過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は薄いベージュ色のノートからご紹介。
photo1:出ました『キングダム』シリーズ。本家ですv
photo2:けっこう美術館も行ったみたい。
photo3:伊豆高原にある日本唯一の「ねこの博物館」にも行ってきた
(なんか増えてる!「まぼろし博覧会」「怪しい少年少女博物館」
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『THE KINGDOM 第1章』(1995)
監督:ラース・フォン・トリアー 出演:エルンスト・フーゴ・イエアゴー ほか
期待の新作。“『ツインピークス』のヨーロッパ版”と言われたら黙っちゃおれない。
デンマーク作品ってのは他にあまり観たことないから国の情勢やらも全然分からんけど、こんな番組が流行るなんてあなどれない。
病院業界に不信感が強いのか、それとも単なるサスペンスなのか、ブラックコメディ部門には入らないと思うが。
これからどう展開していくのかちょっと気になってきたけど、終始セピア色なのが独特の重ったるく湿っぽい雰囲気。
出てくる人物が皆生気がなくて妖しいし。
■『THE KINGDOM 第2章』
1章より断然面白くなってきた。2巻で完結かと思いきや、まだまだ先があるらしい。次の発売の知らせはないけど。
お腹から男の頭が産まれるシーンは強烈
相変わらずうっとうしいくらいセピア色だけど、次の展開がとっても気になる。
■『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(1988)
監督:エドロ・アルモドバル 出演:カルメン・マウラ、フェルナンド・ギリェン ほか
『KIKA』から観て同じ監督の第2弾。初期作品で好評を呼んだ“女”がテーマで撮られたものらしい。
牛みたいな独特な顔をした女優が再び使われている。
今作にはイタリア美人がたくさん出ているわりに話の筋が散漫でよく分からん。
■『ドライヴィング・ミス・デイジー』(1989)
監督:ブルース・ペレスフォード 出演:ジェシカ・タンディ、モーガン・フリーマン、ダン・エイクロイド ほか
当時とても話題作ですでに何回かテレビ放映もされ、評判も良かったけど、なぜか観る機会がなかったが、
イメージ通りやわらかな感動に包まれるハートウォーミングドラマ
時代設定が'40代後半から'70代激動の時代で人種差別問題がいまだ強い南部が舞台なのも興味深いし、
歳を重ねてゆくことを気難しい元教師のユダヤ女性と初老の黒人ドライバーのやりとりを通して淡々と伝わってくる。
もうすでにタンディもこの世にいないのは寂しいかぎりだが、80歳にしてオスカーをとって認められ、
バリバリ現役のうちに亡くなるのは俳優人生としては大往生だろうと思う。
いまや老人ホームていう便利で安全な施設があるため、自分の生まれ育った家を手放すという人もいるだろう。
思い出の記憶だけがココロのどこかに積み重ねられていくんだ。
貧しいユダヤの娘から、息子や夫らの成功で大金持ちの暮らしになったことを恥ずかしくさえ思っているデイジー。
偏見はないといっても私たちは必ずしもそうでないとは言い切れないんだ。
■『ピーターズ・フレンズ』(1992)
監督・出演:ケネス・プラナー 出演:エマ・トンプソン ほか
シェイクスピア劇のリメイクに熱心かと思いきや、こんな等身大の男女を自然体で描いて
ホッと感動させることもできる監督兼俳優、マルチなプラナーの才能に感服
大学の仲間って小中高の友だちとはまた違った間柄なんだよね。
男女がケンカしあって恥を共有して、かつ人間的に理解されてる関係がとってもうらやましい。
HIV感染の話には意表だし、現代が反映している。
C.ローパー、B.スプリングスティーン等'80ヒットが私たちの世代の心を優しくくすぐる。
