■総合的な学習にやくだつ ここまできた!環境破壊5『くらしにあふれる危険な電磁波』(ポプラ社)
奈須紀幸/監修 兜 真徳/編著
狭い部屋に住んでると、たくさんの電化製品に囲まれて、体も少なからず影響を受けているんじゃないかなって不安がある。
外を歩いていても、これだけ通信機器が発達していれば、もし電波が目に見えたら、
周りが見えないくらいに飛び交っているんじゃないかって想像できる。
今さら電気に頼らない暮らしが出来るはずはないけど、さまざまな電磁波が急激に増えた現代、
まだ人体への影響の研究は進んでいないのが現状。
本書で電気機器などが人体に影響するかもってことは分かったけど、
電磁波の仕組みの説明は、いくら図説されても難しくてピンとこないな
【内容抜粋メモ】
************************************電磁波とは?
●磁場と電場
「磁場」
他の磁石に対して力を及ぼすような空間のこと。
電気にはプラスとマイナスがあり、磁石と同様の性質がある。
「電場」
他の電気に対して力を及ぼすような空間のこと。
導線に電流を流すと、その周りに磁場ができる。
イギリスの物理学者マクスウェルは、電場と磁場が鎖のように空間を伝わることを1864年に予言した。
ドイツの物理学者ヘルツがそれを証明した。
「音波」
空気の濃さと薄さの連続で遠くまで伝えるもの。



電磁波は波長によって分かれる。長い順から長波、中波、短波、超短波、マイクロ波。
波長が短いほどエネルギーが強い。
************************************電磁波の種類と特徴
●電波
電線などがなくても空中を光のスピードで飛び、離れたところにいる人に情報を伝えることができる。
AM・FMのラジオ放送、短波放送、テレビ放送、アマチュア無線、電気メス、船の無線通信などに利用されている。
衛星放送、衛星通信などのために、つねに膨大な量の電波が発信されている。
→ホノルルの放送タワー周辺住民にがんが多発したという報告もある。
「衛星通信」
通信衛星は、赤道上空3万6000kmの高さにあり、24時間で地球を1周する。
自転と同じ速さで、止まって見えるため「静止衛星」とも呼ばれる。
「電離層」

地球の上空には、大気の分子や原子が太陽の紫外線やエックス線にあたって、電子とイオンに分かれている層がある。
アマチュア無線局が反対側の国と通信できるのも電離層があるため。
●マイクロ波
空気中や海水中の塵に乱されず、広がらずに真直ぐ飛ぶ。
第二次大戦中、アメリカのレーダー技術者やパイロットの間で「白内障」が頻繁に発生した事例がある。
「電子レンジ」
物体の温度が上がるのは、原子や分子の運動が激しくなること。それを利用している。
電子レンジが使われ始めた頃、主婦の間に白内障が多く発生した。
「携帯電話」
通話中でなくても、位置信号を示す電磁波が出ている。
頭に近いところで電波が出るため、脳腫瘍、白内障を懸念する専門家が多い。
利用時間が長くなると、頭痛が多くなるという疫学調査がある。「電気過敏症」
国際ガン研究機関(IARC)が大がかりな調査を進めている。
点滴装置のポンプ、心臓のペースメーカー(全世界で100万人以上いる)に影響があると言われる。
携帯電話とペースメーカーを少なくとも22cm以上離すようガイドラインがある。
●赤外線
熱を伝える電磁波として知られる。地球温暖化も関係する。
こたつ、赤外線ランプ、電気ヒーターなどに利用されている。
遠赤外線は、赤外線の中でも長い波長のものをいう。
「リモートセンシング」
赤外線、マイクロ波などの電磁波を利用して離れたところのものの様子を調べる技術。
物体によって反射する電磁波の波長に特徴が表れるため、人工衛星から地球の資源、海や陸の汚染状況などを知ることができる。
●可視光


