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今日からできる “患者力”アップのコツ@あさイチ
専門家ゲスト:
大野智さん(医師 大阪大学大学院 寄付講座准教授)
山口育子さん(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
ゲスト:福田充徳さん(チュートリアル)、坂下千里子さん
リポーター:瀬田宙大アナウンサー
「あさイチ」まとめ見メモ
私もある時期から、病院の医師から
「おクスリはどれくらい出します?」とか聞かれて
なぜ医師が決めないの?とフシギに思ったが、最近は自分で選ぶのかとやっと納得してきた
6年通ってるクリニックの医師とのコミュニケーションは上がらず、信用も半々なままだけど
まずは病院選びでドクターショッピングにハマってしまう
ネット
で病院を探してもハズレばかり 駅前とかはとくに
情報過多で、こうしたテレビ番組の情報も、言う人によって違うから
もう、どこで自分が納得するか、自分が求めるものは何かが問われる時代なんだと意識を変えるしかない
医療も科学も、
「最新」はどんどん変化して、まだまだぜんぜん中途半端だから
私は医師を
「先生」と呼ぶのが嫌いだ
昔から政治屋や、医者を「先生」て呼ぶのはなぜだろう?
まるでなんでもしてくれる万能なスーパーマンみたいに尊敬して、丸投げしたい深層心理があるのでは?
医師も、政治屋も、床屋、八百屋と同じ、1つの職業
同じヒトであるかぎり技術やコミュニケーション能力の差も当然あるから
頼り過ぎる意識も変えないと
【内容抜粋メモ】
医師から「クスリを飲むか」「手術にするか」「リハビリにするか」と聞かれ
患者が治療法などを選ぶ時代に戸惑う患者
“情報を理解して、その中で自分で選択すること”が求められている
と言われても、なかなか知識も分からず、決められず
医師とのコミュニケーションのすれ違いに悩む声が多い
●
1990年代なかばから「治療法を患者が選択する」時代に移行している
医師の教育現場では、もう当たり前になっているが、患者側に伝わっていない
医師によってコミュニケーションが苦手な人もいる
(パソコン画面ばかり見て、1度も患者の顔を見ずに診断するとかね
医師の教育は変わっても、患者側はまだ置いてきぼりなのが現状
●
例1:治療法の選択で悩んだ50代女性Aさん
ヒザの痛みが酷く、
「半月板損傷」と診断された
医師から「手術かリハビリ、どっちにしますか?」と聞かれて驚いた
Aさん:
先生が治療法を決めるのが当たり前だと思って行っているのに
「どうしますか?」と聞かれて、どういうこと?と思ってしまった
「手術でもいいと思いますし、リハビリでもいいと思います」みたいに言われて
私のヒザが治るようにアドバイスをしてもらえると思っていたので困った
「あなたの場合は手術したほうがいいですよ」とか
「よくなる見込みがあるから、リハビリで頑張りましょう」とか言ってほしかった
誰かの付き添いなら、もっと冷静に言えたかもしれないが
自分だと考えが回らず、質問までたどりつけない
立場が弱い気がする
ネットでも調べてみたが、「手術しても必ずしも良くならない」という方もいれば
「手術して良くなった」というのも読んで、
情報が多くて、どれが本当か分からなかった
結局リハビリを選んだが症状は悪化し、手術することになった
●
なぜ患者が治療法を選択?
