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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『21世紀の平和を考えるシリーズ5 エイズ』(ポプラ社)

2013-10-09 13:51:51 | 
『21世紀の平和を考えるシリーズ5 エイズ』(ポプラ社)
大貫美佐子/監修 高橋央、広田眞美/文

【内容抜粋メモ】
世界では、毎日約1万4000人があらたにHIVに感染しているといわれる。
6000人が15~24歳、2000人が15歳未満。
エイズが原因で孤児になる「エイズ孤児」は、世界で1000万人以上。
あらたに感染する人の約半分が女性と子どもで、子どもの大部分は母子感染。
HIVの感染は、教育と深くかかわっている。


●エイズとは?
 
HIVウイルス/HIVウイルスに感染した人のリンパ球

ウイルスが発見されたのは1983年。
感染直後は、風邪で熱が出たような症状になり、その後、大きな症状がないまま何年か過ぎる。
HIVはとくに血液中のリンパ球に入って増える。
リンパ球が壊されると、発熱、下痢、さまざまな感染症に簡単にかかって、とくに肺炎、結核などにかかると死亡しやすい。

エイズになるまでにはHIVに感染してから数年以上かかる。
なにも治療しないと10年で約半分がエイズを発病するといわれる。




●感染経路
・セックスによる感染
避妊具を正しく使えば確率は下がる。ピルでは性行為感染症の予防はできない。

・血液
感染者の血液を輸血したり、感染者の血液でつくった血液製剤を注射する。
麻薬を注射器で回して使う。

母子感染
感染者の女性のおなかに赤ちゃんがいる時、お産の時、血液を通して感染する。
または母乳を通して感染する。粉ミルクが買えない、清潔な水や容器が手に入らないなどで子どもが亡くなる。

<これは感染しない>
握手、咳、くしゃみ、汗、トイレ、お風呂、プール、蚊、動物など。


●世界の感染者数

HIV感染者の地域分布

UNAIDS(国連合同AIDS計画)によると、HIV感染者数は推定4000万人。(2001年)
1日あたり1万3700人。ほぼ6秒に1人の割合。
日本では、男性同士のセックスによる感染が急激に増えている。
ジンバブエでは、5歳以下の子どもの死亡者70%がエイズによるもの。


●アフリカに多い理由
アフリカ諸国に全体の70%(2810万人)が集中している。

・避妊具が使われないことで、HIV、梅毒、ヘルペスなどにかかりやすい。
・マラリア、肝炎の感染症の原因となる微生物にさらされる機会が多い。
一夫多妻制のため、感染者が広がりやすい。
・貧困による売春、病気になってもきちんとした治療が受けられず亡くなる。
・栄養不良により抵抗力が弱い。
・充分な教育が受けられず、交通・通信手段も発達していないため、エイズについての情報が伝わらない。


●若い層に感染者数が多い
主な感染経路はセックスと麻薬の注射器の回し打ち。
若い人は「自分はかからない」と楽観的にとらえやすく、せっかく予防方法を知っていても実行しない場合も多い。


HIV検査
感染しているかどうかは、HIV検査で調べなければ分からない。
「血液検査」は、まずざっと調べる「スクリーニング検査」が行われる。
それで陽性かもしれないと判定された血液には「確定検査」が行われる。
HIV検査には「カウンセリング」がついている。
治療法も年々進歩しているため、早期発見・早期治療、生活習慣の工夫で、エイズが発病するまでの期間を延ばすことができる。


●日本の相談窓口
エイズ予防財団
JFAP エイズサポートライン


●エイズが及ぼす影響
・エイズ孤児でストリートチルドレンに

両親をエイズで亡くした姉妹。妹の世話をしながら宿題をする姉。
両親がエイズで働けなくなり、子どもたちは学校を途中でやめて働かざるをえなくなる。

・学校の教師にも感染者が多いため、授業が進まず、教育の質が落ちる。
・新しく人を雇う時に強制的にHIV検査をさせ、感染者を雇わない、解雇する経営者もいる。
・働き手が減り、農産物の生産量が減り、栄養不良、餓死にいたる、暴動、略奪につながるなどの悪循環になる。
・医者にかかりたくても、遠い道を何時間も歩かなくてはならない。

