■ローティーンのための食育4『日本と世界の食のいま』(小峰書店)
藤沢良知/監修 金子佳代子/著
『ローティーンのための食育3 考えよう食事と健康』につづく最終巻。
これまでのまとめとともに、身近な食品(豆腐など)から、世界の料理(ナンなど)、
国内の地方の料理(神奈川の粟ぷかしなど)などのレシピまで載ってる。
【内容抜粋メモ】
●世界の食文化
その国でもっともとれるものを使った料理が、その国の伝統的な料理になっている。
小麦は、パンやパスタなどの原料として、世界で一番多く栽培されている作物。
グルテンが多い順に強力粉、中力粉、薄力粉と呼ばれる。
世界の食事マナーはいろいろある
「いただきます」
いわれには諸説あるが、“いただき”=頭の上、お祭りなどで神さまにお供えした食べ物を、
みんなで分けて食べる前に、頭の上にあげてから食べたことが由来という説がある。
「ご馳走様」
昔は食材の調達が大変だったから、食事を作るために走り回ってくれた人への感謝の言葉として生まれた
●行事食
特別の日のために準備する食事のこと
身近な食材で、旬のもの、保存のきく野菜などが使われている。
********************************食品と表示
●生鮮食品の選び方
義務付けられている表示に注意する。
都道府県名、原産国名、冷凍・解凍、養殖など。
●加工食品の種類
乾燥食品、塩漬け、砂糖漬け、酢漬け、瓶詰め、缶詰め、レトルト食品、燻製品、発酵食品、
インスタント食品、練り製品、冷凍食品、コピー食品(高価な食品を真似て人工的に作ったもの)、調理済み食品。
ものが腐るのは、微生物が食品中の成分を分解するためにおこる。
適当な水分、温度、空気の3つの条件がそろうと微生物が活発になるため、このうちの1つを取り除く工夫がされている。
加工食品に義務付けられた表示
品名、原材料名、食品添加物、内容量、期限、保存方法など。
産地表示の注意:たとえば原産地が外国でも、横浜で加工した魚は「横浜産」と表示できる。
●牛乳の加工品
バター、チーズ、ヨーグルトは、紀元前3000年頃のエジプト、メソポタミアでつくられていたと言われる/驚
日本に伝わったのは、仏教と同じ6世紀頃。それぞれ「醍醐」「酪」「蘇」と呼ばれていた。
明治時代には、日本でも本格的に酪農が始まり、庶民に広まった
表示の見方
種類別名称
牛乳、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料がある。
殺菌方法
低温長時間殺菌法、高温短時間殺菌法、超高温殺菌法、超高温滅菌殺菌法がある。
●チーズの種類
ナチュラルチーズ:乳酸菌や酵素が生きている生のチーズ。
プロセスチーズ:ナチュラルチーズを数種類混ぜて、味や品質を一定にし、保存性を高めたもの。
●トレーサビリティシステム
生産、加工、流通、販売などの各段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などの記録を保管し、
食品とその情報をさかのぼって追跡できるシステム。
「家畜改良センター」サイト
********************************環境への影響など
●容器の値段
●コンポスト
家庭から出る生ゴミを使って肥料にかえることができる。
●輸入食品の多い日本
天ぷらうどんの材料が日本に来るまでの距離と日数
「ポストハーベスト」
輸入食品は遠くから運ばれるため、腐らないように、収穫後に農薬を使うことがあり、安全性が問われている。
●食料生産がかかえる問題
現在、世界で8億人が慢性的な栄養不良、毎日3万5000人が飢えで亡くなっている。
その原因は、食べ物の不足ではなく、偏っていることにある。
世界の穀物の半分近くが、ヒトの食料ではなく、家畜の飼料になっている。
その生産された食肉をたくさん消費しているのが日本をふくめた先進国。
肉を1kg生産するのに必要な穀物
「砂漠化」
年間500万ha以上の農地が砂漠化している。
理由は、過度の放牧、森林伐採による表土流出、塩類の集積など。
********************************食品の安全性
●食品安全基本法
鳥インフルエンザ、BSE、残留農薬などが問題となり、さまざまな食べ物の安全を守るため2003年に制定された法律。
「遺伝子組み換え食品」
収穫量を増やすためや、害虫に強い性質をもつ作物をつくるため、
DNAを組みかえて生産した農作物、およびその加工食品のこと。
「リスク分析」
食べ物にはなんらかのリスクがあることを前提として、科学的に考え、被害を防止するためのしくみ。
リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの3つの要素から成り立っている。
例:農薬の場合
・リスク評価(内閣府食品安全委員会)
健康にどんな悪影響があるかなど実験結果をもとに、農薬の1日摂取許容量(体重1kgあたりで示される)を決める。
・リスク管理(厚生労働省、農林水産省など)
リスク評価をもとに必要な対策がたてられ、農薬についての基準を決める。
・リスクコミュニケーション
リスク評価の結果などの情報を公開し、それぞれの立場から意見を交換しあう。
********************************宇宙の食事
現在、NASAの宇宙食には、スペースシャトル用(短期滞在)、国際宇宙ステーション用(長期滞在)があり、
それぞれ182種、181種の食品が乗っている。
一般に売られている食品を検査して、クルーの好きな食品を乗せることも可能になった。
宇宙にはごみを捨てられないため、廃棄処理が可能なパッケージに詰められている。
食べ残しは封をして地球に持ち帰る(へえ!
