メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1998.9~ part1)

2013-10-20 14:04:00 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は猫のイラストがある黄色のノートからご紹介。邦画、邦楽ビデオにハマってたらしい。

  

photo1:最初のページはやっぱりバスターv 火のついた爆弾で煙草に火をつけてるって爆
photo2:友だちとL.A.行った。
photo3:ミニシアターで観た『CUBE』はインパクト大だった!

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『時をかける少女』(1997)
監督:角川春樹 出演:中本奈奈、中村俊介、伊武雅刀 ほか
角川自身がメガホンとって、かつての役者を集めてリメイクとは強い想い入れを感じる。
が、カラーの時代に、全編モノクロは目が疲れる。
今回、中本らも妙に間延びした演技(新人起用がポイントか?)でよりリアルな作り。
でも、やっぱ原作通りじゃないのが残念。昭和40年くらいの設定の割りにセリフが「ウソ」「ホント」「ヤバイ」て現代的だし。
時間警察がMIBとダブってる。長野がロケ地?ビックリ。

「未来は超能力もタイムトラベルも発達し、自然破壊から逃亡する者、
 過去の重要人物を消して、歴史改革をたくらむ者が増え、時の番人ができた」
「決定された未来は変えられない!」
「ちょっとのズレが後に大変革につながることもある」

あやふやな残骸のみ残る。どうせならスッキリ消せばいいのに、そして典型的なハッピーエンド。
坂が多い尾道にこだわった1作目は、レトロな雰囲気出てたのが、こちらは現代サスペンス・ラブロマンス調。
原作で少女が家に忍び込むシーンとか好きなんだけどな。
ユーミンの♪時をかける少女 のアレンジバージョンはイイ。セーラー服に恋愛。うーんこんな青春してみたかったな。


『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 第1巻 幻の傑作漫才全集』
深夜帯の30分番組からひっそり始まったガキ使。大阪からきた当時の2人の純粋な漫才形式で有名なクイズネタも収録。
当時26歳で若いし、ハマちゃんの服のセンスがメチャメチャで'80代っぽい。時事ネタも多くて今の爆問見てるみたい。
冒頭の今の2人からのコメントでもあるように“いまだかつてスベったことがない”と豪語する松ちゃんが
「ここで貴重なのはスベってるから」
松ちゃんの喋りが不明瞭で、ハマちゃんとかぶってるせいか確かに所どころ笑いがないシーンあり。

<ネタは割愛>
クイズ「太郎さんが花屋へ行きました。何でしょう?」これ笑ったよなあ、当時。
怪談、誘拐、24時間テレビ ほか

たけしさん同様、松ちゃんはどんなことにも毒舌。ほんとその通りだと皆も思ってることだけど、OAギリギリだろうね。
回を重ねるごとに、会場の客も盛り上がってる。今じゃ歓声で喋りも聞こえないくらいだけど、
この頃は純粋にネタで笑って、あとは妙に静か。


『漂流教室』(1986)

原作:楳図かずお 監督:大林宣彦 出演:林泰文、浅野愛子、南果歩 ほか
あの大作を『時をかける少女』ほかの監督が2時間にまとめたのは相当骨の折れる仕事だったと思う。
だから空想上のモンスターと仲良く共存したり、インターナショナルスクールに設定を変更してもよしとしよう。
やはり原作の勝利。海外を意識して造られた今作も母子の愛情には皆涙することだろう。

「過去で恐竜に襲われてるってこともあるんでしょうか?」
「子どもらはどこにいても常に未来へ向かっているのです」
「私たちも一緒にいることはできないのでしょうか?」
「子どもたちの時間に私たちが立ち会うわけにはいかないでしょう。
 子どもたちは私たちの愛を受け継いで、より大きく生かすために生きていくんですから」
「僕らは地球にまかれた種なのだから」


『MEMORIES』(1995)

監督:大友克洋 声出演:磯部勉、堀秀行 ほか
【episode1】
これは世界に誇れるアニメを越えた壮大なドラマ。
優雅で悲しい、流れる動きはダイナミックで美しく、基になる原作がしっかりしてる感動作品。
「思い出は逃げ込むところじゃねえ!」
「現実が何になるの!?」
悲しい女の業が恐ろしいまでに美しい。

【episode2】
急に地方ネタか、イイイな。

【episode3】
強烈な戦争風刺。『1984』みたく個人が個人でなく、いつから戦争してるのか、
目的も未来も見失ったまま、ただひたすらどこかに大砲をうちこむこと自体が生活になっている。
夫らは大半が砲撃夫で、蟻のように働いて寝るだけ。
灰色のブキミな顔に、灰色の建物に唯一真っ赤にそびえる怪物のような大砲が目の裏に残る。


『トイ・ストーリー』(1995)

監督:ジョン・ラセター 声の出演:トム・ハンクス ほか
これって最初のCGアニメ映画って騒がれたんだよね、確か。
友だちのオススメで「一生ディズニーの中で暮らしたい」って言った意味が分かる気がする。
リアルな絵と動きでオモチャは本当に生きてて、持ち主に遊んでもらい大事に扱われることに誇りをもち、
そう望んでいるってメッセージが感動とともに伝わる。
オモチャそれぞれのキャラの出た生き生きした表情とセリフがスゴイ。
最後までドキドキハラハラのストーリー。悪ガキ・シドのモデルはひょっとしてシド・ヴィシャスか?
モノを大事にするかしないかは子どもの心の問題、ひいては家庭が円満かどうかが一番大事なんだよね。


『笑撃スクランブル』
出演:金谷ヒデユキ、ブッチャーブラザーズ、ビシバシステム、バラライカ、B-21 SPECIAL、Z-BEAM、キリングセンス、CITY BOYS ほか
これみんな人力舎から出てるんだ。ボキャブラーの中にもまだいなかったっけ?
ボキャブラで人気出てきた金谷のネタと、若き日のB-21のコント、一度見てみたかったCITY BOYSのネタが入ってて借りたけど、いまいち。

<ネタ割愛>


『江戸川乱歩生誕100周年記念作品 黒蜥蜴』
出演:岩下志麻、伊武雅刀、野村真美 ほか
ムード歌謡曲にのせるのはやめてください。TV用に作られたのか、岩下志麻の黒蜥蜴は違和感なし。
白鳥麗子ばりにタカビーで「私に命を捧げなさい」と部下を集め、ゴツゴツとかさばる派手な衣装で着飾っても彼女ならイケる。
伊武雅刀さんの明智ねえ。前髪にメッシュ入れて、でもラストのおマヌケさに彼ならついていける。

「海の底に行っても、お前は人間だ。一緒に生きてはゆけないぞ」(当たり前だw
人魚のヒレをつけてドルフィン泳法で泳いでいくシーンも笑える。
ちなみにあの人魚たちは巷で水中ダンスを見せている劇団員の方々だろう。
見事な動き、乱歩作品には何度も出てくるんだよね。


『八つ墓村』(1996)

原作:横溝正史 監督:市川崑 出演:豊川悦司、浅野ゆう子、高橋和也 ほか
乱歩と並ぶ日本ミステリー小説の巨匠、横溝正史の代表作。「八つ墓村のたたりじゃ~」を流行語にした前作は
おどろおどろしい血生臭さが強かったが、リメイク版では、その裏にある人間ドラマを丁寧に描き上げ、
素晴らしいミステリーに完成している。

適材適所の役者配置も完璧。特に金さん銀さんみたいな岸田今日子の2役にはビックリ&カワイイ。
確かこの間の特集で、32人殺しの男は病を気にして、事件後は山中にて自殺。
そのショッキングな実話からここまでドラマにしたてたのはスゴイ。
「落ち武者の呪い」って問答無用って感じだもの。

脅迫状を草木染めなんかで書いたらバレるよ、そりゃ。
宮子は落ち武者の末裔で無意識に復讐したのかも。なにが怖いって人の怨念と、今じゃ毒殺ほど怖いものはない!
この地名、ほんとに岡山にあるのかな? 有名になっても積極的にPRできるようなもんじゃないね。
今作の教訓はたくさんの金は身を滅ぼすってか。


『AKIRA』(1988)

原作・監督:大友克洋
このスケールとアクションは実写じゃムリでしょう。ヘタなSF映画よりずっとリアルでドラマティック。
いかにもSF風だけど、いつか来る未来でもおかしくない。でも何度大破しようと大都市東京はよみがえる!?
「僕は鉄男・・・」ラストがちょっとミステリアス。

一瞬で体を粉砕したり、モノを壊したりだけじゃなく、テレポーテーション、テレパシー、空も飛べるし、
宇宙までスーパーマンみたく飛んでいける、こりゃあスゲエ!
超能力は皆がもってて、素質や訓練、きっかけで力を伸ばすことができるそうな。
研究が進めば地球をも震撼させるパワーになるかも!?

