●友だち関係を見直す
友だち、恋人などの人間関係は、家族関係が影響していることが多い。
例:
「迷惑をかけないよう」と厳しくしつけられた人→内気、秘密主義
度重なる失望、約束を破られる→本当に望むものを求めない
「自分にはそんな価値がない」「自分はダメな人間だ」とつぶやいているほうが馴染みがある。
「本当の自分を知られたら、友だちの価値がないと思われるかも」という恐れ。
誰かの習慣や行動を変えることはできないが、誰かに対する自分の反応を変えたり、
自分をどう思っているだろうと想像して悩むのをやめることはできる。それは自意識過剰のサイン。
●男女ではストレス対処法が違う
男子:運動する。コンピューターを使う
女子:友だちとおしゃべりをする
心理学者の男子への提案は、「黙ってむっつりするより、言葉を使ってココロを開いて」と励ますこと。
●考え方を変える
なんでも悪い方向に考えるのをやめて、肯定的・建設的な方向に考える。
誰かが鼻であしらったら「私が何かした?」ではなく
「私になにか関係あるのかな? それとも相手の虫の居所が悪かっただけかな?」と考える。
そして、それから学べることがあるか、教訓、学ぶべき体験だと考える。
もし学ぶことがなければ放っておくか、自分とは関係がないと忘れよう。
「人を満足させなければいけない」と思うのは、虐待のある家で育ったことの影響のひとつである「共依存的行動」。
「みんな友だちならいい」というのは、誰にとっても現実的な望みではない。
ミラーワーク
「自分は仲間からの愛と尊敬を受けるに値する人間だ」と信じられるようになるためにカウンセラーがすすめる方法。
鏡に映った自分に「私はあなたのことを愛しています」と言ってみる。
愛を与えたり、受けとったりするようになる前に、まず自分を愛することが大事。
ミラーワークは、自己受容、自己愛、自己尊敬を育てる。
仲間同士の行為で、何が受け入れられ、何が受け入れられないか、1つ1つ判断する。
受け入れるために自分が変わる必要があれば、それを認めるために内に秘めた強さを奮い起こす
自分の反応が変わると、虐待者は、前にも増して行為をすることがある。それはむしろ成功しているきざし。
人との境界線をはっきりさせる
健康的なふるまいと、虐待的なふるまいを区別することに慣れてないと、自分と他人の境界線がぼやけている。
なにが望ましい行動か、不健康な行動をどう避けるか知らない状態。
人との境界線がぐずぐずだと、虐待が起きやすい。
「壊れているものをわざわざ選びだす」
向上する努力をしても、自分のためにならない人や状況に惹かれてしまう傾向を変えるには時間がかかるが必ず成功する。
「自分がもっていないものは、人に与えることはできない」ということわざもある。
ありのままの自分を恐れない
人が望む姿、ステキだと思われる姿でいようとすると、エネルギーを奪い、本来の目標から外れる。
自分の興味で行動し、目標を共有できる仲間を見つけ、その仲間もありのまま尊重する。
その親切は、自分が孤独や不安を感じている時に返ってくる。
●問題を解決する側に立つ
なりゆきを見るだけ、誰かに決定を委ねたり、全部まかせない。
●自分から会話をする
恥ずかしくても、会話はそれほど大きな責任を伴うものではない。
人を褒める
すぐ批判する人がいるが、それより成功、努力に目を向け、励まし、手伝いを申し出る。
●批判されたらジョークで立ち去る
イジメる人は、小さくて、弱くて、孤独に見える人を標的にするもの。
胸を張って歩き、イジメられても平静な顔でその場から立ち去る。
●全部ひとりでやる必要はない
自分が人からどう扱われているか、自分はどう人と接しているかについて話すことによって、もっと自分がよく分かる。
一人で解決する必要はない。また、すぐに変えることもできない。
●極端に力の不均衡なグループから抜け出す
1人で過ごす時間は、いろんなことを考えさせ、長い目で見れば有益なものとなる。
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イジメも虐待
「人気」はとらえにくいもの。その理由もすぐ変わる。
GFやBFがいる、家が裕福、顔やスタイルのよさ、成績優秀などなど。
スポーツが苦手な男子は、イジメの標的にされがち。
コーチも選手を一方的に非難したり、体罰を与えたり、虐待的な関係がなりたちやすい。
子どもは「自分は“十分”ではない」と決め付けてしまう。
仲間から好かれる理由例
・一緒にいて楽しい人
・秘密を守る人
・プラスの影響がある人
・仲間を励ます、守る人
・よく話を聞き、共感してくれる人
・ユーモアのセンスがあり、人をジョークの種にしない人
仲間から嫌われる理由例
・攻撃的、支配しようとする人
・引っ込み思案、冷たい、人と関わらない人
・不愉快な態度、イヤミっぽい人
・会話の邪魔をする、人の話を聞かない人
・非協力的、思いやりがない人
・秘密をもらしたり、噂を喋り歩く人
・不機嫌な人
ボディランゲージ(身体的言語)
まず、姿勢に注意 肩が落ちて丸くなっているのは、いつも厳しく批判されてきた人に共通している。
黒やグレーの目立たない服装ばかり、逆に派手なものばかり着ているなど。
自分の外見が送っているメッセージについて考える。
●低い自己イメージをミラーワークで暴く
自分のイメージのあら探しをしてばかりで、その影響を大きく考えてはいないか?
