■『ローティーンのための食育1 心と体を育てる食育』(小峰書店)
藤沢良知/監修・著、矢島麻由美/著
先日読んだ『ローティーンのための食育2 健康な体と栄養』(小峰書店)と同じシリーズ。
食に関して基礎的な知識が身につく。スナック菓子を食べ過ぎないなど、耳が痛いこともいっぱいあった
食育は、子どもの頃から大事だけど、親が学ばないと子どもの食生活にまで浸透しないんだよね。
【内容抜粋メモ】
調理済みの食品、冷凍食品等の加工食品を食べる機会や外食が増え、
私たちは、食べ物について知らないことが多くなってきて、「食の自己管理能力」が必要になっている。
栄養バランスだけでなく、最近は食事のタイミング、リズム、取り方がとくに重視されている。
●食べる意味
・生きるため
・健全な心と体をつくるため
・食文化を受け継ぐ
●食育とは?
食の教育、習わしのこと。
明治36年、村井弦斎が『食道楽』において「小児には徳育、知育、体育よりも食育が先、根源は食育にある」と書いた。
●5つの味
甘味、塩味、苦味、酸味、旨味。
●健康づくりの3つの柱
1.バランスのとれた栄養
2.適度な運動
3.積極的休養、十分な睡眠
●ローレル指数
まずは、自分の適性体重を知ること。
体重kg÷身長cm3×10,000,000
98~1117 やせすぎ
1118~148 標準
149~159 やや肥満
160以上 肥満
******************************乱れる現代の食生活
現代は、偏食、孤食、スナック菓子の食べすぎが問題。
孤食では食欲が減り、つい好きな物ばかり食べてしまう、精神的にも不安定になる。
スナック菓子は、高脂肪、高エネルギー、食塩・脂肪のとりすぎで生活習慣病につながる。
●酒、たばこ
成長期に酒を飲み続けると、脳がスカスカになる/驚
●ペットボトル症候群
清涼飲料に含まれる砂糖の量は、糖分が約8~10%。
清涼飲料のペットボトルを毎日2L前後飲む人の多くが「ペットボトル症候群(糖尿病性ケトアシドーシス)」にかかっていると言われる。
これは糖尿病が悪化したもので、体内の血糖値が上がって脱水症状、意識障害となり、ひどくなると昏睡状態になる。
●キレる子どもも食の乱れが大きな要因
食事は感性、情緒を育てる役割もある
食事は家族のコミュニケーションがとれる最大の機会。
「現代型栄養失調」
微量栄養素、食物繊維が足りなくなる。
<キレなくする食事>
・野菜や根菜類をたくさん食べる。
・インスタント食品を減らす。
・朝食を必ず食べる。
・食事は家族や友だちと一緒に食べる。
・甘いお菓子、ジュース、菓子パンなど糖分の多いものの量を減らす。
●食生活指針
問題は、カルシウムや、食物繊維の不足、動物性脂肪、食塩のとりすぎなど。
毎日の食事で「健康寿命」をのばそう。
「健康寿命」
寝たきり、認知症になる前までの年数。
●小中学生の食生活指針
小学生の時期は、将来にわたる食習慣を完成する大切な時期。
朝食は必ず食べる、夜食に甘い物・脂肪分の多いものは避けるなどに気をつける。
他の学年との交流給食、地域のお年寄りを招待する招待給食など、学校給食を通じて食事の楽しさ、マナーを学ぼう
●年齢によって変わる食事のとり方
栄養不足や偏食で発育が抑えられると、あとでその遅れをとり返すことはほとんど不可能。
●生活習慣病
病気による死亡原因の3位は、がん、心臓病、脳卒中。
その他、肥満、糖尿病などの生活習慣病は、食習慣を改めることで十分予防できると分かった。
●肥満
体重が重いことではなく、体脂肪を必要以上にためてしまうこと。
現在、幼児期、小学校高学年からの子どもの肥満が年々増えている。この20年で2~3倍。約10人に1人。
<肥満の予防法>
・まとめ食いをしない。
・ゆっくり噛んで食べる。
・腹7~8分目にする。
・深夜の夜食はしない。
・ながら食いをしない
・間食をなるべくしない。
●低体重(やせ)、ダイエットの問題
20歳代、15~19歳女性に増えている。
無理なダイエットでの痩せすぎは、カルシウム不足、貧血、生理不順、摂食障害を引き起こす。
摂食障害では、栄養不足、代謝障害におちいり、生命に危険がおよぶ場合もある
いちばんの原因は、家族間の信頼関係、愛情関係に問題があるため。
「代謝障害」
体内で必要な栄養分を摂取・補充したり、不必要になった老廃物を体外に出す機能がうまく働かない状態。
●カルシウム摂取
骨量(骨密度)がもっとも高くなるのは20~30歳頃で、あとは後退する
10代のカルシウム摂取は「老後のたくわえ」。
カルシウムが骨に吸収されるには運動が欠かせない。
●「スポーツ貧血(運動性貧血)」を防ぐために
持久力低下、運動能力が落ちてしまう。
成長に必要な栄養+運動に必要な栄養も加えた食事が必要。
ヘム鉄が多く含まれる肉、魚介、レバーなど、バランスよく食べること。
●昔ながらの和食は理想の食事
「理想の食事」とは?
