メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

フラッシュバック

2013-01-20 10:42:55 | テレビ・動画配信
先日の「あさイチ」で放送された阪神淡路大震災の被災者の中には、
いまだ暗い場所が恐くて、地震当時のフラッシュバックに悩まされている女性や
地震前夜の夕食でご飯に箸をたてて叱られたことで、
震災と結びつけて自責の念に苦しむ男性が紹介されていた。

専門家の話では、
・ホッとした時にこそ蘇る抑制された感情。
・辛いが向かい合う準備ができた時に出る。
・手のぬくもりは現実に戻す効果がある
・子どもはなにか理解できないこと出来事を結びつけてストーリーを作って理解しようとする。
 自責の念で苦しむことが多いトラウマとなって長年ひきずることがある。

【対処法の例】
・リラックス法
・感情をコントロールする方法
・少しずつチャレンジするのが大事


友だちが教えてくれたNHKの「名医にQ」で「うつ病」に関するまとめ番組を予録して見てみた。
15人に1がかかるうつ病。回復しても再発する患者さんも5割と高い。

「心理教育」
どうして病気になったか経緯を振り返り治療法と効果や見通しを話し合う。

「環境を整える」
・心身の休養
・比較的回復してきたら、少し動き始めるとよい。
電車に乗ってみる。社会的なつながりをもつ。運動。興味のあることをする。
友だちと食事に行く。チャレンジしてみる。

「修正型電気けいれん療法」については、前回もメモったな→here


「緩和チーム」
がんに伴う痛みや悩みに対処するため、複数の医師や看護師などで構成されたチームで患者さんに寄りそう。
外科医師、精神科医、ソーシャルワーカー(医療費問題等)などチーム医療っていいかも。


身近な人が希死念慮(自殺願望)から「死にたい」と訴えた時には「止めなさい」とか
「大したことじゃない」などの批判ではなく、「大変だったんだね」と受け止めることが大事。

「再発の防止」
・各自のパターンに気づく
不眠・食欲など初期症状を知っておく

・アルコール依存などの合併が多い→自殺との関連も深いことが分かっている
不眠からお酒を飲む人も多いが逆効果。負のスパイラルに注意

→考え方のクセをシフトする。適度な運動は効果的。

ここでも医師が
「同じストレスがかかっても、うつにかかりやすい人と、かかりにくい人がいる」
ってゆってたけど、その違いまでは言及していなかったな。

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考える絵本2『死』 谷川俊太郎

2013-01-20 10:24:33 | 
考える絵本2『死』(大月書店)
谷川俊太郎/文 かるべめぐみ/絵

谷川俊太郎さんて1931年生まれなんだ/驚

「左脳でいくら考えても応えは出ない問いかけに、
 考えた末の信じることで得られる仮のイメージを子どもたちに提案してみたい」

今作の物語りは、谷川さんが小学校6年生の時に祖父が亡くなった体験をもとに書いているようだ。
と同時に、数年後に体験した東京大空襲でのおびただしい人間の死体も著者は目撃している。

「暖かく柔らかかったカラダが真っ黒にこわばって、石で作られた彫刻のように手足を空に突き出していました。
 こわいとか悲しいとかいうのとは少し違うふしぎな気持ちで、ぼくはその光景を眺めていました」

そんな背景があっても、谷川さんは亡くなった家族や友はいつもすぐそばにいる存在として感じているそう。

  

谷川さんの短いながらもエッセンスが詰まった文章もステキだけど、
そこからイメージを自由にふくらませて、
版画のようなタッチで図案化したかるべさんもスゴイ!

「死」という曖昧でダークな感じを抱かせる世界を
一気に色とりどりなワンダーランドのように描いて、
おじいちゃんが肉体を脱ぎ捨てて、エネルギーとなって、
もといた故郷に還ってゆくようすもイイ。

このシリーズは、小学生の高学年ぐらいを対象としているのかな?
ありきたりな言葉じゃ納得できない難しい年頃の子どもに対して
目に見えないものを説明することも、視覚化することも難しい作業なのに、
それぞれのテーマを文化人の皆さんが本として表現して、
丁寧に伝えているこのシリーズは、本当に貴重で素晴らしい試みだと思う。
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考える絵本3『人間』(大月書店)

2013-01-20 10:24:32 | 
考える絵本3『人間』(大月書店)
河合雅雄/文 あべ弘士/絵

あとがきによると、河合雅雄さんも第2次世界大戦においてヒトが善と悪2つの世界を創るということに疑問を持ち、
こうした不思議な動物が、いつ、どこで、どうして生まれたかを知りたくなったという。
日本モンキーセンター所長を歴任。

今作は哲学ではなく、自然科学として最新の知識をもとに書かれている。
武器を持つことが、人を人たらしめたひとつの大きな理由ってなんだかイヤだなぁ・・・
人とサルの共通点が思ったよりたくさんあることにはビックリ!

挿絵のあべ弘士さんは、先日観た映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』でも出てきた、
旭山動物園の元飼育係で絵本作家に転身した方だった
さすが元飼育員! 動物の絵がリアルでユーモラス

【内容メモ】
「創世神話」
どの民族も世界や人間がどうして誕生したのかという神話をもっている。

・神がアダムとイヴを創ったと信じられていた。

チャールズ・ダーウィンが『種の起源』『人間の由来』を著して大論争となる。


・解剖学(形態学)、化石による研究、年代測定学、分子進化学によって明らかにされた。
ラミダス猿人=諏訪元さんらがエチオピアで見つけた一番古い人類化石。
チンパンジーと人間は約700万年前に分かれ、DNAの差はわずか1.23%にすぎない。

→人はサル類から進化して、アフリカで約600万年前に誕生したといわれる。

「霊長類」
約6500万年前に誕生。
原猿類(生きた化石)、真猿類→広鼻猿類、狭鼻猿類(→オナガザルグループ、ヒトグループ)に分類される。


「身体的適応」
樹上生活に適するようカラダを作り変えた。
が発達、目は立体視するよう顔の正面にきて、色が見えるようになった(哺乳類はモノクロ、サルは色が見える
熱帯の常緑樹の葉は毒があるものも多いから、何を食べてよいか考えて学習するようになる。

食事に頭と手を使うことが脳の発達をうながした。

熱帯多雨林はサル専用のレストラン+天敵が少ない人口が増加
1回に1頭のみ産むなど人口抑制の工夫をし、母子の絆は強くなり、群れと親しくなり、社会性が豊かになった。

「ヒト化とは?」
●ヒトとは道具を使う動物?
チンパンジーも道具を使う。

●ヒトとは文化を発明した動物?
イモ洗いを覚えたサルが子孫に伝わるという食文化をもつ。

●ヒトとは狩りをするサル?
チンパンジーもイノシシ、レイヨウの子どもを食べる雑食性。

●ヒトとは大きな脳をもち、高い知能をもつ動物?
猿人の脳は、チンパンジーの脳とほぼ同じ大きさ。

「ヒト化の特徴」
食料の分配、あいさつ、愛情

「始人類」
人口が増加し、サバンナという新天地で暮らすようになる。(疎開林、川辺林
始人類は、武器と協同行動、知恵でライオンなどの外敵を防いだ。


「始人類の特徴」
・家族をつくる(狩猟採集生活
・2本足で立って歩く(武器の使用、物の運搬のため
・言葉を話す(ニホンザルには方言がない→学習ではなく本能による声分け

ヒトとは家族という集団を作り、2本足で立って歩き、言葉をもつ霊長類だといえる。=ホモ・サピエンス

文明が進むにつれ、家族の絆が弱まり、歩かなくなり、直接の対話がなくなっている。

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notes and movies(1994.5~ part1)

2013-01-18 15:20:13 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は紺色のノートからご紹介。

  

photo1:基本形。
photo2:マドンナのMVを観て衝撃を受けたレポw
photo3:1994.5.6。母が会社の上司から柴犬をもらってきた!それがみーちゃん
    私はGWで帰省中のラストの日で、1晩仔犬と過ごしたけど一睡も出来なかったってゆう

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『嵐が丘』(1992)
監督:ピーター・コズミンスキー 出演:ジュリエット・ビノシュ ほか
映画化はこれまでも何度かあったけど、これはまさしく完全版だ。
ブロンテ本人らしき女性を登場させ、あれだけ複雑に入り組んだ、暗くなりがちな長編も
これほどロマンティックに、荒野にそびえ建つ館、吹き荒れる風、夜明けの壮大な自然の
美しさも随所に見せて、キャシー役のビノシュが中世のドラマを奥深く、激しく演じている。

