■調べてみよう世界のために働く国際機関『世界の野生生物と自然を守る 世界自然保護基金』(ほるぷ出版)
ジリアン・パウエル/著 関原正裕 (著)
よく聞く団体名、よく見るロゴマークだけど、実際、具体的にどんな活動をしているかはよく分からないから借りてみた。
よくニュースで聞く捕鯨だけでなく、ハンバーガーやエビなどでも日本も環境破壊に大きく関わっていることが分かってビックリした。
ヒトのあらゆる行動が、自然を破壊して、回りまわってヒトにかえってきているんだ。
【内容抜粋メモ】
●WWF(世界自然保護基金)
世界最大の自然保護団体。約100カ国で、500万人近い会員が活動している。
活動内容は、「生物多様性」を守り、汚染・ゴミを減らし、「持続可能な開発」を行うことなど。
1961年設立。IUCN(国際自然保護連合)の資金を集めるために設立された。
スイスのグランに本部がある。国ごとの組織は独立しているが、地球全体のプロジェクトでは密接な協力体制をとる。
ロゴは、ジャイアント・パンダのチチをピーター・スコット卿がデザイン化した。
収入の半分近くは会員の会費でまかなわれ、13%は遺言でのこされたものや寄付。
企業のスポンサーつきの催しなどでも資金を集め、政府や援助機関の助成金からも収入を得る。
●生物種の保護
地球には、ヒト以外に180万種の動植物があると知られている。
それでも、発見されているのは約1/7にすぎないと科学者は言う。
約6500種の動物、30万種以上の植物が絶滅の危機にある。
「生物多様性」
今直面している絶滅危機は、6500万年前に恐竜が死に絶えて以来、最大規模。
WWFは「野生生物保護区」を設けて植林などをしている。
**********************海の生物
公海
特定国家の主権に属さず、各国が自由に使用できる海域。
食品産業で消費されるさまざまな種の魚が乱獲され、激減している。
水産資源が枯渇しないよう「禁猟区」をもうけ、地元の漁師に持続可能な漁の方法を教えている。
例:北海のニシン漁場はほとんど捕り尽くされてしまった。
デンマークのエスビャールに水揚げされたイカナゴ。乱獲で絶滅寸前の種の1つ。
過去50年で、海洋生物は、汚染、乱獲、沿岸の開発の脅威にさらされている。
これまでの漁具は、イルカ、カメ、ネズミイルカなどがからまって死んでしまう網がある。
タイのバンガー湾では、水産資源を根こそぎ獲ろうとするトロール船、大型漁船が横行している。
タイのマングローブ林の50%は、エビの養殖で破壊された。
**********************陸の野生生物
「ワシントン条約」
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約。
野生動植物の違法取引は、年間約2兆4000億円にのぼるとされる。
「トラフィック」
野生動植物の売買を監視する組織。
違法に集められた象牙、動物の生皮は、闇の市場で取引されている。
密猟をすると、1本のサイの角から家族全員が数ヶ月食べていけるほどのお金が手に入る。
密猟しなくても暮らしていける方法を探す手助けも必要。
**********************森林保護
すでに世界中の森林の2/3が失われた。
2050年までにはインドエシア、マレーシア、コスタリカなどの自然林はすべて失われるだろうと言われる。
●森林火災
「森林火災」が起こると、汚染物質が発生して土壌が蝕まれる。
手早く土地を開墾しようとする材木会社や、牛の牧場の開墾目的で放火される場合もある。
WWFは、違法に材木を伐採したり、放火する者をなくすため「国際環境裁判所」創設運動も展開している。
農業、牧畜、林業、鉱業の開発で約55%の森林がすでになくなった。
今、保護区となっているのは世界の森林のわずか6%。
「森林管理協議会」
FSCのロゴマークがついた木製品を選んで買うことができる。
わたしたちは、森がふたたび豊かによみがえることができる程度に木を伐らなければいけない。
これを自然資源の「持続可能な利用」と呼ぶ。
「生命(いのち)の森キャンペーン」
今、世界の森林は年間約12万平方km(北海道+九州くらいの広さ)が失われている。
私たちが飲む薬の1/4以上は、熱帯林の植物からつくられている/驚
将来、人類を救う薬が森林から発見される可能性もある。
**********************湿地・泥炭地など
湿地は地球に6%しかないが、地球が蓄えている水資源を増やして浄化する非常に大切な役割をしている。
地球温暖化による海面の上昇、川に流れこむ農薬などの化学物質による汚染の脅威にさらされている。