「自分は失敗するはず」「誰も自分のことなんて好きじゃない」と信じていると、そういう事態になる可能性は増す。
「太っているせいで惨めな思いをしている」といった妄想は「摂食障害」につながる。
自己イメージが低いと、内面化された恐れが、見方を歪める。
●問題を明らかにして、立ち向かう
力のある人が喋っていると、ほかの人は黙ってしまう。この沈黙を破るのは困難。
仲間の中での自己表現は恐ろしいことかもしれないが、コミュニケーションの上達は生きる上で必要。
人間関係の衝突は、コミュニケーション力のなさと、誤解から起こる。
向かい合わないと気まずい沈黙が生まれ、状況を変えるチャンスが減る。
問題に関わることで、実は問題から解放される。
自己表現と人を責めることは違う。
意見に同意できなくても、理解するよう努める。
難しいなら、公平で、双方が信頼している「仲介役」に手助けを頼む。
話し合いでしてはいけないこと
・話を聞いてない態度をとる
・さえぎる。批判する。話題を変える。からかう。あざ笑う。→言葉で相手の境界を侵害している
・黙ってふくれっつらをする。無関心。話し合おうとしない。
できることをやっても不快感が消えないなら、距離をとる。友だちになるつもりがないのかもしれない。
アメリカの調査では16%が学校や地域で危険を感じると答えている。
イジメる側は、仲間の目に自分がより偉く見えるように、大人しくて、弱くて、内気に見える相手を選んで押さえつける。
●イジメへの対処法
・たとえ見せかけだけでも、自信のある印象を与えることが有効。
・「みんなでいればこわくない」という気分は学校生活には合う。
・イジメる側は「反応」を期待している。被害者のようにふるまわないこと。
・親や教師、カウンセラーに相談する。言わなきゃ誰も気づいていないかもしれない。
学校は、言葉やアイデアを使って違いを認め、平和に共生する場。
●デートでの虐待
BF・GFがいることは仲間内でのステータスになり得る
恋人がいると、自分が受け入れられているという安心感が得られるため、
自尊心が低く、容姿を気にしている子にとっては、異性から最高の承認を受けたいという思いが強まる。
女子は、男子以上に人間関係を脅迫的に考え、うまくいかないと自分を責めがち。
仲間に自分の力を示すために「イケてる自分」であることを示そうとしたり、女子を物として利用することにつながる。
男としての役割を演じなければならないと思っていたり、映画でみた役割を実行しているだけの場合もある。
●プレッシャーを捨てる
「こうあるべき」こととの違いに苛立つのでなく、あるがまま受け入れることで、よりエネルギーが得られる。
前向きな気持ちでいる時に引き寄せられた人は、よい影響を与える友だち。
友だちは、よく笑い、楽しい時間の過ごし方を知っていて、前向きな考えを語る人の周りに集まるもの。
「誰か交際相手を作らなくては」という大きなプレッシャーを抱いていると、相手が虐待的でも誘惑にのってしまいがち。
警告のサイン
・極端に嫉妬深くて、独占欲が強い。他から孤立させようとする。
・威圧的に支配する。 など
家で虐待を受けた人は、虐待的なパートナーや友だちを選び、家庭のパターンを繰り返す可能性がとても高い。
相手の望みをすべて叶え、言う通りにして“完璧”でいても、関係改善はできない。
被害者はよくこう言う「私の場合は違います!」
否認する時間が長いほど、その状況から逃げ出すのが困難になるという研究結果がある。
孤立化されることは、巧妙な手段で行われることもある。
被害者はその状態になじみやすく、安心感が得られるような気持ちさえする。
極端な嫉妬深さには、想像力たくましい言いがかりが散りばめられているのが特徴。
相手を所有物のように考え、パートナーの人生まで管理しようとする人とは早く離れること。
健康な関係は、互いに励ましあい、相手の目標を応援するもの。
相手の信念が違っても、尊重できるのが成熟のしるし。それには誠意と信頼が必要で、不安もともなうもの。
いつも自分のやり方を主張するのは、愛の証ではなく、相手を管理したいという欲求。
自尊心の成長がなければ、2人の関係が犠牲になるかもしれないような問題に、はっきりとした態度で向き合うことはムリ。
恋愛の3タイプ
・ロマンティック型
大抵はここから始まる。2人が互いの欠点を見つけるようになる時点で情熱は変化する。
・育み型
互いに励ましあい、支え合う。
・依存型
2人とも相手なしでは生きられないと思っている。
管理、孤立化、批判、他に愛してくれる人などいないと相手に信じ込ませることで表現する。
10代で恋愛中の暴力を経験した人は36%。
17.8%の女子高生が恋人から意思に反する性行為を強要されたことがある。
殺された女性の3人1人が夫や恋人に殺されている。
誰かの管理下にある不均衡な関係は、将来的に虐待が起きる重要な警告サイン。
警告サイン例
・暴力を受けた後、相手が機嫌よくいられるようふるまえなかった自責の念が起こる。