1日の総エネルギーの比率が、たんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%。
1977年にアメリカが生活習慣病予防のために決めた食事目標が、当時の日本型の食事と同じだった
●現代日本人の乱れた食事
肉、乳製品、油っこい料理、加工食品、外食が増えて、欧米型に近づいている。
脂質が25%を超えると生活習慣病になりやすい。今がギリギリの状態にある。
●ばっかり食べ
昔はゴハンとおかずをいっしょに食べ、口の中で味を調節する「口中調味」の食べ方だった日本食。
今はおかずが薄味になったため、それが必要なくなり、「かたづけ食い」が増えている。
伝統的な食べ方でなくなることが危惧されている。
●長寿の国、日本
平均寿命のうつりかわり
湿度が高い日本では、食べ物がカビやすいため、漬物などの発酵食品、乾物、干物という食文化ができた。
「山のもの海のもの」という豊富な食材、きのこが豊富なのも特徴の1つ。
大豆を使用した豆腐、味噌、醤油などは脳の健康によいことも分かった。
日本料理の原型をつくったのは道元。「食の修行を中心に」と説いた。
茶の湯で出すかんたんな料理→懐石料理→会席料理へと変化した。
●加工食品、インスタント食品に含まれる食品添加物
微妙な味が分からなくなったり、がんになることもある
清涼飲料水などにたくさん使われているリンをとりすぎると、カルシウムを体外に排出されてしまう。
●ファストフードからスローフードへ
スローフード運動は、画一的なファストフードに反対する活動から、
郷土料理、地方特産、地産地消などに発展していった。
「地産地消」の利点
素材が世界を旅するより、人が世界を旅して、その土地の料理を食べるほうが、
いろんな意味で利点があり、大切だと分かった。
●行事食、郷土食
「ハレの日」は年間を通して20回もある。
体調を崩しやすい季節のかわり目を、旬のもの、薬効性のある食べ物で整える意味もある。大豆、餅など。
食用酢などの微生物による発酵を利用した世界に誇る調味料を利用している。
「郷土食」
江戸時代中期~後期にかけて発達し、郷土食のほとんどができあがった。江戸前すしなど。
各地の気候風土、特産物、生活形態、風習、歴史的な流れが色濃く残っている。
●Kids in the Kitchen(子どもたちを台所へ)
欧米で40年ほど前から行われている。
子どもに食品の選び方、料理、楽しい食事などを教える運動。
現代は食べ残し、ゴミの増加が大きな問題となっている。
草食動物、肉食動物は、ある栄養素をほかの栄養素にかえることができるので、栄養バランスがとれている。
雑食動物のヒトは、食べ物でさまざまな栄養をとらなければならない。
●手伝いが育てる思いやりの心
家の手伝いをする子どもは以前と比べて減っている。
手伝いをよくする人ほど、思いやりのある行動ができることが調査で分かった。
いつもやっている人の大変さを知ることができる。
日本は親子でいっしょに家事体験などをする機会が減っている。
●自然体験・農業体験
自然に触れたり、地域の人とのふれあい体験から学習意欲が増し、
動植物に対する愛情を育み、自然と調和して生きることの大切さが学べる。
