穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

フッサール教授の「感情符号論」論難

2016-04-07 08:49:40 | フッサール

「現象学の理念」92頁に感情符号論という言葉がある。これって何ですか、訳者殿。初心者のために注を付けて欲しかった。

 ロックやヒュームの言葉ですかね。どうも19−20世紀の交わりの頃に盛んだった心理主義的論理学の言葉と推測しますが。2+2が5ではなくて4であるという明証性は感情に裏打ちされているということらしい(確かではありません)。

フッサール教授は例によってこの説を罵倒しているわけでありますが。

話は変わりますが、長谷川氏の後書きによると、この本のキモは講義3と講義4らしい。講義4と講義5はどうも舌足らずだという。前述の「感情符号論」は講義4に出て来ます。

たしかに、どうにか我慢して読んでいたが、講義4で「もういいや」という気持ちになりました。講義5まで読むかどうか。この連載もやめるかもしれません。

その前にフッサール教授の「超越的」という言葉の使いかたについて次回ふれたいと思います。どうも逆の意味に使っているらしいのです。もっとも、「超越的」という言葉はカテゴリーで言えば『相互関係』ですから、観点を移せば反対に使っても一向にかまわない訳ですが。