・「彼と意見が合わなかった」と考え、虐待をなかったことにしてしまう。
未解決の虐待問題を抱えた人と、恋愛関係になることは大仕事であり、ひどい結末になり得る。
被害者は、社会から孤立するよりはずっとましだと思ってしまう。
●自分のために出来ること
・規則正しい生活、よく食べる、自己防衛について学ぶことも重要。
・望まない性行為にははっきり、繰り返し「ノー」という。
・ピアサポートで自分の価値に気づく
虐待者から去ることは大きなステップだが、それで終わりではなく、自分を尊重することを学ぶ。
ストーカー行為
ストーカー行為は、別れた後に行われる、別の形の虐待。
つきまとう、待ち伏せ、押しかけ、監視していると告げる、面会の要求、無言電話、連続した電話やFAX、汚物などの送付など。
(この中に「メール」も追加する検討をしてるって話題もあったな
アメリカでは、ストーカーに占める親密な関係だった人の割合は、70~80%。
ストーカーは「相手の反応が欲しい」という。
反応によって、ある種の恋愛関係で結ばれている、コントロールしていると感じる。
日本では2000年に「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が成立した。
相談をすると、警察署長が相手に警告を出してくれ、従わなかったら公安委員会から禁止命令が出され、さらに従わないと罰則が科される。
(被害者の警察署だけでなく、相手の住所の警察署、ストーカー行為が起こった警察も動くに変わったとかともゆってた
●ストーカー対策
・相手が知人の場合、「あなたにこれ以上会いたくない」ときっぱり言う。
「今、彼がいる」「今は恋人が欲しくない」等ではダメ。
・友だちでいられる望みはないことを伝え、接触しないようにする。
・家の電話は留守電にし、携帯電話は新しくかえる。
・ストーカーのメッセージはどんなことも犯罪の証明になるから残しておく。
・車はロックしておく。ドライブ中に追ってきたら、家に帰ったり、友人宅に行かず、警察に直行する。
ストーカーの目的を確かめる方法はない。自分を守る行動をとることがとても重要。
●暴力が起こる理由
攻撃性を描いたり、美化する映画や本、テレビ、ニュースなどの影響も、暴力的な思考を受け入れる一因となっている。
「男らしさのイメージ」から、女性のボスにならなくては、と思い込むこともあるなど、社会や文化、教育との関係も深い。
●関係を断ち切ったあと
問題のある人間関係は、依存症と同じ。
自分にとって害のある人に会いたいという誘惑は、過食、喫煙、飲酒、薬物乱用、買い物、盗み、激怒などの行為に似ている。
たとえ不健康な関係でも、別れの悲しみはやってくる。
「こうしなければ、私たちは今でも幸せだったのに」とココロの中で繰り返す。
日記を書いたり、1人で過ごすのもいいが、ずっと引きこもらず、興味のある行事などに参加して共有できる人と関わろう。
自己肯定感を抱ける友だちと過ごそう。
身支度、オシャレなど、何かをしていることは、憂鬱感、疲労、強迫観念との闘いの中で効果的な手段となる。
健康的な恋愛関係には“片割れ”などない。両者ともすでに完成された大人。
ココロの隙間を必死に誰かに埋めてもらおうとする必要はない。
自尊心を育て、楽しいことをして、自分を愛するという健康的な習慣をはじめよう。
●健康的な人間関係とは話をじっくり聞くことから
相手に敬意を表して、話を聞ける人になることは、もっとも愛のこもった贈り物のひとつ。
邪魔をしたり、裁くためでなく、根気よく話を聞くことは、いつでも感謝されること。
コミュニケーション能力を磨く
遠まわしに操るような話し方を身につけてきたなら、声を低くして、簡潔に言うとインパクトがある。
「私」を主語にして話すことで、「あなたは」という言い方で責めることなく、自分の気持ちを表現できる。
例:
「なんでも私にばかりやらせている!」→「これを手伝ってほしいの」
「あなたがそんな風に思うなんて残念だわ」:怒りの矛先をかわし、やわらげることができる。
「あなたの言う通りかもしれないわ」:同意でもなく、可能性について述べているだけ。張り詰めた状況を刺激せずにしずめる。
言葉とは、偽りなく、行動の後に続いてこそ力が得られるもの。
●協力的な子育て
家族で決めることは、皆が賛成するようにすべきで、一人が命令すべきではない。
指図するのではなく、健康的なふるまいを見せることで、虐待のサイクルを打ち破り、素晴らしい贈り物を子どもにあげられる。
●友だちが虐待で困っていたら、批判せず話を聴く
・偶然の連続とは思えない不自然な傷あとを見たら、打ち明けるのを待たずに聞いてみる。
・批判しないという態度は、コミュニケーションの扉を開いてくれる。
生まれつき暴力的、虐待的な人はいない。
私たちの社会には、いまだに暴力には一定の効果があると伝えられている。
けれども、暴力はやめることができる行動なのだ。