ヒースクリフ役の男優は『ラスト・オブ・モヒカン』を思い出させる野性味あるルックスで、
全身全霊でキャシーを愛するが故の1つ1つのセリフは重く、難しい役を見事に演じている。
原作を読んだのは6年ほど前。読後はものすごいショックと感動を受けたことも
すっかり忘れていたけど、今回映画を観て改めて蘇った気がした。


『ミセス・ダウト』(1993)(劇場にて

監督:クリス・コロンバス 出演:ロビン・ウィリアムズ ほか
5月6日、観客10人ほどで観た今作。ありふれたコメディと思いきや、
アイデアは『トッツィ』と同じだけど、芸達者なロビンのコロコロ変わる七変化、
七不思議みたいな演技にとにかくビックリ
両親の離婚とその間で揺れる3人の子どもの心というハートフルな感動も交えて、
笑いすぎて泣いちゃうし、感動でも泣けてくる、期待以上の作品だった。

それもそのはず、メイク、衣装、カメラ、編集等々、すべてヒット作の製作スタッフが揃った、
ウィリアムズ夫妻経営のプロダクションの第1作目で気合いが入っている
アメリカで相変わらず増え続ける離婚問題、子どもたちはそれぞれの年齢で対処して、
親子愛は強くても、夫婦間の価値観の違いで別居せざるを得ない状況。
この大きな問題をコメディとして大いに楽しませながら、私たちに問いかけている。


『スコーキー』(1981)
監督:ハーバート・ワイズ 出演:ダニー・ケイ ほか
最近にわかにナチズム、ユダヤ人大虐殺の歴史を再考する主旨の番組が増えている気がする。
今作もナチズムに対する賛否両論一色の硬いもの。映画の娯楽性は望めないが、
あのダニー・ケイの'80年代の老齢な演技が観れるというひとつの理由だけが大いに興味をひいた。
ミュージカルじゃないし、どうして今作を選び、あすこまで真剣に役に入れ込んでいるのかは分からない。
かつての溌剌とした面影は去り、両足は軽やかなステップを踏むことはなかったが、
ガッシリした身体つき、力強い足運びはフツーのおじさんとは全然違う。

実話を基にした映画だが、同じユダヤ系でも、若い世代との考え方のギャップも浮き上がらせている。
過去の歴史の一部として葬り去られようとする中、ガス室の生き残り、家族を殺され、
強制重労働をして生き延びた者らが生き証人となって、
あの時代に一体何が行われたか、そして未来永劫二度と同じ事が繰り返されないよう、
今度は被害者としてガマンすることなく、言論の自由から決して許さないという叫びもある。
立ち上がって戦えるのだということを今作は語っている。
硬い作品だけど、それぞれの立場、意見をとりあげて、助演陣も訴えるものがある。


『レディ・プリズナー』(1986)
監督:トム・デ・シモーネ 出演:リンダ・キャロル ほか
根気よく作られ続け、影ながら根強い人気がある女囚もの。
とくに「木曜ゴールデン洋画劇場」は、女性映画評論家・木村奈保子さんの選別なのか、
女囚ものを逐次やっている。そのショッキングさと、妙にポルノ女優風ギャルばかりを
集めたセクシーさが売りだけど、同性としては前編は屈辱感、まさに女性が日々受けている
精神的、肉体的抑圧、ハラスメント、恐怖の縮図のようで共感、同情し、悪を憎み、
後編ではヒロインが勇ましく立ち向かい、見事に悪は打ち砕かれ、
女性らが解放を得るところに満足する―このあたりに人気の秘密がありそう。

今作ではヒロインのジェニファーが父親からの性的虐待を受けているという設定ほか、
救い出してくれる相手も男で、支配されなければならないという設定が悲しくて象徴的。
実際アメリカでも刑務所内での陰湿な暴行が起こっているであろうという現実味がある。


『アニメ短編傑作集』(1974~1987)
【木を植えた男】

監督:フレデリック・バック
児童書の棚に並んでいて、いつか読みたいと思っていたこのアカデミー短編賞受賞作品に
初めて接することできたことはとても幸運だった。
「人の手で森を創る」なんて思いもよらなかった。
森は自然条件のいいところで自然と出来上がるものと思っていた。
作者の友人が老人のことを「ずっと幸せでいられる方法を見つけたのだ」という。
人間のエゴとは逆に、この老人の無欲で純粋な夢が達成され、
それを自慢するわけでもなく、誰にも真実は分からないまま。その功績は神のみぞ知る。

無数の点の集まりで描かれている独特のタッチは、『スノーマン』とも似ている。
柔らかい色使いが主だが、人々が争う場面の赤、老人の力強い褐色の肌、
ちょっとのぞく青い空などの強調されるシーンが印象的。
いつでも回っているような画面はアニメの特性を利用してるのか、
神の眼の高さから見ている演出なのか、目が回りそうになってくる。
自然謳歌の心安らぐ感動の1作。


【クラック!】
監督:フレデリック・バック
うって変わってちょっとユニークな物語り。以前、物に感情を与えて擬人化した
CGの驚異の映像があったが、CGはリアルで立体的動きの迫力、
アニメは作者の丹念で、物凄い忍耐の上に出来あがってて素晴らしく、
人の手のあたたか味、人情味がそこにある。
ここにも、人工の工場や車 で自然が開発され、失われ、汚され、
人情も使い古せば捨てられてしまうというメッセージがこめられている。
物にも友人のような親しみを持つことがあるけれど、
彼らもちゃんとそれを分かっているんじゃないかな?


【TARATATA】
なにかの壮大なパレード。次々と出てくる華やかな出し物。
まるでシャガールの絵のように馬が空を飛んだりしている。
ストーリーのテーマはよく分からないが、メルヘンティックなアニメ。


【ILLUSION?】
良い意味でのプロパガンダ。自然を愛せよ、自然に勝る遊び場はない、喜びはない。
とくに子どもらの声にほんとに子どもを起用しているのがリアルで温かい。
きっと今都心に住む、まるでこの話の中のベルトコンベアの流れ作業に組み込まれて
死んだような子どもらのシーンのように暮らしている彼らは、
優しい母親のような太陽の下で、緑と自然の生命に囲まれた、
自由で幸福な暮らしをどれだけうらやむことだろうか。


【トゥ・リエン】
どの話よりも余分なセリフを一切省いた、音楽とパントマイム形式なのがイイ。
これはまた『天地創造』『人類創世』のようなスケールの大きい話。
SF物語りは、人々に便利で楽な生活を提供する未来図を描いたものだ。
より便利に、高速になるにつれ、空にはパイプ、ビル、電線がはびこってゆく。
そこに一体本質的な安らぎがあるだろうか?
ファッション等の文化は確かに人々の精神を高揚させ、幸福も与え得るけれど、
あるがままの緑、原生林、野生動物、自然にたちかえって、自然から恵みを受け取り、
また与えてゆくシンプルさを私たちはもう到底思い出せないでいる。

今回、ノルシュテインのインタビュー、バックが絵を描いているところなどが見れたのはとても貴重
彼自身、妻とともに山奥の1軒のロッジ(ほとんど周囲の自然に溶け込んでいる)で暮らし、
木を植えたり、野菜や花を栽培して静かに暮らしている様子。
自然を目の前にして、実際触れ合っていることが、絵に生命力、躍動感を吹き込んでいる。
かなりの老人だけど、2歳から絵を描き始め、フランスの画家の弟子につき、
自然や動物を描いたことが今につながっているという。
仲むつまじく夫婦で歩く姿や、そのポートレイトはほほえましい。


【話の話】
監督:ユーリ・ノルシュテイン
赤ん坊が無心で母の乳を吸っている。なんとも強烈な絵で始まる。
信じられないくらい静かに降り積もってゆく雪など。
この話を通して出てくる2本足で歩く、なんとも愛らしい灰色の犬の表情
犬が焚き火をして、熱くてフウフウいいながら食べる、
その声の入れ方がまた自然でいじらしくてリアリティあり。
全体に流れるかすれた古いメロディがなんともノスタルジックで幻想的。退廃的な魅力さえ醸し出している。
作者にとって自然から離れた、人工的な文化・生活は、退廃としか映らないのかもしれない。
アニメも立派なアートだなあ。


【霧に包まれたハリネズミ】
監督:ユーリ・ノルシュテイン
短いけれど、霧と夜の描写がとても幻想的。
時々、実際の川や、人形のハリネズミの映像(多分)が混ざって、話をよりリアルにしている。


【あおさぎと鶴】
監督:ユーリ・ノルシュテイン
ああ!途中で録画が切れて、これでおしまい。分かってたんだよ、最後まで録れてないだろうってことは!