糖尿病など慢性疾患は治療が長期化する場合はとくに、患者の「納得感」が必要になってくる
●
「権利意識」の変化
日本心臓病学会理事・磯部さん:
個人の権利が大事な時代になってきて、患者の側が
「自分の意に沿わないことは、医療側の責任だ」ということを
医師側がしばしば経験するようになり、医師が
「保身的」に考えてしまい
情報を提供した上で、患者に「ご自身で選んでください」となってきたのが今の風潮
(選択するには、まず、医師のキチンとした
「説明義務」が必要だけど
「5分診療」じゃムリだよね
●
医療に多くを求めすぎる患者側の意識
医師:
治療するとなると、必ずうまくとはかぎらない
成功率が高くても後遺症が残るとか、いろいろなリスクがある
思ったほど治らなかった、ということも起こりうる
「パーフェクトにしてもらいたい」と考えている人に、それを提示してもなかなか進まない
医学は全然パーフェクトじゃない
医者が何でも100%出来るわけじゃない
(クスリも、体がもともと持っている免疫機能を高めるとかしてるわけだしね
クスリに必ず
「作用」と「副作用」があることもいまだに浸透していないし
なんでもヒトの意識を変えるには時間がかかる
大野さん:患者に説明して一緒に考えるべき
●
「5分診療」 医師は多忙すぎ
大野さん:
現状では、午前中に大体30人ほどみなければいけない
となると、単純計算で1人5分ほどになってしまう問題もある
ヤナギー:
結果に納得できないと、患者の責任に出来るという心理はないですか?
大野さん:
説明して、患者が選択するのが、今の世界的な時代の流れ
坂下:
私の子どもはアトピーで、診察してもらった医師から
「ステロイド」のクスリにするかどうか聞かれたことを思い出した
「ステロイド」だと早く治るが、それ以外は治りは遅い
でも、私は「ステロイド」を使いたくないと思ったので別のクスリを選択しました
大野さん:
選択肢が増えたのは良いこと
医療は100%ではない、ということも大事なポイント
たしかにコミュニケーション能力の低い医師もいて反省すべき
なにより医師と患者の「信頼関係」が一番の基本
でも、医療事故の報道などで「保身的」になっている傾向もあることはたしか
イノ:自分でもある程度、知識を持たなきゃいけない時代だってことですね
●
医師とのコミュニケーション 大事なのは「質問力」
山口育子さんは、自身も卵巣がんの経験がある
その時、診察後に家で、次の診療時に聞きたいことをノートにまとめていた
山口さん:
昔の医療はもっと酷かった クスリの名前も教えられずに処方されていたし
今は情報が増えて、自分で選ぶ時代
こうして余白があると、聞いたことを忘れてしまう前に書きとめられるし
医師は体や内臓の絵を描くのに慣れているから、「すい臓ってどこにあるんですか?」
などと聞けば、余白に描いてもらうこともできる
<聞き方のコツ>
1.「伝えたいこと」「聞きたいこと」をすべてノートに書き出しておく。
2.3~4つに絞って、箇条書きにしたメモを作る。
その際、メモにびっしり書くのではなく、質問と質問の間に書き込めるよう、余白をたっぷり作るのがオススメ。
3.このメモを見ながら医師に質問する。これで医師も本気になるんだとか。
山口:
「こんなこと先生に聞いていいのかな?」と思われる方が多い
実際、怖い顔をして話しづらい医師もいる
(いる! 最初からなぜか高圧的だったり、面倒臭そうだったり
今は教育のカリキュラムに「コミュニケーション」も入っている
医師は患者がメモを持ってきてくれるほうが答えやすくてありがたい
大野:
診療時間内に必ず
「調子はどうですか?」と聞かれると思いますが
急に聞かれると頭が整理されずに、質問に上手く答えられずに
逆に診療時間が長引いてしまう方が多い
医師は患者が何も言わないと大丈夫なのかと思ってしまう
テレパシーを持っているわけではないので分からない
(漠然とどうですか?て言われても・・・ていうのもある
実際、メモって聞いても「それは、内科で聞いてください」とか
「自分は専門外だから、他に聞いてくれ」と言われてたらい回しにされたことも何度もあるし
私の世代ですらそうなんだから、高齢者はさらに医師に気を遣って、毎回同じ会話の繰り返しで終わってしまって
どんどん通院期間が長引くし、医療費もかさばる悪循環だな
●
今後の見通しを聞く
「いつ治るのか」「どんな治療のスケジュールで進むのか」を聞くと改善点が見えてくる
ヤナギー:本人が聞きづらいなら、付き添い人が聞くのもいいですよね
●医師に言いづらい場合は、
看護師・薬剤師に聞く
(これは私もまったく同感 医師よりずっと聞きやすいし、説明が丁寧で親身
●
ネットはこう調べる
医師:
どんなサイトの記事を見て、どんな不安を感じたかを医師に伝えて欲しい
医療技術の発達は速いので、
更新日が3~5年だともう古い
体験談は、自分と同じとは限らない
マイナスな話ばかりが気になって、不安感を募らせてしまいがち
「ネットでこんな記事があったんですけど」と印刷して持ってくる人もいる
スマホで見せたり、新聞記事を持ってくる人もいる
それだと質問も分かりやすいし、答えやすい 口頭だとうろ覚えで不正確な情報になる
●
効果・リスクが数字で出されたら?