ラストのテーマ曲♪ラッセーラ ラッセーラ はまるでポンキッキーズの盆踊り。
この映像の迫力、リアリティ、そうとう年月と手間、金、構想の積み重ねがあるとみた。
メイキング話とか、原作の説明書があれば読みたい。


『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 第4巻 伝説の傑作トーク大全集 Part2』
前作の始まりたてのぎこちなさも全く消えて、間合いもボケとツッコミのタイミングやバランスも今の絶妙のもの。
次から次へと飛び出す松ちゃんの不可思議ワールドにあくまでつっこむ浜ちゃん。
無制限の場で自由に話して、その傑作集だからよりぬき版!

<ネタ割愛>
1~3巻買ってクーポン券送ると抽選で1000人に、2人の着たシャツの切れっぱしプレゼントあり。

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notes and movies(1998.9~ part2)

2013-10-20 14:03:59 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『THE GREATEST RECORDS IN ROCK HISTORY FLEETWOOD MAC RUMOURS』(1997)
♪セトリ
Introduction、Rhiannon、You make loving fun、Dreams、Second Hand News、Go your own way、
Gold Dust Woman、Never Going Back Again、Don't Stop、Song bird、Oh Daddy、Silver Springs、
I don't want to know、The Chain

そうとうケタハズレなヒットだったみたいだが、1曲も聴いたことがない。1度アルバム聴かなきゃ。
各曲のいきさつが話されている。♪Don't Stop はクリントンのお気に入りらしく
「大統領になった暁にはテーマソングにしよう」とかけたらしい。
♪Oh Daddy はクリスティンが当時唯一子持ちでメンバのまとめ役で発起人のミック・フリートウッドのことを書いた。
♪Silver Springs はスティーヴィとリンジーがうまくいってた時、街の名が気に入ってつくった。
クリスティンとジョン(ちょっとマシュマロマン入った特異なキャラ。話し方がイってる)が離婚、
スティーヴィとリンジーも別居して、かなり気まずい雰囲気で、'70というクレイジーな時代と
有名ミュージシャンによくあるドラッグと喧騒の日々でヘヴィな状況の中、うまれた宝石のようなアルバムというワケ。

1年以上もかけて、何度もテープ回して、重ねて、高音部はすりきれて(アナログ時代、LPは60分が最長だったとか)、
コピーを混ぜたとか、スタジオ近くに部屋を作って、いつでも曲を作れるようスティーヴィーの近くにはつねに
グランドピアノを置いて、予算は天井知らずだったとか、たくさんの裏話が惜しみなく入っている。

このクラシックアルバムシリーズは他にもS.ワンダー、ザ・バンド、ジミヘン、P.サイモンもあるとのこと。
ザ・バンドあたりちょっと気になる。イーグルスも、ザ・バンドもしかり、このバンドも再結成して演奏したらしい。
'80-'90の薄っぺらい量産音楽が週単位のヒット目当てなのに対して、実験要素が強くてとことん身をすり減らしてた'70のはやっぱ違う。
リンジーがまとめて「人一倍努力して続けること。そして、それは精一杯じゃないとダメなんだ」。


『銀河鉄道999』(1979)

企画・原作・構成:松本零士 監督:りんたろう 監修:市川崑
劇場公開作品としての初作。999のストーリーが始まりから終わりまで分かるバイブルであり、
キャプテン・ハーロック、クイーン・エメラルダス、メーテルら豪華な顔ぶれが一堂にそろって、
それぞれの因果関係が明かされている。劇場で観たらさぞ大迫力で感動もひとしおだろうな。
完全なイニシエーション物語。戻らない少年時代の真直ぐで純粋な、甘く切ない思いがいっぱいにつめられている。

「わたしは思い出の中だけの女。少年の心の中にだけ生き続ける青春の幻影」


『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』(1998)
原作・総設定:松本零士 監督:宇田鋼之介
そしてこちらが今年3月に公開された最新作。短いと思ったら新シリーズの序章だったか。
ルパンシリーズみたく続編を描き続ける覚悟かな? かなりクリアなアニメで動きも軽い。
まだ別れてからたった1年後の設定で、ファンにとっては嬉しいような、完璧なファイナルを壊されたような複雑な心境。
20年経っても健在な同じ声優さんなのがなにより。

弁当にゴマで「未来をおまかせします」て書かれていたり、
お別れのセリフが「私と同じ青春まっただなかの鉄郎さん・・・」てのもなんか変?
話は'99に続くらしい。さらにグレードアップした999とアニメーション技術をもって、
次は前作の壮大なドラマをさらに越える長編を期待するのはわがままかしら?
ちなみに鉄郎の銃で倒れる女戦士(子持ちらしい)の声は宮崎駿アニメの女悪役の声じゃないかな?
松本さんも悪役に女性を使うことでドラマがより盛り上がるというポリシーの持ち主らしい。


『1000年女王』(1982)
企画・原作・構成:松本零士 監督:明比正行
こちらも松本零士さんの傑作の1つ。キャラはメーテルと鉄郎にそっくり。
設定の1999年といえば来年。当時の20~30年後はこんな近未来になると思っていたのか。
それを考えると2030年も今とあまり変わらないのかも。このまま自然が保てたらの話。
隕石で地球が危ないっていうハルマゲドンと環境問題をテーマとしている。

「1000年に一度の春に甘んじて氷の世界に耐えてきた。
 戦いを繰り返す地球のサルどもを統治しても、楽園を奪おうとはしなかったのだ!」

宇宙広しといえども、これだけ美しい環境に恵まれた星は他にないってことを
当の本人らが気づかずに全滅させようとしているってことを訴えている。
身分を越えて女王を愛し、特攻隊となって母船につっこんで死ぬ夜森ってキャラもイイ。


『人でなしの恋』(1995)
原作:江戸川乱歩 監督:松浦雅子 出演:羽田美智子、阿部寛 ほか
なんともいえない薄気味悪さと、何だか分からないものに魅かれて、つい覗き見たくなる人の好奇心をくすぐり、
甘美な映像と言葉少ない中に含まれる行間の思いに女流監督の繊細さが表れている。
昔から変な趣味の人はいただろうけど、これだけの小説ドラマにした乱歩って作家はフシギ。
少年探偵シリーズには一切出てこない男女の業、情、理に合わない人のドロドロした部分を好んで描いた人なんだ。

非人間的な夫婦関係だな。いい家のお嬢さんって設定もあるけど、昔は嫁に行ったら一歩後ろを歩いて、
影武者兼女中みたいで、なにも知らない状況でポッと他人の環境になじまなきゃならなかったのね。
完璧に美しい豪邸と、完璧に美しいカップルの対照的な世界っていうのがより怖い演出になっている。


『時空(とき)の旅人』(1986)
製作:角川春樹 原作:眉村卓 監督:真崎守
全3冊の長編小説を1.5時間のアニメ映画にまとめるのは大変だ。
原作の人間臭い感じを排除して、タイムトリップのSFを強調、
若者の冒険ものにしている。製作プロデューサーはりんたろう。

ちょっと中途半端。原作じゃちゃんと完結して、テコらは時管の一員にまでなるんだけど、それにしてもややこしいタイムパラドックス。
だってその時代が好きで住んでる時管だって、明日はフツーに巡ってきてたら、どんどん未来に向かって時が流れているはずで、
ずっとそこにとどまって管理するなら同じ時間帯をずっと繰り返していなきゃならないってことじゃない? こんがらがるなぁ。
時を超えて巡り会う恋人たちっていうのはロマンティックだけど、
野蛮だけど自由がある時代と、平和だけど個性を禁じられた時代。
タイムマシンができないかぎり、自分のこの瞬間を生きるしか選択の余地はないけど、自由で平和な未来がこないかな。


『ねらわれた学園』(1997)
原作:眉村卓 監督:清水厚 出演:佐伯日菜子、村田和美 ほか
けっこう眉村さんの作品が映画化されて人気あるんだな。こちらも前作よりかなり手を加えてSF化してる。
「らせん」「リング」にも出演した若手人気女優の佐伯がテロップのトリをしめて、雰囲気がハマってる。
パイレーツの子が出てるのか。現役学生だからセーラー服姿が不自然じゃない。
前作のほうが1つ目オヤジとか出てきてかなりブッ飛んでたけど、学園がブキミな集団にのっとられるって感じが出ててよかったな。
原作じゃもっとドラマティックなんだけど、いい映画を作るなら、原作通りに作ればいちばん近道だと思うんだけど。
ドラマシリーズも伊藤かずえ、原田知世でけっこう雰囲気出てて面白かった。


『さよなら銀河鉄道999』(1981)
企画・原作・構成:松本零士 監督:りんたろう
前作の感動をそのままに完結編という形で作られた続編。
これも前回の別れからあまり経っていないとみえ、殺したはずのプロメシウムは破壊したメーテル星より
さらに母星にあたる機械世界を牛耳る本家アンドロメダ星に魂として生き続け、
再び鉄郎は人類の尊厳のため、友の力を借りて戦う。
クライマックスは前作と似ているものの、父との対決という重要なイニシエーションの過程が含まれているのに注目。
スターウォーズのジェダイの復讐と、999の原案である「銀河鉄道の夜」の友との別れの要素が強い。