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notes and movies(1994.5~ part2)

2013-01-18 15:20:12 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1942)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ 出演:マッシモ・ジロッティ、クララ・カラマイ ほか
ルキノ・ヴィスコンティの処女作。これは後に、ジャック・ニコルソンとジェシカ・ラングで'81にリメイクされ、
より過激な性描写で話題を呼んだが、その元ネタとあって微妙な違いが興味深い。
ヴィスコンティ作品には常に目も覚めるような若い美男子が登場するけれども、ジーノ役の俳優もなかなかハンサム。
クララはクールな美貌で妻の複雑な心情を見事に演じている。

保険金目当ての殺人とは直接的に描いていないにせよ、不幸な女が企てた冷酷な殺人計画として観られても不思議じゃない。
印象に残るのは、ジーノを逃がすために商売女のフリをしなければならなかった女性の哀しげな後ろ姿。
女が男を利用する場合のほうがより冷酷でずるがしこい女狐だと思われるのに、
男にもて遊ばれ捨てられる女は、まるで当然のごとく忘れられてしまう存在だ。
ヴィスコンティの眼はその点も見逃してはいないのだけれど。
金もなく、頼るあてもない女の悲しい姿。若い男をつかまえても絶えず疑念や嫉妬、不安がつきまとう。
根無し草の男と、家に執着する女の象徴的な姿が描かれている。


『スウィーテイー 悪魔のような姉』(1989)
監督:ジェーン・カンピオン
複雑な心理劇。大した芸でもないのにすごい才能があると信じて疑わない父と、
その夢をほとんど強制的なプレッシャーとして追い続け、現実逃避し、幻を見るしかなかったスウィーティ。
姉のエゴ。家庭不和で自閉症気味のケイ。ラストのテロップ"for my sister"というのも意味ありげ。
どこかデヴィッド・リンチ風の映像トリップ、アブノーマルな登場人物たち。
今作がオーストラリアの女性監督によって作られたというのも変わっている。

タイトルの響きが妙に気に入った。スウィーティー役の女優はキョーレツな個性で、神経質そうなケイと対照的。
瞑想のインストラクター?をしているルイは、女子の憧れの的として甘いルックス。
社内で男女関係のことしか頭にない群集化した女性社員って世界中どこにでもいるのね
指輪1個にヒステリックに一喜一憂して、そうでないコは「考えが古い」で仲間はずれにされちゃう。
「結婚で救われる」って考えのほうがよっぽど古いのに。
ケイは木恐怖症。根がいつか家まで傾けて、自分を襲うのではと心配している。
天に伸び、地にしっかり根をはる木は、健全な精神の象徴でもあるのに。
「君は木を生かすこともできないのか?」「現実ってなんなのか、それは難しい問題だよ」


『SOUL TO SOUL 魂の詩』(1971)
出演:ウィルソン・ピケット、アイク&ティナ・ターナー、サンタナ、ロバータ・フラック、ステイプル・シンガーズ ほか
'70年代の香りプンプン ブラック・ミュージック、ソウルに改めて体中が惹かれる感じ。
奴隷制度の暗い歴史とは裏腹に、町中あらゆる場面で音楽が生き、踊りがある。
本場アフリカのフィーリングに合うもの合わないもの。
サンタナが意外に反応が少なかったのは、唯一白人の多いグループだったから?
ステージに上がって一緒に踊る者もいて、熱気ムンムンのサイコーなショー。ティナのパフォーマンスもイイ。
「ソウルって何だ?」「それは感覚的なものさ」
「どんな風にだ?」「そうだな。手がこう勝手に動くのさ、足が動き出す者もいる」


『ルナ』(1979)
監督:ベルナルド・ベルトルッチ 出演:ジル・クレイバーグ ほか
ほかのベルトルッチ作品に負けず劣らず長い時間も忘れる、
異国を舞台にした壮大で感動的なオペラにのせて展開する悲しいほど深い愛情。
それは親子として、また時に人間=動物であるがゆえに男女の微妙なあやを見せて、
1シーンごとにベルトルッチの特別な想いが込められている。
最初の月明かりに守られて親子でたわむれるシーン、自転車を走らせるシーンからどことなくセクシーで
誰一人、第三者が立ち入れない絆が見える。

ちょっとダイアン・キートンみたいな雰囲気の女優。
オペラの声は吹き替えだろうけど、妙に気張ったり、有名人にありがちな高飛車なところがないだけに
傷ついた息子から離れられずにいる母親を時にユーモラスに、時に素直な女性として見事に演じている。
ジョー役のコも愛に飢えた現代っ子、麻薬に溺れながらも頭はハッキリしている堂々たる俳優ぶり。
ラストちらっと顔を見せるだけの父親役も複雑な立場を口数少なく重い存在感で印象強い。
1つの迷路のような家族愛を神秘的な月と美しいオペラ、その裏方劇に絡めたあたりは
さすがベルトルッチの確かで鋭い感覚が感じられる。
エグい描写が多いかと思いきや、なんとも悲しく感動的なロマンティックストーリー。


『MADONNA "THE GIRLIE SHOW LIVE DOWN UNDER"』(1993)
いやあスゴイという噂は聞いてたけど予想以上 この間観た米米のステージが派手だと思っていたら、
なんのその、さすがに世界を渡り歩いて長いキャリアを持つ、これぞまさにスーパースター!という貫禄。
単に豪華ってだけじゃなく、デビュー当時ははみ出し娘の元気一杯さ~大人の女の艶やかなもの~
今回はあの『ロッキーホラーショー』に負けず劣らずのセンセーショナルな肉感+黒人差別+エイズを
分かりやすいダンスパフォーマンスで魅せる。
シンディとスタイルは違っても、ともに女性解放者として、かなり辛らつな表現、直接男を侮辱し丸め込むシーンがあるのは見逃せない。

その性描写をモロに表現したダンス等でライヴを断った場所もあったそうだけど、
表面だけじゃなく、ちょっと気をつけて見れば、マドンナがスターの座を利用して訴えているメッセージが届くはず。
ブラのファッションで挑発する過激さだけでない、寸分の狂いもなく計算し尽くされたステージング、
2時間びっちりダンサーと肩を並べても決して劣らないダンス+崩れない表情+歌は、
それに見合うかなりの練習量、持っている才能以上を発揮させる日々の肉体作り、努力なしでは完成されない
彼女のパワー、行動力、成功を掴み取る強さ、野望を感じさせる
本当にこのメチャクチャハードなショーで何十日にも渡って世界をツアーして回ることなど可能なんだろうか
途中、字幕がないからよく把握できなかった部分もあるけけど、サルティンバンコ顔負けのこのスケールで
進歩し続けるマドンナのライヴ。ここまできたからには次はどうなることやら。


『カーペンターズ・ストーリー』(1988)
出演:シンシア・ギブ ほか
実家にある何十枚もの洋楽のレコードの中にあったカーペンターズの1枚のレコード。
カレンの透き通ったぬくもりある女性的な美しい歌声とやわらかなリズム、感動的な詩。
それからずっと今まで聴き続け、今回改めて'70に占めていた彼らの位置を知り、
今でも世界中のあらゆる人々に聴きつがれているヒットソングを聴き直し、
兄妹のたどった道のり、噂に聞いたカレンの拒食症からの悲劇的な死が、
兄リチャードをはじめ、カレンをよく知り、愛してきた人間が製作に関わって
ヒット曲をちりばめてとても丁寧に作られているのがヒシヒシと伝わってくる。

カレンが救急車で運ばれ、その脇を10代の彼女自身が通るなんともショッキングな冒頭から
ファンにとっては痛ましいかぎりであるとともに、一気にスターダムに上りながら、常に健康に怯え続け、
歌声や姿からまったく想像もできない悩みを抱えていたのは予想もしなかった。
近年、若い女子に増えていて社会問題となっている、精神の病からくる拒食症。
当時はまだ研究中で、あれほど温かい家庭のどこに原因があるのかとても疑問に思えるが、
度々カレンが自分の意見がまったく皆に通じていないと怒るシーンが重要な鍵ではないか

当時すでにカウンセリングが一般的だったアメリカで、なぜ誰も専門医を紹介し、
根本から原因をただし、時間をかけて休息をとらせなかったのか。
一番身近に暮らしている家族であるからこそ、問題点を見逃してしまう。
母親が「女は結婚し、夫に寄り添っていれば絶対幸せになれるものだ」と言うシーンは心が痛んだ。
愛情も身近にいすぎるとかえって表現することが難しい。

気になったのは、兄妹の仲がよすぎるほどだったという噂。
2人は深いコンビネーションで互いを支えあってスターの座を築き、
離れて活動することは不可能だったのかもしれない。
兄も不眠によって薬を飲みすぎて倒れるが、彼らは知らなかったのだろうか?
多くの貴重なアーティストが大衆の過剰な期待、プレッシャー、ストレス、疲労で
どれだけ未来を見失い、ドラッグやアルコール等で自らの命を縮めていったかを。

