谷村新司の番組「地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~」
100年後の日本に残したい「歌遺産」を、毎回 新発見・再発見していく
というゲストを迎えて、さまざまな歌とトークで紡ぐ。
という番組もある。
遊佐未森とは直接関係ないけれど、こうした魅力的な歌が自然と或いは意図的に引き継がれていくのも
歌の要素なんだろうけれど、歌詞がいつまで同時的な感情を呼び起こすのかは不明だ。
言葉は変わっていく。
しかし、言葉を超えて伝わるものもある。
この番組の第10回目のゲストであった徳永英明の回を見ていた。
谷村新司が「レニー・ブルー」のコーラスを自ら編曲してリハでぶつけて歌うというシーンはチンペイさんらしいなあと思った。
その徳永英明がカヴァー集『VOCALIST』を2005年から10年間 合計6枚発表してきた。
「さよならの向こう側」という山口百恵の引退ライヴでの曲を最後に、このシリーズを一旦終わりにするとのこと。
さて、遊佐未森さんのアルバム『檸檬』
■オリジナル発売日:2003年7月10日(TOCT-24813)
■大正から昭和初期の戦前歌謡の名曲を歌い継いだ、遊佐未森初のカヴァー・アルバム。
■自身の音楽的ルーツを集大成した企画で、洋楽曲がジャズ・ソングと呼ばれていた時代のポップス曲「小さな喫茶店」
カヴァー・アルバムとしては、もう一枚、『スヰート檸檬』もあり、こちらも気になっています。
01青空
「MY BLUE HEAVEN」が原曲
1928年
ボサ・ノヴァっぽい間奏
02月がとっても青いから
1955年 菅原都々子 彼女の父の作曲
遊佐未森の声だけで構成されていて美しい
03南の花嫁さん
1942年 高峰三枝子
ミッドウェー海戦の頃のヒット曲
南国ムード
04アラビアの唄
1曲目の「青空」のカップリング曲
フォーンが1曲目と同様、ジャズっぽくしている感じもある。
異国情緒を演出してるんだろうけど、アラビアっぽさは感じない。
ギターは清水ひろたか
05ゴンドラの唄
1915年 松井須磨子
島村抱月・松井須磨子夫妻が結成した劇団「芸術座」が上演した「その前夜」の劇中歌
いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱き唇 褪せぬ間に
名曲だと思う。遊佐未森が甦らせている。
06小さな喫茶店
1935年 中野忠晴
ドイツ生まれのコンチネンタル・タンゴ
当時、恋人が喫茶店でデートすることが流行ったとのこと。
喫茶店で向き合って、ひとことも喋らず
ラジオから流れてくる甘い歌を優しく歌っていたけれど
二人はただ黙って向き合っていた
という時を回想する。
バンドネオンがその雰囲気を出している。
07夜来香 (イエライシャン)
1950年 李香蘭
中国風味のスロー・ルンバ
イントロの演奏が、昔の曲っぽい演出していて面白い。
08蘇州夜曲
1940年 渡辺はま子
霧島昇・渡辺はま子として二人で歌っているのがオリジナル。
李香蘭も映画「シナの夜」の劇中で歌っている。
09森の小径
1940年 灰田勝彦
これも遊佐未森の声だけで構成されていて、美しい。