感染しないためには予防することがいちばん重要。また、ほかの国からの強力な援助が必要。


女性の地位とエイズ問題
女性が男性より地位が低い国に、女性のHIV感染者、エイズ患者が多い。
年上の男性が若い女性に避妊具を使わないセックスを強要し、複数と性交渉している状況にNOと言えない現状がある。
女の子は学校に行けず、小さい時から家の手伝いをさせられたり、12~13歳で結婚させられるため、
HIVの知識を持たない女性が多い。


******************************HIV感染者を減らす取り組み

人々の意識を変える重要なカギは「教育」。


ザンビアでの保険教育のようす。HIVについて正確な知識をもつことが最大の予防方法。

「世界エイズデー」
毎年12月1日。WHOがエイズの広がりの防止、患者・感染者への差別・偏見の解消を目的につくった。


抗HIV薬の開発
今では何種類も開発されて、HIVに感染してもエイズを発病しない人が増えてきた。
感染者は、多くの種類の薬をずっと飲み続けなければならず、苦痛を伴い、お金もかかる。


タンザニアのエイズ孤児が、女性カウンセラーに薬の提供を受けているようす

HIV感染者は、病気と闘うことより、周囲の差別のほうがずっと辛いと言う。


●国際協力活動~国際医療ボランティアAMDAの例
ケニアのスラムでは、仕事が少なく、医療設備の不足など多くの問題があり、毎日700人がエイズで亡くなっている。
予防教育、HIV検査、感染者への無料診療、家族計画や栄養学まで幅広い教育などの活動をしている。
カウンセリングでは、安定した精神状態での生活、免疫力を高める食事と薬、清潔な住環境などが大切だと説明している。


ケニアの子どもたちに人形劇でエイズ予防教育を行っているようす。子どもの頃からの教育が偏見をなくす。


●日本の現状
日本では、20歳代の男性が多い。また、若い人の間で性感染症の感染率が高く、10代の妊娠中絶も増加している。


HIV感染者とエイズ患者の報告数の変化

 
HIV感染者とエイズ患者の年齢別人数

保健所では相談にのったり、休日や夜間も無料でHIV検査を実施している。

「東京都エイズ・ピア・エデュケーション事業」


薬害エイズ
川田龍平さんは、血友病患者で、実名を公表してHIV訴訟の原告になった。
治療に使用した血液製剤により、多くの血友病患者がHIVに感染した。
厚生省と製薬企業は、血液製剤が危険だと知りつつ、患者の命より企業利益を優先して販売をつづけた結果、
血友病患者5000人のうち約40%の2000人が感染。その半数は18歳未満。

フォト・ジャーナリストの広河隆一さん著「日本のエイズ」を読んで衝撃を受けた。
友だちから「今までどおりつきあうよ。同情しない」と言われた言葉が嬉しかったという。

1994年、国際エイズ会議が横浜で開かれ、海外の被害者が実名で堂々と訴えているのを見て感銘を受けた。

裁判で初めて国や企業の加害責任を認めさせることができたが、そこに謝罪の文字はなかった。
患者の命より企業利益を優先する官僚、企業、政治家、学者の癒着があるかぎり、薬害はなくならない。
エイズだけでなく、ハンセン病、障害者、同性愛者、、アイヌ、沖縄、外国人、女性に対する差別も同様。


●人権に関する国際法規
・「世界保健機関憲章(WHO憲章)」
・「子どもの権利条約」

●HIV/エイズに関するコミットメント宣言
女性のエンパワーメントは脆弱性の軽減に不可欠である。
・紛争と災害はHIV/エイズの蔓延を助長する。 など

●日本で活動する団体
・国際協力事業団
シェア=国際保健協力市民の会
AMDA
ジョイセフ

●個人でできることの例
・レッドリボンをつける→リボンプロジェクトジャパン
・チャリティーコンサートや写真展などに参加して理解を深める→日本ユニセフ協会

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ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』

2013-10-09 10:47:04 | ドラマ
ドラマ『罪と罰 A Falsified Romance』(2012)全6回
原作:落合尚之 監督:麻生学
出演:
高良健吾(裁弥勒)
水川あさみ(飴屋英知香)
伊藤歩(裁喜乃)
中尾明慶(矢住賢道)
染谷将太(御子柴遥)
朝倉あき(中上明美)
萬田久子(裁好美)
田中哲司(首藤魁)
伊武雅刀(五位蔵人) ほか