“リスクのとらえ方は同じ数字でも人それぞれです。また同じ人でもそのときによって判断が変わります。
そこで、効果・リスクや数字が出されたらどう決めたらいいのかをご紹介しました。
臨床現場で患者と一緒に治療法を選択している医師の大野智さんによると、
リスクの数字を考えるときのポイントは「数字を考えるのは最後に」。です。
まず考えるべきは「自分にとっていちばん大切にしたいものは?」「自分はどう生きたい?」ということです。”
例2:30代女性Bさん
Bさん:
脚全体が電気が走るように痛くて、病院に行ったら「リハビリにするか、手術するか」と聞かれた
「どちらでも選んでいいですよ 次の時までに考えて来てください」て言われて
言い方は悪いけれども、「都合がいい」というか、医師が自分を守っているように感じた
手術のリスクを聞いたら
Bさんは、再発する10%にばかり頭がいってしまった
Bさん:
リスクを聞いてしまうと怖い気持ちがすごくあり
放っておいて、ずっと痛いのも辛いし
再発するなら手術しなくても同じかなとか・・・
リハビリをしていたが症状が改善せず、手術しようと決断した
Bさん:
「それで良くなるとは限らない」とハッキリ言われていたけれども
良くならなかったとしても、とりあえずやってみようと
医師:
リスクは、過去のデータの平均値
それを提示すれば、患者さんは判断しやすいだろうという考え方
リスクも副作用も、今は説明しすぎる傾向がある
●
たとえ1%でも、それが20%でも、受け止め方は人それぞれ
医師:
患者側は、
再発率ゼロを期待したい でも医療は100%はあり得ない
数字の見方の違い
それより、
自分はどうありたいのか? そう思う背景は何なのか? を整理する
今の生活で何を一番大切にしたいか
Bさんの場合、子どもさんの面倒をみてあげたい、日々の成長を見たいというのが動機になった
●
1人きりで考えないで誰かに話すと見えてくる 「チーム医療」
医師:
コミュニケーションというのは双方向
今は
「医療福祉相談員」がいる所もあるし
看護師・薬剤師なども上手く使ってほしい
例えば、風邪をひいて、「クスリを何日分出しますか?」と聞かれたら
自分はいつまでに治したいのか 明日、会社に行かなくちゃならないから今すぐとか
(私はいろいろ質問してたら「あなたは質問が多くて“依存心が強い”」て言われたことがあった
●
がんの場合
例3:肺がんの手術を受けた50代女性Cさん
Cさん:
5年生存率が50%をきっている
医師から
「抗がん剤を使うか、使わないか?」と選択を迫られ
「飲まなくてもいいと思うし、飲んでおくのもいいと思う 結果は同じ」と言われて悩んだ
やはりネットで調べたが、意見はまちまち
当時のノートにはメモがいっぱい
肺がんの治療が落ち着いた後、今度は、
初期の乳がんの告知をされた
Cさん:
告知された時、ちょっと待って、それ何?!みたいな感じで
次から次に波が押し寄せる感じで説明されて、頭が真っ白なパニック状態だった
<温存手術と全摘手術どちらにするか?>
医師:生存率に差はない 温存でもいけると思いますが、全摘という手もある
Cさん:
(付き添いで隣りにいる)夫が「そうだな」みたいな感じでうなずいていて
温存でいいかなと伝えたけれども、家に帰って、肺がんの経験を思い出した
私は心配性なので、もうネットを見る時間ももったいなくて