リチャード「夜になると、これからどうなるのかって頭がいっぱいになる」
いつか見捨てられるのではという不安は、成功のステップを急に上り詰めた者にしか分からないだろう。
彼らは確かで稀な才能を持ち、それは大衆の移り気な判断で測られるものではなかったのに。


『MADONNA THE IMMACULATE CORRECTION』(1990)
デビュー当時からのMVをまとめたもの。でもこうして見ると、やっぱりライヴ映像のほうが面白い。
彼女は常に女優業にも関わり続けていて、それも才能あるけど、あの鍛え上げられた肉体を
惜しげもなく披露して、ダンサー顔負けに歌って踊るサーカスの世界、
次に何が起こるのかなってワクワクするし、彼女ならやってくれる。
ビデオのほうは女優の顔が強くて、ちょっと肩透かしを食らった感じ。
変幻自在の変わり様、どんどん進歩してゆく彼女の様子をこうして年代順に振り返るのも一興か。
脂がのりまくったこれからのマドンナは、どう私たちをビックリさせるのか、まだまだ目が離せない。


『THE WHO LIVE FEATURING THE ROCK OPERA TOMMY』(1989)
噂のロックオペラ映画『トミー』を観た後だけど、今作はまたちょっと違ったストーリーをもったロックコンサート。
ほとんど同じ出演者が集まって再演したってことか?状況がよく分からないのが残念。
ザ・フーの個性は、そのまま個性的なメンバとつながっている。
彼らに必要なのは、何百万単位の観客と自由に飛びまわれる大きなステージだ。
不思議なのは、強烈なライトをドビューっと浴びても、どこか素人臭いところがかえって
自由奔放な男の子がまんま大人になってしまったロックミュージシャンといった感じで
まさに'70年代を感じさせる無軌道さ、繊細さ、純粋さまで感じる。名曲ぞろい。
偉大なバンドだけど、なぜか笑えるセサミに出てくるマペットのロックバンドみたい。
ロジャーはしきりにポーズを決めて、青い眼は信じがたいほどクールだし、
しきりにジャンプするピートは、すごくイイ声の持ち主で、その表情からは奥が読めない深さがある。
ビックリ箱みたいなバンドだな。時代の若者の心をとらえ、表現したパワーとサウンド、
フィーリングには時間の経過はあまり関係していないようだ。


『勝手にしやがれ』(1959)

監督:ジャン・リュック・ゴダール 出演:ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ ほか
もっと『俺たちに明日はない』式に2人の若い男女が無軌道に大人に反発して暴れまわる話かと思いきや、
今や伝説的なこのゴダール作品は、やはりフランス映画の永遠のテーマ「男と女」を意外に冷静に見つめて描いている。
あふれだす言葉、言葉、言葉。それが即興というのは驚かされた。
何か言葉にすればするほど、真実から遠ざかってゆくようだ。
「幸福な愛などない。不幸な愛すらないんだ」
「どうして記者になったんだ」「男から自由になれるからよ」
スカートをめくられて、ミシェルの頬にバシっと一発ビンタを食らわせるシーンは快感。
「一発ヤラせるなら車に乗せてやるよ」って男なんだもの。


『THE LATE SHOW "LIVE AT MONTEREY"』

ウッドストックもモンタレーもその全員の演奏が録画されたはずなのにどうして完全版をビデオ化しないのかしら?
年代は同じなのに、ここまで対照的なブラックミュージシャンを1つにまとめた勇気は偉い。
もっとオーティスのライブを長く見ていたかった。思い出すのはジャニスの言葉 "OTIS? Oh, my man!"
この2人は若くして死んだから伝説的なのではなく、若くして才能その他をはるかに超えてしまったからかも知れない。

▼参加アーティスト
OTIS REDDING ♪SHAKE, RESPECT, SATISFACTIO!、JIMI HENDRIX、BOB DYLAN

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notes and movies(1994.5~ part3)

2013-01-18 15:20:11 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづきで紺色のノートでラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『気狂いピエロ』(1965)

監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド ほか

「見つかった?」「なにが?」「永遠が。海が。太陽に溶けこむ」

ストーリーの細部はよく分からない。どのみち仏映は、ストーリーより流れる詩だ。
「私の運命線を見て。短いわ」「僕は君の腰の曲線が好きだ。僕の愛撫する線が」
ミュージカル映画にでもなったような長く歌うシーンはイイ。
逆に車を炎上させ、黒い煙が空気や空をいやおうなく汚してゆき、
気にもかけない男女のシーンには我慢ならなかった。

途中、画面全体を「人生」「シネマ」「ラスベガス」などとテロップでその場面を象徴させたり、
主人公の俳優にベトナム戦争でのアメリカ軍兵とベトナム女性の狂言を演らせるなど、
映画全体がとても新鮮で自由な作りになっているのがイイ。
まるで作品を貫いている純粋に美しい海と空の青さと同じ。

「信じるよ、嘘つきめ」

ここでも自由を得ようとする女は、誘惑をうながす魔女か何かのように翼をもがれるしかなかった。


『ルシアンの青春』(1973)
監督:ルイ・マル 出演:ピエール・ブレーズ ほか
ゲシュタポ
1933年、反ナチス運動の取り締まりを目的として創設された。ナチス‐ドイツの国家秘密警察。親衛隊の統轄下に置かれた。

ヌーヴェルバーグの傑作と言われる今作。『さよなら子供たち』では、
学校の子どもたちに焦点を当てた同じくナチ下のフランスを舞台にした作品だったが、
これはもっと当事者に近い若者の複雑な状況での恋愛を描いたもの。
関係が複雑で登場人物も立場上語らないため、なおのこと緊張感が伝わるが
政治や歴史に詳しくない者にはちょっと説明しにくい。
粗野ではあるが若さと無知のために嘘をつく口を持たず、悪に染まりきっていない主人公は、
最初、鳥をパチンコで殺すシーンでは好きになれなかったが、どこか憎めないところがある。
この時代もやはり女は犠牲者で、戦利品、虐げられている民族と同じく、言う口を持たず、考える意志も持てない。
特別な言葉も要らず、国境や人種の違いもない恋する男女の世界を純粋に真っ直ぐ描けるのは、
ルイ・マル自身が若く、そういう感覚をいつまでも保ち続けているためだろう。


『蘭の肉体』(1987)
監督:パトリス・シェロー 出演:シャーロット・ランプリング、ブルーノ・クレマー ほか
フランスのサスペンス映画で、ランプリングが主演だからなおのこと一筋縄じゃいかない。かなり込み入った話。
元サーカス団員で、今はプロの殺し屋の兄弟とは、仏映じゃ殺人鬼ですらどこか味わい深い。
暗い過去と謎を山ほど抱えた役を演らせればランプリングはまさにピッタリ。
男女の切羽詰ったギリギリの状況での短い関係が緊迫感たっぷりに描かれている。


『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)

監督:ロナルド・ニーム 出演:ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン ほか
パニック映画絶頂期のアメリカならではのスケールの大きさ、迫力、おそらく相当の費用と特殊技術、
フィルムが回っていないところでも、もう1つのストーリー(撮影、裏方等もろもろ)が存在しただろう。
かの『タワーリング・インフェルノ』と並ぶパニック映画の金字塔
これはもう娯楽以上に観客を引きこみ、心を動かし考えさせられるものがある。

背後から魔の手のごとくのびてくる海水、緊張の連続、素晴らしいパニック映画を観た後は
人間の生き残ろうとするすごいパワーと命の大切さ、人と人との愛情や憎しみ、
普段の生活では忘れかけていることが思い起こされる。

「神は忙しい。だから自分の力、自分の内なる神を信じ、自分で戦うことだ」
「いつか誰かが助けてくれるだろう」「祈ってさえいれば神は助けてくれる」
という人々は死を待つのみで最初から生命に対して負けていた。
助かった人々は誰かの助けより、自分たちの力で、時に補い合いながら自力で生き残ったのだといえる。
それぞれの愛する者を失い、その後の人生を続けてゆくのは生き残るゲームよりもっと大変なことだろうが。

牧師役のハックマンの役割は特に素晴らしく、この映画にしてこの俳優
作品中に何度も訪れる選択肢。それは生か死か自分が決める選択であって、
もし自分が同じ船に乗り合わせていたら・・・
きっと最初に船が逆さになったショックで死んじゃってるだろうなあ・・・


『SOSタイタニック』(1956)
監督:ロイ・ベーカー 出演:ケネス・モア、ロレンス・ネイスミス ほか
世界中にショックを与えた豪華客船の処女航海における沈没事故。
確かな原因はいまだに不明だけど、生存者の証言等の協力を得て、極力事実に忠実に再現したのが今作。
なんといっても印象に残ったのは、階級の差がなんとも大きいことだ。
労働者、富豪らの船室の違い、応対もまるで天と地の差がある。イギリスという国の縮図そのものだったわけだ。
生と死の瀬戸際にも上流階級が先、ボートに乗った婦人は「これ以上乗せないでくれ。我慢出来ない」と言った。