「お前には行動が足りん。目を背けるな弥勒。欲望を肯定しろ。地獄こそが楽園だ」

田中哲司さん出演作としてチェック。この役は今までで一番深みがあってよかった。
ドフトエフスキーの原作は読んだことないけど、それをもとにした漫画のドラマ化なのか。
最近、こうゆう胃が痛くなるテーマばかりだな。それもふつーにテレビで流れるって。
こんな現実がほんとうに日常茶飯事になってるってことか?
脚本がとても味わい深くて、セリフ1つ1つが詩のようだった。


●第1話
「(教師だった)父のように立派な人になりなさい」と母・姉から送り出され、
上京してから、大学にも行かず、ひきこもる作家志望の弥勒。
ファストフード店でリサに援助交際のノルマをこなせと強要するヒカル。
ヒカルは援交や恐喝で集めた金を定期的にミーコを通じて暴力団に渡している。
その様子を調べてヒカルと接触し、「組織的な売春を取材させてくれ」と頼む弥勒。
リサを買って同じように手を汚すことを取材の条件に提示するヒカル。
そんなヒカルを親友だと言い張るリサ。
ヒカルの両親は著名人。1人暮らししているリサの自宅で3人の男にレイプさせた。
「わたしのイジメはリサにとって神様の慈悲そのものよ」と言うヒカルに殺意を抱く弥勒。

ユイちゃんのイジメっこ役、リアルすぎてヤヴァい


●第2話
リサが援助交際をやめたいと相談に来て、ヒカルがお金を渡す日は1人だと教えたため、これを啓示と受け取る弥勒。
リサの自宅から細工した電話で「警察が見張っている」と告げ、帰ってきたヒカルを襲う弥勒。
その現場にリサが来て「わたしのためにやってくれたのね。これからは私が守ってあげる」と言ったため、逆上してリサも殺してしまう。
翌日、警察から出頭命令が出て、東京地検の五位(伊武雅刀)に会う。
五位は弥勒の書いた小説『収穫者の資格』の愛読者だった。

憎むなら、売春をする少女より、それがはびこる社会のほうだろうに。


●第3話
1年前、弥勒は入社先で「典型的な受験エリート」と呼ばれていた。
大学の先輩・須藤(田中哲司)が昔、人を殺したという噂をきいて、弥勒は殺人犯の心理に興味をもつ。
須藤のいきつけのパブのオーナーに聞くと、東南アジアにいた頃、
世話になってたハウスキーパーの娘が自殺して、そこの父親も死んだという。

「私は人間だ。人間的なことは何によらず私と無縁ではない」
古代ローマの喜劇作家・テレンンティウスの言葉を引用する須藤。

「お前の思想には行動が足りん。外に出て世界に触れてみろ」

弥勒は、特捜宛とミーコに血のついた紙幣を送ったため、ミーコは暴力団に襲われる。

弥勒の姉・ヨシノは学費を工面するために社長のセクハラに耐えているのを須藤からとがめられると、
「なんでも自由だからといって幸福だとはかぎらないわ。
 一瞬のささやかな幸福の中に永遠の自由を見つけることもある。わたしはおおむねしあわせですよ」

弥勒は倒れて病院に担ぎ込まれた。隣りの患者はアルコール依存症のアメヤ。
校内でお酒を隠し飲みしているところを男子生徒に隠し撮られ、
脅されるままに女子トイレや更衣室に隠しカメラを設置する。
アメヤの妻は亡くなっていて、3人の子どもの世話をしてくれていた生徒のエチカ。
男子生徒グループはアメヤにエチカをレイプするよう強要する。

須藤は勤務先の女社長に弱みを握られていて、女社長殺害容疑で指名手配され、海外に逃亡する。

女王様からイジメられとります・・・
なんかいろいろ過去を抱えてる深い役だね。


●第4話
レイプ事件が上司にもバレて教師をやめさせられたアメヤ。
「あんたみたいな弱い人間にあの子たちが守れるもんか。あの子たちは私が守る!」
エチカは、あれは合意の上だと学校側にいって、アメヤと結婚し、家計を支えるためにAV女優になる。
「エチカは君が気に入ったみたいだ。だから君、オレの代わりにエチカを愛してやってくれないか?」
(アメヤには全然同情できないなぁ・・・