'70ほどは過激じゃなかったけど、これはこれなりに良かったかななんて思う。
30代って仕事もようやく安定してきて、家族を持って落ち着きたくなる微妙な年代なんだな。
変わった部分あり、変わらない部分もあり、でもやっぱりずっと通して語れる友達ってイイな。
■『欲望の法則』(1986)
監督・脚本:ペドロ・アルモドヴァル 出演:エウセピオ・ポンセラ、カルメン・マウラ、アントニオ・バンデラス ほか
一貫して“女”をテーマに描き続けているというこの監督の初期注目作品は、もろ男、それもゲイを扱っているのが面白い。
『トーチング・トリロジー』にも通じる純愛、後半はサスペンスも盛り上がる。
なかなか人間関係をつかむまで複雑なんだけど、ティナが面倒をみている女の子の存在もイイ。
いつもゲイ映画に感心するのは俳優が皆ハマっちゃってること、これってけっこう難しいと思う。
これから性も選択できる時代にどんどんなっていくだろうし、愛し合っている姿は美しいもの。
「また同趣味の映画を観せたいと思います」ってラストの挨拶がイイね。
■『オンリー・ユー』(1994)
監督:ノーマン・ジュイソン 出演:ロバート・ダウニーJr.、マリサ・トメイ ほか
永遠のロマンス映画『ローマの休日』のエピソードまで混ぜて情熱の国イタリアを舞台に
“運命”という常套手段をうまく使っている。
タイトル曲が最初に使われ(サッチモ)、コテコテのラブストーリーかと思いきや、
運命を追い掛け回して空回りするコギャル的なノリが笑える。
『チャーリー』で一回り大きくなったダウニーがロマンスものでひと息ついて
前の軽いフットワークでヒロインに恋慕する活きのいい奴を好演。
トメイの超モデルルックスで着る赤、白、黒のドレスと靴がキレイ。
イタリア人って本当に皆こんな親切なのか?
「アメリカ人は働くのが生き甲斐、イタリア人はシエスタに、食べ、遊び、恋をする」
そーか、親戚、友人との浮気でなきゃ思いやりがあるって考えなのね。開放的。
■『今そこにある危機』(1994)
監督:フィリップ・ノイス 出演:ハリソン・フォード、ウィレム・デフォー ほか
同僚のオススメがなかったらきっとずっとタッチしなかったろう社会派ドラマ。『JFK』系。
オリバー・ストーン監督ならどう撮ったかな?「すっごい面白いよ!」て言うほどじゃなかった
スゴイといえば、こんな真正面から大統領が国家的陰謀に関わった悪い奴として描けること。
今の日本でも難しいだろうね。FBIやCIAていう大統領をも正す機関があるのはエライけど、
この巨大組織もXファイルを筆頭に暗部が暴かれ始めている。
本当の主人公はやっぱり国民で、裁くのはマスコミの力が最強だって結論かな。
銃撃戦を切り抜けて、ヘリに命からがら乗り込むアクション映画お得意のシーンは合成が見えてる。
大統領にたてつく激しいセリフのクライマックスはさすが戸田奈っちゃんオススメ。
あとは霧の中。これがまさにXファイルズ。
■『黙秘』(1995)
原作:スティーブン・キング 監督:テイラー・ハックフォード
出演:キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー ほか
『ミザリー』で熱演したベイツにキングが惚れ込んで、彼女のために書き下ろしたという異色サスペンスの映画化。
久々に見せてくれたS.キングの濃密で極上のサスペンス。
キングが惚れただけあってベイツの存在感と、リーの演技力だけで2時間たっぷり見せてくれる。
殺ったか殺らないか?! 最低の旦那と、執拗な警官の悪の化身みたいな憎々しさがよりストーリーを盛り上げる。
キングは飲んだくれの下層労働者を描くのが好きだよね。
重大な問題である“子どもに対する父親の性的暴力”“妻への暴行”等は、目をそむけられない社会問題だ。
鏡に向かっているのに後姿が映るシーンは恐い。