「人には上も下もない。命の尊さに貧富の差はない」というメッセージも強く訴えている。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にあらわれる牧師と子どものシーンを思い出さずにはいられない。
海水面に対して船首から垂直になるまで船にしがみつく者、凍るような海水に落ち、
なにか浮くものにつかまり、他人をおしのけて自分だけ助かろうと必死になる様子などはまさに地獄絵だ。
2千人中、約半数しか生き延びることができなかったという事実。
この悲劇は教訓とさまざまな思いを後世にずっと残し伝えてゆくことだろう。


『美しき諍い女』(1991)
監督:ジャック・リベット 出演:ミシェル・ピコリ、エマニュエル・ベアール ほか
1時間版を観たけど、やはり4時間版もチェックすべき。時間の工面に勇気がいるけど
諍い女=ケンカっ早い女という意味らしい。
マリアンヌに「顔を描かせるのは断ったほうがイイ」と忠告するが断られる。
なぜ顔なのか? 先日TVで写真家が「ヌードを撮っても結局は顔になる」と言っていた。
ベアールのヘア問題より、久々ジェーン・バーキンが見れることに期待した。
いつもは人騒がせな役は彼女が演っていたが、今作では画家である夫に
全身全霊吸い取られたかのような無気力に生きる妻を演じている。

今作では画家がまるで神のごとく描かれている。モデルを裸にし、人形のように扱うのは
同性として面白くないが、途中からマリアンヌ自身の動き、時間、場所で演じたのはよかった。
描かれた本人が見るべきではなかった絵とは一体何だったのだろう。
偉大な画家は大勢いるが、彼らが描き出すもの、芸術とは?その目的とは?
大きすぎる疑問が残った。その疑問を問いかけているという点では観てよかった。


『グランド・ツアー』(1991)
監督:デヴィッド・トゥーヒー 出演:ジェフ・ダニエルズ ほか
未来の観光者は、町に巨大隕石が落下する瞬間を見に来た「災害見物ツアー」客だった。
雪の上を駆ける馬の美しいシーンから、一瞬で悲劇になるシーンは鮮やかだが恐ろしい。
いくつもの流れ星が落ちる景色も美というよりどこか異常。
「もしあの場所、あの時間に居合わせなかったら?!」被害者なら誰しも思うことだろう。
事故や病気だけでなく感情まで失ってしまった今作の未来世界は、
どうやらそれほど「グランド(ステキ)」ではなさそうだ。
自然災害や文明がもたらす災いの悲劇は、悲惨極まるものだが、
それにも「バランスをとる」というプラス面もあるのかも知れない



【読書感想メモ】
「シンデレラ・コンプレックス」コレット・ダウリング


【歌詞をメモした曲】
♪Where do we go from here?/J.R.Robertson
♪4% Pantomime/J.R.Robertson, V.Morrison
♪Stage Fright/J.R.Robertson
♪Across the Great Divide/J.R.Robertson
♪It makes no difference/J.R.Robertson
♪AMERICA/P.Simon
♪The only living boy in New York/P.Simon

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海外ドラマ『ヘイヴン』(全13話)

2013-01-17 23:40:21 | ドラマ
海外ドラマ『ヘイヴン』(全13話)
出演:エミリー・ローズ、ルーカス・ブライアント、エリック・バルフォー、ニコラス・キャンベル ほか

haven opening theme

有能なFBI特別捜査官オードリー・パーカーは、ボスから「脱獄囚を探して来い」と命令を受けて、
メイン州にある小さな港町ヘイヴンを訪ねる。
そこには通常では考えられない超自然事件が毎日のように起こり、
人々はそれを「災い」と呼んで恐れていた。。

スティーヴン・キング原作の小説「コロラド・キッド」をベースにしたテレビドラマシリーズ。
前回観た『キングダム・ホスピタル』もかなり面白かったけど、
今回も不可解な事件が毎回起こってわたし好みど真ん中/嬉
まだまだ知らないキング作品があるんだなあ!
灯台の景色が素晴らしく綺麗



▼あらすじ(ネタバレ注意
【Episode 1 安息の地】

突然の霧、雹などの異常気象がたて続けに起こる。
どんな痛みも感じない地元の警察官ネイサン。父は署長。
ネイサンが忌み嫌う密輸などで暮らしている男デューク
2人の高齢の記者が弥次さん喜多さんみたいで笑える
住民みんながスペックホルダーみたいな町だな/驚

孤児だったオードリーにソックリな女性が、「コロラド・キッド」と呼ばれる
25年前にヘイヴンで起きた殺人事件に関わっていたことが分かり、
2人の記者や署長らも関係したのになぜか詳細は教えてくれない。
オードリーは母かもしれないこの女性を調べるためにこの地に滞在する。
てか、この町の道路、すぐ崩れすぎ
(ボスが電話していた相手は誰?


【Episode 2 蝶の前触れ
教会の庭にあった巨大な石の球のオブジェが、ひとりでに転がって居酒屋をメチャクチャに壊す事件が発生。
牧師のエドは元アル中で、娘のハンナが居酒屋でバイトしたことに怒っていた。
養子に迎えたボビーは、両親の交通事故死が自分のせいだと責めている。

ネイサンは「災いがまた起こっている。こんどは去らないかもしれない」と洩らす。
「君には先入観を持たずにものを見る力がある。この町を救えるかもしれない」
署長は母親探しを手伝うことを交換条件にここで働かないかとオードリーに滞在を勧める。
ヘイヴンはパンケーキが美味しいのか(『ツイン・ピークス』はパイだったっけ?


【Episode 3 ハーモニー】
精神療養所で普段はとても穏やかな所長が暴れだした。患者に与えるクスリを吸引したせいなのか?
逆に、患者たちは入院していたことが嘘のように以前の状態に戻っていた。
入院していた妻で音楽家のリリーが元に戻ったことに、夫レイは喜んだが・・・

患者の証言からオードリーの母の名はルーシーと分かる。


【Episode 4 セカンド・チャンス】
マーケットに行ったオードリーの目の前で新鮮だった食材がどんどん腐ってゆく様子を目撃する。
自分の腕に自信を持つ料理人の弟ジェフと、兄のビル兄弟が、父から譲り受けたレストランを開業する前日の出来事だった。
2人に恨みをもつ人間の仕業か・・・?

いきなり食中毒シーンで凹む・・・牛さんまで死んで腐ってしまうし/薄目&涙目
鳥が落ちてくるシーンでは、ヒッチコック映画『鳥』つながりのセリフもあり


【Episode 5 パートナー】
2人の記者が海釣りをしていて、船に隠された老人の死体を発見した。
オードリーが捜査に来た時、腐敗より先に老化が進んでいるという不思議な現象が起こる。
「さっきより死んでるんだ(He's...deader!!)」てセリフが可笑しい。

原題の「Ball and Chain」はジャニスの曲のタイトルにもある。
オードリーとの夕食をすっぽかされたデュークも罠にかかって
みるみる老化が進んでゆくメイクが凄かった
ストーリーがとっても切なかったよ、キングさん/涙


【Episode 6 ハンティング】
狩猟で殺された動物たちが、撃った相手に怒って襲いかかったとしても、
狩猟クラブのメンバには同情しかねるなぁ・・・
独特のアクセントで話す動物愛護家ジェスとネイサンがいい感じに(ネイサンてモテるのね
検死官の女性カーさんがカッチョいい。オードリーの母親探しにも協力すると言ってくれた。
ネイサン「人と違うからといって劣っているとは限らない」
カー「あなたに出来ることをするの。それで世界は回る」


【Episode 7 悪意】
絵を描くと現実化してしまう!いろんなキテレツなアイデアを次々出してくるなあ!
顔がなくなっちゃうのは怖すぎる
ネイサンの意外な趣味がデコパージュと分かる。

デコパージュ
紙に描かれた絵を切り抜いてモチーフをつくり、家具などに張付けて上からニスを塗って仕上げる。
17世紀にイタリアの家具職人が日本の漆工芸をまねて作ったのが始まりと言われている。


【Episode 8 ダークマン】
なんだか『X-FILES』みたいになってきた。
"spit it out!!!"
「思ってることを吐き出しちゃいなさいよ。じゃなきゃ、何を考えてるか分からないわ」
うん。親密な関係を作るには、まずたくさん腹の内を話し合うのが第一歩だね。

ネイサンはオードリーの親愛のキスを“感じる”ことができて戸惑う。


【Episode 9 カメレオン】
孤島に建つ古めかしい館のロケ地スゴイ
これだけで1本の映画にしてもいいくらいのストーリーだったv
オードリーのサプライズ誕生日パーティーのうち誰かがカメレオンマン(殺人鬼)。

デュークはコロラドキッドの写真に写っていた少年だった!