以前書いたノートを見て、再発の恐れが少しでもあるなら
私はきっと乳房があるかぎり安心できないのではないか
全部取ってしまったほうが精神的に落ち着くのではないかと思った
これから自分はどんな人生を歩むのか考えて
30代、40代なら見方が違うと思うけれども
50代後半で、子育ての役割としての乳房は必要ないですし
やっぱり不安だから、温存ではなく、全摘にしようと思うと夫に相談したら
「君がそう思うなら、それがいいと思う」と言ってくれて全摘手術を受けた
全摘を選択したことに対する後悔はまったくないです
たぶん、自分で選んだ治療は後悔しない
それは大きいと思いました
専門家:
温存だと
「放射線治療」も必要になる
(それは大きなリスクだ 吐き気とか絶対ムリ!!
「乳房」「子宮」は、それぞれの価値観が大きく違うので、自分の考えが大事
その時の年代、出産する予定があるかどうかとかも影響しますし
今の事例の場合、メモをとったり、夫と話したことで頭が整理できたのだと思う
1人で考えず、相談できるチャンネルが多いほど良い=
「緩和ケア」
ヤナギー:僕もがんの経験者ですけど、副作用について薬剤師さんにすごく聞きました
専門家:
「認定薬剤師」「がん専門薬剤師」がいる
病棟のベッドまで、何度も来てくれるところもある
<FAX>
「医療の知識がないから、お金を払って医師に聞いてるのに納得いかない」
(一理あり 医者になるための教育費も高額なのに
専門家:
知識も、価値観も「多様化」しているので
一緒に考える姿勢、自分はこうしたいという
患者さんの思いに応えるのが現代の医療の姿勢になっていて
そういう教育をしてもう11年になる
A:
クスリの形状や、飲み方などがそれぞれ違うので、選んでもらうことがあります
「院内処方」なら説明を聞いて、やっぱり違うのに変えたいと思えば、選び直して
医師にフィードバックするシステムがある
(そういう説明もない所があるから問題なんだよね
A:時短になります
A:
いいと思う
医師が「もしかして証拠を残しておきたいのか?」と誤解してはいけないから
隠し録りというより
「1度聞いただけでは理解できないので、録音していいですか?」
とひと言言ったほうが、信頼関係に響かずに済むと思う
「今日同席できない家族にも後で聞かせたいので」など同意を得るのも良い
録音したい理由をキチンと話せば、医師もむやみに嫌がらないと思う
一番避けたいのは、医師と患者の信頼関係が崩れること
「セカンドオピニオン」について
医師:
「セカンドオピニオン」は当然の権利
「こんなこと言っちゃいけないのでは」という思い込みが多い
ただ「紹介状」は保険がきくが、別の病院を受診するには
自由診療のため保険がきかないので、1~2万円か、それ以上かかる場合もある
「セカンドオピニオン」の外来では、改めて診察、検査をしない
「紹介状」をみて、意見するのみ
(え?! 逆に紹介状は高額だけど、行った先の病院は普通に保険診療なのでは???
「紹介状」をもらった病院で改めて検査したこともあるし???
じゃあ、「セカンドオピニオン」と言わずに、普通に他の病院に行けばいいのか?
こういう情報の混乱が不信感を招くんだよ
A:自分で納得して、後悔しないことがもっとも大事
A:
家族も時々、同行して、患者が何をやりとりしているのか把握しておいたほうがいいです