ベイツが娘を想う不幸な母親役に徹し、メイクで20年前と後が全く違って見えるところがスゴイ。
今回は薄いベージュ色のノートからご紹介。
photo1:出ました『キングダム』シリーズ。本家ですv
photo2:けっこう美術館も行ったみたい。
photo3:伊豆高原にある日本唯一の「ねこの博物館」にも行ってきた
(なんか増えてる!「まぼろし博覧会」「怪しい少年少女博物館」
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『THE KINGDOM 第1章』(1995)
監督:ラース・フォン・トリアー 出演:エルンスト・フーゴ・イエアゴー ほか
期待の新作。“『ツインピークス』のヨーロッパ版”と言われたら黙っちゃおれない。
デンマーク作品ってのは他にあまり観たことないから国の情勢やらも全然分からんけど、こんな番組が流行るなんてあなどれない。
病院業界に不信感が強いのか、それとも単なるサスペンスなのか、ブラックコメディ部門には入らないと思うが。
これからどう展開していくのかちょっと気になってきたけど、終始セピア色なのが独特の重ったるく湿っぽい雰囲気。
出てくる人物が皆生気がなくて妖しいし。
■『THE KINGDOM 第2章』
1章より断然面白くなってきた。2巻で完結かと思いきや、まだまだ先があるらしい。次の発売の知らせはないけど。
お腹から男の頭が産まれるシーンは強烈
相変わらずうっとうしいくらいセピア色だけど、次の展開がとっても気になる。
■『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(1988)
監督:エドロ・アルモドバル 出演:カルメン・マウラ、フェルナンド・ギリェン ほか
『KIKA』から観て同じ監督の第2弾。初期作品で好評を呼んだ“女”がテーマで撮られたものらしい。
牛みたいな独特な顔をした女優が再び使われている。
今作にはイタリア美人がたくさん出ているわりに話の筋が散漫でよく分からん。
■『ドライヴィング・ミス・デイジー』(1989)
監督:ブルース・ペレスフォード 出演:ジェシカ・タンディ、モーガン・フリーマン、ダン・エイクロイド ほか
当時とても話題作ですでに何回かテレビ放映もされ、評判も良かったけど、なぜか観る機会がなかったが、
イメージ通りやわらかな感動に包まれるハートウォーミングドラマ
時代設定が'40代後半から'70代激動の時代で人種差別問題がいまだ強い南部が舞台なのも興味深いし、
歳を重ねてゆくことを気難しい元教師のユダヤ女性と初老の黒人ドライバーのやりとりを通して淡々と伝わってくる。
もうすでにタンディもこの世にいないのは寂しいかぎりだが、80歳にしてオスカーをとって認められ、
バリバリ現役のうちに亡くなるのは俳優人生としては大往生だろうと思う。
いまや老人ホームていう便利で安全な施設があるため、自分の生まれ育った家を手放すという人もいるだろう。
思い出の記憶だけがココロのどこかに積み重ねられていくんだ。
貧しいユダヤの娘から、息子や夫らの成功で大金持ちの暮らしになったことを恥ずかしくさえ思っているデイジー。
偏見はないといっても私たちは必ずしもそうでないとは言い切れないんだ。
■『ピーターズ・フレンズ』(1992)
監督・出演:ケネス・プラナー 出演:エマ・トンプソン ほか
シェイクスピア劇のリメイクに熱心かと思いきや、こんな等身大の男女を自然体で描いて
ホッと感動させることもできる監督兼俳優、マルチなプラナーの才能に感服
大学の仲間って小中高の友だちとはまた違った間柄なんだよね。
男女がケンカしあって恥を共有して、かつ人間的に理解されてる関係がとってもうらやましい。
HIV感染の話には意表だし、現代が反映している。
C.ローパー、B.スプリングスティーン等'80ヒットが私たちの世代の心を優しくくすぐる。