********************************身近にできること
自然界は「生産者(植物)」→「消費者(動物)」→「分解者(微生物)」という流れで循環している。
ヒトは消費者の仲間だが、生活排水、化学肥料・農薬、二酸化炭素の排出などで流れを壊している。
川の上流に植林活動を行うなどの取り組みもされている。
「栄養に関する世界宣言および行動計画」
1992年に世界規模の国際栄養会議が開催されて採択された。
「ソーラークッカー」
太陽エネルギーを利用して調理を行う。
その他の工夫
・ムダなく食品やエネルギーを使える献立や料理を工夫する
・ごみが出ない買い物
・水を汚さない後片付け
おいしく食べるには
・お腹が空いているときが美味しい時間。食事のリズムに合わせて、体を動かす
・じっくりよく噛んで味わう。
・家族や友だちと一緒に話しながら、楽しい雰囲気で食べる。そのためには、お互いの努力も必要(そーだよね
・自分で栽培した野菜、料理した食べ物は美味しい。
・誰が、どんな風につくったのか、食事が並ぶまでどうやって来たのかイメージしてみる。食べる幸せに感謝する
藤沢良知/監修 金子佳代子/著
『ローティーンのための食育3 考えよう食事と健康』につづく最終巻。
これまでのまとめとともに、身近な食品(豆腐など)から、世界の料理(ナンなど)、
国内の地方の料理(神奈川の粟ぷかしなど)などのレシピまで載ってる。
【内容抜粋メモ】
●世界の食文化
その国でもっともとれるものを使った料理が、その国の伝統的な料理になっている。
小麦は、パンやパスタなどの原料として、世界で一番多く栽培されている作物。
グルテンが多い順に強力粉、中力粉、薄力粉と呼ばれる。
世界の食事マナーはいろいろある
「いただきます」
いわれには諸説あるが、“いただき”=頭の上、お祭りなどで神さまにお供えした食べ物を、
みんなで分けて食べる前に、頭の上にあげてから食べたことが由来という説がある。
「ご馳走様」
昔は食材の調達が大変だったから、食事を作るために走り回ってくれた人への感謝の言葉として生まれた
●行事食
特別の日のために準備する食事のこと
身近な食材で、旬のもの、保存のきく野菜などが使われている。
********************************食品と表示
●生鮮食品の選び方
義務付けられている表示に注意する。
都道府県名、原産国名、冷凍・解凍、養殖など。
●加工食品の種類
乾燥食品、塩漬け、砂糖漬け、酢漬け、瓶詰め、缶詰め、レトルト食品、燻製品、発酵食品、
インスタント食品、練り製品、冷凍食品、コピー食品(高価な食品を真似て人工的に作ったもの)、調理済み食品。
ものが腐るのは、微生物が食品中の成分を分解するためにおこる。
適当な水分、温度、空気の3つの条件がそろうと微生物が活発になるため、このうちの1つを取り除く工夫がされている。
加工食品に義務付けられた表示
品名、原材料名、食品添加物、内容量、期限、保存方法など。
産地表示の注意:たとえば原産地が外国でも、横浜で加工した魚は「横浜産」と表示できる。
●牛乳の加工品
バター、チーズ、ヨーグルトは、紀元前3000年頃のエジプト、メソポタミアでつくられていたと言われる/驚
日本に伝わったのは、仏教と同じ6世紀頃。それぞれ「醍醐」「酪」「蘇」と呼ばれていた。
明治時代には、日本でも本格的に酪農が始まり、庶民に広まった
表示の見方
種類別名称
牛乳、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料がある。
殺菌方法
低温長時間殺菌法、高温短時間殺菌法、超高温殺菌法、超高温滅菌殺菌法がある。
●チーズの種類
ナチュラルチーズ:乳酸菌や酵素が生きている生のチーズ。
プロセスチーズ:ナチュラルチーズを数種類混ぜて、味や品質を一定にし、保存性を高めたもの。
●トレーサビリティシステム