【Episode 10 運命】
デュークは見かけによらず?禅や瞑想など仏陀の影響を受けてるのが意外。
デューク「仏陀いわく、期待は苦痛を生む」
オードリー「その引用こそ苦痛よ」("Buddha at me"
て、このドラマのセリフは粋で面白い言い回しが多い

コロラド・キッドの写真に写っているデュークのシッターだったバネッサは、
人が死ぬ寸前のイメージを見て、痛みを伴うというスペックがある。
デュークが謎のタトゥーをした手によって殺されると予言される。
25年前のシッターにしては若すぎやしないかい?


【Episode 11 思惑】
マインドリーダーの話。デュークがパンツ一丁になるシーンはファンサービスかな?
デュークが急に「コンニチワ、カツノサン」「ドウモアリガトウ」って日本語喋ってた/驚
一体誰と何の荷物を運ぶ取引をしているのやら・・・?
オードリーはFBIを辞めて町に残る決心をする。


【Episode 12 ルーシーの正体】

沈没した船が発見され、船主アンディの死体があがる。
沈没の原因とされていたジェームスの家族は村八分状態だったため、家を売って引っ越そうとしていたが・・・


【Episode 13 迷宮】Spiral
25年前のコロラド・キッド事件の犯人マックスが仮出所して町に戻ってきた。
記者のデコボココンビの弟ビンスは、当時、彼と闘って勝ったのか

第1話と同様にもう1人のオードリー・パーカーが登場して、シーズン2へ!ヤラれた・・・
これは早く2を見なきゃ。後半はまだ新作扱いだったけど。

Episode 12のラストと、13の最初に流れた曲が良かった。
この先の展開も暗示しているような歌詞。



Stuck in a Glass Elevator/The Myriad
 もし走れば この場所から 抜け出す道が見つかるかもしれない
 もし走れば 分かるかもしれない
 道があることが 抜け出すための
 ついにガラスは割れ 粉々に飛び散るだろう
 ついにガラスは割れ ついに僕たちは抜け出せるだろう

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インナーチャイルド

2013-01-17 23:32:22 | 日記
年明け初のクリニック。
朝は8時に起きて朝食、あさイチ見て、
阪神淡路大震災から18年目ということで、頑張っているボランティアの子どもの映像で泣いた。
まだまだ震災の映像や、復興の話ですら見ているのが辛すぎる。

それからまた強烈な眠気が襲ってきて二度寝。
クスリを飲んでも、2時、4時、5時、6時と小刻みにユメを見ては起きる繰り返しで、
ぐっすり眠れない。昨夜クスリを飲み忘れたような気もする。

クスリを数えたらまだ1週間分の余裕があったから、
今日のクリニックは休もうかどうかギリギリまで悩んだけど、
とりあえず外には出てみようとロキソニンを飲んで準備する。
眩暈の時は、いつも首の凝りからくる偏頭痛、吐き気などが伴うから。

起きている間、リラックスしている時、寝ていても、
とにかく、常に肩から首全体にいつも物凄い力が入っていることに最近気づいた。
意識して深呼吸しながら緩めて初めて力が入っていることに気づく感じ。
2度、3度、深呼吸して、段階的に緩めなきゃならないくらい、芯から自然と力が入っていて自分でも驚く。


フラフラと外に出て、メガネをかけているのも辛いから取って、
駅のホームまで歩いてみたものの、
このまま電車に乗ってクリニックまでたどり着ける気がしない。
たとえたどり着けても、冷静に状況を話すことは出来ないと思われ、
その時点でやっと電話をかけて、1週間予約を延ばしてもらった。

自分がどうしたいか、感情に気づくだけでもひと苦労する。

やっとの思いで家に帰って、さっき着た服をまた脱ぎながら、
無力感でいっぱいになって、子どもみたいに泣いた。

今泣いているのは、きっとわたしの中の内なる子どもだ
そういえば、小さい頃はしょっちゅう泣いてばかりいて、
兄から「泣けばいいってもんじゃないんだぞ!」て怒られてばかりいたっけ。


自分の感情に気づいて、コントロールする。
こんなシンプルなことが、これまで分からずに生きてきたんだ。
せいぜい気が済むまで泣けたら、自己憐憫の先にあるものを見てみたい。

それまでは、泣ける時に思い切り泣いておくのも悪くないだろう。

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『戻ってきたアミ小さな宇宙人』

2013-01-16 15:51:26 | 
『戻ってきたアミ小さな宇宙人 惑星へ、魂の恋人を求めて』(徳間書店)
エンリケ・バリオス/著 石原彰ニ/訳 斎藤美樹/装画


世界を愛と平和で満たそうとしている人たちみんなにぜひ、いま読んで欲しい1冊。


先日書いた『アミ小さな宇宙人』の続編。
図書館で借りたら、さくらももこさんのイラストじゃなくて
旧版だったからちょっとガッカリしたけど、
自分の中で少女ビンカはどんな感じか、ももこさん風に想像しながら読んでみたw


▼あらすじ
アミに言われたとおり、子ども向けの物語りとしてアミとの体験を本に書いたペドリード。
書くのを手伝ってくれた従兄のビクトルが、小説としてならともかく、
現実としてはまったく信じてくれなかったため、ペドリードは、なんとか証拠を見せようとして、
前回の旅の終わりに海岸に刻まれた友愛のマークを確かめに海へ行こうと言い出す。

乗り気でなかった従兄も、本気で言うペドリードがさすがに心配になって、
彼を納得させるために海に連れていく。。


今作では、もう1人、ビンカという少女が加わって、前回の旅よりもう一段階上の学びの旅が始まる。
それは、内的存在=神性=愛について。
アミの両親にも会うし、地球救済計画の司令官にも会う。

読んでいるうちに、わたしの大好きな映画『MADE IN HEAVEN』や、
眉村卓さんのSF小説などが思い浮かんできた。
皆それぞれ表現方法に違いはあれど、同じメッセージを伝えようとしていたのではないだろうか?

現代なら、映画や本だけじゃなく、SNSなどを通じて、
世界中を一瞬で結ぶことができるツールもあるんだから、
科学やアイデアの進歩が、先進国・発展国の境を越えて
地球という1個の生命体に暮らす仲間同士として、
お互いをリアルタイムで認識し、コミュニケートできるようになれたんだ。
それを世界平和に役立てる可能性があるんじゃないかと思った。


【内容の抜粋メモ】
またまた毎ページごとにフセンだらけになってしまったから、
ここに書けるだけの分量に制限して載せることにした
ぜひ、本シリーズを第1巻から手にとって読んでくださいませ/願

平和と幸福のための3つの基本条件
1.愛が宇宙の基本法であることを知ること。
2.国境によってバラバラに分裂している世界を、ただった一つの国に統一すること。
3.愛がすべての世界機構の根本となっていること。

いとこのビクトルはしつこく何度も聞いてきて、夢ではなく現実であることの証拠を求めてきた。p17
「現実と空想をごっちゃにしてもらっては困るんだ。精神病院に入れられちゃうよ」p20


双子の魂
「何度も一緒になったり分かれたりして、その都度お互いを探し合い、そのたびに出会うようになるんだ。
 そうした何度もの出会いの後でバラ色の世界に住むようになるんだ。
 そして、最後には2人は合体して一つの存在となる。そうなったら完全だ。
 今はまだお互いに一つの存在の半分でいる。離れながら進歩していくんだ」p171

「未開世界では双子の魂同士で結婚するというのは究めて稀だ。
 離婚は当たり前のことだし、不貞をしたり、一生の間に何度も結婚したりする。」p215


エゴイズム
「多くの人が自分自身のことを素晴らしい人だと思いこんでいるんだよ。
 自分の持っているいくつかの欠点をまったく直視することができないでいる。
 でも自分では気がつかないその欠点を、まさに他人の中に見出すと、
 その人を人一倍激しく非難するということがいつも起こるんだよ。」p67

「ある程度までの水準の人生において、エゴは一種の“救命具”のような保護者的な役目をしている。
 でももし、もっと上の水準に進歩したければ、まず、一人で泳ぐことを学ばなければならない。
 つまり、宇宙の法にのっとって生きることを学ぶということだよ。もし愛とともに生きていけるなら、他には何も必要じゃない。」p68

「自己防衛の反応というのは、中傷、不正、侮辱、非難」


地球の地下深くでは、“親交世界”の人たちによって、大地震の振動を減少させる“救済計画”が行われていた。
そして、その司令官に会うペドリードとビンカ。


「近い将来、君たちの惑星には、いくつもの大変なことが起こり始めるよ。
 地質や気象・生物界の大きな変化、大異変や疫病、数百万人が感染して苦しむ新しい病気が生まれる。
 ある程度の内的純潔さを保っていれば大丈夫だけど」p75
(もうほとんど起こっているよな・・・