「私は時を旅する女。あなたの青春の思い出になれるだけでいい。鉄郎と過ごした日々を永遠に忘れはしない」

車掌さんも中身がカラッポっていう秘密を明かして「どっちかすごく迷ってたけど、私も生身の体にします!」
もう思い残すことはないって感じだけど、話としては1年後全員再会するのよね。
TVシリーズもまた再放送しないかなあ? 映画よいずっといろんな星にとまって、いろんな長いドラマがあるから。


『宇宙戦艦ヤマト』(1977)
企画・原案・製作・総指揮:西崎義展 監督:舛田利雄
今作はまさにうってつけ。とゆーのも、これだけ有名ながら話を知らない私にとって
2時間で大体あらましがまとまって見れるダイジェスト版。
松本さんは美術のみ担当か。今までの母性が隠れて、軍事一色、'70代アニメのレトロ感がイイ。

なぜか♪赤いスカーフ~ って演歌歌謡曲みたいのが1年中地球から流れている。
ヤマト製作スタッフは「どうしてヤマトを壊してやろうか?」って考えてから
「その危機をどう解決するか?」って考える行程が一番楽しいだろうね。
これもTVシリーズのほうがもっと丁寧に描かれているだろう。ビデオもあるけど、観る機会はあるだろうか?
大穴開いてもよみがえる戦艦の造形が美しい。


『ゴー・ナウ』(1996)
監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:ロバート・カーライル ほか
『フルモンティ』でブレイクしたR.カーライル。主演作も軒並み増えて、いろんな表情が見れてこれからも期待大。
コメディの前作と一転して、今作はシリアスな病気もの。
同情と、愛情、友情、看護の難しさと、国柄で違う身障者との接し方に注目。
ラストに流れる'70代風なバラッドは、誰が歌っているのか、小さいテロップじゃ分からん。

フツーに暮らしていたのが急にトイレもままならなくなっちゃうなんて、
当人にしてみりゃ不安でもあるし、周囲に迷惑をかけたくない、
手伝ってもらいたい時はあっても可哀相がられたくはないっていう複雑な心境は当人にしか分からない。

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notes and movies(1998.9~ part3)

2013-10-20 14:03:58 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『スワロウテイル』(1996)

監督:岩井俊二 出演:三上博士、CHARA、伊藤あゆみ ほか
近未来のようでいて、今のようでもある上海。英語、日本語が飛び交う街“円都”。
自慢できる話じゃないけど、日本を伝える海外向け映画としちゃサイコーの出来。
CHARAは存在自体がドラマだけど女優も楽勝。

大勢がなんらかでつながり合っているのに、本人らは気づかない。
唯一分かってる共通点は“金を稼いで夢を実現させること”。
体や魂を売ってまで叶えたい夢って何だろう? 生活すらできないなら仕方ないけど。

CHARAが歌う曲どこかで聴いた。サントラチェック要。山口智子がクールなガンマン!?なのが意表。
桃井かおりが普段うざったい記者を嬉々として演じてたり、キャスティングがイイ。
皆外国語で一生懸命練習したんだろーな。なかなか流暢。
血飛んだりエグイシーンも多いけど、今と似ててちょっとズレた次元を美しく描いた映像もイイ。


『わが青春のアルカディア』(1982)
企画・原作・構成:松本零士 監督:勝間田具治
今作で各メンバーの出会いは分かったけど、それぞれの生い立ちやその後、なぜトチローと別れたのか、
鉄郎と父との出会い(これは後に作ったにしても)、クイーンエメラルダスの物語もまだ。
かなり軍事色が強くてまるで戦争映画のノリ。セリフの妙な臭さもシリーズ中もっとも強い。

999につなげるとその後、地球はさらに機械化を進めて荒廃の一途をたどったワケだ。
ここではまだエメラルダスはトチローを愛しているそぶりはない。
どーゆう状況で美しいエメラルダスが彼を好きになったのか知りたいなぁ。
それにいつも気になるのは、宇宙に流されちゃった死体はどうなるの?
人が宇宙を自由に旅できるようになったら、いくら広いといってもやっぱり宇宙環境も汚しちゃう一方なんだろうなあ。


『ファザーファッカー』(1995)
監督:荒戸源次郎 出演:中村麻美、秋山道男、原田芳雄 ほか
自伝だとしたらかなりキツイ話だ。本人もキャストに入ってたがどれだろう?
こう見ると子どもが育つ環境ってほんと大切。基礎になる価値観が形成されるから、ここで定規が狂うと大変。
桃井かおりって日本映画界に欠かせない存在なんだ。この母も似た環境に育ったんだろう。
そうして繰り返されるなんて悲しいな。この母はあまりに女でありすぎたんだと思う。男女を知りすぎて諦めてる。

“おしおき”と称して強姦の日々。子どもは親と家が神だから他に逃げ道がないし、あっても逃げられない。
「ダメな子だからおしおきだ」って自分の罪を相手に転化する典型。
でも、どうして義理の娘の少女にこんな仕打ちができるものか!?
母に言っても「あんたが私の男寝取ってんのよ。母親らしくってもうわかんない。あんたら変態だもの!」と完全にさじを投げられる。
無意識の世界に逃げ込まなきゃ、これじゃとても正常じゃいられないよ。
こんな彼女が描くマンガってどんな世界なんだろう。原作小説のほうも気になる。
彼女はこうして小説として出すことで頭を整理して、過去をたちきると同時に義父と母に復讐したのではないだろうか?


『KYOKO』(1995)
監督:村上龍 出演:高岡早紀 ほか
戸田奈津子訳。エジリ・ミヤコの思い出に? 誰かな? 日本の少女がアメリカを旅するロードムーヴィ。
自然体の高岡と、映像が心地いい。初めての1人旅にしちゃ親切な人たちばかりで大成功。でも実際はどうかな?
『早春物語』の海外版って感じ。ダンサーといえばゲイ→ゲイといえばエイズっていう方程式で進む。
「日本人は電気製品を作るだけかと思った」っていうセリフはキツいけど半分当たってる。
どのみちラテンダンスは日本人に似合わないから(これも偏見か
ラルフが「こっちきて大変なことばかりだったけど、いいところでもあるんだ」とちゃんと愛国心あるセリフもイイ。
なんといわれようとみんな自分の生まれ育ったところは最高に思えるんだよね。


『パラサイト・イヴ』(1997)
原作:瀬名秀明 監督:落合正幸 出演:三上博史、葉月里緒奈、中嶋朋子 ほか
これが噂の葉月か。ロリータ系の魅力にひきつけられる気持ちも分かる。三上博史も邦画いろいろ出てるんだ。
でもなぜ邦画だと恐怖よりエグくなっちゃうのかな。内臓グチャグチャとか、液体ドロドロとか(T2のCG利用)不快なだけなんだよね。
葉月のオールヌードか!?と思いきや乳房のない肉じゅばんだった。
中嶋が壇上で急に声音変わって女王様になるシーンはすごみ出てた。

●ミトコンドリア
人の細胞の核に遺伝子があるが、ミトの中にもある。別な生物、つまり寄生虫(パラサイト)。
生、思考のエネルギーを生み出す。母からしか遺伝しないため、皆のルーツを極めたらアフリカ女性と分かった。
ミトコンドリアイヴと呼ばれる。
最初の祖先が黒人(有色人種)と聞いたら、キリスト教徒や白人優遇者は怒ったろうね。

●カタツムリ
寄生虫は殻を作って太らせてからつのになって鳥に食わせ、移動する。
本当にこんな操作が人にもあったら悲しいね。生物科学の勉強になった。


『幻魔大戦』(1983)
製作:角川春樹、石森章太郎 監督:りんたろう キャラクターデザイン:大友克洋
なんかここまでくるとついていけないなぁ。私が昔遊びで書いたSF短編みたい。ブッ飛んじゃってる。
話の90%が光バチバチビュービューの戦闘アクション。ゲーセンで対戦ゲームでもやってる気分。
ストーリーを話しちゃうと、ほんと善と悪の戦いってひと言で尽きちゃう。妙にシスコンなのが尾をひく。メーテルの声だもんね。
原田知世はアニメ声優のように自然に溶け込んでる。美輪明宏さんも『もののけ』が初挑戦じゃなかったんだ。
これで大友克洋ものも、松本零士ものも大体のところはおさえた。
これ以上の大作が今後作られるかどうか、りんたろうさんにもガンバっていただきたい。


『SMAP 010 "TEN" SMAP '96 Smap Original Video Summer Stadium Concert and London Story』
監督:梶かつ也
SMAPって結成いつだろう? いつのまにか人気者だったな。
ジャニもいろいろいるけど、これだけ1人1人マルチで活躍してるアイドルはいない。
個性の違いと、確固とした夢をもって集まったメンバーには、エゴの対立による分裂なんてのはないのかも。

ファン層が広いのが特徴。ライヴとなると圧倒的に若い女の子でみんなウチワもって振り付けもバッチリ。
司会、ドラマ、CM、映画、コメディもいけて、その上歌って踊れるんだからスゴイ。
この間の♪夜空ノ向コウ が初めてのミリオンセールで、確かに今作にも聴き覚えはあるけどタイトルが分からない曲も多い。
夏の大々的ツアーは毎年やってるのかな。

本当にエンターテイメントな世界。あまり小細工なしでダンスが見たい。
本作は総集編で、メンバーが楽器を弾いたりとかのいろんなシーンもあって、やっぱりライヴは生で見てくれって感じ。
これだけのファンの放射するエネルギー量はスゴイ。
このパワーを吸って、メンバーもあんなに元気なんだな。声もガラガラになってる。


『河童』(1994)
監督:石井竜也 出演:陣内孝則、舟越文佑 ほか

●河童=a water impi a gardian spirit

何から何まで石井ワールド。やっぱ芸術家の眼だね。1シーン1シーンが絵になる美しさにこだわってる。
監督2作目は人魚だそう。伝説の生物シリーズにしたいのか? 妖怪好き? いわき市がロケに使われてる。
石井さんの育った時代より前の話なのに、昭和初期の田舎の雰囲気が丁寧に出てる。
うちらの親の幼児期ってきっとこうだったんだね。懐かしさが漂う。
「河童は宇宙人だった!?」いわれてみれば信じられる気もする感じの話。
陣内が田舎の駐在さんをコミカルに好演。ジェームス小野田氏はどこに出てたんだ?