勤労体験などを目的に学校菜園をつくったり、農家の訪問、農業施設の見学などの取り組みが
全国の小中学校で行われているが、都市部の小学校で7割、中学校で3割程度で、さらに増えることが期待される。
●食材の名前が分からない子どもたち
白菜は2割、レタスは3割しか知らないという結果が出た。
食(消費者)と農(生産者)の距離が遠ざかったためと言われる。
季節感が薄れ、魚介類や野菜の旬がいつか分からない人も増えている。
●旬のものは他の時期より栄養価が高い
冬どりほうれん草のビタミンCは、夏どりの3倍。
魚介類は産卵期をむかえた脂ののった時期が旬。
●食のボランティア活動
現在、都市化、少子化、核家族化が進み、地域の人とふれあう機会が減っている。
働くことの大切さ、社会に奉仕する精神が養える。
日本の子どもたちは、ボランティア活動したことが「まったくない」「あまりない」を合わせて7割近くで、世界と比べてとても低い。
●環境学習
家庭や工場などから出るゴミの量は、2001年度で年間5210万トン。1人1日当たり1124g。
最終処分地の不足、健康への影響(ダイオキシン、環境ホルモン)などが問題。
「ダイオキシン」
発がん性があり、人類がつくり出した最強の毒物と言われる。
「環境ホルモン」
体内に入るとホルモンと似た働きをする化学物質。生殖機能障害を起こすといわれる。
●食品ロス(むだ)
日本のエネルギー自給率は1965年度は73%、1998年度以降40%。先進国内で最低水準。
日本は食料の6割を輸入する食料資源の少ない国でありながら、食料をムダにしている。
調理くず、食べ残し、消費期限・賞味期限切れ、腐ったりカビが生えたりして手つかずのままムダになるものも多い。
家庭での食品ロス率は、4.8%。
ロス率の高い食品は、野菜類、果物類、魚介類、調理加工食品類が8割をしめる。
外食産業より家庭のほうが食材をムダにしていることが分かった。
●エコクッキング運動
「エコクラブ活動」
子どもが中心となって地域の仲間同士で地球環境に関する学習ができるよう支援することを目的として、
水生生物量さ、昆虫分布調査、身近な野菜づくりなど、いろいろな活動が行われている。
エコクッキング運動では、調理のしかた、買い物のしかた、台所での心がけの3点を重視。
・必要な量だけ買う。
・計画的な献立づくり。
・調理と保存に注意して、食品を長持ちさせる。
・買い物袋を持参する。
・台所用洗剤は薄めて使う。
など
藤沢良知/監修・著、矢島麻由美/著
先日読んだ『ローティーンのための食育2 健康な体と栄養』(小峰書店)と同じシリーズ。
食に関して基礎的な知識が身につく。スナック菓子を食べ過ぎないなど、耳が痛いこともいっぱいあった
食育は、子どもの頃から大事だけど、親が学ばないと子どもの食生活にまで浸透しないんだよね。
【内容抜粋メモ】
調理済みの食品、冷凍食品等の加工食品を食べる機会や外食が増え、
私たちは、食べ物について知らないことが多くなってきて、「食の自己管理能力」が必要になっている。
栄養バランスだけでなく、最近は食事のタイミング、リズム、取り方がとくに重視されている。
●食べる意味
・生きるため
・健全な心と体をつくるため
・食文化を受け継ぐ
●食育とは?