「文学や音楽、映画やその他いろいろな文化的な表現にもインスピレーションを与えている。
 これは意識変革のための一つの愛の種であり“大きな出会い”のための準備でもあるんだ」p94

頭というのは、ちょうどおしゃべり好きのオウムのようなもので、ほんの一瞬たりとも沈黙できないんだ。
 意味のあることをめったに言うわけじゃないくせに、たえず話し続けることを促す。
 ここにいる人たちは、現実をもっとずっと正確に知覚しているんだ。
 それほど頭は使わずにもっと上の、別の機能を使っているんだ」p99

「もし、自然のままに一度に全部のエネルギーが放出されたら、とんでもない大震災になりかねない。
 小さな地震を何ヶ月にもわたって繰り返すことで少しずつエネルギーを放出しているんだ。
 それでもすべての大地震を避けられるわけではない。大都市のような人口密集地帯では、
 小さな地震を起こしながら、もっとも人口が少なくなる時間帯に大地震が起きるように調節することで、
 少しでもその被害を小さくするようにしているんだ」p106

「“大人”は因襲的な考えや皆に受け入れられたことや、
 その時々に支配的な理論や流行、習慣にそれらが一致していないというだけの理由でいとも簡単に拒絶してしまうんだ。」p110


ビンカの住む惑星キアの山にこもった老人クラトに会いに行き、さまざまなフシギな動物を見る。


「ある段階にいる人が、その上の段階に上がれるように手助けできるのは、すぐ上の段階にいる人たちだ。
 まだ自分が低いレベルにいるにもかかわらず、司令官のような高い次元の師や、神自身を要求して、
 自分より1段階、あるいはもっと上の段階にいる人を平気で軽蔑する人が少なくない」p123


宗教の違いについて
「名前にはとても気をつけなくちゃいけない。それは混乱を引き起こす元だからね。
 ある師はある地域ではとても崇められている。でも別のところでは別の師が崇められている。それが宗教戦争を生み出すんだ」

「すべての太陽の光はみな同じように輝いて闇を照らしている。みな同じ光源から出てね

「ある時、ある人が叡智におり天啓を得る。そうするとその人は偉大な師に変貌する。
 なぜなら太陽の精神の教えを伝えるからだ。そうやって1つの宗教が生まれる。
 何千年かたって人類はいくらか進歩する。別の教訓が必要になってくる。
 そして別の人が同じ精神によって天啓を得る。こうやって新しい師と新しい宗教が生まれる。
 でも、すべての宗教に霊感を与えているのは同じ精神なんだよ。
 新たにその進歩と人類の必要に応じて、別の教訓を広めるために別の人が選ばれる。
 そして、人々はその名前に混乱をきたし、宗教戦争を引き起こすまでに至る。
 でも、それがすべて愛であるその偉大な精神と、愛によって道を照らすために送られてきた師を
 どれほど深く傷つけるかということをまったく理解できないでいるんだ」

「宗教的な分裂は国境やイデオロギーの分裂と同じように、あるいはそれ以上にとても危険なものなんだよ。
 宗教の意味が愛を実践することだということがはっきりと理解できないでいる限り、
 宗教や師の名を張り合ったところで何も得るものなんかないんだ」p126


アミは未開世界の人たちを「ネクロファゴ=死骸を食べる人」と呼ぶ。
「ぼくはすべての動物の友だちなんだよ 」p135
(いいなあ


「自分のあるべき水準で行動していないんだよ。
 だから、何かをしたり考えたりするたびに、懲らしめを受けて苦しむことになるんだよ。
 反対に君があるがままの自分自身のよい部分に従って行動すれば、君の人生はいつも天国そのものになるよ」

本当の自分自身になることで充分なんだよ。手に入れなくちゃならないのはそれなんだ」p141

「彼らのような意識の水準の低い人のほうがずっと暗示や催眠にかかりやすいんだよ。
 だから、宣伝やコマーシャルはそういう人たちに対して、計り知れないような大きな効果があるんだ。」p148

自身に対する愛は、自分の幸福を探すことにつながる。
 他人に対しての愛は、他人に奉仕すること、他人の幸福のために働くことにつながる。
 この2つの力は、お互いにバランスがとれているべきなんだ」p151


クラトの書いた羊皮紙の文章→愛を手に入れる法


執着心
「進歩するということには、執着を乗り越えることを学ぶということも含まれているんだ。
 だって精神はいつも自由を求めているからね。
 本当の愛は執着とは違うんだよ。お互いに束縛し合ったりなんかしないんだ。
 本当に愛し合っている人は、いつも一緒にいる必要はない」p179


自滅した惑星の録画映像を見る2人。山にこもっていたグループも宇宙船に見捨てられた。

「残念なことだけど逃げ出した人たちというのは、“よい種”ではないんだ。
 もし、仮に新しい世界に住むチャンスを与えられたとしても、彼らは人々に奉仕したり協力したりする行動はとらないよ。
 彼らには愛が不足しているんだ。エゴイズムによって逃げるという行為に走ってしまったんだよ。
 健康な生活とか心身の浄化とか精神の進歩とかいった名目にカモフラージュされたエゴだ。
 自分の健康が第一だといって、感染するのをおそれ病院を逃げ出す医者のようなものだよ。可哀想なのは病人のほうだ」p183


 世界統一をなしとげた星も見る

「世界的な規模の経済恐慌、おびただしい数の核実験や環境汚染、地下資源の過剰乱開発、生態系のアンバランス、
 気候の異変が農産物を冒し、新しい伝染病、ペスト、疫病、世界各地でたくさんの戦争、
 社会システムの対立が原因で引き起こされた戦争、国境をめぐる戦争、異なった宗教間の戦争、
 すべてのお金が戦争につぎこまれ、飢餓や貧困、恐怖がいたるところに生み出され、
 人々はもううんざりしていたんだよ。そんな世の中にね。」


永遠の命・不老不死
「一度、ある未開世界がそれを脱して“親交世界”に入ると、その人たちは永遠に生き続けられるんだよ」
「われわれの科学と精神界における発見が、細胞の老化を食い止めることを可能にしたんだ。
 “親交世界”に入れば、その知識すべてを受け取ることができるからね」p189

「すべての人が永遠に自分の細胞が老化しないことを望んでいるわけではないんだ。
 中には他の人よりも早く進歩する人もいる。そうなると今で住んでいた世界が小さくなるんだ。
 もっと上の世界に行かなければならない。それには今まで使っていた身体を返さなければならない。
 古い身体がもう使えなくなるまで老化させる必要があるんだよ」

(現世ではいい人が早く亡くなってしまう。それは、もしかしたら、
 この世がその人のレベルには小さくなってしまって、上の水準に生まれ変わるタイミングだったからじゃないのかな?
 なんだかこの辺も、もといた星に戻るために毒蛇に噛まれて死ぬ運命を選んだ『星の王子さま』とリンクした。

「ただ状態の変化があるだけで、魂は永遠なんだ。
 未開文明の人たちは前世の記憶を維持したまま肉体が変わるということを許されていない。
 それが“死”という幻想を生み出すんだ」p191


アミの惑星、銀河人形へ行き、両親を紹介される
シロクマの身体の中に宇宙船が入っていったり、3Dの映像がすぐそばを通ったり、
なんだかネズミーワールドみたいな惑星だな

「宇宙とは神の想像による創造なんだ。それは芸術であり、一種の遊びだよ。
 人生とは遊びのルールの本当の意味を魂が正しくとらえることができるようになるまで学び続けていくことなんだ。」p203


「愛は宇宙でもっとも古いものだ。それなのに愛とは感情的な、センチメンタルなことであり、
 人間の弱さであり、愛を云々するのはバカのすることであると思っている人は数えきれないほどたくさんいる。
 人間にとって本当によいことは、知能や理論、物質的収益やずる賢さ、肉体的な強さのほうにあると思いこんでいる。」

「ライバル意識、混乱、毒虫、蜘蛛、ヘビ、拷問、銃、原子エネルギー、破壊された自然、汚染された環境、
 餓死する人たち、現状を理解できずに眠っている人たち、愛に関してほとんど無知な知識人たち・・・
 これらは有史以前のものだよ」

「戦争や不正を生み出し、それを許しているのは神ではなく、君たち自身だよ。
 神は何もしないよ、何かしなくてはならないのはぼくたちのほうだ


「いつも人々は自身の外部ばかりを見ようとしている。けして内部を見ようとしないんだ。
 いつも、自分に起こるよくないことの責任や原因が必ず“ほかの人”にあると思い込んでしまう。
 でも自分の運命を仕組んでいるのは、自分の中の“存在”なんだよ」