生産、加工、流通、販売などの各段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などの記録を保管し、
食品とその情報をさかのぼって追跡できるシステム。
「家畜改良センター」サイト
********************************環境への影響など
●容器の値段
●コンポスト
家庭から出る生ゴミを使って肥料にかえることができる。
●輸入食品の多い日本
天ぷらうどんの材料が日本に来るまでの距離と日数
「ポストハーベスト」
輸入食品は遠くから運ばれるため、腐らないように、収穫後に農薬を使うことがあり、安全性が問われている。
●食料生産がかかえる問題
現在、世界で8億人が慢性的な栄養不良、毎日3万5000人が飢えで亡くなっている。
その原因は、食べ物の不足ではなく、偏っていることにある。
世界の穀物の半分近くが、ヒトの食料ではなく、家畜の飼料になっている。
その生産された食肉をたくさん消費しているのが日本をふくめた先進国。
肉を1kg生産するのに必要な穀物
「砂漠化」
年間500万ha以上の農地が砂漠化している。
理由は、過度の放牧、森林伐採による表土流出、塩類の集積など。
********************************食品の安全性
●食品安全基本法
鳥インフルエンザ、BSE、残留農薬などが問題となり、さまざまな食べ物の安全を守るため2003年に制定された法律。
「遺伝子組み換え食品」
収穫量を増やすためや、害虫に強い性質をもつ作物をつくるため、
DNAを組みかえて生産した農作物、およびその加工食品のこと。
「リスク分析」
食べ物にはなんらかのリスクがあることを前提として、科学的に考え、被害を防止するためのしくみ。
リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションの3つの要素から成り立っている。
例:農薬の場合
・リスク評価(内閣府食品安全委員会)
健康にどんな悪影響があるかなど実験結果をもとに、農薬の1日摂取許容量(体重1kgあたりで示される)を決める。
・リスク管理(厚生労働省、農林水産省など)
リスク評価をもとに必要な対策がたてられ、農薬についての基準を決める。
・リスクコミュニケーション
リスク評価の結果などの情報を公開し、それぞれの立場から意見を交換しあう。
********************************宇宙の食事
現在、NASAの宇宙食には、スペースシャトル用(短期滞在)、国際宇宙ステーション用(長期滞在)があり、
それぞれ182種、181種の食品が乗っている。
一般に売られている食品を検査して、クルーの好きな食品を乗せることも可能になった。
宇宙にはごみを捨てられないため、廃棄処理が可能なパッケージに詰められている。
食べ残しは封をして地球に持ち帰る(へえ!
********************************身近にできること
自然界は「生産者(植物)」→「消費者(動物)」→「分解者(微生物)」という流れで循環している。
ヒトは消費者の仲間だが、生活排水、化学肥料・農薬、二酸化炭素の排出などで流れを壊している。
川の上流に植林活動を行うなどの取り組みもされている。
「栄養に関する世界宣言および行動計画」
1992年に世界規模の国際栄養会議が開催されて採択された。
「ソーラークッカー」
太陽エネルギーを利用して調理を行う。
その他の工夫
・ムダなく食品やエネルギーを使える献立や料理を工夫する
・ごみが出ない買い物
・水を汚さない後片付け
おいしく食べるには
・お腹が空いているときが美味しい時間。食事のリズムに合わせて、体を動かす
・じっくりよく噛んで味わう。
・家族や友だちと一緒に話しながら、楽しい雰囲気で食べる。そのためには、お互いの努力も必要(そーだよね
・自分で栽培した野菜、料理した食べ物は美味しい。
・誰が、どんな風につくったのか、食事が並ぶまでどうやって来たのかイメージしてみる。食べる幸せに感謝する