『ピンク・レディーのすべて』(1884)

♪セトリ
ペッパー警部、S.O.S、カルメン'77、渚のシンドバッド、ウォンテッド、サウスポー、モンスター、
透明人間、うたかた、星から来た二人、乾杯お嬢さん~B面メドレー、ピンクの林檎、パイプの怪人、
逃げろお嬢さん、レディーX、カメレオン・アーミー、Kiss in the dark、OH!、グッド・バイ・ソング、I was made for dancin'

こりゃ貴重だなあ なぜレンタル屋にあるのかも分からんくらい。キャンディーズバージョンとかも見てみたい。
ヒット曲はすべて同じ人の手で作られたんだ。スゴイ。160万枚セールス、収入300億円って!
B面メドレーってのもやってるけど、これだけA面が浸透している反面、妙に歌謡曲調で全然知らない。

後楽園球場に7万人呼んだのも前代未聞で、賞三冠王ってのも金字塔。この記録は'80代は塗り替えられていないそうな。'90はどうかな?
「もう二度と見られない」という2人で決意した解散は昭和56年。活動期間は実質たったの4年間。
後に再結成するなんて夢にも思っていなかったもんね。解散コンサートには3万人を動員。
後半はやっぱり知らない曲。でもファンはかなり気合入ってる。

バッジや自転車からなんでもグッズがあったんだよね。
私はKEIちゃんが好きだった。ダンスはMIEのほうがうまい感じだけど、髪が長いって単純な理由でw
かよわい細い線と、頼りなさげな感じがよかったのかも。それにしてもヴェガスでの反応がまったく入ってない。
派手な衣装にアクション、まさにヴェガス向きだと思うんだけど。

ブルタニカに野口英世ほか3人の日本人の中に入ってるなんて初耳。
D.ボウイも来日した時、ジョークで"We are Pink Lady"なんて言ってたしw

スター誕生でいきなり「1人でっていったらどうする?」って質問に
「2人で使いものにならないって言われたら仕方ないけど、2人でやりたいです」(MIE)
MIEのほうが1人でオーディションを受けたりして上昇志向が強かったのかも?

ラストコンサートはどしゃ降りの雨。ドラマティックではあるけど、水着のような格好で白い息吐いて、
痛々しいほど寒そうに震えてる


『1997 SMAP LIVE ス』
♪セトリ(タイトル不明だから歌詞から抜粋
SHAKE!、がんばっていこう?、どんないい時でも、シャンプー、メドレー、Let's dance together、Crazyman、ダイナマイト、Lady、
がんばりましょう、それじゃお疲れさま、Dance Dance Dance、世界中が幸せになれ、青いいなずま、カンシャしてもっとして

豪雨の後でも、すぐ髪サラサラで再登場。裏方が気になる。「ス」キャラがクッキーモンスターそっくり。
解散がささやかれてるスマップだけど、緊迫したスピーチの中でそんな言葉はなし。
横浜スタジアムで恒例の夏のコンサート最終日。巻末には普段のトークシーンや、マー坊、thank you吾郎君、
スマフィ(PUFFYのギャグ)、デニス・ロッドマンのシンゴ君等、スマスマのキャラも登場。
こーゆーのあるとただのライヴよりずっと生で見れて楽しい。

NYの下町風セットがまた凝ってて、花火出しまくり。
5人いれば誰か1人歌っている間に、他のメンバがメイク直したり、着替えタイムがあって便利。コンサート前後の様子もある。
スマップの曲って日常の目線で書かれた、正直で、元気がでるものばかり。
雨ん中でもやっぱ最後は半裸で水をかけあうんだw

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notes and movies(1998.9~ part4)

2013-10-20 14:03:57 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ACRI』(1996)
原作:岩井俊二 監督:石井竜也 出演:江口洋介、浅野忠信 ほか
「人の先祖は人魚だった」か。生物の源は海だからウソじゃないかも?
最初と途中で引用されてる学者は実在の人物? 河童の時と同じく藤竜也を主演にしてるのは同名のよしみじゃなさそう。
彼のドルフィン泳法は早い! CGか? まるで洋画のごとく日本語訳までついて外国人スタッフを集めて撮ったなんてスゴイ。
ノリス役の人ってNOVAのCMの「よくできました!」の講師に似てると思ったのはわたしだけ?


『AMURO NAMIE FIRST ANNIVERSARY 1996 LIVE AT MARINE STADIUM』
♪セトリ
太陽のSEASON、Try Me~私を信じて、Stop the music、Body feels EXIT、Chase the chance、
Don't wanna cry、You're my Sunshine、Sweet 19 Blues

'77生まれか。沖縄出身。5年生でダンスミュージックスクールに通い、中学は東京間を往復。
「目標は走り続けること」、'92スーパーモンキーズとしてデビュー、'95初の大ホールでコンサート、
♪恋のキューピッド、Dancing Junk、愛してマスカット、Pradise Trainなど、'95.12初の凱旋コンサート。

スーパーモンキーズからMAXとなって今や第一線活躍中の4人の新鮮なダンス姿にも注目。
シーラE、SAMが参加! この時は誰も2人が結婚するとは気づいてなかったよね。
MCでは♪JOY、観客とコール&レスポンスやるけど、会場デカすぎる。
やっぱフィナーレは小室哲也がキーボード弾いての♪Sweet 19 Blues
「旬の時期に歌ってほしい」っていってた通り。ムードも盛り上がって泣ける。

アイドルっていうわけじゃなく、安室ちゃんは小さい時からプロ志向って感じで、
これだけ動いても歌が乱れないのがさすが。
落ち着いている今よりバリバリ踊ってた頃がイイ。ラップもなかなか。太い低音も出るんだ。
ラストを飾る夜景も見ようによっちゃNYっぽい。シンプルなセットで、メンバーのダンス中心。
会話も曲の間にはさみながらのカジュアルな感じ。

♪Can you celebrate? 以降は別格。それ思うと小室さんのプロデュースはさすが。
水色や、オレンジ、ロングドレスも似合う。MAXと並んでも華のある人。


『オスカー・ワイルド』(1997)

監督:ブライアン・ギルバート 出演:スティーヴン・フライ、ジュード・ロー ほか
英国からワイルドブームが起きているらしい。先日もNHKで特集をやってD.ボウイの♪チェンジ や、
♪Rock'n Roll Suicide をかけ、ポップスターの死と扱っていたのが興味深かった。
演じた主役本人が出演、伝記映画には必ずソックリでうまい役者がいるのがスゴイ。
なぜゲイは文学的に耽美に描かれるのに、レズビアンは女囚シリーズなんだろ?

演劇は映画誕生以前の視覚的芸術。「真面目が肝心(?)」ほか今でも映画化、ドラマ化され、
「私の名をイギリス人は忘れないだろう」という予言は当たった。
富も名声も家庭もすべて手に入れた彼は、投獄も辞さないほど自身を探究する余裕があったのかも。
悪への好奇心のせいでもある。
いずれにせよ病気になった時が恋人の愛情を試すイイ機会かも。
やつれたオスカーを演じる時そうとうダイエットしただろうな。

「本当の人生とは、その人が実際歩んでいない人生である」
「この世の悲劇は2つある。手に入らないことと、手に入れてしまったこと」
「社交界の面白さは、その人のかぶっている仮面にある。実物にではない」
「(芸術のための芸術“芸術至上主義”に対して)芸術には道徳的目的などなくても構わない。
 この世における芸術の役割は、純粋で密度の高い経験を与えることである」


『ミッキーマウス/ブラック&ホワイト特別保存版』

●蒸気船ウィリー
DLのシアター内でも観たミッキーデビュー作にして、世界初のトーキーアニメ映画。基本はスラップスティック。

●ミッキーの消防夫
なんて陽気な火事現場!? 猫のシッポ鳴らしたり、すごい動物虐待?