●ダム・堤防は湿地を破壊している
アイスランドでは180平方kmの荒野を沈めて貯水池にする計画がある。
この地域は3000頭のトナカイ、310種の植物などのすみか。
500の新しい働き口をもたらすため賛成するヒトもいる。
「ラムサール条約」
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」の通称。
汚染や消滅危機にある湿地の保護を100カ国以上が約束している。
●淡水
北海は、下水など廃棄物の流入で汚染されている。
水は地球表面の2/3を占めているが、淡水はわずか2.5%で、ほとんど地下水、極地の氷河。
現在、安全な飲み水が確保できない人々が世界に約13億人もいる。
**********************気候変動
タイの乾ききった大地が干ばつの深刻さを語る
海面は100年前と比較して世界中で平均20cm上昇し、海岸の約80%が削られている。
ポーランドでは、エネルギーを効果的に使えないため、電気が1時間使われるごとにドイツの3倍も二酸化炭素が排出される。
「気候変動キャンペーン」
化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の代わりに、風力、波力、太陽熱などを利用するなどの方法がある。
森林の消失が原因で、二酸化炭素が毎年100億トン増えていると言われる。
**********************人口増加
ボリヴィアのラパス。世界でもっとも人口密度の高い都市の1つ
アメリカ、ヨーロッパでは、7/10人が都市に住んでいる。
世界人口の半分は都市に住んでいて、地球資源の75%を消費している。
人口は21世紀半ばにふたたび2倍以上になると言われている/驚
豊かな国と貧しい国との格差拡大も、資源の枯渇、深刻な水不足などに関わっている。
●南極
地球に残された最後の自然の大地と言われていた。
1980年代、石油、金、銀などの鉱物を採掘され、自然が脅かされている。
【絶滅危機に瀕している種】
キタシロサイは、世界でもっとも数の少ないサイ。深刻な絶滅危機にさらされている。
インドネシアの野生のサイは、47頭しか残っていない。
多くの種のサメが、肉、肝、油、ヒレを目的にした漁のために絶滅しかけている。
野生のトラは、今のペースで密猟されれば、2010年までに1頭もいなくなるかもしれない。
ボウシインコは外国産ペット取引の一例
「パンダ作戦」
中国のウォーロン自然保護区で開始。パンダは密猟、生息地の環境破壊、竹の不足で絶滅の危機にある。
モリ、ダイナマイトを使った捕鯨でザトウクジラなど多くのクジラが絶滅の危機にある。
「国際捕鯨委員会(IWC)」は、日本、ノルウェーなどが科学的目的等で
ミンククジラなどの捕鯨をしていることを止めさせることができないでいる。
大型のクジラ11種のうち7種はほとんど絶滅に近い。
【WWFが保護している地区】
マヌー国立公園など。
どんな環境保護にも、現地住民の参加が不可欠。
**********************環境破壊と先進国のかかわり
ハンバーガーと森林破壊の関係
中央アメリカ、南アメリカで森林が失われる主な原因は牛の牧場開墾
牛は牛肉として、アメリカ、ヨーロッパ、日本などに輸出され、ハンバーガーに使われている。
エビとマングローブ林消失の関係
日本は世界一のエビの消費国で、東南アジアから輸入している。
マングローブ林はエビの人工養殖場にかえられている。
(今朝の「あさイチ」で来年のおせちに入れるエビが手に入らなくて困ってるなんてゆってたけど、
それより環境破壊のほうがよっぽど問題だ
おせちに80万も払うヒトがいる一方で、1日生き延びるために必死なヒトたちがいるのもしかり。
日本は世界一の熱帯木材輸入国
東南アジアのマレーシアから輸入している。
地球サミット
1992年、リオデジャネイロで開かれた。
1997年には日本が議長となって「京都議定書」が採択された。
「持続可能な開発」
将来の世代が受け取ることのできる経済的、社会的な利益を損なわない形で、
現在の世代が環境を利用していこうとする考え方。地球サミットの基本用語。
「南北問題」
南の途上国における環境破壊の原因には貧しさがある。
貧しい生活を強いられている途上国と、豊かな先進工業国との格差の問題が解決されないかぎり、地球環境の保護もありえない。
【関連するサイト】
WWFインターナショナル
WWFジャパン
国際自然保護連合日本委員会
TRAFFICジャパン
グリーンピース・ジャパン
このシリーズは全6冊あるんだね。ほかのも気になる。