目で見ることのできるふつうの光のこと。電球
、蛍光灯などは可視光を出す電気器具。
レーザー光、コピー機、CD
、光ファイバーをつかった通信システムなどにも活用されている。
●紫外線
波長が長いほうからUV-A、UV-B、UV-Cに分けられる。
UV-B、UV-Cは、オゾン層を通過しにくいが、オゾン層の破壊により、生物への影響が大きくなることが予想される。
「UV-A」:日光
にあたって日焼けを起こすはたらきがある
「UV-B」:日焼け、白内障、皮膚がんの原因となる。
「UV-C」:細菌を殺すはたらきがある。殺菌ランプ。
●エックス線
1895年、ドイツのレントゲン博士によって発見された。
物体を通り抜ける力が強いため、体内の様子を画像に表すことができる。
医師、技術者の間に皮膚の発疹、結膜炎、貧血、毛髪が抜ける症状、白血病が見られた。
●ガンマ線
原子核が壊れる時に発生する電磁波。船体のひびわれ、鉄骨の腐食検査などに使われる。「非破壊検査」
エックス線、ガンマ線の使い方を誤ると、放射線障害という悪影響、ダウン症の増加が懸念される。
放射線
自然界には92種類の原子がある。
放射線の正体は、アルファ線やベータ線と呼ばれる粒子の流れ、中性子の流れ、ガンマ線。
強い放射線を浴びると、皮膚の発疹、吐き気、眩暈、毛髪が抜ける。「急性障害」
白血病、がんなど、何年もたってでる障害を「晩発性障害」という。
広島の原爆では、5~8年後に白血病になる人の割合が他の地域に比べて約10倍になった。
「核のゴミ問題」
原発から出たゴミはセメントやプラスチックなどで固めてドラム缶に詰める。
1999年時点で、すでに65万本たまっている。
使用済み核燃料は、約100万年強い放射線を出しつづけるといわれる。
************************************電磁波と生物の関係
ヒトの体からも電磁波が出ている。電気信号によって情報を伝えている。
「脳波計」「心電図」などではかることができる。
「地磁気」
地球の磁気。地球は巨大な電磁石ともいえる。
生物の体内の鉄をふくむマグネタイトという物質がセンサーとしてはたらいていると考えられている(渡り鳥、魚

地域別、時間別の、磁場の強さ
「疫学」
危険があるかもしれないものにさらされることによって、人体に影響が出ているか調べる方法。
もとは伝染病などを目的にしていたが、今はがん、心臓病、脳神経の病気、生活習慣、環境との関連を調べることが目的になっている。
電気コード、コンセントの周りには低い周波数で変化する磁場ができ、人体に悪影響を与えるといわれている。
日本は他国より送電線の近くに住む人、電車で通勤する人
、電気機器を使う人が多いことから、
国内で1999年から子どもの白血病と脳腫瘍についての疫学調査が始められた。
●高圧送電線

電気は、火力発電所、原子力発電所、水力発電所などでつくられ、高圧送電線→変電所→配線→家庭、会社に運ばれている。
高圧送電線のまわりには、強い磁場が発生していて、白血病との関係が報告されている。
変電所の近くでも超低周波の磁場が発生している。
「メラトニン」

脳の松果体という器官でつくられ、血液で運ばれる。
睡眠をうながし
、皮膚の色を白くしたり、がんを抑制するはたらきがある。
送電線と同程度の磁場をネズミにあてる実験でメラトニンが減少することが分かった。
************************************生活の中の電磁波
電気機器の近くには比較的強い磁場が発生する。
電気のスイッチをいれたり切ったりする時に発生する高い周波数をふくむ磁場がある。「トランジェント」
日本では、狭い部屋に大きなテレビ
が置いてあることが多く、影響を受けやすい。
最低2m以上離れたほうがよい(部屋から出ちゃうよ
●家庭
「電磁調理器」
火を使わない利点はあるが、人体によくない強い変動磁場をつくる。
「ヘアドライヤー」
交流モーターで動いていて、頭に近いところで使うため、変動磁場の影響を受ける(え・・・
●オフィス
OA機器の中で、とくに電磁波に注意すべきなのはパソコンのモニター
日本眼科医の調査では、近視・乱視、網膜はく離、緑内障、白内障の報告がある。
ネズミの動物実験では、異常出産の確率が5倍も高いことが示された。
男性の精子も、電磁波の影響で不妊の原因をつくると言われている。
→液晶パネルモニターにきりかえることも有効。
●町

電車のモーター、送電線からは強い磁場が発生している。
新幹線
などスピードが速いほど流される電流が大きく、発生する磁場も強くなる。
電気溶鉱炉、電磁波を利用した医療用機器、無線基地、管制塔、自衛隊基地などでも強い電波が使われている。
************************************急激に増えた電磁波と各国の取り組み
18Cの産業革命以来、科学技術が急速に進歩し、電気機器に使われる電気エネルギーが増え、
テレビなどの情報通信、携帯電話が利用する電波も増え、さまざまな周波数の膨大な電磁波が飛び交うようになった。
乳がんの細胞を使った実験でも影響が報告され、これからも人体への影響を考えた対策が必要。
●WHO
電磁波が人体に影響するか各国の研究者があつまって調べている。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)では、1998年、職場と生活の中の電磁波の安全ガイドラインを出した。
日本では環境庁が中心となって、通商産業省、郵政省なども検討している。
日本産業衛生学会は、職場の電磁波について安全ガイドラインを示した。