弥勒は特捜に尾行されていると気づき、女子高生に取材していたことを自ら明かす。
「誰がやってもおかしくない事件だ。でも、その先に行くには、踏み越える勇気と、やり遂げる意思が必要なんだ。
 それができるのは選ばれた人間だけなんだろうな」

「力を持つ者は行使する義務がある」

川に身を投げようとした弥勒を止めようとしてアメヤは轢かれた。
「ボクは姉さんのために世話の焼ける弟を演じてきただけなんだ。
 君が憐れな女を演じ続けてきたから、彼はダメ男を演じ続けた。君とボクは同じ獣なんだよ」
「今のわたしに分かるのは、あなたが途方もなく寂しい人だってことだけよ」

須藤が逃亡先から帰国する。パブのオーナーから青戸事件を聞き、弥勒がついに行動したことを知る。


●第5話
五位は、弥勒をショックでなかば植物状態となったリサの母に会わせようとする。
「あなたも力の行使に巻き込まれた人間の姿を知っておくべきだと思うんですよ。
 力を持たないことは罪でしょうか?
 あなたが掲げるロマンには、現実と闘い、それに打ち勝つ強さがなければなりません」

大きな圧力がかかって、ミーコが自供し、表面的には事件解決となる。
「日本の法律は未成年にはやさしくできているんだ。心神喪失、不幸な生い立ちもつければ大した刑にはならないさ」

エチカと一緒に生きるために、リサ殺しを告げる弥勒。
「ボクは証が欲しかったんだ。ボクの人生は、ボク自身のものだっていう証だよ」
「あなたの世界に、あなた以外の人間はいないの? どうしてそんな寂しいところで今まで1人で生きてこれたの?」

隣りの部屋で聞いてた須藤(
「お前を理解できるのは俺だけだ。
 ここはオレたちの楽園だぜ。欲に身をゆだねて楽しめばいいだけだ」

「お前の怒りが正当だったと信じているなら、なにも怯えることはないだろう。ようこそ俗悪の王国へ」
「地獄に咲く花を摘みに行こうぜ」て、けっこうキザなセリフが多い須藤
こうゆう役って演ってるほうも面白いんじゃないかな。



「遊び相手が欲しいだけさ。一人遊びはあらかたやり尽くしたからな」


●第6話
弥勒が犯人だと確信する五位は、自宅に行って自首をすすめる。

「取り戻したいとは思いませんか? 罪を償う権利を。心に秘密があるかぎり、あなたは誰とも笑い合えない。
 あなたを思う人の気持ちと、それに応える心があるかぎり、そのつながりこそ人間です」(五位は須藤と正反対だな

「償えば許されるんですか。人殺しは許される罪ですか?」
「希望は遠い星の光です。絶望を踏み越えた先に本当の人生が待っているんですよ」

「本当の人生というのは?」
「特別なことじゃない。ただ生きていく。つまりは生活です。
 働いて暮らしていくこと、人と関わること、愛し合うこと、傷つけ合うこと。
 それを死ぬまで繰り返す。単調だけど、みんながやってる、その当たり前のことが難しくて、貴いんです」

「絶望を知り、それでも希望を捨てない人間がいるならば、その人こそ真に誇り高い人間だと私は思うんです。
 あなた自身が星になるんですよ。暗闇を照らす光に」
伊武さん、素晴らしすぎ。


エチカを人質にとって弥勒を呼び出す須藤。
「邪悪で冷酷、それが人間の本性だからな」
「すべてをなげうつことで、すべてを支配する。それがマゾヒズムの真髄だ。
 だが、あんたの献身が今のところ誰一人しあわせにしてないのはなぜなんだろうね」


「オレと行ってはくれないのか?
 お前のその憎しみで、オレを地獄へ送ってくれ。オレはまた旅に出るんだ。帰らぬ旅に

自首しようと決意する弥勒。

「変わるんだ、もっと人間らしい人間に」


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