●ミッキーのバースデーパーティ
本気でロデオ! ピアノも弾けるし。アナログな音が素朴でイイ。

●ミッキーの子沢山
30匹くらいの猫に家の中をメチャメチャに遊ばれてもニコニコのミッキーとミニー。

●ミッキーの摩天楼狂笑曲
ミッキーの世界じゃビル1つ建てるのも大変
当時はウォルト自身がミッキーの声を担当。裏声の歌も上手い

●ミッキーの空の英雄
生き物みたいな飛行機で挑戦するミッキー。

●ミッキーの名優オンパレード
ローレル&ハーディ、マルクスbros.、異常に耳のデカいC.ゲーブル、チャーリー、バスター!、
フランケンにドラキュラが皆仲良くプレミア観て大笑い。ロイド、ガルボ、ああ、みんなユメだったのね。
ハリウッドが舞台。上映はFALLOPING ROMANCE。

●ミッキーのガリバー旅行記
7人の甥っ子が登場。

●ミッキーのアカデミー候補者パレード
60年間眠っていたという初のテクニカラー。ジキルとハイド氏?ほか全然分からない。
当時のヒット作の主役たちだろうね。ほんの2~3分の作品。

これは本当に貴重なコレクターズアイテム。初期の黒眼とハスカットが混ざったモノクロ時代。
音の使い方とか泣けるほど時代を感じさせる。消火栓を牛の乳みたく搾って出したり、チャップリンも真似できないギャグの数々。
弾むようなオーバー・アクションはディズニーアニメならでは。ディズニーオタクの友だちのオススメで借りた。


『DISNEY Mickey's Greatest Hits』

タイトルソング:♪Hey Mickey

●蒸気船ウィリー
すでに観た。

●ミッキーの大演奏会「ミッキーのマジカルワールド」
♪ウィリアムテル序曲 をアイスクリーム屋のドナルドが手品師みたく何本もフルートを出して前曲にしちゃう。

●ミッキーのライバル大騒動「ミッキーとごきげんチーム」「ミッキーに夢中」
ライバルのモーティマーが暴走。赤いマントに巻かれてミミズみたく這うw

●プルートのなやみ
川で猫を助けて尾けられるプルート。

●ミッキーの移動住宅「ミッキーのバケーション」
キートンの組立家に似てる。入浴して鼻歌歌うドナルドがかわいい

●魔法使いの弟子「ファンタジア」「ミッキーのマジカルワールド」
これが有名な「ファンタジア」か。一面海のようでも、その中で水を汲むシーンは恐ろしい!
主人が戻り、帽子を返して笑って誤魔化そうとするミッキーがかわいい。

●ミッキーのアルバイトは危機一髪
アカデミー賞にもノミネート? シュワちゃん、ブルースもビックリな都会派アクション。
キングコングのビルで美女を掌に乗せるシーンの応用。

こうして見るとアニメーションの進歩がよく分かる。
ミッキーは子どもたちのアイドルでヒーローだけど、さぼったり、怒ったり、英雄ヅラしてなくてイイ。
それなりの道徳的メッセージもあるけど、純粋に笑わせよう、楽しませようっていうのが主旨なのも単純に楽しめる。
ミッキーのいろんな表情、活躍ぶりが観れる1本。


『DISNEY MINNIE's Greatest Hits』
●Plane Crazy
ミニーにムリやりキスを迫って(!)、パンツ・パラシュートで逃げられる。

●ミッキーの黄金の街は大騒ぎ
ウエスタンの酒場で行き倒れのミニーを助けるミッキー。

●ミッキーの海賊退治
片脚が木の海賊に捕まったミッキーとミニー。

●ミッキーのハワイ旅行「ミッキーとミニー」「パー!ミッキー」
4本指で器用にハワイアンを演奏するミッキー。フラフラダンスが上手いドナルドが可愛い

●子ねこのフィガロ「ミッキーとごきげんチーム」
ネズミがネコに風呂浴びなんて・・・

●ミッキーの子煩悩
ちゃんとお祈りして眠ったミッキーは夢でミニーと結婚

●ミニーのクッキーパーティー
ミニーの手作りクッキーにポップコーンの素が入った。

とことん女の子っぽいミニー
ピクニックにはサンドイッチを作るし、獣にさらわれれば「キャー助けて~」英雄に救われてキッスの嵐。
ミニーのサイレント映画初作「Plane Crazy」から、ビスケットCM用に製作された「M's Surprise Party」までを収録。
監督・主演男優がミッキーなら、ミニーはその看板女優というところ。
いつもパンツを吊り上げられてたら、大穴あいちゃうんじゃないかしら?


『DISNEY DONALD's Greatest Hits』

●ミッキーの芝居見物
モノクロからカラーにした初出演作。♪メリーさんのヒツジを熱唱。

●ドナルドの博物館見学
ロボット美容師に尾を切られて、頭を磨かれるw

●ドナルドの腕白教育
甥っ子が遊びに来た。“MODERN CHILD TRAINING”本を参考に音楽教育する
「子どもの前では怒らない」「子どもはお腹が空くと怒る」「すべて失敗したら同情をひく」
「子どもは翼のない天使です」に激怒するw

●リスの住宅難
ドナルドもリスも早口で何言ってるのか不明。

●ドナルドの牧場
初の映画出演。♪イーアイイーアイオー と仲間と歌うドナルドが可愛い。乳銃発射、乳がもったいないよ。

●ドナルドのメキシカン・ドライヴ「ドナルドとデイジー」
初の共演作。ドンタコスみたいな帽子。フラメンコを踊るセクシーなデイジーを笑って大喧嘩。2人とも怒りっぽいな

●ブラジルの旅
ドナルドに会えて感激する謎のブラジル人オウム? ドナルドのシャックリがリズムをとる、これは♪ブラジル だ!

ディズニーキャラで一番好きなのはドナルド。笑いをとる天才 本人は大真面目なのに、そのボケぶりは筋金入り。
この怒りっぽい攻撃性で一時はアメリカ軍のマスコットになっちゃった不名誉なキャラでもある。
一番可愛いのは、なんといっても丸々太ってチョコンと羽が立ってるお尻がプリプリでなんともキュート
始終ガーガー言ってて何喋ってっるのか分かんなくても話は大いに楽しめる1本。
水平を目指していたらしい。ラストのブラジルって曲大好きなんだよね


『DISNEY PLUTO's Greatest Hits』

●ミッキーの大鹿狩り
初めて名付けた作品。モノクロ。空飛ぶプルート!

●プルートのわんぱく坊や
おや?彼は子持ち?妻は誰?

●プルートの鏡騒動
鏡の館に行き、いろんな風に映る自分を笑う。

●プルートとコヨーテ岩の伝説
コヨーテが狙う子羊を見守る番犬プルートをまいて、ヒツジの鳴き声をまねておびきだす。

●ドナルドの磁石騒動
工事中のドナルドの磁石を飲んだプルート。いろんな金物が襲ってくる。

●The Army Mascot
噛みタバコを噛んでたら飲んじゃって、すっかり顔色が変わってw、
爆発物に自滅したヤギの代わりにやっと肉にありつけたドナルド。

●プルートは歌がお好き
オスカーにノミネートされた作品。甘い声を披露して、女の子も黄色い声を出して失神。

シリーズのまとめはみんなのよき友だち、ミッキーの愛犬プルート。話せない分、動きで分かりやすい笑いをとる。
ラストの歌声はきっと彼だぞ。名前ド忘れ。
プルートのお気に入りは、ミニーの飼ってる犬らしい。
柔らかくて弾力ある、細くてよく動く耳が可愛い


『私家版』(1996)
監督:ベルナール・ラップ 出演:テレンス・スタンプ ほか
戸田奈津子訳。ここまで復讐が完璧に成功すると気持ちいい。
成敗っだからだけど、あくまで裁判にかけてもバレない印刷術が気になる。
この原作こそベストセラーもの。誰より小説家にとっちゃ恐ろしい相手。
何を書いても創作じゃなくコピーと言われちゃうんだから。

せめてレイプしたことを悔やんでるって言えばいいのに「いいや、全然」って言ったのがまずかった。
酒乱で、金の亡者、タカビーで、ここまで性格悪くて、レイプ魔じゃ誰も同情しないわな。
得したのは著作権侵害でお金がたんまり入る無名小説家の妹。歳をとっても金の使い道は何通りもあるからね。
色も、セリフも、動きも抑え気味で、あくまで話の面白さで勝負というストレートな攻撃が気持ちいい。
スタンプのあくまで紳士な上品さ、英国紳士の生活ぶりがちょっと覗けるのも面白い。


『ハムレット』(1996)