超伝導磁場を使ったリニア・モーターカーの開発、電気自動車、通信技術、超高磁場技術、
電磁波を使う医療機器、盗難防止装置、空港の通関チェック装置など、電磁波を発生するものはどんどん増えている。
とくに小さな子ども、妊娠中の女性は電磁波の影響を強く受ける。
→交流を直流に変えれば、静磁場になるため、影響は小さくなる+電気に頼りすぎない生活も考える必要がある。
奈須紀幸/監修 兜 真徳/編著
狭い部屋に住んでると、たくさんの電化製品に囲まれて、体も少なからず影響を受けているんじゃないかなって不安がある。
外を歩いていても、これだけ通信機器が発達していれば、もし電波が目に見えたら、
周りが見えないくらいに飛び交っているんじゃないかって想像できる。
今さら電気に頼らない暮らしが出来るはずはないけど、さまざまな電磁波が急激に増えた現代、
まだ人体への影響の研究は進んでいないのが現状。
本書で電気機器などが人体に影響するかもってことは分かったけど、
電磁波の仕組みの説明は、いくら図説されても難しくてピンとこないな

【内容抜粋メモ】
************************************電磁波とは?
●磁場と電場
「磁場」
他の磁石に対して力を及ぼすような空間のこと。
電気にはプラスとマイナスがあり、磁石と同様の性質がある。
「電場」
他の電気に対して力を及ぼすような空間のこと。
導線に電流を流すと、その周りに磁場ができる。
イギリスの物理学者マクスウェルは、電場と磁場が鎖のように空間を伝わることを1864年に予言した。
ドイツの物理学者ヘルツがそれを証明した。
「音波」
空気の濃さと薄さの連続で遠くまで伝えるもの。



電磁波は波長によって分かれる。長い順から長波、中波、短波、超短波、マイクロ波。
波長が短いほどエネルギーが強い。
************************************電磁波の種類と特徴
●電波
電線などがなくても空中を光のスピードで飛び、離れたところにいる人に情報を伝えることができる。
AM・FMのラジオ放送、短波放送、テレビ放送、アマチュア無線、電気メス、船の無線通信などに利用されている。
衛星放送、衛星通信などのために、つねに膨大な量の電波が発信されている。
→ホノルルの放送タワー周辺住民にがんが多発したという報告もある。
「衛星通信」
通信衛星は、赤道上空3万6000kmの高さにあり、24時間で地球を1周する。
自転と同じ速さで、止まって見えるため「静止衛星」とも呼ばれる。
「電離層」

地球の上空には、大気の分子や原子が太陽の紫外線やエックス線にあたって、電子とイオンに分かれている層がある。
アマチュア無線局が反対側の国と通信できるのも電離層があるため。
●マイクロ波
空気中や海水中の塵に乱されず、広がらずに真直ぐ飛ぶ。
第二次大戦中、アメリカのレーダー技術者やパイロットの間で「白内障」が頻繁に発生した事例がある。
「電子レンジ」
物体の温度が上がるのは、原子や分子の運動が激しくなること。それを利用している。
電子レンジが使われ始めた頃、主婦の間に白内障が多く発生した。
「携帯電話」

通話中でなくても、位置信号を示す電磁波が出ている。
頭に近いところで電波が出るため、脳腫瘍、白内障を懸念する専門家が多い。
利用時間が長くなると、頭痛が多くなるという疫学調査がある。「電気過敏症」
国際ガン研究機関(IARC)が大がかりな調査を進めている。
点滴装置のポンプ、心臓のペースメーカー(全世界で100万人以上いる)に影響があると言われる。
携帯電話とペースメーカーを少なくとも22cm以上離すようガイドラインがある。
●赤外線
熱を伝える電磁波として知られる。地球温暖化も関係する。
こたつ、赤外線ランプ、電気ヒーターなどに利用されている。
遠赤外線は、赤外線の中でも長い波長のものをいう。
「リモートセンシング」
赤外線、マイクロ波などの電磁波を利用して離れたところのものの様子を調べる技術。
物体によって反射する電磁波の波長に特徴が表れるため、人工衛星から地球の資源、海や陸の汚染状況などを知ることができる。
●可視光


目で見ることのできるふつうの光のこと。電球

レーザー光、コピー機、CD

●紫外線
波長が長いほうからUV-A、UV-B、UV-Cに分けられる。
UV-B、UV-Cは、オゾン層を通過しにくいが、オゾン層の破壊により、生物への影響が大きくなることが予想される。
「UV-A」:日光


「UV-B」:日焼け、白内障、皮膚がんの原因となる。
「UV-C」:細菌を殺すはたらきがある。殺菌ランプ。
●エックス線
1895年、ドイツのレントゲン博士によって発見された。
物体を通り抜ける力が強いため、体内の様子を画像に表すことができる。
医師、技術者の間に皮膚の発疹、結膜炎、貧血、毛髪が抜ける症状、白血病が見られた。
●ガンマ線
原子核が壊れる時に発生する電磁波。船体のひびわれ、鉄骨の腐食検査などに使われる。「非破壊検査」
エックス線、ガンマ線の使い方を誤ると、放射線障害という悪影響、ダウン症の増加が懸念される。