国際連合
ユニセフ
世界保健機関
国際赤十字
欧州連合
ジリアン・パウエル/著 関原正裕 (著)
よく聞く団体名、よく見るロゴマークだけど、実際、具体的にどんな活動をしているかはよく分からないから借りてみた。
よくニュースで聞く捕鯨だけでなく、ハンバーガーやエビなどでも日本も環境破壊に大きく関わっていることが分かってビックリした。
ヒトのあらゆる行動が、自然を破壊して、回りまわってヒトにかえってきているんだ。
【内容抜粋メモ】
●WWF(世界自然保護基金)
世界最大の自然保護団体。約100カ国で、500万人近い会員が活動している。
活動内容は、「生物多様性」を守り、汚染・ゴミを減らし、「持続可能な開発」を行うことなど。
1961年設立。IUCN(国際自然保護連合)の資金を集めるために設立された。
スイスのグランに本部がある。国ごとの組織は独立しているが、地球全体のプロジェクトでは密接な協力体制をとる。
ロゴは、ジャイアント・パンダのチチをピーター・スコット卿がデザイン化した。
収入の半分近くは会員の会費でまかなわれ、13%は遺言でのこされたものや寄付。
企業のスポンサーつきの催しなどでも資金を集め、政府や援助機関の助成金からも収入を得る。
●生物種の保護
地球には、ヒト以外に180万種の動植物があると知られている。
それでも、発見されているのは約1/7にすぎないと科学者は言う。
約6500種の動物、30万種以上の植物が絶滅の危機にある。
「生物多様性」
今直面している絶滅危機は、6500万年前に恐竜が死に絶えて以来、最大規模。
WWFは「野生生物保護区」を設けて植林などをしている。
**********************海の生物
公海
特定国家の主権に属さず、各国が自由に使用できる海域。
食品産業で消費されるさまざまな種の魚が乱獲され、激減している。
水産資源が枯渇しないよう「禁猟区」をもうけ、地元の漁師に持続可能な漁の方法を教えている。
例:北海のニシン漁場はほとんど捕り尽くされてしまった。
デンマークのエスビャールに水揚げされたイカナゴ。乱獲で絶滅寸前の種の1つ。
過去50年で、海洋生物は、汚染、乱獲、沿岸の開発の脅威にさらされている。
これまでの漁具は、イルカ、カメ、ネズミイルカなどがからまって死んでしまう網がある。
タイのバンガー湾では、水産資源を根こそぎ獲ろうとするトロール船、大型漁船が横行している。
タイのマングローブ林の50%は、エビの養殖で破壊された。
**********************陸の野生生物
「ワシントン条約」
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約。
野生動植物の違法取引は、年間約2兆4000億円にのぼるとされる。
「トラフィック」
野生動植物の売買を監視する組織。
違法に集められた象牙、動物の生皮は、闇の市場で取引されている。
密猟をすると、1本のサイの角から家族全員が数ヶ月食べていけるほどのお金が手に入る。
密猟しなくても暮らしていける方法を探す手助けも必要。
**********************森林保護
すでに世界中の森林の2/3が失われた。
2050年までにはインドエシア、マレーシア、コスタリカなどの自然林はすべて失われるだろうと言われる。
●森林火災
「森林火災」が起こると、汚染物質が発生して土壌が蝕まれる。
手早く土地を開墾しようとする材木会社や、牛の牧場の開墾目的で放火される場合もある。
WWFは、違法に材木を伐採したり、放火する者をなくすため「国際環境裁判所」創設運動も展開している。
農業、牧畜、林業、鉱業の開発で約55%の森林がすでになくなった。
今、保護区となっているのは世界の森林のわずか6%。
「森林管理協議会」
FSCのロゴマークがついた木製品を選んで買うことができる。
わたしたちは、森がふたたび豊かによみがえることができる程度に木を伐らなければいけない。
これを自然資源の「持続可能な利用」と呼ぶ。
「生命(いのち)の森キャンペーン」
今、世界の森林は年間約12万平方km(北海道+九州くらいの広さ)が失われている。
私たちが飲む薬の1/4以上は、熱帯林の植物からつくられている/驚
将来、人類を救う薬が森林から発見される可能性もある。
**********************湿地・泥炭地など
湿地は地球に6%しかないが、地球が蓄えている水資源を増やして浄化する非常に大切な役割をしている。
地球温暖化による海面の上昇、川に流れこむ農薬などの化学物質による汚染の脅威にさらされている。
●ダム・堤防は湿地を破壊している