監督・出演:ケネス・ブラナー 出演:ケイト・ウィンスレット ほか
前編観ただけで力の入れようが分かる。舞台劇を観ているよう。シェイクスピアを知るにはK.ブラナーに任せた。
まず、このセリフの多さでつまずく。一言一句に最大の重みがこもってて、聞き流すにはもったいない。
ジャケットにはロマンスを宣伝しているけど、実は母と息子の愛憎劇か。
父の霊さえハムレットの激情が生み出した化身では? 息子の心の底からの告白を聞きながらも、
なお、義弟に走る鬼のような母。それでこそドラマだが、シェイクスピアってゲイなのか?
女の不貞をとことん暴いて辱めるのが目的か? 復讐に燃えながら自らの未熟さとも闘わねばならないハムレット。
内と外からの攻撃でまさに狂気の淵。デンマークも内乱と外からの攻撃を前にして、後半も楽しみ。
この豪華なキャスティングがまた観客を酔わせる。

「卵の殻(名もない領地)のために、あんな兵力、費用をかけてるのに、父を殺され母を汚された私は一体何をしているのか

後編。墓堀人(ビリー・クリスタル)との会話がイイ。
「シーザーでも死ねば土に、土は酒の瓶の栓になるばかり」と常に厭世的。
ラスト近くでやっと母が夫の汚いやり口に気づいて息子への愛情を取り戻したところがイイ。
ロビンに向かって「口から先に生まれたのだ」ってセリフもウケ狙いだし。
シェイクスピアはこれでいてなかなかエンターテイメントな男だって分かる。

「叫ぶだけの劇は非現実的だ」

シェイクスピア劇ほど声高に、オーバーに、汗かいたり、怒ったり、泣いたりする、劇っぽい劇はないと思うけどね。
ガードマンのJ.レモンに、狂女と化すK.ウィンスレット、妖しげな使者となるJ.ドパルデュー、
それぞれが分担をキッチリ守って豪華な顔ぶれさを感じさせないのがスター兼役者の条件。

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notes and movies(1998.9~ part5)

2013-10-20 14:03:56 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで、猫のイラストがある黄色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『華原朋美 keep yourself alive』(1995)
コレって新譜のプロモと、そのメイキングだけじゃん。本当にコレクターズアイテム。
まだデビューしてからライヴビデオって出してないのかも。コンサートツアーはさすがに行ってるんだろうね。
そっちのほうが見たいな。新しめのヴィデオも20min単位の小売りだし。なんでだろ?

撮影風景と、小室&華原の別撮りインタビュー。
小室「時代を映す鏡、朋美というフィルターを通じてその世代観を吸収する」
蛍光灯とたわむれたり、目の周りを真っ白に塗って近未来的な雰囲気。

華原「変わっていく私を見てほしい。飾ってない自分が一番輝いてて、それが自分だ。この曲は自身を歌っている」(とかそんなこと
とにかく小室ファミリーもいろいろ定着してきてる昨今、その詩、メロディともにイイ仕事してる。
ヒトによっちゃシンガーソングライターで売れるヒト、ヒトを通して芸術を完成させるヒトがいるんだな。


『THE X-FILES SEASON 4』

監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.411 El Mundo Gira】
だんだんミステリーより宇宙ネタをかませたドロドロスプラッタ系にいくな。移民問題をとりあげてる。
エイリアンみたいな顔になちゃった2人は「見つけることはできない。They're invisible. 誰も気にしない」
本気で動かない移民局や、警察、金のため、低賃金労働や犯罪に走り、保障もないから迷信に頼る人々。
カビカビ死体はウッてくるほどおぞましい。


【FILE No.412 kaddish】
ついに出た伝説の巨人ゴーレム。それをユダヤ系家族の愛と結びつけたら、こんなイイドラマとなった。純真な花嫁がイイ。
村の繁栄のシンボルの指輪をはめて、式を挙げてから、呪文が書かれた手の1文字を消して「死」とし、
泥に戻ってゆく感動的シーンは完璧。
ちょっと考えれば「何か変、ププ」って思うだろうに、本人らは大真面目な伝統と格式を守り続けている。
その信奉ゆえに今までのメチャクチャな殺戮の歴史があるのに、ヒトってフシギな生き物だな。
スカリーもモルダーもここまでくると変なものに目が慣れすぎて全然驚かなくなってる。
今、第5シーズン「日曜日は観てね」ってCM2本入り。


【FILE No.413 Never Again】
初めてスカリーの“女の顔”が見れる1話。「堂々巡りはどこまで続くのかしら?」ってセリフは、
そのまま4シーズンまで迎えて行き詰ってきたスタッフの苦渋のうめきにもつながるのでは?
狂気に悩む俳優がなかなかカッコいい。いつのまにかショートカットのスカリーの色っぽさが光る。
さすがのFBIの俊敏な動き、攻めと防衛が見物。
「自分の机を与えなかったからかい?」「あなた中心に私の人生回ってるんじゃないのよ」「しかし・・・」
すごい半端な終わり方。


【FILE No.414 Leonard Betts】
今日だけでエグイシーンは限界値 そのとどめがコチラ。人の体がトカゲみたく再生する?
この俳優どっかで観たのがすごい気になるんだけど。
こんなに死体に慣れちゃってるスカリーもすごいけど、彼女もがんに冒されてるって衝撃のシーンで次回へ。
「いいペーパーウェイトになるぞ」ってジョークはモルダーにしちゃ珍しく笑える。とにかく笑うしかない、ここまでくると。
死体置き場のゴミ箱をグチャグチャ漁って取ってきた頭がまばたきするんだから!
「段階的に進化するのでなく、急に変異するんだ」ダーウィン説を破るのもいいけど、ここまでブッ飛ぶとは。


『世にも憂鬱なハムレットたち』(1995)
監督:ケネス・ブラナー 出演:マイケル・マロニー ほか
ブラナーはコチコチの古典一筋かと思えば、合間にこんな現代喜劇も撮れる。
前観た『ハムレット』と同時期なら、壮麗なドラマの舞台裏話ともとれる。
前は敵役だった俳優が、今度はハムレット、それも貧乏役者の監督役で、
これで役者をまとめて劇をつくる側の苦労も分かったことだろう。挿入歌がアイドルっぽい。
ほんと、役者熱にとりつかれたら、病み付きになる気分がちょっと分かる。

「金のためじゃなく、自分に必要だからやる」
役者のポリシーはもっと誇り高いものなんだ。

オフィリア役の子には父、王妃役には息子、Aには母が会いにきて皆幸せ。
観てるだけじゃわからない、演じてみて、その深み、家族の愛憎劇の深淵が見えてくる。
噛めば噛むほど味が出るのがシェイクスピア劇か。

『ハムレット』中のセリフもイイ。
「今来なきゃ後でくる、後で来なきゃ今来る。今来ないなら、いずれは来る。肝心なのは覚悟だ」
真理は歳をとらないし、本当に素晴らしい台本も時代や客層を選ばないワケだ。
役者を愛し、劇を愛し、観客を愛するブラナーの温かい視線が感じられる1作。


『オセロ』(1996)

監督:オリバー・パーカ 出演:ローレンス・フィッシュボーン、イレーヌ・ジャコブ、ケネス・ブラナー ほか
『ハムレット』に続いて、これがかの有名なオセロか。今度はヒトは夫婦愛を試される。
ヒトと獣の違いは「言葉」にあるというけれど、そのせいで起きた禍がなんと多いことか。
この悲劇はすべてイアーゴの舌先三寸の仕業。そして、その動機もまた確証のない噂話から。

「神とは我々の痛みをはかる1つの考え方にすぎない」と言ったジョン。
神と悪魔が存在するとしたら、それはヒトの良心と悪意だ。

シェイクスピア作品は読むものでなく、観るものだと分かった。
ヒトが関心を寄せる日常と感情の世界を見事にドラマ化する、その脚本力の素晴らしさが初めて分かった。

「おまえの死ぬ時、私はその唇に口づけた。私の死ぬ時も口づけしながら死のう」

「嫉妬などしない。妻を愛するのをやめるだけだ」と言ってた男が、1人の男の話でいとも簡単に勝手に邪推をふくらませて、
どんな毒を盛られたよりも早急に強い効き目で嫉妬の発作を起こす。
嫉妬を裏返せば愛情。相手を愛すれば愛するほど、その反動は大きい。
「恋は盲目」疑いひとつで、天使のごとき女を自分で殺すことになるとは!