自然界には92種類の原子がある。
放射線の正体は、アルファ線やベータ線と呼ばれる粒子の流れ、中性子の流れ、ガンマ線。
強い放射線を浴びると、皮膚の発疹、吐き気、眩暈、毛髪が抜ける。「急性障害」
白血病、がんなど、何年もたってでる障害を「晩発性障害」という。
広島の原爆では、5~8年後に白血病になる人の割合が他の地域に比べて約10倍になった。

原発から出たゴミはセメントやプラスチックなどで固めてドラム缶に詰める。
1999年時点で、すでに65万本たまっている。
使用済み核燃料は、約100万年強い放射線を出しつづけるといわれる。
************************************電磁波と生物の関係
ヒトの体からも電磁波が出ている。電気信号によって情報を伝えている。
「脳波計」「心電図」などではかることができる。
「地磁気」
地球の磁気。地球は巨大な電磁石ともいえる。
生物の体内の鉄をふくむマグネタイトという物質がセンサーとしてはたらいていると考えられている(渡り鳥、魚

地域別、時間別の、磁場の強さ
「疫学」
危険があるかもしれないものにさらされることによって、人体に影響が出ているか調べる方法。
もとは伝染病などを目的にしていたが、今はがん、心臓病、脳神経の病気、生活習慣、環境との関連を調べることが目的になっている。
電気コード、コンセントの周りには低い周波数で変化する磁場ができ、人体に悪影響を与えるといわれている。
日本は他国より送電線の近くに住む人、電車で通勤する人

国内で1999年から子どもの白血病と脳腫瘍についての疫学調査が始められた。
●高圧送電線

電気は、火力発電所、原子力発電所、水力発電所などでつくられ、高圧送電線→変電所→配線→家庭、会社に運ばれている。
高圧送電線のまわりには、強い磁場が発生していて、白血病との関係が報告されている。
変電所の近くでも超低周波の磁場が発生している。
「メラトニン」

脳の松果体という器官でつくられ、血液で運ばれる。
睡眠をうながし

送電線と同程度の磁場をネズミにあてる実験でメラトニンが減少することが分かった。
************************************生活の中の電磁波
電気機器の近くには比較的強い磁場が発生する。
電気のスイッチをいれたり切ったりする時に発生する高い周波数をふくむ磁場がある。「トランジェント」
日本では、狭い部屋に大きなテレビ

最低2m以上離れたほうがよい(部屋から出ちゃうよ

●家庭
「電磁調理器」
火を使わない利点はあるが、人体によくない強い変動磁場をつくる。
「ヘアドライヤー」
交流モーターで動いていて、頭に近いところで使うため、変動磁場の影響を受ける(え・・・

●オフィス
OA機器の中で、とくに電磁波に注意すべきなのはパソコンのモニター

日本眼科医の調査では、近視・乱視、網膜はく離、緑内障、白内障の報告がある。
ネズミの動物実験では、異常出産の確率が5倍も高いことが示された。
男性の精子も、電磁波の影響で不妊の原因をつくると言われている。
→液晶パネルモニターにきりかえることも有効。
●町

電車のモーター、送電線からは強い磁場が発生している。
新幹線

電気溶鉱炉、電磁波を利用した医療用機器、無線基地、管制塔、自衛隊基地などでも強い電波が使われている。
************************************急激に増えた電磁波と各国の取り組み
18Cの産業革命以来、科学技術が急速に進歩し、電気機器に使われる電気エネルギーが増え、
テレビなどの情報通信、携帯電話が利用する電波も増え、さまざまな周波数の膨大な電磁波が飛び交うようになった。
乳がんの細胞を使った実験でも影響が報告され、これからも人体への影響を考えた対策が必要。
●WHO
電磁波が人体に影響するか各国の研究者があつまって調べている。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)では、1998年、職場と生活の中の電磁波の安全ガイドラインを出した。
日本では環境庁が中心となって、通商産業省、郵政省なども検討している。
日本産業衛生学会は、職場の電磁波について安全ガイドラインを示した。

超伝導磁場を使ったリニア・モーターカーの開発、電気自動車、通信技術、超高磁場技術、
電磁波を使う医療機器、盗難防止装置、空港の通関チェック装置など、電磁波を発生するものはどんどん増えている。
とくに小さな子ども、妊娠中の女性は電磁波の影響を強く受ける。
→交流を直流に変えれば、静磁場になるため、影響は小さくなる+電気に頼りすぎない生活も考える必要がある。