'70ほどは過激じゃなかったけど、これはこれなりに良かったかななんて思う。
30代って仕事もようやく安定してきて、家族を持って落ち着きたくなる微妙な年代なんだな。
変わった部分あり、変わらない部分もあり、でもやっぱりずっと通して語れる友達ってイイな。
■『欲望の法則』(1986)
監督・脚本:ペドロ・アルモドヴァル 出演:エウセピオ・ポンセラ、カルメン・マウラ、アントニオ・バンデラス ほか
一貫して“女”をテーマに描き続けているというこの監督の初期注目作品は、もろ男、それもゲイを扱っているのが面白い。
『トーチング・トリロジー』にも通じる純愛、後半はサスペンスも盛り上がる。
なかなか人間関係をつかむまで複雑なんだけど、ティナが面倒をみている女の子の存在もイイ。
いつもゲイ映画に感心するのは俳優が皆ハマっちゃってること、これってけっこう難しいと思う。
これから性も選択できる時代にどんどんなっていくだろうし、愛し合っている姿は美しいもの。
「また同趣味の映画を観せたいと思います」ってラストの挨拶がイイね。
■『オンリー・ユー』(1994)
監督:ノーマン・ジュイソン 出演:ロバート・ダウニーJr.、マリサ・トメイ ほか
永遠のロマンス映画『ローマの休日』のエピソードまで混ぜて情熱の国イタリアを舞台に
“運命”という常套手段をうまく使っている。
タイトル曲が最初に使われ(サッチモ)、コテコテのラブストーリーかと思いきや、
運命を追い掛け回して空回りするコギャル的なノリが笑える。
『チャーリー』で一回り大きくなったダウニーがロマンスものでひと息ついて
前の軽いフットワークでヒロインに恋慕する活きのいい奴を好演。
トメイの超モデルルックスで着る赤、白、黒のドレスと靴がキレイ。
イタリア人って本当に皆こんな親切なのか?
「アメリカ人は働くのが生き甲斐、イタリア人はシエスタに、食べ、遊び、恋をする」
そーか、親戚、友人との浮気でなきゃ思いやりがあるって考えなのね。開放的。
■『今そこにある危機』(1994)
監督:フィリップ・ノイス 出演:ハリソン・フォード、ウィレム・デフォー ほか
同僚のオススメがなかったらきっとずっとタッチしなかったろう社会派ドラマ。『JFK』系。
オリバー・ストーン監督ならどう撮ったかな?「すっごい面白いよ!」て言うほどじゃなかった
スゴイといえば、こんな真正面から大統領が国家的陰謀に関わった悪い奴として描けること。
今の日本でも難しいだろうね。FBIやCIAていう大統領をも正す機関があるのはエライけど、
この巨大組織もXファイルを筆頭に暗部が暴かれ始めている。
本当の主人公はやっぱり国民で、裁くのはマスコミの力が最強だって結論かな。
銃撃戦を切り抜けて、ヘリに命からがら乗り込むアクション映画お得意のシーンは合成が見えてる。
大統領にたてつく激しいセリフのクライマックスはさすが戸田奈っちゃんオススメ。
あとは霧の中。これがまさにXファイルズ。
■『黙秘』(1995)
原作:スティーブン・キング 監督:テイラー・ハックフォード
出演:キャシー・ベイツ、ジェニファー・ジェイソン・リー ほか
『ミザリー』で熱演したベイツにキングが惚れ込んで、彼女のために書き下ろしたという異色サスペンスの映画化。
久々に見せてくれたS.キングの濃密で極上のサスペンス。
キングが惚れただけあってベイツの存在感と、リーの演技力だけで2時間たっぷり見せてくれる。
殺ったか殺らないか?! 最低の旦那と、執拗な警官の悪の化身みたいな憎々しさがよりストーリーを盛り上げる。
キングは飲んだくれの下層労働者を描くのが好きだよね。
重大な問題である“子どもに対する父親の性的暴力”“妻への暴行”等は、目をそむけられない社会問題だ。
鏡に向かっているのに後姿が映るシーンは恐い。
ベイツが娘を想う不幸な母親役に徹し、メイクで20年前と後が全く違って見えるところがスゴイ。