今作には人種差別の要素も強い。身分の違いからというより、肌の色や国の違いがさらに疑心の火付け役となっているのがポイント。
「どんな魔法を娘にかけた?」と父も言う。
エミリアは浮気をつま先ほども信じないDに
「妻も夫と同じ感情をもつ人間。妻が浮気をしたら、夫から学んだことなのです」
女に厳しいシェイクスピアには珍しい発言。

『ハムレット』でもオフィリア悲劇のヒロインの最期を迎える前の歌が印象的。
♪あの人はもう帰らない だったか。今作でも死を予感してか、Dが柳の歌をうたうシーンがある。
「ハクチョウは死ぬ直前歌うという」
そういえば、I役のブラナーまで2、3節だけ歌ってる。なかなか美声
彼の監督作ではないが、役者としても一流。悪役もいける。『ハムレット』では今作のメンツを集めたんだな。

少々頭が足りずに恋の奴隷でIにいいように使われているL役のマロニーは、悲劇の中にコミカルな部分を出しててイイ。
時々カメラ(観客)に向かってのセリフは舞台劇の演出。
なんといっても清純潔白なヒロイン役にジャコブはこれ以上ないキャスティングの成功例。


『ジェイン・エア』(1996)

監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演:ウィリアム・ハート、シャルロット・ゲンズブール、ジェラルディン・チャップリン ほか
晩秋の夜長に名作文学に酔うのもイイ
学生の頃『風と共に去りぬ』『嵐が丘』等と一緒に読んだ気がするんだけど、忘れちゃなんにもならない。
単純に言えばシンデレラ・ストーリーだけど、1人の女性の半生をドラマティックな長編に書き上げた、
ブロンテの女性的繊細さと、感情の豊かさに魅かれ、18Cにあって女性の自立をうたったことに敬服。

「婚儀に愛はない。結婚してくれジェーン。そして名を呼んでくれ」

美しい英国の緑にたたずむ2人がそのままスケッチとなるラストは美しい。
「私は枯れ木だ」「いいえ、芽から出て、また枝が伸びるでしょう。あなた自身の力で」
久々胸がキューンと締め付けられるときめきを感じるロマンス作品
「君なら私を救ってくれる気がした。心臓から出たヒモが君の心臓とつながっていて、遠く離れたらプッツリ切れてしまいそうだ」
白馬の王子さまじゃなくても、自分を必要とし、愛してくれる存在を女性は心から忠実に欲するものだ。


『「もののけ姫」はこうして生まれた。第3章 記録を超えた日』(1998)


「創りたい作品へ、造る人たちが可能な限りの到達点へとにじりよってゆく。その全過程が作品を創るということなのだ」

1本の映画に対して各2時間を越える、3本のメイキングビデオってのもスゴイ。
その最終章は本気で慌てながらもCGを利用して期限までに仕上げた動画に、
これまでにない豪華キャスティングのアフレコ風景が見れる楽しさと、
作品を創る側と、売る側、主要スタッフが上演までの宣伝攻略の裏話を披露するという前代未聞の企画は面白い。
すべて仕切っていたのは鈴木プロデューサーってことだ。

製作費20億円。ライバルは『ロスト・ワールド』という状況で、日本生命が予告編をCMで使い、
かつてないほどメディア取材に応じ、徳間書店のバックアップを得て、前日からの座りこみまで出て、
全国各地はただならぬイベント会場と化し、早められた舞台挨拶、そして『ET』の観客動員数を超え、邦画最高記録を樹立。
すぐ後『タイタニック』にあっさり抜かれた時は、みんな笑ったろうね

「監督は完成した時が一番辛い」「子どもに観てほしい。一番分かってくれるはず」
「まだ創った意味が分かっていない。後からついてくるんだろう」
「主人公はアシタカ。エイズやアトピー等を背負っていかなきゃならない、これからの子どもたちが明るく生きていない」と宮崎語録も健在。
「ジブリをやめてシニアジブリに入る。もし力が必要な時はちゃんと契約してから・・・」
本当にこれが総体性なんだろうか? もうひと言ももらさず言いたい事をすべて吹き込んだのか?

「村に残ったアシタカは木材が必要になって、サンに申し訳ないけど切らせてくれと頼みに行く。生きるってことはそういうこと」
「人口が10億から2億になっても絶滅したとはいえない。汚染されてるって分かってても食べたロシア人のように、
 そうなっても人はけっこう明るく生きてるんじゃないかな」

こんなに人生を分かってる宮崎さんも美輪さんと、森繁さんにはたじたじ。
絵ができる前、台本だけで吹き込んだ美輪さんってやっぱスゴイ。
田中裕子さん、小林薫さん、西村雅彦さんもアフレコ初めてかそれに近いだろうに、役者魂を見た感じ。
ガス抜きに参加した“ツールド信州”自転車レース、別荘も持っているらしい。
今頃は山の中で一服か。そんな中でも次の案を考えちゃうのがクリエイターなんだろうけどね。


『2 days』(1996)

監督:ジョン・ハーツフェルド 出演:ジェイムズ・スペイダー、ダニー・アイエロ ほか
ありそでなかった数字をタイトルに入れるパターンが興味をひいた。
その上J.スペイダーが十八番の嫌味でスノッブな悪役、他にも意外な人がポッと出てるかなり豪華なキャストに
オーティス・レディング♪ とってもロスの香りがする凝った構成の人情劇。

誰もが主人公仕立ての群像劇。人の争いの元凶は、常に金と異性間のもつれってワケで、
撮り方、作り方がとってもアメリカンなのが特徴。
妻子持ちと思えないスペイダーのキレっぷりが気持ちいいくらい。
人間臭いヒッターのアイエロ他ハマリにハマったキャスティングが見物。


『ヘンリー5世』(1991)

監督・出演:ケネス・ブラナー 出演:クリスチャン・ベール、ブライアン・ブレスト ほか
『乱』のような迫力ある、長時間におよぶ戦闘シーンに、笛を使った音楽効果。顔ぶれは同じだがみんな若い!
欧米人は日本人を「野蛮な侍」というけど、彼らもまた泥にまみれて、ムダな名誉のため
剣で血生臭く戦った歴史をもっていることをシェイクスピアはその筆で書き残している。
今作は作者自身が案内役を買って出て、重い鉄の扉を開けることでドラマが始まり、再び閉じることで幕がおりる演出が面白い。
ああなんて意味のない犠牲だったろう! 放蕩生活を共にした、ひどく貧しい下級兵の視点から描いているのも面白い。

「長い戦闘を短縮し、広い戦場を狭い舞台で、いたらない役者が英雄を演じることを免じて、どうぞ想像力を使ってください」


『エイリアン4』(1997)

監督:ジャン・ピエール・ジュネ 出演:シガニー・ウィーヴァー、ウィノナ・ライダー ほか
どこまで行くんだエイリアン しかも回を重ねるごとにタフになり、アートになり、面白くなっていくのは
シガニー健在と、優秀な監督選びのせいか。『ロスト・チルドレン』の彼なら納得。
クローン復活して「何度も死んでるわ」なんて冗談まで言う余裕のリプリーとエイリアンが母子関係
人の骨格をもつ混合児が宇宙に吸い込まれバラバラになるクライマックスには悲哀さえ感じる。
数十分間の水中シーンにはみんな非常に苦労したという。エイリアンの流線型は泳ぎにも最適。美しささえ漂う。

吐く息で固体識別してセキュリティに活用したり、まるで本当に宇宙船にいるかのようなリアルな近未来描写はSFの醍醐味。
そのくせ相変わらずグリースで靴を磨いたり、私欲のために化け物を利用しようとする驕った心はそのまま。
何百年経っても人の倫理観に進歩がないのは悲しい。
これで絶滅したと思うなエイリアン。彼らはかつて大都市を襲ったゴジラの如く、宇宙侵略に夢中になる人に警告しつづける存在。
彼らの懐に抱かれて一時の安らぎを覚えるリプリーの気持ちに共感さえ感じてくる。


『カウチ・イン・ニューヨーク』(1996)

監督:シャンタル・アケルマン 出演:ウィリアム・ハート、ジュリエット・ビノシュ ほか
都市生活でホッとひと息のカプチーノって感じの佳作。
アパートの交換なんてあんましない状況でも、ごく日常的なセリフと成り行きが心地いい。
ハイソなNYとパリの生活臭どちらも憧れの街。J.レモンとS.マクレーンでビリー・ワイルダーが撮りそうな題材。
皆が飼いたいレトリバー君の助演にも注目!

セラピーの方法は「うーむ」と「イエス」そして最後の言葉を静かに繰り返すこと。
それで確かに大抵の小さな悩み事など解決できるかも。
「小切手じゃなく現金で。出された金は遠慮なく」セラピー社会ならではの風刺。


『ELEVATED』
『CUBE』の元になった映画らしい。で、どうしたの?って感じ。

『CUBE』(1997)(劇場にて

監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ 出演:モーリス・ディーン・ウィント、デヴィッド・ヒューレット ほか
いきなり四角い中で目覚めた男が隣りの部屋に移った途端、芸術的なまでに細切れになるショッキングなつかみで
サイコーにブルブルっとくる。
そして刑事、学生、開業医、脱獄名人、設計者、精神異常者が脱出を試みる話がスタートする。

本当にワンセットなのに、永遠に広がる地獄のように感じる演技と演出。
無機質な空間に閉じ込められ、いやでも自分がさらけ出され、相手の仮面もひきはがし、原点に返り、
“人生とは何ぞや”と考えさせられ、悲しいほどに生きることに意味を見出せないで迷っている登場人物たちと
いやでも自分の姿を重ね合わせなきゃならなくさせる。

公開された劇場自体がCUBEの部屋と化し「もし自分だったら?」と思わせるのがツボ。
私だったら青空の下、草木の茂る自然をもう1度見て歩きたいってことだけで十分だと思うんだけど、
生きるってことそれ自体が生きる意味だと思うから。
でも、あんな狭いところに閉じ込められたら悲観的になるのも当然。無の状態に後退するか、キレて自分じゃなくなるかも。
一番マトモそうな刑事が一番危険だったように。観ている間中、体中固まって、後はとにかく外の空気を吸いたくなる