アイスランドでは180平方kmの荒野を沈めて貯水池にする計画がある。
この地域は3000頭のトナカイ、310種の植物などのすみか。
500の新しい働き口をもたらすため賛成するヒトもいる。
「ラムサール条約」
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」の通称。
汚染や消滅危機にある湿地の保護を100カ国以上が約束している。
●淡水
北海は、下水など廃棄物の流入で汚染されている。
水は地球表面の2/3を占めているが、淡水はわずか2.5%で、ほとんど地下水、極地の氷河。
現在、安全な飲み水が確保できない人々が世界に約13億人もいる。
**********************気候変動
タイの乾ききった大地が干ばつの深刻さを語る
海面は100年前と比較して世界中で平均20cm上昇し、海岸の約80%が削られている。
ポーランドでは、エネルギーを効果的に使えないため、電気が1時間使われるごとにドイツの3倍も二酸化炭素が排出される。
「気候変動キャンペーン」
化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の代わりに、風力、波力、太陽熱などを利用するなどの方法がある。
森林の消失が原因で、二酸化炭素が毎年100億トン増えていると言われる。
**********************人口増加
ボリヴィアのラパス。世界でもっとも人口密度の高い都市の1つ
アメリカ、ヨーロッパでは、7/10人が都市に住んでいる。
世界人口の半分は都市に住んでいて、地球資源の75%を消費している。
人口は21世紀半ばにふたたび2倍以上になると言われている/驚
豊かな国と貧しい国との格差拡大も、資源の枯渇、深刻な水不足などに関わっている。
●南極
地球に残された最後の自然の大地と言われていた。
1980年代、石油、金、銀などの鉱物を採掘され、自然が脅かされている。
【絶滅危機に瀕している種】
キタシロサイは、世界でもっとも数の少ないサイ。深刻な絶滅危機にさらされている。
インドネシアの野生のサイは、47頭しか残っていない。
多くの種のサメが、肉、肝、油、ヒレを目的にした漁のために絶滅しかけている。
野生のトラは、今のペースで密猟されれば、2010年までに1頭もいなくなるかもしれない。
ボウシインコは外国産ペット取引の一例
「パンダ作戦」
中国のウォーロン自然保護区で開始。パンダは密猟、生息地の環境破壊、竹の不足で絶滅の危機にある。
モリ、ダイナマイトを使った捕鯨でザトウクジラなど多くのクジラが絶滅の危機にある。
「国際捕鯨委員会(IWC)」は、日本、ノルウェーなどが科学的目的等で
ミンククジラなどの捕鯨をしていることを止めさせることができないでいる。
大型のクジラ11種のうち7種はほとんど絶滅に近い。
【WWFが保護している地区】
マヌー国立公園など。
どんな環境保護にも、現地住民の参加が不可欠。
**********************環境破壊と先進国のかかわり
ハンバーガーと森林破壊の関係
中央アメリカ、南アメリカで森林が失われる主な原因は牛の牧場開墾
牛は牛肉として、アメリカ、ヨーロッパ、日本などに輸出され、ハンバーガーに使われている。
エビとマングローブ林消失の関係
日本は世界一のエビの消費国で、東南アジアから輸入している。
マングローブ林はエビの人工養殖場にかえられている。
(今朝の「あさイチ」で来年のおせちに入れるエビが手に入らなくて困ってるなんてゆってたけど、
それより環境破壊のほうがよっぽど問題だ
おせちに80万も払うヒトがいる一方で、1日生き延びるために必死なヒトたちがいるのもしかり。
日本は世界一の熱帯木材輸入国
東南アジアのマレーシアから輸入している。
地球サミット
1992年、リオデジャネイロで開かれた。
1997年には日本が議長となって「京都議定書」が採択された。
「持続可能な開発」
将来の世代が受け取ることのできる経済的、社会的な利益を損なわない形で、
現在の世代が環境を利用していこうとする考え方。地球サミットの基本用語。
「南北問題」
南の途上国における環境破壊の原因には貧しさがある。
貧しい生活を強いられている途上国と、豊かな先進工業国との格差の問題が解決されないかぎり、地球環境の保護もありえない。
【関連するサイト】
WWFインターナショナル
WWFジャパン
国際自然保護連合日本委員会
TRAFFICジャパン
グリーンピース・ジャパン
このシリーズは全6冊あるんだね。ほかのも気になる。
国際連合
ユニセフ
世界保健機関
国際赤十字
欧州連合