「愛は誰も軽蔑なんかしないよ。たとえ精神的な虚栄心を持っている人でもね。愛は理解力があるんだ。
 ちょうど親が子どもの小さな欠点を非難しないのと同じようにね。
 もし他人の非難すべき欠点を“克服できる欠点”と見ることができる時、君はもうきれいな身になっているよ」p221


文明世界の水準
「第一レベルの世界ではまだ生命が誕生していない。
 第二レベルは生命は誕生しているけど、人類はいない。
 第三レベルになって人類が現れる。これが今、君たちのいる世界だ。
 第四レベルでは、人類は統一されて1つの大きな家族をつくり、宇宙の原理に沿って皆で生きていく。」p222

「ある人たちはその試練をくぐりぬけることができるけど、別の人たちには、くぐりぬけられないようにできている。
 それは1つの選択であり、淘汰なんだよ」


恐竜が滅びた理由
「牙や筋肉は強かった。でも、知性のほうがそれよりも優れているからね。
 人類は肉体的にはずっと弱かったけれど、知性においてずっと勝っていた。強いほうが生き延びたんだ。
 今度は、知性よりも強いものが生き延びるよ。精神の力さ。愛だよ。」p224


“内的存在”=神性
3人は宇宙船の中の瞑想室でその存在と一体化する。

ぼくの頭にはもうたった一つの疑問さえもよぎらなかった。なぜなら、その時ぼくはすべての答えを握っていたのだから。
ぼくの中心には、幸福に満ちた大きな平静さと、あふれるほどの叡智があった。そこに、ぼくの平穏があった。
長い時間を経てみれば、苦悩も一つの教えであり、清めであり、過ちの結果であり、そして強くなるための試練でもあった。
苦悩とは、何かを忘れていることが原因だったということが、はっきり分かった。

「(偽りの愛ではなく)それも愛なんだよ。ただ低い度数の愛なんだ。われわれはそれを執着と呼んでいる。
 執着ゆえに、盗んだり、嘘をついたり、殺したりする。生き抜きたいというのは1つの愛の形だ。
 でも、ただ自身や家族、小さなグループや自分の属している団体、党、派閥に対してのみだ。
 そういった生き方のせいで、すべての人たちが命を失う寸前なんだ」

「執着とは制限された愛のことだ。でも本当の愛に制限はない」


次の旅は、第三世界の下に第四段階の文明がある!
(ジュール・ヴェルヌみたい


「世界から武器をなくすだけで、世界中の飢餓や苦悩を解消できるということを夢にすら思い描いたこともない。
 君たちの世界がたった15日間に使う軍備費だけで、世界中の人の食料がどのくらいまかなえるか知ってる?
 たった15日間の軍備費で、世界中の人口の全部の人が何年も充分に食べていけるんだ

「巨額な出費は“科学計画”なとといった名目にカモフラージュされているものの、
 その最終目的は敵を支配しようとするものだからね。
 もし武器や兵器にお金をまったく使わないとしたら、飢える人は一人もいなくなるどころか、
 すべての人が大金持ちのような生活ができるんだ。すべての人がだ!
 誰も飢えや寒さを心配する必要もなければ、いつも充分な数の快適な病院があり、貧しい国も富んだ国もなくなる。
 すべての人がみな王様のようだよ。
 そのうえ、自分たちの子どもの未来に何の恐怖も抱かずに、安心して眠れるんだ」p244

「だって、富んだ大国が貧しい国を食いものにしているからね」

「君たちの本はね、警告や叫びなんだよ。
 だからこの仕事は、諦めて手を引く人が多ければ多いほど、それだけ危険度も高まっていくんだよ。
 君の参加・不参加が、このバランスの傾きを左右するだろう。
 君の惑星の運命はこの本を読んでいる君の行動次第だろう。君が君の惑星のすべての運命の決定を下すことになるだろう」

もし大人が“愛が宇宙の基本法だ”などと聞いたら、身をよじって笑い出すであろうことは目に見えている。
彼らの前では真実とか感情のデリケートな部分のことといった深刻な話はしないほうがいいんだ。


ビンカとアミと別れて、地球に戻ったペドリード。
ビクトルは象を見て怯えるが、それを夢だと誤魔化す。

大人たちの嘲笑や武器や“そんなこと無理だよ”のセリフは、大人たちに任せておけばいい。
子どものハートを持ったぼくたちは、あのクマバチのようになろう。
あの丸々太った重い身体に小さな羽根じゃ、航空力学の常識からすると、けして飛ぶことができないという。
それは“科学的に実証されている”。でも、無知な虫けらは、無分別に、そして大胆に大空に身を投げる。
そしてすべての蜂の中で、もっとも上手に空を飛ぶという。
ひと握りの“クマバチ”の精神で、小さな子どもは断崖から落ちずにすむ。


【訳者あとがきメモ】
天文学者カール・セーガン、天文物理学者イォセフ・スコロボスキーらは断言している。
「われわれの住んでいる銀河系宇宙の中には
 地球と同じように進んだ文明が少なくとも百万は存在していることはほぼ間違いないだろう」

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クオッカ

2013-01-15 23:55:55 | 日記
都内に初雪が降った翌日のカウンセリング。
クルマが通ったあとにできた轍が凍ってとっても滑りやすいのに、
ハイヒールを履いて歩いている女子が必ずいるのは一体どんな事情があるんだろう???

今回は、前回ブランクだった高校の時の思い出や、
こないだ読んでとても共感を覚えた『10代のセルフケア3 共依存かもしれない』を持っていって、
共依存、機能不全家族について話して、
もし自分がそうだとして、それを乗り越えるにはやはり、
過去を振り返って納得する必要があるという結論に達した。
一連のプロセスを経ることは大事だと思うから。

同時に、自分がそうなるに至った理由が母親の共依存性にあるとするなら、
母はどうしてそうなったか、またその親をたどる必要もある。
そして、相手が親であれ、友、会社の同僚、親しい人、他人であっても、
自分が傷つくことなく、不快な感情を伝えるにはどうしたらよいかを学ぶ必要がある気もした。


その後、auで入荷した電池パックを入れてもらって、
レンタル屋、図書館等に寄ってから帰った。


翌朝の「あさイチ」で取り上げてた「悪質なマルチ商法」などにひっかからないようにする方法の中でも、
ママ友や同僚という社会の切れない関係性の中で上手に断る方法が紹介されたりしててリンクする部分も多かった。
つまり、自分の心の中で「ノー」なら、返事を先延ばししても、この先も「ノー」だから
早い段階ではっきりと意思表示するのが双方のため
その程度で壊れる関係なら、早いうちに分かったほうがよい。
むしろ、新しい環境、新しい関係を築くことが大事とのこと。

ゆうべ19時頃、テンプから仕事の紹介の電話がきて、
一応、校正と入力メインではあるけど、編集全般の補助、しかも長期ってことで、
「有難い話ではあるけれども、ちょっと今の体調では長期はムリ。迷惑をかけることにもなりかねないので」
と断ってしまったことに罪悪感を感じて凹んだけれども
たとえ相手の要求を断っても罪悪感や自己否定感を感じる必要はないんだって後で思い直した。

ものごとにはタイミングがある。
自分が準備ができたと感じた時がその時だと思うことにする。

しかし、「被害回復型詐欺」って凄いなあ・・・借金で首が回らなくなってる人をカモにするなんて
個人情報が「カモリスト」なんて呼ばれてフツーに出回っていたり、
「絵師」といわれる人物が、まず販売者の女性らをイケメン担当者や暗黙のノルマを決めるリーダーを使って操り、
その販売者が詐欺の手口を学んで、断れない人たちからお金をとるってシステムが出来上がっているって/驚

それもまた、ヒトの虚栄心、物欲などを学ぶ教訓になるんだろうけれども。。


意外と象好きシリーズ(その3)
意外と象好き(その2)を書いてから随分経ってしまったコーナーのつづき

【象はんこ】

友だちが京都?に行った時のお土産。
はんこ可愛い!ここまで精巧なデザインは、なかなか自作できないからね/礼

【象のメモ帳】

母親からもらった海外土産。
わたしは光ものはじめ、女性が海外に行くと必ず買うような化粧品やバッグ類など、
とにかく女子的なモノには興味がないため、「いつも、お土産に何を買って行ったらいいか迷う」と言われる
で、さんざん迷った末に文房具になったってわけ。手ですいた感じの紙の手触りがイイ

とりあえず、家の中の象的な雑貨はこのへんで終わりかな。


最初の画像は可愛いクオッカさん
プーさんもそうだけど、短い手が前に下がってる系に弱いかもw


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