食の教育、習わしのこと。
明治36年、村井弦斎が『食道楽』において「小児には徳育、知育、体育よりも食育が先、根源は食育にある」と書いた。
●5つの味
甘味、塩味、苦味、酸味、旨味。
●健康づくりの3つの柱
1.バランスのとれた栄養
2.適度な運動
3.積極的休養、十分な睡眠
●ローレル指数
まずは、自分の適性体重を知ること。
体重kg÷身長cm3×10,000,000
98~1117 やせすぎ
1118~148 標準
149~159 やや肥満
160以上 肥満
******************************乱れる現代の食生活
現代は、偏食、孤食、スナック菓子の食べすぎが問題。
孤食では食欲が減り、つい好きな物ばかり食べてしまう、精神的にも不安定になる。
スナック菓子は、高脂肪、高エネルギー、食塩・脂肪のとりすぎで生活習慣病につながる。
●酒、たばこ
成長期に酒を飲み続けると、脳がスカスカになる/驚
●ペットボトル症候群
清涼飲料に含まれる砂糖の量は、糖分が約8~10%。
清涼飲料のペットボトルを毎日2L前後飲む人の多くが「ペットボトル症候群(糖尿病性ケトアシドーシス)」にかかっていると言われる。
これは糖尿病が悪化したもので、体内の血糖値が上がって脱水症状、意識障害となり、ひどくなると昏睡状態になる。
●キレる子どもも食の乱れが大きな要因
食事は感性、情緒を育てる役割もある
食事は家族のコミュニケーションがとれる最大の機会。
「現代型栄養失調」
微量栄養素、食物繊維が足りなくなる。
<キレなくする食事>
・野菜や根菜類をたくさん食べる。
・インスタント食品を減らす。
・朝食を必ず食べる。
・食事は家族や友だちと一緒に食べる。
・甘いお菓子、ジュース、菓子パンなど糖分の多いものの量を減らす。
●食生活指針
問題は、カルシウムや、食物繊維の不足、動物性脂肪、食塩のとりすぎなど。
毎日の食事で「健康寿命」をのばそう。
「健康寿命」
寝たきり、認知症になる前までの年数。
●小中学生の食生活指針
小学生の時期は、将来にわたる食習慣を完成する大切な時期。
朝食は必ず食べる、夜食に甘い物・脂肪分の多いものは避けるなどに気をつける。
他の学年との交流給食、地域のお年寄りを招待する招待給食など、学校給食を通じて食事の楽しさ、マナーを学ぼう
●年齢によって変わる食事のとり方
栄養不足や偏食で発育が抑えられると、あとでその遅れをとり返すことはほとんど不可能。
●生活習慣病
病気による死亡原因の3位は、がん、心臓病、脳卒中。
その他、肥満、糖尿病などの生活習慣病は、食習慣を改めることで十分予防できると分かった。
●肥満
体重が重いことではなく、体脂肪を必要以上にためてしまうこと。
現在、幼児期、小学校高学年からの子どもの肥満が年々増えている。この20年で2~3倍。約10人に1人。
<肥満の予防法>
・まとめ食いをしない。
・ゆっくり噛んで食べる。
・腹7~8分目にする。
・深夜の夜食はしない。
・ながら食いをしない
・間食をなるべくしない。
●低体重(やせ)、ダイエットの問題
20歳代、15~19歳女性に増えている。
無理なダイエットでの痩せすぎは、カルシウム不足、貧血、生理不順、摂食障害を引き起こす。
摂食障害では、栄養不足、代謝障害におちいり、生命に危険がおよぶ場合もある
いちばんの原因は、家族間の信頼関係、愛情関係に問題があるため。
「代謝障害」
体内で必要な栄養分を摂取・補充したり、不必要になった老廃物を体外に出す機能がうまく働かない状態。
●カルシウム摂取
骨量(骨密度)がもっとも高くなるのは20~30歳頃で、あとは後退する
10代のカルシウム摂取は「老後のたくわえ」。
カルシウムが骨に吸収されるには運動が欠かせない。
●「スポーツ貧血(運動性貧血)」を防ぐために
持久力低下、運動能力が落ちてしまう。
成長に必要な栄養+運動に必要な栄養も加えた食事が必要。
ヘム鉄が多く含まれる肉、魚介、レバーなど、バランスよく食べること。
●昔ながらの和食は理想の食事
「理想の食事」とは?