『ジャングル大帝』(1997)

原作:手塚治虫 監督:竹内啓雄 声の出演:倍賞千恵子、椎名へきる、伊武雅刀、鈴木蘭々 ほか
手塚治虫の死後、次々と名作が劇場版アニメ映画で復活。知っているようで知らない作品を改めて鑑賞できる。
「マンガが本妻で、アニメは愛人」といって日本のアニメを低予算の中で実現し、実験を繰り返した手塚治虫。
CGと北京スタッフ、豪華アフレコメンバーで、不変の親子の絆と、自然と人との共生をうたいあげた感動の1本。
レオって父の名と初めて知った。原作もぜひ読みたい。
ライオンにしては身が軽く、宙を駆け巡る。途中ルネが人間世界を夢見るシーンがやけに安っちいのが気になったが、
人の欲と壮大な自然とのドラマが心をつかむ。


【イベントメモ】
「ユニヴァーサルスタジオ」@L.A.、ディズニーランド@アナハイム
「マンガの世界」@東京都現代美術館

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『ヨーロッパをひとつに欧州連合』(ほるぷ出版)

2013-10-20 12:39:59 | 
『ヨーロッパをひとつに欧州連合 調べてみよう世界のために働く国際機関』(ほるぷ出版)
ジリアン・パウエル/著

ニュースなどでよく耳にする言葉でも、具体的にどんなものなのか知らないことが多いなあ。
この1冊で大体の感じは見えたけど、とても大きな組織でまだつかめないことも多い。
でも、このヨーロッパ統一の試みが全世界に広がったら、世界平和も夢じゃないかもしれない。


【内容抜粋メモ】

●EUが成立したわけ
第二次世界大戦後、ヨーロッパでは、二度と悲惨な戦争を繰り返さないために1つに統合するしかないという考えが広まった。
その第一歩は、ドイツとフランスの紛争の原因になってきた鉄と石炭を共同機関の管理で行うこと。

1952 「欧州石炭鉄鋼共同体」が成立。
1958 「欧州経済共同体(EEC)」が設立。関税をなくし、自由に働きに行き来できるようにしようとした。
     「欧州原子力共同体」がつくられた。
1967 上の3つがまとめられ「欧州共同体(EC)」が成立。
1979 欧州議会のための直接選挙が行われ、議員を5年ごとに選挙で選べるようになった。
1985 「欧州文化首都」が毎年選ばれる。
1992 「欧州連合条約」が結ばれ、経済統合から政治統合に向けて前進。「EUエコ・ラベル」を導入。
1993 欧州連合(EU)が成立。「単一市場」を導入。
2000 「欧州基本権憲章」を採択。
将来「欧州憲法条約」を定め、「緊急対応部隊」づくりも進めて、ヨーロッパ全体の連合体に発展することをめざす。


EUの旗


●新しい通過ユーロ

単一通貨のユーロ紙幣

国境を越えて使えるため、両替の必要がなくなり、手数料がかからなくなる。
値段が比べやすくなり、安い場所で買おうという動きが進み、価格差がなくなる。
労働者の移動も増え、経済が活発化する。
国内総生産は、世界の2割、アメリカについで第2位となった。


●EUのおもな目的
・ヨーロッパ各国の連帯を強める
・労働条件、生活環境の向上
・貿易の障壁をとりさる
・人、物、サービス、資本が各国を自由に移動できるようにする


●EU市民の権利
加盟国の国民は皆EU市民。
・EU内を自由に移動、住んだりできる
・欧州議会選挙に投票・立候補できる。
・EU以外の国を旅行中のトラブルの際助けてもらえる
・欧州オンブズマンに苦情が言える。


**********************************政治体制

アメリカ合衆国の仕組みにたとえられる。権力がバランスよく配分され、上層部での不正行為が起こりにくい。
実際は、欧州委員会は、運営の失敗や不正で批判が続いている。

「欧州委員会」
EU加盟国から選ばれた20人で構成。ブリュッセルが本部。委員長の人気は5年。

「欧州議会」

議員626人。本議会はストラスブールで行われる。

「欧州理事会」
EUの最高意思決定機関。ブリュッセルが本部。各国首脳15人で構成。決定には全員の賛成が必要。

「オンブズマン」
政治の見張り役。EUに対する苦情を受け付ける。欧州議会で指名される。


●EUの予算
加盟国の豊かさに応じた分担金が支払われる。
欧州委員会、欧州理事会、欧州議会は、「特別委員会」や、専門家からなる「作業部会」に相談して予算を割り振る。


**********************************活動内容

「共通農業政策」
食糧不足をふたたびおこさないため、食糧生産量の調整、農家への助成金支給、価格維持のための生産物買い上げを行った。
売れなかったものは貯蔵、販売、無料配布で処分。
→穀物、バター、油、ミルク、ワインなどの過剰生産、食糧の高価格の原因となった。


イタリアでプラムトマトが大量に余った

「集約農業」を奨励
→肥料、殺虫剤の量が増え、土壌は洗い流され、野生生物の生息地を奪って、環境に負担がかかった。

「休耕地」
5年以上休ませたら補償金を払ったり、材木用の苗木を植えることを奨励した。

改革後の目的
・農場の近代化
・生産物の安全性と品質向上
・農家の安定した報酬確保
・環境保護
・農村地域に新しい働き口をつくる など

1999年、2000人以上のフランスの農民が農業政策に反対するデモをした

1980年、BSE問題が起こり、イギリス産の牛の輸出を禁止した
1999年に解除したが、フランスはEUに反対して受け入れなかった。


黄色い染料をかけて、間違いなく処分されるようにした


●漁業

違法な漁で逮捕されるスペインのトロール漁船

北海のニシン、タラがほとんど捕りつくされた。
一定の大きさに満たない魚は海に返す対策がとられ、漁獲割当量を設定。
→割り当て以上に捕られた死んだ魚が海に捨てられた。
→漁船を減らし、免許制度をとりいれるなど考えられている


●貿易、産業
EUの富は、電気通信、銀行、観光などサービス業から得ている。EUでの職種はサービス業と製造業。農業はわずか8%。
加盟国の失業率を約5%以下に減らすのが目標。
運輸政策として、EU内に高速道路、鉄道をめぐらせ、単一市場内の貿易活発化を狙っている。

 
ユーロスター、オアスン海峡道路


南アメリカ、アマゾン地方の材木が船積みされてる(こうして森林破壊が進んでるんだな

輸入品の中には、多国籍企業が価格をコントロールするものがあり、貧しい国は安価で売る以外に対抗できない。


**********************************法律

「欧州裁判所」
ルクセンブルクにある。
加盟国から1人ずつ選ばれた15人の判事、補佐9人の法務官がいる。
EU市民は誰でも訴えがおこせる。ここでの判決を不服として上訴することはできない。


●EU法
EUの条約に基づいた法令は、加盟各国の判決をくつがえすことができる。

「グリーンペーパー」
議論の資料となる報告書。

「ホワイトペーパー」
法令の実際の提案となる。

「ロビイスト」や圧力団体
動物愛護、環境、社会問題、人権などの運動のために活動する人々。


**********************************金融

自国の通貨はユーロの単位とみなされ、交換比率が固定される。

●EUの経済政策
・他の地域との貿易を効率的にする。
・加盟国の通貨の価格が急激に変動する危険を避ける。


「為替相場メカニズム」
ヨーロッパ各国の通貨間の交換比率を安定させることがねらい。
加入国の通貨や、ユーロとのつりあいをとる。

「ブラックウェンズデー」
1992年9月16日、ポンドの価格が大きく下がり、イギリスは為替相場メカニズムから脱退を発表した。

「マーストリヒト条約」
1991年調印。欧州通貨統合への3つの段階を示している。


**********************************将来

「アジェンダ2000」
1997年採択された行動計画。

●EU加盟の条件
・民主的政府をもち、安定していること
・自由市場経済体制をとっていること
・政治、経済、通貨の面でEUの目標に貢献すること
・EU法を受け入れること


●政治的統合にむけて
ヨーロッパ中央政府の下に政治的に統合された組織になる可能性もある。
問題になるのは「主権」。防衛、外交、通貨は、国の政府が権限を維持すべきという意見もある。

ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボのように人種・宗教間の紛争、政治からの独立・自治を求めるグループの存在が脅威となっている


**********************************世界にむけて

・EUは開発途上国に対して世界最大の食糧援助をしている。
「西欧同盟(WEU)」を防衛機関とすることで協力し、平和維持、救助活動に役立てる軍隊をもつことで合意している。
・渡り鳥の観測など、野生生物の保護運動にも関与している。


●さまざまなプログラム
「テンパス計画」
青少年が交流する機会をつくる。

「ソクラテス計画」
学校、大学、語学センターの講座に資金提供。

「ユース・フォー・ヨーロッパⅢ」
地元の研修活動に参加する若い人々を支援する。


**********************************EU関連サイト

「EU駐日欧州委員会代表部」
外務省HP内
国連 on line

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