1日の総エネルギーの比率が、たんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%。
1977年にアメリカが生活習慣病予防のために決めた食事目標が、当時の日本型の食事と同じだった
●現代日本人の乱れた食事
肉、乳製品、油っこい料理、加工食品、外食が増えて、欧米型に近づいている。
脂質が25%を超えると生活習慣病になりやすい。今がギリギリの状態にある。
●ばっかり食べ
昔はゴハンとおかずをいっしょに食べ、口の中で味を調節する「口中調味」の食べ方だった日本食。
今はおかずが薄味になったため、それが必要なくなり、「かたづけ食い」が増えている。
伝統的な食べ方でなくなることが危惧されている。
●長寿の国、日本
平均寿命のうつりかわり
湿度が高い日本では、食べ物がカビやすいため、漬物などの発酵食品、乾物、干物という食文化ができた。
「山のもの海のもの」という豊富な食材、きのこが豊富なのも特徴の1つ。
大豆を使用した豆腐、味噌、醤油などは脳の健康によいことも分かった。
日本料理の原型をつくったのは道元。「食の修行を中心に」と説いた。
茶の湯で出すかんたんな料理→懐石料理→会席料理へと変化した。
●加工食品、インスタント食品に含まれる食品添加物
微妙な味が分からなくなったり、がんになることもある
清涼飲料水などにたくさん使われているリンをとりすぎると、カルシウムを体外に排出されてしまう。
●ファストフードからスローフードへ
スローフード運動は、画一的なファストフードに反対する活動から、
郷土料理、地方特産、地産地消などに発展していった。
「地産地消」の利点
素材が世界を旅するより、人が世界を旅して、その土地の料理を食べるほうが、
いろんな意味で利点があり、大切だと分かった。
●行事食、郷土食
「ハレの日」は年間を通して20回もある。
体調を崩しやすい季節のかわり目を、旬のもの、薬効性のある食べ物で整える意味もある。大豆、餅など。
食用酢などの微生物による発酵を利用した世界に誇る調味料を利用している。
「郷土食」
江戸時代中期~後期にかけて発達し、郷土食のほとんどができあがった。江戸前すしなど。
各地の気候風土、特産物、生活形態、風習、歴史的な流れが色濃く残っている。
●Kids in the Kitchen(子どもたちを台所へ)
欧米で40年ほど前から行われている。
子どもに食品の選び方、料理、楽しい食事などを教える運動。
現代は食べ残し、ゴミの増加が大きな問題となっている。
草食動物、肉食動物は、ある栄養素をほかの栄養素にかえることができるので、栄養バランスがとれている。
雑食動物のヒトは、食べ物でさまざまな栄養をとらなければならない。
●手伝いが育てる思いやりの心
家の手伝いをする子どもは以前と比べて減っている。
手伝いをよくする人ほど、思いやりのある行動ができることが調査で分かった。
いつもやっている人の大変さを知ることができる。
日本は親子でいっしょに家事体験などをする機会が減っている。
●自然体験・農業体験
自然に触れたり、地域の人とのふれあい体験から学習意欲が増し、
動植物に対する愛情を育み、自然と調和して生きることの大切さが学べる。
勤労体験などを目的に学校菜園をつくったり、農家の訪問、農業施設の見学などの取り組みが
全国の小中学校で行われているが、都市部の小学校で7割、中学校で3割程度で、さらに増えることが期待される。
●食材の名前が分からない子どもたち
白菜は2割、レタスは3割しか知らないという結果が出た。
食(消費者)と農(生産者)の距離が遠ざかったためと言われる。
季節感が薄れ、魚介類や野菜の旬がいつか分からない人も増えている。
●旬のものは他の時期より栄養価が高い
冬どりほうれん草のビタミンCは、夏どりの3倍。
魚介類は産卵期をむかえた脂ののった時期が旬。
●食のボランティア活動
現在、都市化、少子化、核家族化が進み、地域の人とふれあう機会が減っている。
働くことの大切さ、社会に奉仕する精神が養える。
日本の子どもたちは、ボランティア活動したことが「まったくない」「あまりない」を合わせて7割近くで、世界と比べてとても低い。
●環境学習
家庭や工場などから出るゴミの量は、2001年度で年間5210万トン。1人1日当たり1124g。
最終処分地の不足、健康への影響(ダイオキシン、環境ホルモン)などが問題。
「ダイオキシン」
発がん性があり、人類がつくり出した最強の毒物と言われる。
「環境ホルモン」
体内に入るとホルモンと似た働きをする化学物質。生殖機能障害を起こすといわれる。
●食品ロス(むだ)
日本のエネルギー自給率は1965年度は73%、1998年度以降40%。先進国内で最低水準。
日本は食料の6割を輸入する食料資源の少ない国でありながら、食料をムダにしている。
調理くず、食べ残し、消費期限・賞味期限切れ、腐ったりカビが生えたりして手つかずのままムダになるものも多い。
家庭での食品ロス率は、4.8%。
ロス率の高い食品は、野菜類、果物類、魚介類、調理加工食品類が8割をしめる。
外食産業より家庭のほうが食材をムダにしていることが分かった。
●エコクッキング運動
「エコクラブ活動」
子どもが中心となって地域の仲間同士で地球環境に関する学習ができるよう支援することを目的として、
水生生物量さ、昆虫分布調査、身近な野菜づくりなど、いろいろな活動が行われている。
エコクッキング運動では、調理のしかた、買い物のしかた、台所での心がけの3点を重視。
・必要な量だけ買う。
・計画的な献立づくり。
・調理と保存に注意して、食品を長持ちさせる。
・買い物袋を持参する。
・台所用洗剤は薄めて使う。
など